税制問題等に関する特別委員会

1989-12-11 参議院 全150発言

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会議録情報#0
平成元年十二月十一日(月曜日)
   午前十時十一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月八日
    辞任         補欠選任
     今泉 隆雄君     下村  泰君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中村 太郎君
    理 事
                井上 吉夫君
                沓掛 哲男君
                宮澤  弘君
                村上 正邦君
                稲村 稔夫君
                及川 一夫君
                本岡 昭次君
                矢原 秀男君
                近藤 忠孝君
                古川太三郎君
                寺崎 昭久君
    委 員
                伊江 朝雄君
                小野 清子君
                大木  浩君
                梶原  清君
                鎌田 要人君
                北  修二君
                久世 公堯君
                佐々木 満君
                谷川 寛三君
                前島英三郎君
                松浦  功君
                松浦 孝治君
                守住 有信君
                山岡 賢次君
                吉川 芳男君
                穐山  篤君
                上野 雄文君
                大渕 絹子君
                粕谷 照美君
                渕上 貞雄君
                細谷 昭雄君
                前畑 幸子君
                村田 誠醇君
                安恒 良一君
                山口 哲夫君
                刈田 貞子君
                常松 克安君
                和田 教美君
                吉岡 吉典君
                高井 和伸君
                三治 重信君
                下村  泰君
                野末 陳平君
   委員以外の議員
       発  議  者  久保  亘君
       発  議  者  佐藤 三吾君
       発  議  者  梶原 敬義君
       発  議  者  小川 仁一君
       発  議  者  峯山 昭範君
       発  議  者  太田 淳夫君
       発  議  者  笹野 貞子君
       発  議  者  勝木 健司君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  橋本龍太郎君
       自 治 大 臣  渡部 恒三君
   政府委員
       大蔵省主計局次
       長        寺村 信行君
       大蔵省主税局長  尾崎  護君
       厚生大臣官房老
       人保健福祉部長  岡光 序治君
       社会保険庁運営
       部長
       兼内閣審議官   土井  豊君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹村  晟君
       常任委員会専門
       員        保家 茂彰君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○消費税法を廃止する法律案(久保亘君外七名発議)
○消費譲与税法を廃止する法律案(久保亘君外七名発議)
○地方交付税法の一部を改正する法律案(久保亘君外七名発議)
○税制再改革基本法案(久保亘君外七名発議)
○法人税法等の一部を改正する法律案(久保亘君外七名発議)
○通行税法案(久保亘君外七名発議)
○物品税法案(久保亘君外七名発議)
○入場税法案(久保亘君外七名発議)
○地方税法の一部を改正する法律案(久保亘君外七名発議)
○消費税法の廃止に関する請願(第二号外四一三件)
○消費税の即時廃止に関する請願(第二一号外九四件)
○現行消費税反対、公正公平な税制の確立に関する請願(第三五号外七五件)
○消費税の廃止に関する請願(第四一号外二件)
○消費税廃止に関する請願(第四五号外一六九件)
○公約違反の消費税法の廃止に関する請願(第四八号外一三〇四件)
○消費税即時廃止に関する請願(第一一一号外三六件)
○消費税法廃止に関する請願(第一四二号外四一件)
○消費税法の即時廃止に関する請願(第二九九号外六五件)
○消費税の廃止、国民本位の税制改革に関する請願(第八三四号外二件)
○医療や福祉に打撃を与える消費税廃止に関する請願(第九五四号外二〇件)
○消費税法の即時撤廃に関する請願(第一一〇七号外二八件)
○消費税撤廃に関する請願(第一三三八号)
○消費税の廃止等に関する請願(第一三七六号外二四件)
○芸術・文化活動に課する消費税反対等に関する請願(第一六三〇号外一件)
○消費税の撤廃に関する請願(第一九二三号外一八件)
○消費税廃止法案の成立に関する請願(第一九九四号外七六件)
○公約違反の消費税の即時廃止に関する請願(第二一三八号外九〇件)
○消費税法即時廃止に関する請願(第二一四〇号外六件)
○消費税の廃止、国民本位の税制改革と大幅減税に関する請願(第三三七七号)
    ─────────────
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中村太郎#1
