水田嘉憲の発言 (国民生活に関する調査会)
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○説明員(水田嘉憲君) 内需拡大策の運輸省関係について御説明を申し上げます。
御指示いただきました項目は、検討項目のうちの三の「内需拡大の規模は如何にあるべきか」の中の(4)の「事業執行能力」の部分でございます。それから四の「公共事業をどう進めるか」の中の「当面の対策と長期的視点との調整如何」という問題、三つ目が六の「民活事業をどう進めるか」、この三つでございます。資料に沿いまして順次御説明いたしたいと存じます。
一ページ目をお開きいただきたいと思います。運輸省関係の公共事業は一ページ目の資料に書いておりますとおり、港湾事業、海岸事業、空港整備事業に分かれるわけでございます。それぞれ五カ年計画を策定して実施を進めておるところでございますが、その整備状況について若干まず御説明してみたいと思います。港湾、海岸、空港の順に申し上げさせていただきたいと思います。
港湾の場合には、この一ページの真ん中の表に書いております士おり、三十六年から計画を策定しておるわけでございますが、最近のものは第七次の計画ということになっております。計画の投資額も五カ年間で、第一次の場合には二千三百三十億程度でございましたが、順次額をふやしておりまして、第四次から一兆円を超しておるわけでございます。第七次に至りまして二兆五千五百億という数字になっております。
計画の実施の状況、達成率でございますが、表の下の欄に書いております。第一次から第三次までは計画を計画期間半ばで改定しておるということでございまして、二カ年ないし三カ年程度の数字になっております。したがいまして達成率は低くなっておりますが、四次から五次は八〇%を超えておるわけでございます。六次に至りまして若干数字が下がっておりますが、これはシーリングの関係があったためでございます。第七次は六十一年と六十二年で三六・七%、もちろん六十二年度の数字は予算の数字でございますが、この程度に現在なっておるわけでございます。
次に、海岸事業についてでございます。海岸の場合には四十五年から計画を策定してきておりまして、最近のものは第四次になっております。計画の投資額は第一次の段階では千三百億程度でございましたが、最近の六十一年度から始まる五カ年計画では二千八百四十二億という数字になっております。達成率は八〇%を超えております。第二次に至りましては一〇〇%を超えるという数字になっております。第四次の六十一年度から始まる部分につきましては、六十一、六十二年両年度で三九・二%という数字でございます。
二ページ目をお開きいただきたいと存じます。空港整備の場合でございますが、第一次、四十二年から計画を実施してきておりまして、最近のものは第五次ということでございます。計画の投資額も第一次では千百五十億程度でございましたが、飛躍的に数字をふやしてきております。第四次から一兆円を超しておりまして、最近の六十一年度から始まる五カ年計画では一兆八千億という数字でございます。達成率につきましては、第一次で五五%程度でございましたが、順次達成率も上げてきております。三次に至りましては九六%程度になっておるわけでございますが、四次ではやはりシーリングの関係で数字が減ってきております。最近の第五次の部分につきましては、六十一、六十二年度で四〇・七%という数字でございます。
以上が五カ年計画の実施状況でございます。
次に、港湾と海岸と空港の現況について若干触れてみたいと思います。
港湾の場合でございますが、二ページ目の真ん中あたりの表に数字を出しておりますが、特定重要港湾、重要港湾、地方港湾と分かれるわけでございますが、全体で千九十五カ所ございます。具体的な各地域の中身につきましては、別紙一の地図にプロットいたしております。後でこれを見ていただきたいと思います。特定重要港湾と重要港湾のみ合計百三十三カ所を別紙一にプロットしております。それから、管理者といたしましては、全体の六割弱が都道府県、四割弱が市町村という形になっております。
次に、海岸でございますが、運輸省所管の分は全体で八千六十一キロメートルというのが海岸線延長でございまして、このうち海岸保全区域に限ってみますと三千八百七十四キロメートルでございます。
次に、空港でございますが、これも別紙二の地図に空港の場所をプロットしておりますが、全体で供用空港の数は、一種、二種、三種その他を含めまして七十八ございます。このうちジェット化されておる空港は三十九でございます。これ以外に告示をいたしまして現在建設しておる空港、いわゆる未供用空港が十カ所ございます。以上が空港の現況でございます。
次に、六十二年度の予算額について眺めてみたいと思います。三ページの上の欄に表を用意しておきました。国全体といたしましては、六十二年度で六兆円を超すわけでございます。これに対しまして運輸省関係の一般会計支出分が六十二年度で、右の欄でございますが、ここに書いておりますとおり、港湾の場合は二千五百十二億、海岸の場合には二百七十九億、空港の場合は八百八十三億でございます。六十一年度と比較しまして二%内外のマイナスになっております。これは御存じのとおり、シーリングの関係でございます。それから、港湾、空港につきましては、一般会計の数字がそのまま特会に繰り入れられる額になるわけでございます。この繰り入れられた額を含めまして、この表の下の段に書いておりますとおり、特別会計の規模は、港湾の整備で六十二年度の場合には三千三百八十億、空港の整備で二千八百九十四億ということになるわけでございます。
