板垣正の発言 (内閣委員会)

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○板垣正君 御心情はよく理解できました。
 次に、マスコミの報道姿勢と当局の対応について申し上げたいと思います。
 このたびの事件に対する一部マスコミの報道姿勢について、さきに挙げた見殺し発言の取り上げ方を初め、そのすべてとは言えないにせよ、余りにも一方的な自衛隊たたき、「なだしお」たたきに偏したのではないか、ミスリードがあったのではないか。記事の中には、「なだしお」艦長が虚偽の発言をした、「なだしお」艦長の発言は虚偽と断定というふうな、そういう記事もございました。また、報道記事にとどまらず、社説とか論説にまで断定的な論評がしばしば見られた。テレビのニュース報道についても同じであります。
 もとより言論は自由であり、報道、言論の自由は民主主義社会の命でありましょう。しかし、第四権力と言われるほどそれだけ大きな影響力のある報道の姿勢において、もっと良識と節度が必要とされるのではないか。率直な感想であります。
 関連して、当局の対応についても疑問を覚えます。
 特に、調査に当たった海上保安庁筋は、しばしば潜水艦側にこの事案についてより重大な責任があると予断を与えるような海上保安庁筋の情報あるいはその筋の相当確度の高い意向というような形で報道された事実があったと思います。
 そういう点についてお尋ねいたしたい。
 ここで想起されるのは昭和四十六年の雫石事故のことであります。四十六年七月三十日、岩手県雫石町上空におきまして全日空B727と自衛隊F86Fの空中接触によりまして百六十二名のとうとい犠牲を出した大惨事がございました。当時マスコミは、自衛隊の飛行機が全日空の旅客機を爆撃機に仕立てて訓練をしていたというふうな、まさに自衛隊攻撃の大合唱が行われたことはなお記憶にあります。しかし、その後、裁判の過程を経て、むしろ旧式で速度の遅い自衛隊の飛行機に速度の速い旅客機が後ろから行って追突したという事実が明らかにされたわけであります。しかし、こうした報道によって裁判そのものが影響されなかったかどうか。こういう懸念に立って、この問題について海上保安庁長官の御見解を承りたい。

発言情報

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発言者: 板垣正

speaker_id: 15179

日付: 1988-10-11

院: 参議院

会議名: 内閣委員会