浜田卓二郎の発言 (社会労働委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○浜田(卓)委員 先ほど来各要員から質疑がありまして、私もほぼ問題点が出尽くしてきたと思いますので、最後に一点だけ私の見解を申し上げまして、労働大臣の御所見を承りたいと思います。
私も、今日の雇用不安の問題は、先ほど来他端理事を初め各委員から御指摘のとおり、一過性のものではなくて日本経済の構造的変化に伴うものであると認識いたしております。今回の地域雇用開発等促進法案の緊急性あるいは必要性というのは、私も当然認めるところでありますけれども、今日の雇用不安全体の問題から考えますると、地域的な対応であるというような点、非常に部分的な対応にとどまっている。あるいはまた先ほど後追い的だという表現もございましたけれども、対症療法的な取り組みにとどまっている。そういう意味で、これだけで十分というわけにはいかないと私は思うわけであります。今や日本経済全体の問題としての全体的、総合的な取り組みが必要である。そのために雇用担当大臣として労働大臣が各省庁の先頭に立ってこういう総合的な政策の推進に努めていただくべきであると私は考えるわけであります。
二点だけ申し上げますと、一つは円高に対する対応であります。きょうの終わり値は聞いておりませんけれども、各国の協調介入にもかかわらず、きょうの東京マーケットではドル売り圧力が非常に高まっているということであります。宮澤大臣がどういう約束をしてきたかとか、そういう会議の経過だけの問題ではなくて、まさに今円高に対して何をお互いの国々でしなければならないか、その点が十分に確認されておらず、また実行されていないという点を私は大変重要なことだと思うわけであります。特に我が国において緊急の課題として内需拡大が言われているわけであります。これはきょう起きてきた問題ではなくて、既に久しく我々が論議をしてきたところでありますが、なかなか実行に移されていないと私は残念ながら言わざるを得ないわけであります。特に今財政当局、宮澤大蔵大臣初め責任者においては真剣に内需拡大の方法について検討いたしております。例えば、予算が成立をすればできるだけ公共投資の前倒しの執行を急ぎたい、その上で補正による追加も行っていきたい、さらには六十三年度の予算編成方針について一日も早く拡大策の具体的な打ち出し方というものも考えていきたい、宮澤さんの新財政構想というのが先般の演説で披露されておりますけれども、こういったものも具体化を急いでいく必要があると私は思うわけであります。そのためにも予算の早期成立というのはどうしても必要だ。暫定予算でつまみ食い的にこういう問題を盛り込んだとしても、それは私の申し上げているように、部分的、一時的な対応にしかすぎないわけでありまして、極めて不十分であると言わざるを得ないわけであります。その点、雇用担当大臣として、予算の早期成立を初め今日の雇用不安の問題に本格的に政府が取り組む、そういう体制を一日も早くつくり出す努力をもっとしていただきたいということを申し上げたいわけであります。
第二に申し上げたいことは、先ほど来言葉としては出ておりますけれども、産業の空洞化の問題であります、例えば新日鉄が高炉の火を何本か消したということでありますけれども、実はその分だけ全部生産が落ちているわけではない。つまり輸出用の自動車の冷延薄板の一部はアメリカの中堅の鉄鋼メーカーを買収してアメリカで生産をする、そういう情報にも接しているわけでありますけれども、なぜこういうことが起こるか、つまり産業の空洞化というものがどうして進行していくかという点をもっと真剣に考えていかなければならない。もちろん円高の影響はあります。しかし、それだけではない。やはり税制の問題が大きいということも私は強調しておきたいわけであります。例えば法人税のアメリカに比べれば実質二〇%も高い、また所得税の世界一局い現状という問題もあるわけでありまして、こういう税制改革を含めた産業空洞化の原因というものを徹底的に分析をして、それに効果的に対応していくことでなければ、この流れというものは食いとめることができないと私どもは考えるわけであります。
ですから、私は今円高の問題、それから空洞化の問題を申し上げました。私は円高というのは一時的な現象ではなくてまだまだこれからも続いていくと考えざるを得ない。その場合に我が国の産業をどう持っていくか。ここは産業政策全体の問題として取り組んでいかなければ、雇用の問題というのは私は解消しないと思うわけであります。
以上、二点申し上げたわけでありますけれども、雇用担当大臣として労働大臣は各省庁の先頭に立って総合的な取り組みを一層進めていただきたい、このように要望するものでありますが、労働大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。