戸井田三郎の発言 (予算委員会)
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○戸井田国務大臣 今お話がありましたように、私たち、今日本の社会保障というものはまさに世代間扶養の時代に入っている、こういうふうに思うわけであります。
御承知のとおり、親が子供を育てるというのはどの動物にも共通をして愛情を持ってやっていることであります。しかしながら、子供が親の時代を背負っていく、負担をするというようなのは人間だけにある現象であります。それが我々の、今高齢化社会に入っていくに従って、皆さん御存じのとおり、年金の問題一つとってみてもおわかりのとおりであります。
今、古賀委員がお父さんが戦争で亡くなったと言われておりました。二つのときに亡くなった。ちょうどその世代というのは大変貧しい日本の時代だったと思うのです。今、年金をもらっている世代の人たちがちょうどその当時に古賀さんのお父さんやなんかの世代だと思うのです。そしてその世代の人は、ちょうどすいとんやおかゆを食べて生活をして、わずかな給料をもらって生活をしていた世代であります。しかし、その世代の人たちが今、年金給付を受けているのは、まさにビフテキを食べて海外旅行をする時代の、その時代の生活の保障がなされておるということであります。そのことがまさに世代間扶養のためにできていることでありまして、ちょうど先年、例のオイルショック、そして狂乱物価がありましたけれども、あのときには既にそういう意味で物価スライドをしていくというような制度を四十八年に取り入れておりますので、それから後の給付というものは、あんなに大きな変動があったけれども安定した給付がなされてきた。すなわち、安定した給付がなされておるのもそういう意味で世代間扶養という仕組みのおかげであろう、私はかように思います。
今問題になりました老人医療の問題も、御承知のとおり大勢がみんなで支えていこう。でありますから、一カ月に数十万円、数百万円というような医療費も一軒の家では支えられない。昔は家の中でお年寄りを支え親を支えていたのは子供で、家族間でやっておったのです。それが世代間でだんだん扶養していくような仕組みになってきたおかげで、今言ったような年金の上でも医療の上でも大変大きな負担が家の中にかからないでできるようになってきたわけであります。
そこで私たちが大事なことは、この仕組みに対する国民的な合意があるのかないのか。私は昔、ちょうど昭和四十八年ごろの健康保険法の改正のときにテレビの討論に出たことがあります。そのときにいろいろお話がありました。それで、自民党がやっていることは、いつも言っているけれども、次にまた改悪するじゃないかということがありましたけれども、この問題はまさに負担と給付の問題にかかわっていると思います。
今、古賀委員のお話のありました負担と給付の問題、すなわち給付の面では、これをよくあめなんて言っているところもありますけれども、給付の面では皆さん御異議がないようであります。しかし、負担の面になるとどうしても反対意見が非常に強くなってまいります。でありますから、その負担の面をやらない場合にはどうなるかといえば、ちょうど足を縛って山へ登れと言うのと一緒で、登ろうと思っても登れない。あめだとかむちだとか言って、あめはいいけれども、本来年金制度という体質の中には、世代間扶養でありますから、世代間で扶養するわけでありますから、給付と負担が調和、バランスをとらないというといつでも病気になる。だからあめでもって、うんとあめをなめ過ぎたら、そういう体質の人は、糖尿病を持っている体質は甘い物を食べたら糖尿病になるのと一緒です。でありますから、そういうような意味で、給付の面があれば必ず体質を維持する補給がなければならない、それが負担であります。
でありますから、今委員から御提案のありましたように、まさに負担と給付というものは、この制度を維持していくための基本であります。でありますから、そういう意味で、私は、今国民的な合意を得なければいけない。そうでないと、常にこの法案が出るたびに給付のあめと負担のむちとの間で選択が違ってくる。そうなってくると、そのために法案が上がらない。年金でも、みんな待っている、待っているけれども、そういったことのために上がらない。そのためにみんなに迷惑がかかるということを考えていったならば、私は、まさにこれは国民的な合意を、このことに対する合意を受けることによって私たちの問題は解決し、世代間扶養というものが本当に実を結んでいくんだ。そしてまた、お年寄りが——負担が多くなってくるというとどうしても世代間戦争になります。しかし、給付がよければ、そのお年寄りたちは、当然その給付というものは、見ていい生活をしている。そういうことを見るというと若い世代の人たちに夢が出てくる。若い人たちに夢が出てくれば、当然その給付の負担はするようになってくる。そういう意味で、私はどうしてもこの負担と給付に対する国民的な合意を得るように努力をしていきたいと思います。