戸井田三郎の発言 (社会労働委員会)
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○戸井田委員 私どもは、老人保健法等の一部を改正する法律案の審査に資するため、大阪府に赴き、現地において各界の代表から意見を聴取いたしてまいりましたので、この際、私から御報告申し上げます。
派遣委員は、堀内光雄君を団長として、長野祐也君、丹羽雄哉君、浜田卓二郎君、池端清一君、沼川洋一君、田中慶秋君、持永和見君、村山富市君、浦井洋君、それに私を加えた十一名であります。
現地における会議は、昨日午後一時より午後三時まで、大阪厚生年金会館会議室において開催し、まず堀内団長から、派遣委員及び意見陳述者の紹介並びに議事運営の順序等を含めてあいさつを行った後、大阪府立大学経済学部教授大野吉輝君、阪南中央病院医師中田成慶君、兵庫県加東郡社町長石古勲君、全日本労働総同盟大阪地方同盟副書記長岡田元弘君の四名の方から参考意見を聴取いたしました。
陳述者の意見は、大野君、石古君よりは賛成、中田君、岡田君よりは反対の意見が述べられました。
改正案に対する賛成の二君からは、今後の本格的な高齢化社会に備えて、世代間の負担の公平を図ることにより、国民が安心して老後を託せる老人保健制度を長期的に安定させるという観点から、改正案は大筋において賛成である。
改正案の内容については、まず、老人医療費を適正なものとし、今後急増すると予想される寝たきり老人等の要介護老人に対し、保健、医療、福祉を通じた総合的な施策を進めるために、応分の一部負担の引き上げ及び加入者按分率の見直しを行い、各医療保険制度間で負担の公平化を図るとともに、医療サービスと生活サービスをあわせ持つ老人保健施設制度を創設することは、要介護老人の多様なニーズにこたえる福祉対策の実現であり、賛成である旨の意見が述べられました。
特に、国民健康保険は、国民皆保険の中核として地域医療の確保と住民の健康の保持増進に極めて重要な役割を果たしているにもかかわらず、その財政状況は著しく悪化し、もはや負担の限界を超える状況にある。加えて、老人加入率は著しく高くなり、老人医療費を中心とする医療費の増高は、国保制度の持つ構造的な財政基盤の脆弱さと相まって国保財政を一層圧迫している。このような状況のもとで医療保険制度間の負担の公平を図ることは、国保財政の長期安定と国民皆保険制度の維持につながるものであり、加入者按分率の引き上げは早期に実施すべきものであるとの意見がありました。
改正案に対する反対の二君からは、今回の改正は、国民に負担の増加を強いる財政的な見地からの改正であり反対である。
特に、老人医療費の一部負担の引き上げなどは、体の弱い老人に費用負担を強いることになり、老人に必要な受診を抑制するもので、まさに福祉の後退であり反対である。
また、加入者按分率の引き上げは、実質増税であり、かえって制度間の負担の著しい不公平を生じることになる。したがって、老人医療費の負担方法については、医療費按分率五〇%、加入者按分率五〇%として算定すべきであり、最近における各保険制度の老人加入率を見ても、制度発足当時と大差がなく、この面からも加入者按分率を急激に引き上げなければならない条件の変化が見当たらないとの意見を述べられました。
なお、以上のほか、医療費適正化対策、診療報酬体制、医療保険制度の一元化、社会保障負担、国保の保険料滞納者の問題等について、それぞれの立場から意見が述べられました。
意見の陳述が行われた後、各委員から医療保険制度の将来見通し、老人医療費の一部負担のあり方、加入者按分率、老人保健施設、国保の保険料滞納者の取り扱いなどについて熱心に質疑が行われました。
以上をもって報告を終わりたいと思いますが、この会議の開催につきましては、関係者多数の御協力により、極めて円滑に会議を行うことができた次第であります。
なお、会議の内容を速記により記録いたしましたので、詳細は会議録によって御承知願いたいと思いますので、会議の記録ができましたならば、本委員会議録に参考として掲載されますようお取り計らいをお願いいたします。
以上でございます。