千種秀夫の発言 (法務委員会)
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○政府委員(千種秀夫君) 特別養子の戸籍上の記載につきましては、一面におきましては、従来の議論の中で、一見養子とわかることは好ましくないという一つの要請がございます。と同時に、もう一つは、戸籍というものが身分関係を公証するものであるという戸籍制度本来の使命がございまして、そのいずれをどこまではっきりさせるかという一つの妥協的な、あるいは政策的な問題としてこの問題が議論されたわけでございます。
そこで、養子ということが全然わからないようにすると、その一方の要請は達せられるのでございますけれども、身分関係の続き柄がわからなくなってしまう。そこで、今回特別養子の戸籍につきましては、これから御説明するような考案がなされたわけでございます。これは、法務大臣の諮問機関であります民事行政審議会、いわゆる民行審といっておりますが、民行審の諮問に基づいてそうなってきたわけでございます。
第一に、これは審判によって成立するものでございますから、審判が確定いたしますと、実親の戸籍からその特別養子の戸籍を新しく分離して、新しい子供だけの戸籍を編製いたしまして、その親の戸籍には、審判の確定によって除籍する、そういう記載をするわけでございます。その一人できました養子の戸籍、それができますと、そこから直ちに養親の戸籍に入籍をいたしまして、そのときにはもう既に審判によりまして、養親の氏によって戸籍ができておりますから、同じ氏で養親の戸籍に入る。その養親の戸籍には、やはり何月何日民法八百十七条の二による裁判確定ということを原因としていつだれだれの戸籍から入籍、こういうような記入をすることによりましてその続き柄がわかるようにするということでございます。
ただ、ただいま申し上げましたように、養子の戸籍を見ますと、身分事項欄に民法八百十七条の二による裁判確定ということが書いてある以外は養子に関する記載は一切ございません。例えば、実父母のところは父、母と書いてございますし、子供の続き柄は長男とか次男とか、そういうふうに書いてあって、養父母とか養子という言葉は一切出ない、したがって、一見して養子であることはわからない、こういうような工夫をしたわけでございます。