吉川芳男の発言 (予算委員会)

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○吉川芳男君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和六十二年度補正予算三案に対しまして賛成の討論を行います。
 今我が国経済を概観いたしますと、内需の高まりを中心に景気の回復には目覚ましいものがあり、新たな好況局面を迎えたと言ってもよい状況になってまいりました。住宅建設が増加の一途をたどっているほか、消費も堅調に推移し、企業設備投資は増勢を強め、その収益も向上しております。心配された雇用情勢も失業率が低下し、有効求人倍率が上昇し続けるなど著しく改善しているのであります。
 これらは、国民各位の英知と努力のたまものであることはもちろんですが、それを先導しあるいは支えた政府の経済財政運営の正しさを証明するものでありましょう。
 ここ数年の我が国にとっての最重要課題は、過度の輸出依存型経済からの転換と円高デフレ克服のため、内需を中心とした景気の回復を図ることでありました。もちろんこれらは財政再建との調和を図ることが必要であり、このため政府は、国費は抑制しつつも公共事業の総事業費は拡大させるという努力と工夫によって景気の下支えを行ってきました。そして昨年七月、経済の反転期をとらえ、六十二年度第一次補正予算では、行財政改革の果実であるNTT株売却収益の活用や思い切った建設国債の増発により、一兆七千億円を超える国費を投ずることとし、総額五兆円にも上る事業費を追加したのであります。同時に、一兆五千億円を超える所得税減税も行いました。この絶妙のタイミングで行われた財政出動によって景気は回復から拡大に向かい、昭和六十二年度の実質経済成長率は三・七%と政府の当初見通しを上回ることが見込まれるに至っております。
 他方、貿易摩擦の問題も、とかく指摘の多かった製品輸入が著しく増加し、輸入の伸びが輸出の伸びを大幅に上回っており、貿易収支の過度の黒字も逐次調整されてきております。
 現下の課題にこたえるため政府のとった対策の適切さに対し、私は惜しみない拍手を送りたいと思います。
 さて、昭和六十二年度補正予算三案は、給与改善費、国民健康保険特別交付金、義務的経費の追加等、本予算及び第一次補正予算成立以降特に緊要となった事項について措置を講ずるものでありますが、あわせて自賠責再保険特別会計に対し財政が特に急迫した当時の借入金を返済するなど財政体質改善の措置を講ずることとしており、極めて適切な内容となっております。
 ここで私が強調したいのは、財政再建目標達成に向け大いに前進を見た点であります。先ほど申し上げましたように、政府の時宜を得た適切な措置によって景気は拡大し、所得税減税を行ってもなお二兆円近くの増収が見込まれることになりました。このほか、前年度の決算剰余金の残額も二兆円近くに上り、特例公債を一兆三千二百二十億円も減額することができたのであります。補正予算で特例公債を減額するのは昭和五十五年度以来実に七年ぶりのことであり、建設国債と合わせた公債依存度も一八%台と、特例公債が恒常化した五十年以降で最も低い水準となりました。
 衆議院で現在審議中の六十三年度予算においても、特例公債の発行は厳に抑制され三兆円強にとどまっており、目標年度まであと二年と迫った今、特例公債依存体質からの脱却は夢でなく現実のものとなってきた感があります。
 これまでの行財政改革に対する歴代内閣の並み並みならぬ努力の結果が今日財政体質の強化と財政再建を射程圏内にとらえることに成功したものであり、私はこれに対し深く敬意を表するとともに、竹下内閣におかれても財政再建目標達成と経済の安定的拡大の両立に向け邁進されるよう望みまして、賛成討論を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 吉川芳男

speaker_id: 4743

日付: 1988-02-20

院: 参議院

会議名: 予算委員会