井上吉夫の発言 (税制問題等に関する特別委員会)
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○井上吉夫君 ただいまの答弁では私の質問に答えたことにはなりませんけれども、この議論を延延続けていたんでは私の持ち時間は消えてしまいます。本題は、こういうところに非常に大きな矛盾をはらんでいるということだけは発議者の皆さん方もおわかりいただけたと思う。したがって、こういうことについてしっかりとした見解をさらに詰めていく必要があるということを御指摘申し上げておきます。
それと同時に、とりわけ民社党の勝木さんに何遍か答えに立っていただきました。そして、代表質問とでも言うべき委員会における寺崎さんの発言の部分についても御紹介を申し上げました。そして、今までの議論の中で、少なくとも物品税の方が消費税よりもはるかにいいんだというようなことが極めてしばしば言われてまいりました。そして、物品税は消費税に比べて、その税の性格において担税力を考慮しながら措置ができるという長所があるということを多くの方々が強調されました。しかし、今述べられた民社党のお答えはそれと甚だしく異なっていると私は思うんです。このことは、今までの過程の中でどなたか私どもの党の同僚が指摘したことがありますように、同床異夢と言われてもしようがないというそういう感想を持たざるを得ません。このことを指摘しまして、次にいわゆる自民党の見直し案につきまして、大蔵大臣にお伺いをいたしたいと思います。
私は、自民党の見直し案の中に入る前に、まず消費税導入の意義は何だったのかなということをもう一遍振り返ってみたいと思うんです。私は、消費税導入の意義は大きく三点あると考えます。
まず第一は、税体系の問題であります。直接税と間接税にはそれぞれ長所短所があります。所得税等の直接税には、所得の大きさに応じ、所得の小さい人には負担を小さくし、所得の大きい人により多くの負担を求めることができるという長所がありますが、逆に捕捉に限界があることも否めません。所得の同じ人が必ずしも同じ負担をしないのではないかという不公平感が生じやすい欠点があります。
他方、消費税等の間接税は、所得の捕捉いかんにかかわらず、消費の大きさが同じであれば、同じ値段のものを買ったらみんな同じ税金を払うわけでありますから、同じ負担を求めることができるというよさがあります。俗に水平的公平と言われます。従来の税制では、所得税等の直接税に偏っていたため所得税の欠点が目立ち、税負担の不公平感が高まってまいりました。特に、サラリーマンの重税感という形でサラリーマンの方々の不満が高まってまいっておりました。先般の税制改革では、所得税等の直接税を軽減するとともに、消費一般に負担を求める消費税を導入し、税体系全体を通じた公平を図ろうとしたものだと思います。
第二は、高齢化社会への対応の問題であります。我が国は、現在急速に高齢化が進んでいます。既に高齢化時代に入っている、間もなくすれば言うなれば超高齢化時代に入るという議論も展開されてまいりました。今後増大する社会保障等の費用を、相対的に減っていく働き手のみに負担を求めていくのには限界があります。そこで、今後国民の勤労意欲を損なうことなく活力ある高齢化社会を築いていくためには、国民すべてが広く負担を分かち合う仕組みが必要であると考えられる。このような観点から、国民すべてが広く薄く公平に負担する消費税を導入したわけであります。
第三は、間接税自体の問題であります。従来の物品税等の個別間接税は、今申し上げましたように、ぜいたく品を中心に特定の物品にのみ重い税負担を課していましたが、人々の所得水準が上昇し消費の仕方が多様化した今日では何がぜいたく品かは人によってさまざまであり、この世に無数にある商品、サービスのうちから個別にぜいたく品を選び出して課税する個別間接税制度はもはや時代おくれとなり、課税されるものと課税されないものとのアンバランスが生じました。また、消費の半分以上を占めると言われるサービスに対してはほとんど課税されていなかったという問題もありました。原則としてすべての物品、サービスに広く薄く課税する消費税は、このような個別間接税制度の問題点を抜本的に是正するものであります。
以上、消費税導入の意義について私なりの整理で申し上げてみましたが、ここはやはり専門家であります大蔵大臣にわかりやすくひとつこのことについて御説明を願いたいと思います。