吉川芳男の発言 (税制問題等に関する特別委員会)

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○吉川芳男君 十一月八日より始まった本税制特別委員会は、各党一巡の後二巡目に入り、自民党委員では私が十二人目、全体では二十人以上の質問が続いているわけでございます。およその問題は出たようですが、これから私がお聞きする項目も議論があったところですが、人がかわれば聞きたいことも変わるということで、重複のところはお許しいただきたいと思うのでございます。また、私は法律と数字に弱いものですから、主としてこれからの問題の底流になっておる考え方と申しましょうか、本音のところをお聞かせいただければよいと思っております。
 なお、私の持ち時間の中で後刻片山虎之助委員が関連質問されますので、申し添えておきます。
 前置きはこれぐらいにいたしまして早速質問に入りますが、まず最初に、発議者の皆さんを驚かすようなことを言って恐縮でございますが、端的に言って、野党の消費税廃止法案提出は誤りではないかな、こういうふうに私は思うわけでございます。
 ずっと税制特別委員会の論議を聞いておりますと、提案者は、廃止法案は先般の参議院選挙で野党が勝利したからだ、この勝利は消費税廃止の公約を掲げたからだ、したがって公約を実行する責任があるので廃止の法案を出したと説明されておりまするけれども、私は、この七月の参議院選挙というのは消費税だけを争点としたものでもなく、ましてこの消費税の信任投票を国民に求めたものでもないと考えているのであります。この点は既に我が党の質問者がしばしば指摘しておりますので多くは申しません。提案者の方は、参議院選挙に勝ったことで冷静さと平常心で政治を行わなければならないという鉄則を忘れてはいませんかということなんです。国の政治を動かすことができるでしょうか。また、本当に国民のための政治になると考えておられますか。
 言うまでもなく、国会は衆参両院で構成されておりまして、しかも憲法は衆議院に第一院としての立場を規定し、幾つかの優越権、つまり予算の審議権であるとか条約の承認権、内閣総理大臣の指名権というものを認めております。こうした憲法の立場を踏まえて考えるならば、参議院選に勝ったことを理由に、国の政治を支える根幹とも言うべき税制を、参議院から廃止法案を出すというのはどうしても理解しかねるところでございます。国民の目から見ると、衆議院には廃止法案を出しても問題にされないだろう、参議院だから参議院に出しているとだけしかこれは映らぬと思うんです。
 また、野党の皆さんは政権担当能力ということをしばしばおっしゃっておりますが、この能力を示すためにもこの法案を出したと言っておりまするけれども、法案は両院の同意でつくらなければならぬ、成立しないということも百も承知であろうと思うのでございます。成立しないことが明らかな消費税廃止法案を提出しているこの姿勢は、実は政権担当能力どころか、本当の意味での議会政治を忘れたものではないかと批判されても仕方がないと私は思うんです。
 野党が主張している二十一世紀を見据えた税制再改革を本気でやるというのであれば、国会で法案が成立する見通しが立つ条件がそろった場合に出すべきではないかと思うのでございます。
 消費税廃止法案の提案は、二院制の議会政治のあり方から見ても誤りであり、乱暴過ぎると思うのでございますが、まずその辺について御答弁願いたいと思うのであります。

発言情報

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発言者: 吉川芳男

speaker_id: 4743

日付: 1989-12-04

院: 参議院

会議名: 税制問題等に関する特別委員会