加藤万吉の発言 (地方行政委員会)

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○加藤(万)委員 一千兆円、これは民間の活力、資金を導入することも含めてでありますが、大変なお金ですね。したがって、国の財政投資もさることながら、今お答えにありましたように、地方財政力をどう強化するかということがその背景になければ、この遂行はできないと私は思っているのです。今お答えにはございませんでしたが、この四全総を遂行する主役は地方団体だ、私はこういうように見ているわけです。したがって、その主役の地方団体が財政的に確保されないということになりますと、この四全総はまさに空文、砂上の楼閣に等しい、こう言わざるを得ないわけです。
 さて大臣、市長会の提言の中には、三全総の計画の失敗の中には公共投資の抑制、縮減、これは国の財政の悪化あるいは地方財政の悪化、それから雇用の場の確保のための産業政策の欠如、それから国、地方の役割・責任の分担の不明確、さらに市町村の行財政基盤の強化が図られなかったこと、これが挙げられているのです。私はこれは適切な提言だろうと思うのです。特に日本列島改造計画後とこの四全総の大きな違いは、先ほどもお話しいたしましたように、鉄鋼を中心とするコンビナート地域が、今度はいわば電子産業、遺伝子産業あるいは電子工学と言われる分野が日本の経済を支えていくことになるわけですから、こうなってまいりますと、それに必要な産業基盤の形成、同時にまた地域環境、雇用の場の形成、こういうことになるわけです。
 したがって、今お答えがありましたように、これらの基盤形成をするのに必要なのは十五年間で一千兆円、もちろん国の財政投資もあるでしょうし、あるいは民間資本の投資もございましょう。しかし、何といってもこの計画の主役である地方団体の財政的基盤というものが確立をいたしませんことには、この四全総、いわば一極中心から多極分散型の新しい国土計画というものは現実化されていかない、私はこう思うのです。
 そこで、今度の税制の改正を含めまして、あるいは六十二年度から、さらには六十三年度予算編成にこれから入るわけですが、いわばこの四全総に向かって一体どういう地方と国との財政の配分あるいは今申し上げました地方の役割、責任の分担、さらには市町村の財政基盤をどうするか、このことが展望されないまま税制の改正が行われるということは私は大変遺憾なんです。予算委員会でも申し上げましたけれども一単に税制改正が、売上税の是非の問題であるとか利子課税が云々とか税目の中身についての議論はありました。しかし財政、制度の仕組みとしての議論がほとんどなされなかったのです。今の日本の国に、我々に課せられた仕事は、この四全総に象徴されるような新しい日本の産業基盤あるいは地域基盤、社会資本の投資、あるいはそういうものを含めてどう形成するかというところに視点がないまま論議されているところに、私は何か物寂しさを覚えざるを得ないのです。
 どうでしょうか、大臣。一千兆円、十五年間で必要な財源。いろいろな区分があるでしょう、民間の投資だとかあるいは国の投資だとか。しかし、その主役となるべき受け皿、主役の舞台のところに財政基盤がないまま今日の税制改正が行われる、あるいは今日の議論が行われるということについては甚だ遺憾だと私は思うのです。大臣、恐らく大臣も私も四全総の結果の最終場面を迎えるには年の方が少し足りなくなるような気がするのです。しかし、その発射台をつくるのは今の時期です。それだけに大臣の任務も大きいし、今ここにお並びの自治省のいわば高級官僚と言われる皆さん方の責任は非常に大きいと私は思うのです。自治省が、行財政の配分あるいは地域への分権を含めて胸を張って計画遂行の条件整備を相当行いませんと、今の流れに流されたままで、その中で行財政運営をされるとなるとこれは大変な失敗をもたらしてしまうのではないか、こう思うのですが、大臣、私の見解は間違っているでしょうか。

発言情報

speech_id: 110904720X00419870825_008

発言者: 加藤万吉

speaker_id: 21476

日付: 1987-08-25

院: 衆議院

会議名: 地方行政委員会