沓脱タケ子の発言 (社会労働委員会)
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○委員以外の議員(沓脱タケ子君) お答えいたします。
現在の被爆者対策は、被爆者に対して健康管理や医療の給付を行う原爆医療法と、原子爆弾の傷害作用による病気やけがのために特別な出費が必要となるということから、医療特別手当等の手当を支給する原爆特別措置法のいわゆる原爆二法によって行われているということは、先生も御承知のとおりでございます。
昭和五十三年の最高裁判決で、実質的に国家補償的配慮が制度の根幹にあるという指摘があり、これを受けた形で翌年の制度審答申が基本理念の明確化を、現行法の再検討を求めることとなり、原爆被爆者対策の基本理念を明らかにし施策の基本的あり方を検討するために、いわゆる原爆被爆者対策基本問題懇談会を発足させたのであります。しかし、五十五年十二月十一日、その意見報告は、アメリカの原爆投下の国際法の違反性や日本政府の戦争責任に切り込まないだけではなく、逆に、戦争被害受忍論という許すべからざる考え方を基調として援護法の制定を否定し、被爆者の心を裏切ってしまったのであります。
その結果、現行二法の枠組みは今後とも堅持していくというのが政府の基本的な態度のようでございますが、こうした対応の最大の問題点というのは、御指摘のように、原爆の最大の被害者であります亡くなった方とその遺族に対して弔意をあらわすこともしていないし、慰謝もしていないと
いうところにあります。また、その施策の対応も生存被爆者のみに限られ、被爆者年金もなく、内容的にも極めて不十分な上に所得制限までつけられているのであります。こういった現行制度の不備を見るにつけましても、私どもは国家補償の精神に立ち、被爆者年金の創設と死没者と遺族への弔意と慰謝、これが確立された被爆者援護法の制定こそその必要性を痛感しているところでございます。