矢橋有彦の発言 (科学技術委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○矢橋政府委員 昭和六十二年度科学技術庁関係予算の概要を御説明申し上げます。
 昭和六十二年度一般会計予算において、科学技術庁の歳出予算額三千三百三十六億七千四百万円を計上いたしており、これを前年度当初歳出予算額と比較いたしますと、三十一億九千二百万円、一%の増加となっております。また、電源開発促進対策特別会計において、科学技術庁分として、歳出予算額九百四十五億五千二百万円を計上するほか、産業投資特別会計から、日本科学技術情報センターに対し、四十三億円の出資を予定いたしております。以上の各会計を合わせた科学技術庁の歳出予算は四千三百二十五億二千六百万円となり、これを前年度の当初歳出予算額と比較いたしますと、四十七億七千二百万円、一・一%の増加となっております。
 また、国庫債務負担行為限度額として、一般会計一千三百九十三億五千三百万円、電源開発促進対策特別会計八百二十億六千万円を計上いたしております。
 さらに、一般会計予算の予算総則において、原子力損害賠償補償契約に関する法律第八条の規定による国の契約の限度額を二千八百二十八億円とするとともに、動力炉・核燃料開発事業団法第三十四条の規定により、政府が保証する借り入れ等の債務の限度額を二百八十億円とし、これに基づく借入金を使用済み燃料再処理施設の操業費等の一部に充てることといたしております。
 次に、予算額のうち主要な項目につきまして、その大略を御説明申し上げます。
 第一に、科学技術行政の総合的展開を図るための経費として八十四億八千三百万円を計上いたしました。これにより、科学技術会議の方針に沿って、科学技術振興に必要な重要研究業務を総合的に推進するための科学技術振興調整費について、創造的・基礎的研究の充実を中心として拡充するとともに、同会議の審議機能を充実することといたしております。
 なお、昭和六十二年度の科学技術振興調整費においては、国際社会への貢献という観点をも踏まえたヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムに関する調査を進めるとともに、国際研究交流の促進、受託研究への弾力的対応等を図ることといたしております。
 第二に、創造的・基礎的研究の充実強化とその国際的展開のため、四十六億九千三百万円を計上いたしました。
 まず、技術革新の根幹となる新しい科学的知見を発掘するため、多分野にまたがる領域における先端的基礎研究を、流動的で国際的にも開かれた体制のもとに長期的に行う国際フロンティア研究を充実することとし、これに必要な経費として十五億三千五百万円を計上いたしました。
 また、産学官のすぐれた研究者を弾力的に組織化して、次代の技術革新を担う創造性豊かな新技術を創出することを目的とした研究を推進する創造科学技術推進制度を拡充することとし、これに必要な経費として三十一億五千八百万円を計上いたしました。
 第三に、研究開発のための基盤の整備のため、九十四億三千百万円を計上いたしました。
 まず、広範な分野の基礎研究に飛躍的な成果をもたらすことが期待される放射光施設について、技術的諸問題等の調査研究を行うために必要な経費として六千九百万円を計上いたしました。
 次に、民間等との共同研究の促進、研究公務員等の国内及び海外研修への派遣、ハイテクコンソーシアム制度による先端的研究成果の展開、新技術の企業化の促進等に必要な経費として二十四億九千九百万円を計上いたしました。
 また、日本科学技術情報センターにおける科学技術に関する各種データベースの整備、情報提供機能の向上のための新オンライン提供システムの開発、国際科学技術情報ネットワークの構築等内外にわたる科学技術情報の流通を促進するために必要な経費として、一般会計に二十億七千三百万円を計上するとともに、産業投資特別会計から同センターに対し四十三億円の出資を予定いたしております。
 また、遺伝子資源の収集、保存、提供体制の強化等に必要な経費として四億九千万円を計上いたしました。
 第四に、科学技術国際協力を通じた国際社会への積極的貢献を図るため、日米協力を初めとする先進諸国との協力、ASEAN諸国等開発途上国との協力、人材交流等の国際協力に必要な経費として二百九十七億一千九百万円を計上いたしました。
 第五に、原子力の研究開発利用及び安全対策の推進のため、二千七百三十三億六千三百万円を計上いたしました。このうち、一般会計予算において一千七百八十八億一千百万円を計上しておりますが、その大略を御説明申し上げます。
 まず、原子力安全規制行政及び環境安全対策については、ソ連チュルノブイル原子力発電所の事故をも踏まえ、原子力利用における安全の確保に一層の万全を期するため、原子力安全委員会の運営、放射能測定調査研究などに必要な経費として十九億八千二百万円を計上いたしました。
 次に、日本原子力研究所においては、原子力施設等の安全性に関する試験研究、核融合の研究開発、高温工学試験研究炉の設計研究、放射線高度利用研究、原子力船に関する研究開発等を進めることとし、これらに必要な経費として九百九十四億六千二百万円を計上いたしました。
 また、動力炉・核燃料開発事業団においては、高速増殖炉の実験炉の運転等新型動力炉の研究開発を進めるとともに、ウラン資源の海外調査探鉱、遠心分離法によるウラン濃縮パイロットプラントの運転等核燃料サイクル確立のための研究開発を進めることとし、これらに必要な経費として六百四十二億八千九百万円を計上いたしました。
 また、放射線医学総合研究所における重粒子線の医学利用に関する研究及び放射線の内部被曝に関する研究並びに国立試験研究機関及び理化学研究所における原子力試験研究に必要な経費等として百三十億七千八百万円を計上いたしました。
 次に、電源開発促進対策特別会計歳出予算額のうち、科学技術庁分として九百四十五億五千二百万円を計上しておりますが、その大略を御説明申し上げます。