○委員長(中村太郎君) ただいまから税制問題等に関する特別委員会を開会いたします。
 消費税法を廃止する法律案、消費譲与税法を廃止する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案、税制再改革基本法案、法人税法等の一部を改正する法律案、通行税法案、物品税法案、入場税法案及び地方税法の一部を改正する法律案の九案を一括して議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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井上吉夫#2
○井上吉夫君 私は自由民主党を代表して、総括して締めくくりの質問をただいまから展開いたしたいと思います。発議者各位の明快な御答弁をお願い申し上げます。
 質問の第一は、共産党は、野党としては消費税廃止法案のみを出せばいいところを再改革基本法案及び代替財源法案を提出したのは、自民党にはめられたという、そういう言い方をもう冒顔からされてまいりました。発議者はこのことについて、どのようにお考えになっておるか、まずお伺いをしたいと思います。
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久保亘#3
○委員以外の議員(久保亘君) 私は、今回御審議をお願い申し上げました消費税法を廃止する法案、これに関連する九法案につきましては、四会派の判断と責任に基づいて提案を申し上げたものでありまして、はめられたとかはめたとかいうような、そういう御見解には全く同意いたしかねます。
 私どもは、参議院選挙に示された国民の皆さんの御意思に対し、そして、私どもが選挙で公約をしてまいりましたことについて、これを誠実に受けとめ、履行するために今回九法案を提案いたしたのであります。
 特に、参議院選挙の結果は政権交代の可能性を大変現実的なものといたしております。それだけに私どもといたしましては、今回消費税法を廃止するに当たっては、財源等につきましても、また税制再改革を行う考え方につきましても、明確にお示しをすることが私どもの責任と考えたのであります。このことにつきまして、本委員会の委員長を初め各党の委員の皆様方が真剣に長期間にわたって御論議をいただきましたことに、深く提案者として敬意を表する次第でございます。
 また、今回この議員立法に当たりまして、これだけの多くの法案を参議院において真剣に受けとめ、また参議院の職員の皆さん方にも大変な御努力をいただいて、今日この審議が行われてまいりましたことを、私どもは参議院の活性化といいますか、新しい参議院の立法府としてのあり方についても、国民の皆さんの御期待にこたえることができたものと考えております。
 ただ、大変残念に思っておりますことは、願わくは、自由民主党の公約でありました消費税法の見直しについて、これが明確に示されることによって本委員会の論議が一層国民の皆さんにわかりやすく、そしてその期待にこたえる論議となればなおよかったと考えております。
 今御質問がございました、はめられたとかはめたとかいうような見解については、私どもは全く同意できないことを御答弁申し上げたいと思います。
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井上吉夫#4
○井上吉夫君 今の久保議員の答弁は当然のことでありまして、共産党からはしばしば自民党の策謀であるとかあるいははめられたとかいう言葉がよく使われました。そのことは、一方では自民党を悪者呼ばわりする言葉であると同時に、一方では提案者側に十分の知恵がない、政策立案能力がないということを意味することにもなるわけでありまして、今久保議員から、廃止法案を出した以上は、代替財源は通常ならば予算の編成権を持つ政府が考えることではあるが、我々自身が政権担当能力があるということを国民の皆さん方に知っていただくためには、廃止後の再改革についてどうやっていくか、そして当面の代替財源をどうするかということについてはみずからの自信と責任を持って提案したということを述べられました。当然のことであります。
 ただ、今日までの私どもの論議の期間に、かなり多くの修正を必要とする部分を含めて、たくさんのミスが発見されたということは、この法案自体の中に極めて重大な欠陥を含んでいたということを言わざるを得ない。したがって見方によっては共産党の批判にも一理があるのかなという、そんな感想を一方では持たざるを得ないという部面もあると思います。
 このことについては以上でとめまして、私は次に、今回の議論の中で最も数多く議論をされてまいりました物品税等の問題について入りたいと思います。
 物品税等の個別間接税の問題についてはいろいろと議論をされてまいりましたけれども、今までの間に、野党の各党におきまして何回にもわたって、物品税が議論をされる機会に、物品税は時代おくれであるとか、あるいは最近の消費構造を見ると到底もうこの物品税の仕組みというのは今の時代に対応し切れないという、そういう意味の意見がしばしば述べられてまいりました。
 私はこの機会に、昭和五十八年の九月二十一日、参議院の予算委員会において社会党の和田静夫議員が述べられた、物品税は時代おくれというくだりについて、どういう言い方をされておるか、社会党から御説明をいただきたいと思います。
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久保亘#5
○委員以外の議員(久保亘君) ただいま御指摘のございました和田静夫元参議院議員が、物品税は時代おくれだという発言をしているということにつきまして議事録も精査をさしていただきました。また本人にも確認をいたしたところでございます。物品税法の当時の政府税調での議論に対して和田議員が言いたかったことは、課税対象の根拠が不明確であり、恣意的に行われているのではないか、新たに課税するあるいは課税対象から外すということを時代に合わせて行うことができるのにそうした視点から行われていない、時代に対応した課税、非課税の議論をすべきであるということを申し上げたということであります。
 物品税は、適時時代に合わせた見直しが、課税物品のみならず非課税、免税点を含めできるようになっております。こうした見直しが必要だということを申し上げたのであって、物品税そのものは極めて有効な税制であることを主張しているということを和田議員は申しておりますし、私どももそのように理解をいたしておるところでございます。
