中村巖の発言 (法務委員会)
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○中村(巖)委員 ただいま法務大臣の所信表明を伺ったわけでありますけれども、私は率直に申し上げて、この法務大臣の所信表明というものは余り感心しない、こういうふうに思っているのでございます。
と申し上げるのは、私も当委員会に長くおりまして、前の鈴木法務大臣、さらにその前の嶋崎法務大臣、さらにその前の住法務大臣のいずれも所信の表明を伺ったわけでありますけれども、それらを対比をしてみますると、これは全くほとんど同じであるということでありまして、その骨格において全く同じであるのみならず、文章の大部分においてもそのとおり踏襲をされている、こういうことであります。ただ、一部、今国会に提案されております法案の中身について趣旨を説明をしている部分、これはそれぞれの国会において違うわけでありますから、違うわけですけれども、その他の部分については全く同じである。
例えて言うならば、一々読み上げませんけれども、「以下、当面の重要施策について申し述べます。 第一は、最近の犯罪情勢とこれに対処する検察態勢についてであります。 最近における我が国の犯罪情勢を見ますと、犯罪発生件数が漸増の傾向を示しているだけでなく、」云々、このくだりの文章は全く同じで、最後に来て「過激派集団は、」云々というところで、前の鈴木大臣は「国鉄関係施設に対する同時多発ゲリラ」ということを挙げるのに対して、遠藤大臣は「過般の東京サミットの際における迎賓館等に対する手製弾発射事件に見られるように、」そういうふうに変えるというだけでございまして、さらには「第二は、犯罪者及び非行少年に対する矯正処遇と更生保護活動についてであります。」ここのところでは、第一のパラグラフの中で鈴木大臣が「所存であります。」というのを「存じております。」と、こういうふうに変えたというにすぎない、こういうことでございます。
その他、最後に至りますまでそんな調子でございまして、こういうのは、それは確かに法務行政というものが朝令暮改であってはいかぬということは事実であって、継続性を持っていなければならぬということは事実でありましょうけれども、こういうような形で所信の表明がなされるということは極めて適切でないと私は考えております。それはそれなりに、それぞれの大臣が大臣に就任をされて、そして国会に臨む姿勢としてはいろいろなお考え方があり、それぞれの年度における重点施策というものがなければならない、こういうことだろうと思うわけでありますけれども、そういうふうになっておらない。確かにその年にこういう法案を出した、それがその年の施策であると言えばそれもそうでありましょうけれども、やはりそれぞれの大臣の個性というものもなければいかぬのじゃないか、このような気がいたしておるわけでありますけれども、その点について大臣としてはどういうふうにお考えになるのか。
それから、本年度特に大臣がおやりになりたい施策というのは何なのか、またどういう姿勢でもって法務行政に、他の法務大臣と違う姿勢でどういうふうに臨むのかということについてお考えを承りたいと存ずるものでございます。