山岡賢次の発言 (税制問題等に関する特別委員会)

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○山岡賢次君 連日御苦労さまでございます。昨日、物品税法の一部につきまして御質問を申し上げたわけでございますが、お答えは修正をされない、こういうことでございますので、原案どおり提出、こういうふうに承っております。いずれお変えになるならないの問題ではなくて、このままで出される、こういう解釈でよろしいのではないかと思いますが、それではそれにつきまして私の所感を述べさせていただきたいと思います。
 私は、昨日野党の物品税法案につきまして、次のような重大な欠陥があることを指摘いたしました。例えば、ユネスコ等から寄贈された教育用のビデオテープ等は関税とともに物品税も免除すべきものであるのに、免税とする手当てがされていないのみならず、従来から免税となっている一万円以下の少額の輸入物品一般についても免税とする手当てがされていないのであります。さらに、海外旅行者が持ち帰る物品に対して適用されます簡易税率についても、野党みずから廃止を提案している消費税に基づいた現行の簡易税率を放置しているのであります。
 これらはいずれも法案の重大な欠陥であり、殊に簡易税率は毎年八百万人を超える海外旅行者に関連する事項であるだけに、これまで発見された野党の法案の欠陥中最大のものと言えるのであります。このような野党の法案の重大な欠陥の取り扱いにつきまして今回修正を見送ることとされたことは、私としては野党の政権担当能力、国民に対する責任の欠如をあらわしているものと思います。
 そもそも国会に提出する法律案は提案の時点で欠陥を含まないものである必要があるが、遅くと
も法案が可決される時点で欠陥が除去されていなければ国民に多大な迷惑をかけることになるのであります。このような国民に対する厳粛な責任感を持たなければ法案を提案する資格もないし、政権を担当する能力もないと言わざるを得ないのであります。野党は関係法律の年度改正において政府が必要な手当てをすればよいと言っておられますが、これはどんな誤った法律もともかく可決して施行日までに改正を行えばよいと言うに等しいことであります。それなら、今後野党から見てどんなに問題のある法律案を政府が提出しても野党は文句を言わず、ともかく成立するのを認めざるを得ないことになるのであります。要するに施行日までに改正すればよいと言うのでありますから。しかも野党は自分の提案した法律案の欠陥を政府が直せばよいと言っておられますが、これは無責任きわまりないものであります。
 そもそも政府として反対している時代錯誤の物品税の復活に応じて政府が野党の法案の誤りを正してくれる保証はないのであります。政府が関係法律を改正する理由がないときは、全く過去の野党の法案の誤りを是正するためだけの法案を提出することになるが、このような法案を政府が提出することは考えられないのであります。そのとき野党は一体どのような責任をとるのでありましょうか。私は何も野党の法案のあら探しをしているわけではないのであります。税金はすべての国民に関係のある重大な事柄でありますだけに、過ちは許されないものと考えており、そうした観点から法案の欠陥を野党みずから正すように指摘したところであります。
 しかるに、残念ながら野党の皆様は憲法に定められた租税法律主義の意義を余り理解しておられず、また欠陥を含む税法によって受ける国民の打撃をおわかりいただいていないようであり、メンツだけを気にして国民に対して責任を果たされなかったのであります。これは良識の府としての参議院の歴史に大きな汚点を残すことになるだけでなく、今後野党は税制に対して発言する資格を放棄したと私は考えるのであります。
 以上、所感を述べさせていただきまして、次の質問に入らせていただきます。
 国会法の問題でございますが、日本国憲法には予算編成権を内閣固有かつ専属の権能と位置づけているわけでございますが、予算を伴う法律案の議員による発議、今回のようなケースにつきましては、内閣の予算編成権と衝突することがあるわけでございまして、国会法において発議要件を一般の法律より加重する、重くしている、こういうものがあり、内閣意見の制度を設けて、内閣に意見を述べる機会を与えなければならないと、こういうふうになっているわけでございます。
 ちなみに、国会法の第五十六条、「議員が議案を発議するには、衆議院においては議員二十人以上、参議院においては議員十人以上の賛成を要する。」、これが普通でございますが、ただし加重すると申し上げたのは、予算を伴う法律案を発議するには、衆議院においては議員五十人、倍でなきゃならない、参議院においても議員二十人、倍の賛成を要する、これが五十六条であり、五十七条に「各議院又は各議院の委員会は、予算総額の増額修正、委員会の提出若しくは議員の発議にかかる予算を伴う法律案又は法律案に対する修正で、予算の増額を伴うもの若しくは予算を伴うこととなるものについては、内閣に対して、意見を述べる機会を与えなければならない。」、これが五十七条でございます。
 さらに、参議院規則の第二十四条に「予算を伴う法律案については、なお、その法律施行に要する経費を明らかにした文書を添えなければならない。」、こういうふうに定めているわけでございまして、このような内閣の意見の制度は、三権分立、こういう理念のもとに内閣の予算編成権と議員の法律案発議権を調整しようとしているものであるわけでございまして、野党の消費税廃止関連九法案は歳入歳出に極めて大きな変動をもたらすものでありまして、予算編成権を持つ内閣にとっては重大な問題であると思うわけでございます。
 内閣意見は国会の立法権と政府の財政権限との間の調整を図ろうというものでありますから、一番最後の地方税法改正案、これを除く八法案、残りの八法案についてはすべて内閣意見を求めなければならない、こういうふうに考えるわけでございますが、しかし今回野党の提出した法案には、一番目の消費税法を廃止する法律案及び税制再改革基本法案、この二本にしか経費を示す文書が添付されていないのであります。そのほかの法案は内閣意見を求めないような形になっているということは、野党法案に重大な欠陥があるわけでございまして、ちなみに、一つの法案については出されているわけで、五兆九千四百億余のお金がなくなるよ、また、税制再改革基本法案では八千万円の国民税制改革協議会設置の経費がかかります、こういう添付はされているわけでございますが、そのほかについてはされていないということは、これは法案として重大な欠陥を持つという指摘をしたいわけでございますが、いかがでございましょうか。

発言情報

speech_id: 111614587X01619891208_002

発言者: 山岡賢次

speaker_id: 29184

日付: 1989-12-08

院: 参議院

会議名: 税制問題等に関する特別委員会