次に、事業執行能力について御説明いたしたいと思います。
運輸省の公共事業の実施機関といたしましては、港湾の場合には港湾建設局、地方公共団体となるわけでございます。また、空港の場合には、港湾建設局、地方公共団体以外に地方航空局とか空港公団あるいは関西国際空港株式会社というようなものがそういうふうになるわけでございます。こういう事業の実施機関におきます執行体制の違いによって公共事業の事業執行能力は異なってくるわけでございます。また、事業を実施する場合に用地買収が必要かどうか、あるいはその用地買収の進捗状況がどうなっているかによっても、やはり事業執行能力は異なってくるわけでございます。そういう意味で、定量的にこういうものを示すことはできないわけでございますが、少なくとも、現在のところを見ますと、事業執行上で問題を生じたことはございません。
また、契約額を予算の数字で除しました契約率で見ましても、この三ページの下の欄に、五十二年度から順次港湾、海岸、空港に区分して数字を挙げておりますが、ごらんになっていただけばおわかりになりますとおり、港湾及び海岸の場合にはほぼ一〇〇%を達成いたしておるわけでございます。空港の場合でも八〇%という数字になっておるわけでございます。括弧の中に書いておりますが、空港の場合には空港周辺整備事業が含まれておるわけでございます。この事業は、個人からの申請に基づいて実施いたします民家の防音工事とか移転補償等が含まれておりますいわゆる住民対策的なものでございまして、可能性があれば予算に載せておくという建前をとっております。そういう意味で、実際申請がない、未契約が発生するというふうなことは起こり得ることでございまして、そういう意味で、事業執行能力に問題があるというふうには思っておりません。そういう意味で、空港の八〇%もまあまあの数字ではないかと思います。今後、補正予算によりまして事業費の追加がありましたら、私どもとしましてはその円滑な実施が図られますよう各実施機関を指導してまいりたいというふうに考えております。
次に、今後の公共事業の進め方についてでございます。
運輸省関係の公共事業は、活力ある産業活動と国民生活の基盤を形成するというものでございますので、内需拡大効果は非常に大きいというふうに私どもは思っております。先ほど申し上げました五カ年計画、港湾、海岸、空港と分かれるわけでございますが、五カ年計画に従って今後着実に実施を図ることといたしておるわけでございます。このような運輸省関係の公共事業の推進は、第四次全国総合開発計画において検討されております多極分散型国土づくりあるいは交流ネットワーク構想の推進にも資するというふうに理解をいたしております。
次に、五カ年計画の内容について若干眺めてみたいと思います。
最初が港湾整備五カ年計画でございますが、四ページに用意しておりますが、全体で四兆四千億程度の事業をやるわけでございますが、このうち、国が費用の全部または一部を負担したり補助したり無利子貸し付けをしたりする事業は二兆五千五百億ということになっております。それから、事業の実施の目標について四ページの下から五ページ目にわたって整理をいたしておりますが、細かい説明は省略させていただきましてポイントだけ申し上げさせていただきますと、まず(1)の部分でございますが、内外の一貫輸送の進展に対応したいわゆる物流港湾の整備を推進しようということが一つでございます。二番目に整理しておりますが、船舶の安全性とか輸送の安定性というようなものを考慮した港湾の整備をやっていこうというものでございます。それから、(4)のところを見ていただきたいと思いますが、地域の地場産業の振興とか高次加工型産業などの新たな産業の導入の基盤となるような港湾の整備を推進していこうというふうに考えているわけでございます。それから、(5)を見ていただきたいと思いますが、海洋性レクリエーションの要請の進展に対応するマリーナ等の整備を進めていこうというふうに考えております。それから、(6)でございますが、民間活力の活用を図りつつ港湾利用の高度化を図るということで、港湾の再開発を推進していこうということでございます。
以上がポイントの部分でございます。こういう各項目にわたって事業を推進するわけでございますが、その項目別の内訳は五ページの真ん中あたりに整理をいたしております。六次と七次の比較につきましては、五ページの下の欄に整理しておりますが、説明は省略させていただきたいと思います。
次に、海岸事業の五カ年計画でございますが、これは運輸省だけではなくて、農水省あるいは建設省を含めました三省全体での計画でございます。全体で総額一兆円の規模でございます。このうら国が費用の全部または一部を負担し、あるいは補助する事業につきましては七千六百億でございます。事業の実施目標といたしましては、高潮対策あるいは侵食対策等の事業について行うわけでございます。
次に、運輸省関係の部分についてでございますが、六ページの下の表に整理しておりますが、運輸省関係は全体で二千八百四十二億という数字になっております。三次の計画が三千八十三億でございますので、若干のマイナスになっておるわけでございます。
次に、空港整備五カ年計画について御説明します。七ページをお開きいただきたいと思います。
