嶋崎譲の発言 (文教委員会)
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○嶋崎委員 少なくとも平成元年度の理科の試験でこの到達度という判断に基づいて行われたことが、試験そのものの修正をしなければ、修正方式というものを出さざるを得なかったという事実を見ても、これはやはり科目によって変化が出ていたことの何よりの証拠であるということだけを申し上げておきます。
さて、共通一次が行われてからもう大分時間がたってしまいました。もう十年近くになるわけですから、この間に高等学校教育というのは相当な変化をしたと僕は思っております。今ここ三、四年をとってみれば大して変化はないように見えるけれども、この間に大学入試というもののあり方をめぐって、後期中等教育はまさにかつてよりもさらに受験地獄が激化する。というのは、キャパシティーに対して受験者はどんどん多くなって進学率は高くなってくる。そこへもってきて受け入れる人数は少ないのですから、選抜をやらざるを得ない。学歴が高くなることはいいことですし、いい専門を学ぶことは国民としての要求ですから、それはいいことです。ですけれども、残念ながらこの二段階選抜による試験をやっていることによって、今まで以上に競争体制がより受験者も負担になり、生徒も負担になり、同時に競争は激化していくという側面が拡大してきた。その証拠に、受験産業の肥大化はこの十年の間にすごいものです。これはデータを挙げたらもうびっくりされるほどの拡大であります。
こういうことからして、残念ながら、現行の大学入試の進行していく過程でどんなに技術的に修正しても学歴社会にメスが入らないことは言うまでもない。デメリットに対してメスが入らないばかりでなくて、後期中等教育がそういう受験体制に追い込まれれば、それが中学、小学校といって日本全体が大変な受験地獄の中にさらされている今日の青年や児童の姿になっているということをお互いに確認して、二十一世紀もこれでいいんだなんというようなのんきな話ではなくて、本気になって今の日本の――人材を養成するという意味で競争が必要なことを私は一つも否定しません。我々も昔はみんな競争の中で旧制の高等学校やらみんな試験を受けてきたのですから。
だからそういうことと、これだけ高学歴になってたくさんの人間が高等教育を受けようという時代になった今日の状況の中で、今の受験制度のあり方で、選抜、選抜でやっていくような方式を維持していくのかどうかというのは、もう本気になって国大協も考えてもらわなければいけませんし、文部省の側も大学に対する指導助言という観点からして検討しなければならぬ時期だと思う。僕は、出てきたときは大学自治防衛の立場からいろいろな立論をしてきましたけれども、このごろは大学自治という名のもとに大学自身が改革を怠っているのではないかという気がしてなりません。そういう観点からも、文部省としては、何も管理法をつくれという話ではなくて、もう少し大学改革に刺激を与えるような方式というものはどうするのかとか、いろいろなことを考える時期に来ているのではないかというふうに思います。
いずれにいたしましても、もう一度初心に返って、我々が五十二年にこの制度を発足するに当たって文教委員会では長い議論をしました。最近のように法案を上げるのに一国会なんてそんなことはやりません。あの当時は与野党伯仲時代ですから、もう重要法案は三国会、こういうテーマは小委員会をつくってここでフリー討議をやって、そうしてがんがんやりながらみんなでコンセンサスを得て、小委員会の委員会決議などをやって事態に対応してきた。そのときにも、大学自治問題だから国会として言うのには限界があるというところで議論をしたけれども、我々野党も賛成に回って今日までまいりました。それだけに、もう一度原点に返って、今日の現状のあり方と日本の教育のあり方について再検討すべき時期に来ている、こういうふうに思うのです。
そこで、これからの対応の課題としてお聞きしますが、まず第一に、入試センターのあり方。
私がここでかつて五十二年の段階で議論したときに、こう言ったのです。入試センターというのは二つの側面がある。当面は第一次テスト、共通テストというものをやるための評価の仕方とか方法みたいなものを議論しなければだめですよ。それをやらなければならぬ。
もう一つは何か。イギリスに学びなさい。英国では大学入試の問題を、五年、七年、十年タームで生徒の基礎調査をやるのです。その基礎調査というのは、高等学校の生徒が大学というものをどういうふうに選ぼうとしているのか、現実はどうなっているのかということについてのアンケートをきちっととるとか、教師の側から見た、今の受験の仕組みが高等学校教育にどんな影響が出て、それはどうあるべきかというような調査。さらには、高等学校の生徒が将来の人生進路というものを決めていくときには社会観、人生観と関係してくるのですから、その社会観や人生観というものをこの期にはどういうふうに育成されるのか、そして彼らはどういうふうにして大学を選択しようとするのか、その際に今の学校制度並びに入試制度というのはどういう意味を持っているのか、この調査をやっているんですよ。実施するには十年もかかって基礎調査をやるんです。
そのときにイングランドとウェールズにある十のエグザマイニングボードのリポートを皆さんに示して、こういうことをきちんと一方でやりながら、現実に進行している共通一次というものに対応しつつ常に全体を見ていかなければだめよ、そういうセンターにしなさいと私は言ったのです。そのとき、佐野局長も参考人も、みんなその制度をつくりましょうと言ったんですよ。
さあ大学入試センターの省令を見ますと、大学入試センター組織運営規則を見ますと、六十二年から六十三年に省令の改正が抜本的に行われています。これは国会では議論していませんでしょう。いかがですか。国会で議論しているかどうかということだけです。この省令の変更は何もかけてないでしょう。みんなに相談してないでしょう。