井上光一の発言 (税制問題等に関する調査特別委員会)
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○参考人(井上光一君) 御指名をいただきました井上でございます。
こういうところで自分の所見を述べる光栄に感謝をいたします。
最初にお断りをさせていただきたいと思うんですが、十分だそうでございますので、非常に抽象的になったり、それから舌足らずの点があると思いますので、あらかじめお許しをお願いしておきたいと思います。
私は、税制改革の必要性について二つに絞つてお話を申し上げたい。一つは消費税でございます。もう一つは、事業者の承継税制について特にお願いをしたい、こういうふうに考えております。
さて、税制改革の必要性でありますけれども、私はこれを是とするものでございます。なぜならば、昭和二十五年のシャウプ税制以来、税制には抜本的な改革がなされておりませんので、当時、経済も小さく、そして流通もほとんどなかった時代の税制と今日の税制では比較にならない相違があって、その間に生ずるアンバランスは大変大きいものではないか。こういうふうに考えますと、今日的現象の中では、これはやはり抜本的に改正すべき必要がある、かように思うからであります。ただし、これを改正するのには、私どもには若干の希望がございますので、その希望についてお話を申し上げたいと存じます。
まず第一番に消費税でございますが、消費税導入に対する問題については、やはり相当の不安感と懸念が中小企業界にあることは覆いがたい事実でございます。したがって、反対する人も多少おりますし、その意図は依然強いものがございます。これは、そういう制度で価格転嫁ができるか、あるいは納税事務負担費はどうなるのか、将来税金のパーセンテージがどんどん上がっていってしまうんではないのか、こういう不安があるからでございますが、それらのものが明快に改善されれば私はこれはやはり改正する必要がある、こういうふうに思うのでございます。
それにはまず価格転嫁の問題ですが、中小企業は業種、業態、規模、取引実態、取引の力関係、まさに千差万別でございますので、その中ではなかなか私どもが想像しがたいような取引もありますし、とても中間者が下まで税を転嫁できるというような取引のできない業種もあるわけでございます。したがってこれらについては、本当に価格転嫁の保証をどうするのか、あるいは中小企業者が締結する転嫁・表示カルテル等の必要がどうしても生じてまいりますので、そうしたものについて取引実態に即したガイドラインを早急に示すことが非常に必要ではないか、こういうことをぜひやってほしい、こういうふうに思うわけでございます。したがって、実効性のあるカルテル手法についての情報提供やそうした条項をしっかりつくってほしい、こういうふうに思うわけでございます。
次には、税の転嫁の問題でございますが、業者間取引で、特に優越的な地位にある大企業とか企業者の消費税負担分をその価格の中に吸収さしてしまうようなものがあることがいろんな取引の中では習慣化されております。そういうことをさせないためにはいかに適正な処理をするか。すなわち取引の下請代金支払遅延等防止法やいろんな問題がありますが、これらのものを若干手直しをして、さらに強固なものにしてこれらのことをさせないような工夫をしてもらうことが必要である。もしこれがないと、私どもが一番心配する一物二価、一つのものが二つの価格構成と、消費者の手に渡るのに、こういう場合が生ずるからでございます。
次には、中小企業者に対する研修あるいは講習を含めた消費税のPRを初めといたしまして、特に転嫁問題の最前線になる中小企業者には魅力ある商店街づくりや、あるいはこれを支援する方法や転嫁力と転嫁するための事業基金、これはいろいろの問題がこれから生じてまいりますので、それに必要なエキスを生む整備基金事業、こうしたものの創設とか、あるいは商店街の共同利用施設の整備整とん等の促進を図れるような御援助がお願いできればというふうに思うわけでございます。それでないと納税負担がかかる問題、いわゆる納税コストが高くなってまいりますので、そういう点では簡易課税制度やあるいは帳簿方式等の採用を考えられているようですが、さらに加えてこういう配慮が大変必要になってくるということを御認識をいただきたいわけでございます。
次に、消費税は以上のことにしておいて、承継税制の問題でございますけれども、これは大変大きな問題でございまして、今私どもの周辺で一番困難なのは承継税制の問題だろうというふうに考えております。したがって私どもは、従来、承継税制に対するもっと有利な方向やあるいはまた生前贈与制度や、そうしたものについてあらかじめそういう措置を講じていただくよう長い間かかってお願いを申し上げてきたところでございますが、なかなかこの実現を見るに至っておりません。
それで、生前贈与制度の創設をこれから考えてまいりますには、いろんな問題点があろうかと思いますが、農業者には既にできておるわけでありまして、一つのサンプルもあるわけでございますから、こうしたものをひとつ手本にしながらも、十分お考えおきをいただきたい、かように思うわけでございます。
さらに、中小企業者の場合、事業を相続いたしますと、その相続による負担のために事業の縮小を余儀なくされたり、あるいはひどいのになると廃業に追い込まれたりする場合が随所に見受けられまして、これらについては特にお考えをいただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
それから、特に近年の著しい地価の高騰等によりまして自然に財産がふえてきておりますので、そういう意味で、承継税制の場合にこれらの総額がまともに対象になるというのは、実益のないところに対象額がふえるわけでございますので、とても納める方としてはたまったものではないわけでありまして、こうしたことによってそういう今申し上げた倒産とか廃業とかいうものに追い込まれる例が非常に多くなってきた、こういうことでありまして、特にこの辺についての御配慮をお願いしたい。
個人事業者については、事業用資産の贈与に関する生前の特例制度を設けない、こういうことができるということでございました。中小会社においても株式の評価方式の改善を行い、中小企業における事業承継が円滑にできるようなラインができ上がらないと、なかなかこれは言うにはやすくして行うことは困難ではないかというふうに思いますので、この点については特に御配慮をお願いしたい、こう思う次第でございます。
それから、税制改革についてはもう私が申し上げるまでもありませんが、公平であり、中立であり、簡素を旨とした中で、中小企業の活力ある維持増進を念頭に置いたものでありますことを切にお願いを申し上げまして、委員長から指示された時間が参りましたので、私の意見の開陳を以上で終わらせていただきます。
ありがとうございました。