空港の場合には五カ年間で一兆九千二百億を投資することになっております。事業別の実施の目標についてでございますが、新東京国際空港あるいは東京国際空港、そして関西国際空港の三大プロジェクトの推進を図るとともに、一般空港についてジェット化あるいは大型化に対処するための整備を図ることにいたしております。このほかに環境対策事業とか航空保安施設の整備等を行うことでございます。各事業別の金額は下の部分に整理しておりますとおりでございます。それから空港の場合の四次と五次の五カ年計画の比較は八ページに用意しておりますとおりでございます。
次に、当面の進め方について御説明いたします。
運輸省におきましては、公共事業を進めるに当たりましては不況地域への配分について従来から配慮してきておるわけでございます。具体的にはこの八ページの下の欄から九ページの上の部分の表のとおりでございまして、港湾の場合には例えば六十二年度で全体の二〇・五%が不況地域に配分されております。それから海岸の場合でも九ページの上の部分でございますが、六十二年度で全体の二二・九%が不況地域に配分されておる。空港の場合には全体の八・四%という数字になっておるわけでございます。このように、比較的不況地域への配分について私どもは配慮してきているというふうに思っております。
また、公共事業の実施につきましては、鉄鋼とかセメント等の不況業種の活性化に寄与するということが言えるわけでございまして、さらには、運輸省関係の事業でございます造船業の仕事量の確保、例えば防潮水門を整備するとか、橋梁を整備するとかという方法によりましてそういうことが可能になっておるわけでございます。運輸省といたしましては、今後ともできる限り先ほど申し上げました五カ年計画を推進していく中で不況地域への配分にも配慮しつつ事業を実施してまいりたいと考えておるわけでございます。特に、六十二年度の補正予算、あるいは六十三年度予算につきまして、こういう問題について十分考慮をしたいというふうに思っております。
以上が公共事業関係でございます。
次に、民活事業についてでございます。運輸省において現在推進中の民活事業について御説明したいと思います。
まず第一が総合保養地域の整備についてでございます。総合保養地域整備法に基づきまして、総合保養地域の整備を推進するわけでございます。この法律は、御存じのとおり、このたび成立して、ゆとりのある国民生活の実現あるいは新たな地域振興の展開、そして民活導入による内需拡大ということで、六省庁共同でリゾート地域の整備を図っていく制度でございます。この対象の地域につきましては、法人税の特別償却とか地方税の減免措置等の課税の特例がございますし、開銀あるいは北東公庫の融資等もございます。こういう支援措置が可能になっておるわけでございますが、この制度を利用しまして、国民がすぐれた自然条件の中で滞在しつつ、スポーツ、教養活動などの多様な活動を行うことができる地域の整備を民活導入によって推進してまいろうということでございます。
次に、港湾利用の高度化についてでございます。
一つは、いわゆる民活法と称しておりますが、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備に関する臨時措置法を適切に運用していきたいということでございます。この法律に基づきまして、法人税の特別償却あるいは地方税の減免等の課税の特例や開銀、北東公庫の出資あるいは融資等の支援措置が講じられることになっておりますが、その対象施設として旅客ターミナル、港湾業務ビル、テレポート等の経済社会の基盤の充実に資する特定施設の整備が挙げられるわけでございます。こういうものについて第三セクターによって整備の推進を図ってまいりたいと考えておるわけでございます。
それから、港湾利用の高度化の問題の二番目といたしまして、民間都市開発の推進に関する特別措置法、この法律がこのたび成立しまして、民間都市開発推進機構から民間事業者への低利融資あるいはこの機構の事業参加等の措置が可能になったわけでございます。この制度を活用いたしまして、民間事業者による港湾再開発等の推進を図ってまいりたいと考えております。この機構に対しましては、国から無利子の貸し付け、あるいは割引債の発行に対する政府保証等の支援措置が講じられることになっております。
港湾利用の高度化につきまして、このほか予算補助制度といたしまして、港湾利用高度化拠点施設緊急整備事業あるいは港湾利用高度化促進事業があるわけでございます。さらには財投の対象といたしまして港湾機能総合整備事業があるわけでございます。こういうような制度を活用いたしまして、民間事業者の能力を活用した港湾再開発等を推進してまいりたいと考えております。
次に、鉄道についてでございます。鉄道につきましては、特定都市鉄道整備促進特別措置法があるわけでございますが、この法律は、鉄道整備のために工事費の四分の一を限度とする積立金を損金算入できるというような課税上の支援措置が講ぜられております。この制度を利用いたしまして、大都市圏の鉄道の複々線化あるいは大規模工事の促進を図ってまいりたいと考えております。
最後に、関西空港の整備についてでございます。関西国際空港株式会社に対しましては、国からの出資とか債券に対する政府保証あるいは開銀の融資等の支援措置が講じられることになっておりまして、これらをすべて入れまして六十二年度予算の事業費は全体で二千億程度になっております。この予算を利用しまして関西国際空港の整備の促進を図ってまいりたい。と考えております。
以上、簡単でございますが、運輸省関係の内需拡大策について御説明申し上げた次第でございます。よろしくお願い申し上げます。