西川元啓の発言 (税制問題等に関する調査特別委員会)
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○参考人(西川元啓君) 会社に二十年間勤務いたし、現在課長の職にあります西川でございます。
本日は貴重な機会をお与えいただき、まことにありがとうございます。
それでは、御審議の法案につきまして、これに賛成いたします立場からサラリーマンとしての個人的意見を述べさせていただきたいと存じます。
私は、今回の法案につきまして全容を把握しているわけではございませんので、見当違いの点もあるかと存じますけれども御容赦いただきまして、日ごろ考えておりますことをこの場で申し述べさせていただきたいと存じます。
まず最初に、私どもサラリーマンの生活に最も関係の深い所得税法の改正につきまして述べさせていただきます。
私は、自分を中堅サラリーマンの一人であると認識いたしております。サラリーマンの多くがそうでありますように、会社のため、ひいては、大げさではございますけれども、日本経済の発展のために、仕事に喜びを求め、一生懸命働いておりますけれども、若いときには、毎月会社からいただく給与明細書の所得税でありますとか住民税の額につきまして、まあこんなものかなとそれほど意識していなかったのでございますけれども、近年これがずしっと肩にのしかかってくる、こういう思いを強くいたしております。この理由は二つございます。一つは、私どもの年齢になりますと教育とか住宅の関係でお金がかかること。二つ目には、給与が伸びるその率以上に税金の伸び率、これが高いために、税負担の重みを強く感じる、こういうことからでございます。この現行税制の持つ小刻みな大幅累進税率構造のもとではややもすると働く意欲も減少しかねない、こういうふうに考えている次第でございます。
したがいまして、このたびの改正によりまして、中堅所得者を中心として税負担の累増感の解消を図るために、これは単に昭和六十三年度の単年度の措置としてのみではなくて、税率の累進度が緩和され、さらには高校とか大学生の年齢の子供を持つ者の扶養控除等の割り増し等が盛り込まれまして所得税の負担が軽減されますこと、これは私の非常に大きな喜びでございますし、多くのサラリーマンも同じように感じているのではなかろうかと思います。
続きまして、法人税の改正につきましても触れさせていただきたいと思います。
申すまでもなく、私どもサラリーマンは会社からの給与によりまして生計を維持しているわけでございますから、会社の存続、発展なくして私どもの生活向上は図れないということとなります。企業が競争力を維持し続けるためには、不断の研究開発投資や設備投資をしてまいらなければなりません。このためには、企業には適切な内部留保を必要といたします。しかるに、我が国法人の実質的税負担は世界で最も高いと言われております。企業活動のグローバル化が進む中で、世界の企業は同一の土俵で競争すべきであると考えます。日本の企業のみ高い税金を納めることは、日本の企業を国際競争上著しく不利な立場に追いやるものでございまして、このようなことはもはや許される状況ではないと考えます。また、我が国法人税制上のかかる不利が私どもサラリーマンの生活に大きな影響を及ぼすこととなる国内産業の空洞化につながる懸念、これを払拭していただかなければなりません。
以上によりまして、このたびの法人税率を引き下げる法案を強く支持いたす次第でございます。
しかしながら、今回の引き下げによりましても、地方税を含めた実効税率は、いまだ米国等と比べ、なお高い水準にあるわけでございますので、今後の課題といたしまして、さらなる税率の引き下げを御検討願いたく、要望するものでございます。また、税率を引き下げましても、この財源を確保するために課税ベースを拡大するということのないようお願いいたしたいと思います。特に、退職給与引当金でございますとか賞与引当金、これらは私どもサラリーマンに対する債務を積み立てているものでございますので、これを廃止したり圧縮したりすることがないよう強くお願いいたす次第でございます。
このように、所得税及び法人税の減税を強くお願いするところでございますが、次に消費税の導入につきまして述べさせていただきます。
消費税は、サラリーマンの家計に大きな影響を与えること、これは否定できません。しかし、当面の自然増収に着目して、所得税減税はしてほしい、消費税は払いたくないというようなことは、中長期の視点でとらえれば、ないものねだりをするものではないでしょうか。私は、所得税、法人税の減税を行うためには、消費税の導入もやむを得ないと考え、これを支持いたすものでございます。以下にその理由を申し述べさせていただきます。
私は、現行の税の徴収に強い不公平感を抱くものの一人でございます。私どもサラリーマンは、自営業や農業を営む方々とは異なりまして、源泉徴収により所得の捕捉が完璧になされております。この税務執行上の不公平を是正するために、申告納税制度に改善すべき点はないか、このあたりの検討も望まれるところでございますが、すべての納税者の所得を捕捉することが徴税コストの関係で不可能であるといたしますと、国民の多くが不公平と考えております現在のありよう、これは何か別の手段で是正してしかるべきでございます。消費する者だれもが負担する消費税の導入、これはこの不公平の是正に寄与するものと考える次第でございます。
また、国の財政の健全化の観点でございます。適正な直間比率はいかほどかなどの難しい議論、これを展開する能力はもちろん私にはございません。しかし、企業とサラリーマンに税収入の半分以上をも依存するのはおかしいのではないか、そういうふうに思います。特に、企業の収益は大きく変動するものでありますから、これにかなりを依存する財政では、安定的、堅実な国の施策を期待することはできません。財政基盤の健全化を図るためには、これらの税への偏りを是正し、これを補うものとして消費者が広く薄く負担する消費税を導入する以外に道はないと考えます。
国の重要な施策の一つに社会保障制度がございます。私どもサラリーマンも年をとります。今後到来する高齢化社会に向けまして、適切な社会保障を受ける財源を今からぜひとも確保していっていただかなければなりません。この社会福祉の充実のためにも消費税の導入を図らざるを得ない、こう思います。
以上、申し述べました理由から消費税の導入を支持いたす次第でございますけれども、ここで少し要望がございます。
一つは、よほどの事情がない限り、三%の税率を引き上げるべきではないこと、二つ目は、所得税が課されていない低所得のサラリーマンにとりまして、今回の消費税の導入は明らかに増税となるものでございますので、このための措置として歳出面からの手当てをぜひ御検討いただきたいと存じます。
以上、御審議の法案に対します賛成意見を申し上げ、また、一部要望事項を述べさせていただきまして、私からの発言を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。