村山富市の発言 (社会労働委員会)
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○村山(富)委員 老健法もいよいよ大詰めを迎えまして、きょうは総理の御出席をいただきまして、これから締めくくりの質問をしたいと思うのです。時間がわずかしかございません。端的に問題点だけを絞ってお尋ねをしたいと思いますので、要領よく簡単に御回答いただきたいと思うのです。
まず第一に、国民健康保険財政の問題について二、三お尋ねしたいと思います。
この老健法が上程されましてから、毎日のように全国の市町村長さんが早期成立について要請に来るわけです。聞いてみますと、やはり国民健康保険財政が非常に厳しい。先般も大阪でこの委員会が公聴会をやりましたが、その公聴会に出られておりました町村長の代表の方から厳しい窮状が訴えられまして、もう国民健康保険は国に返上したらどうか、こういう声さえあるというふうな切々たる訴えもあったわけです。そういう置かれている現状についてはよく理解ができるわけです。
そこまでこの国民健康保険財政を追い込んでいる原因は一体どこにあるんだろうかということを調べてみますと、一つは、先般退職者医療制度をつくりましたけれども、その退職者医療制度における見込み違いによって大きな穴があいておる、その穴について国が完全に補てんをしてくれない。同時に、そう言ってはなんですけれども、比較的所得の低い層が多くて体質的に弱い面を持っておる。その上に老人を抱えておる。こういういろいろな要因が絡んで国民健康保険財政は非常に厳しい状況に置かれていると思うのです。
特に、退職者医療というのは国が行っておる政策なんです。退職者医療制度をつくることによって相当国民健康保険財政の老人医療に対する負担が軽くなる、こういうことを前提にして、国は国庫負担を医療費の四五%から給付費の五〇%に減額をしたわけです。金額で見ますと、五十九年度の五カ月間の比較をしますと、約千三百十二億円の減額になっておる。これを満年度で見ますと、三千百五十億円の減となっておるわけです。退職者医療制度をつくれば、それだけ国費の負担が軽くなるということを前提にして、国の負担をこれだけ減額しているわけです。
その上に、先ほど申しましたように、退職者医療制度の見込み違いがありまして、数字は詳しく申し上げなくても御存じかと思いますから簡単に申し上げますが、五十九年度が六百七十億円、六十年度が千四百十億円、合計二千八十億円の影響額が出ておる。それに対して国が補てんしましたのが六十年度の補正で千三百六十七億円、約三分の二しか補てんしていない、三分の一はやはり穴になっておるわけですね。六十一年度もまた同じような傾向だと思いますし、六十二年度に至っては全然予算要求もしていない。こういう傾向を見ておりますと、私はこの国民健康保険財政に対して国が当然持つべき責任を放棄しておると思う。同時に、後で申しますけれども、その穴を保険者間の按分率の引き上げによってお互いでカバーし合う、こういうところに求めておるのではないかというふうに考えるわけです。
こうした現状を考えた場合に、私は国の責任として、少なくとも退職者医療制度をつくったことによる穴ぐらいは完全に補償すべきではないかと思いますが、その点はどうでしょうか。