 まず、電源立地勘定においては、原子力施設の立地を一層促進する見地から、原子力施設の周辺地域の住民等に対する給付金の交付及び周辺地域における雇用確保事業の推進に必要な経費として十三億六千四百万円を計上いたしました。また、地方公共団体の公共用施設の整備に必要な交付金に充当するため三十五億一千百万円を計上するほか、放射線監視対策、原子力防災対策などの原子力安全対策等に必要な経費として七十七億二千百万円を計上いたしました。
 また、電源多様化勘定においては、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の建設、新型転換炉実証炉に関する研究開発等新型動力炉の開発を進めるとともに、使用済み燃料再処理技術の開発及びウラン濃縮原型プラントの建設等ウラン濃縮技術の開発に必要な経費として動力炉・核燃料開発事業団に七百七十二億六千四百万円を計上するとともに、原子炉解体技術の開発、レーザー法ウラン濃縮技術の開発等を推進する経費として四十六億九千二百万円を計上いたしました。
 第六に、宇宙開発の推進のため、九百四十五億六千九百万円を計上いたしました。
 まず、宇宙開発事業団において、技術試験衛星Ⅵ型の開発に着手するとともに技術試験衛星Ⅴ型、通信衛星三号、静止気象衛星四号、放送衛星三号及び地球資源衛星一号の開発を進めるほか、海洋観測衛星一号bの研究等を行うこととしております。また、HⅠロケット及びHⅡロケットの開発を進めることとしております。さらに宇宙ステーション計画の開発段階に参加することとし、実験モジュールの開発等に着手するほか、第一次材料実験システムの開発を行うこととしております。これらに必要な経費として九百二十六億四千八百万円を計上いたしました。
 また、航空宇宙技術研究所におけるHⅡロケット用液酸液水ロケットエンジン要素の研究等宇宙科学技術の基礎的、先行的研究を進めるための経費等として十九億二千百万円を計上いたしました。
 第七に、海洋開発の推進のため、七十七億二千七百万円を計上いたしました。
 まず、海洋科学技術センターにおいて、六千メートル級潜水調査船の建造を進めるとともに、その支援母船の建造に着手するほか、潜水調査船「しんかい二〇〇〇」による深海調査技術の研究開発、海中作業実験船「かいよう」による水深三百メートルを目標とする潜水作業技術の実海域実験等を行うこととし、これらに必要な経費として七十五億一千六百万円を計上いたしました。
 また、関係省庁の協力を得て、黒潮の開発利用調査研究、海洋遠隔探査技術の開発研究等を進めることとし、これらに必要な経費として二億一千百万円を計上いたしました。
 第八に、ライフサイエンスの振興のため、百十九億八百万円を計上いたしました。
 まず、理化学研究所において、前述の国際フロンティア研究の一環として老化の仕組みの解明のための研究を推進するとともに、がん本態解明のための研究、脳・神経系及び免疫系科学技術の研究等を推進するほか、細胞・遺伝子の保存、提供事業等を行うための経費として二十五億二千四百万円を計上いたしました。
 次に、がん研究を支える共通基盤技術等についての研究開発を積極的に進めるため、科学技術振興調整費及び新技術開発事業団の委託開発制度から三十七億八千九百万円の充当を見込んでおりますほか、創造科学技術推進制度において発生遺伝子に関する研究等を実施するための経費として十七億九千七百万円を計上いたしました。
 さらに、放射線医学総合研究所において、前述の重粒子線の医学利用に関する研究のほか、放射線によるがん診断、治療のための研究を進めることとし、このための経費等として三十七億九千八百万円を計上いたしました。
 第九に、物質・材料系科学技術の研究開発の推進のため、金属材料技術研究所、無機材質研究所における各種試験研究を進めることとし、これに創造科学技術推進制度及び国際フロンティア研究における材科研究の経費を加え七十三億三千七百万円を計上いたしております。また、科学技術振興調整費から、二十一億円の充当を見込んでおります。
 第十に、地球科学技術の推進のため、百八十二億三千二百万円を計上いたしました。
 まず、地球観測技術研究開発等の推進については、地球資源衛星一号及び静止気象衛星国号の開発、海洋観測衛星一号bの研究等を実施するため、百五十六億七千七百万円を計上いたしました。
 また、防災科学技術の推進については、関東・東海地域における地震予知研究、地震発生機構に関する研究等の地震予知研究、震災対策研究、雪害対策研究等を実施するため、国立防災科学技術センターの予算を中心に二十五億五千五百万円を計上いたしました。
 最後に、その他の重要な総合研究等を推進するため、百八十九億八千八百万円を計上いたしております。
 まず、航空宇宙技術研究所において、ファンジェットSTOL実験機「飛鳥」による飛行実験、革新航空宇宙輸送要素技術の研究開発等航空技術の研究開発を推進するための経費として八十八億八千万円を計上いたしております。
 次に、理化学研究所については、国際フロンティア研究及び原子力関係の経費のほか、ライフサイエンス研究、レーザー科学技術の研究等を推進するための経費として九十六億八百万円を計上いたしております。
 また、地域エネルギー総合利用の実証調査及び資源調査所における各種調査等資源の総合的利用方策の推進のため必要な経費として三億六千二百万円を計上するほか、科学技術の広報啓発活動の推進に必要な経費として一億三千八百万円を計上いたしております。
 以上、簡単でございますが、昭和六十二年度科学技術庁関係予算につきまして、その大略を御説明申し上げました。

発言情報

speech_id: 110803911X00119870514_011

発言者: 矢橋有彦

speaker_id: 27852

日付: 1987-05-14

院: 衆議院

会議名: 科学技術委員会