沓脱タケ子の発言 (社会労働委員会)

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○沓脱タケ子君 ただいま政府の御見解がございましたけれども、発議者の立場で一言見解を申し上げたいと思うところでございます。
 いわゆる黒い雨地域に関する地域拡大の問題でございますが、黒い雨地域という問題というのは、もう御案内のように原爆が爆発した際に爆風がちりを吹き上げて、そのちりが雨にまざって黒い雨となったというのが事実でございます。こういう黒い雨地域等についての地域拡大の問題について、科学的、合理的根拠のある場合に限定して行うべきというのがいわゆる基本懇の意見報告でございますが、政府はこの意見報告を受ける形で大体すべて事足れりとするような大変消極的な態度をおとりになってきておられることをまず大変遺憾だと私は思っているところでございます。
 初村先生はたびたび本院におきましても御指摘はなっておられますし、長崎地域におきましては具体的なデータをたびたび御提示になっておられるところでございますし、また長崎市からも地域拡大についての御要請も出されておるところでございます。広島におきましても、同じように黒い雨地域についての自治体からの陳情書等も出されておるところでございます。
 私は、世界で唯一の被爆国である我が国におきまして、その被害の実相というのが、これは今なお未解明の部分が残っていて当然だと思うわけでございます。したがって、新しい知見や研究というふうなものが提示されていくという場合には、これはすぐに厚生大臣としてはお取り上げになって、科学的な調査をやって、そして実態を把握するということが何よりも大事だと思いますし、私ども発議者の立場としてはこれを直ちにやらなければならないという態度をとっておるところでございます。
 従来からの問題におきましても、例えば広島の気象研究所の予報研究室長でありました増田氏が学会で報告をされたという気象学者の立場からの御研究の中でも、広島の黒い雨地域は二倍以上に上ると、その後の調査においては四倍にもなるのではないか等が言われているというふうなこと。あるいは長崎におきましても、例えば住民の健診結果等については、十分これは精査をしなければならないという実態が提示されてきておるところでございます。
 したがって、私は今まで見捨てられていた被害者が被爆影響によって本当に未知の不安にさらされ、とりわけ健康上の不安を抱えているという多くのいわゆる被害者の皆さん方が一人残らず援護措置をされるためにも、ぜひこれは新しい知見が出れば、厚生大臣が直ちにこれは科学的調査を行い、そして実態把握をして見直していくというふうな態度をとるべきであるというのが私どもの考えであるということを申し上げておきたいと思います。

発言情報

speech_id: 111614410X00819891212_024

発言者: 沓脱タケ子

speaker_id: 32029

日付: 1989-12-12

院: 参議院

会議名: 社会労働委員会