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井上吉夫#6
○井上吉夫君 今久保議員からお聞きのような説明がありましたけれども、私が五十八年の九月二十一日の参議院予算委員会における物品税は時代おくれというくだりについて和田静夫議員の質問の部分の議事録をとってみますと、
  この所得税減税に関連してですが、個別物品税のこの課税対象を拡大する方向で税調がどうも議論をされているようにいろいろ読むと感じますが、物品税という税目は時代おくれであると私は考えているんです。不合理性がつきまとう、こういうふうに主税当局も私には何回か答えていることを記憶いたしていますが、これは税調会長もそういうふうにお考えになりましょうか。
という問いかけであります。税調会長の答えがありますが、それは省略をいたします。
 したがって、今久保議員の御説明は、その後和田静夫さんに真意を確かめられた言葉が今のようなことになったのかもしれませんけれども、議事録で見る限り、五十八年の九月当時、少なくとも和田議員は、物品税というものは、もうこういう税目は時代おくれであるということを指摘しながら質問を展開していると見ざるを得ないと私は思うわけであります。
 次に、公明党についてお伺いをいたします。
 五十六年の二月二十七日の衆議院大蔵委員会で公明党の柴田弘議員は、物品税は消費構造そのものの変化にだんだん対応し切れなくなっているのではないかという趣旨の質問をしておられます。
  国税庁が発行しております「私たちの税金」という本の中に、物品税とは「しゃし品、趣味・娯楽用品、便益品、し好品などを課税対象としている。」こういうふうに述べているわけです。しかし、最近の国民の生活実態から見てまいりまして、たとえば昔はぜいたく品であったカメラやテレビ、こういったものがすでに大衆商品である、こういうふうに国民の生活の向上といいますか、そういったことで消費構造そのものの変化が今日見れらているわけです。私が思いますのは、現行の物品税のあり方がこういった消費構造の変化にだんだん対応し切れなくなってきているのではないか、こういうふうに考えているわけでありますが、この点はどうでしょうか。
という質問を展開しておられます。
 明らかに柴田弘議員の見解は、現在の国民生活の向上ぶりを見ますとこの物品税というのは現在の消費構造には到底対応し切れていないということを強く強調しておられるというぐあいに読み取ることができると思います。
 さらに、五十九年の三月二十三日、参議院本会議において鈴木一弘議員が個別間接税制度は限界に来ているという趣旨の質問をしておられるようでありますが、このくだりについて公明党からお知らせをいただきたいと思います。
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峯山昭範#7
○委員以外の議員(峯山昭範君) お答えいたします。
 井上さんの方から御指摘がございましたので、柴田発言と、それから当時全部で四人の御指名がございましたので、四人分とも調べさせていただきました。
 柴田発言は、五十六年二月二十七日の衆議院の大蔵委員会の発言でございまして、相当長い文章になっておりますんですが、要するにいろんなことを言っておりまして、初めに物品税の定義とは一体何かというところから始まりまして、もう明らかに大衆課税だと現在の時点で言えるんじゃないか、今回の課税対象の拡大あるいは税率の引き上げ等々はもう大衆課税の強化であるということで、物品税の定義を明らかにしてもらいたい、そうでない限り無原則な物品税の課税は大衆課税になるのではないか。この柴田君の発言の要旨は、要するに物品税の中身を修正しなければ大衆課税になるというのが柴田発言の本旨ではないかな、こういうふうに思います。
 それから鈴木君の発言は、これは昭和五十九年三月二十三日の本会議における発言でございます。これにつきましては、物品税の抜本的見直しの必要性を強調いたしておりまして、政府も現行の個別物品税制度の不備を認められているようでありますが、そのような短絡的な発想ではなく、これまでの課税品目を非課税とすることも含めて、物品税の抜本的見直しが必要ではないでしょうかということでございまして、物品税そのものの否定ではなくて、物品税の果たしてきた役割ということも考えまして、要するにこれは柴田発言も鈴木発言も本質的には大体同じことを言っていると私は思います。そういうような意味で、物品税の課税については現状のままで行くと大衆課税になる、したがってこの点をやっぱり改めていくべきではないのか、その点を強調したのではないか、こういうふうに考えております。
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井上吉夫#8
○井上吉夫君 私は、鈴木一弘議員の参議院本会議、五十九年三月二十三日の議事録をとってみまして、今の峯山さんのお答えのようにはどうしても読み取ることができません。
  現行の物品税は、課税対象品目が八十品目という個別物品税であるため、我が国の経済情勢の変化に対応できない面が多くなってきております。
云々の後に、
  また、このことは、国民の生活様式の変化に沿って、新しい商品が次から次へと出ている現在では、これまでのように物品税の課税対象品目の追加とか税率の変更では追いつけないということになり、個別物品税制度は限界に来ていることを示しているわけであります。
このことが私は鈴木発言の中心だというぐあいに読むのが正しいのではないかと思います。
 次に、民社党にお伺いをいたしますが、民社党の元委員長、春日一幸さんの言われていることでありますが、「不公平不公正の佃煮 物品税法廃止さる 我ら民社は斯く闘えり」でありますから、この前の六十二年の税制改正直後の文章だと思います。
  税制改革六法の成立で消費税が創設されるのと引き換えに、まず物品税を中心に在来の消費税制が廃止される。
  六十三年度の所得税、法人税等直接税総額は三十三兆五千億円で、これに物品税、酒税、たばこ消費税、有価証券取引税、揮発油税等間接税総額は十二兆九千億円で、今回の税制改革は間接税全般に跨って斧鉞を加えたものだが、わけても不公平と不公正の佃煮とも目される物品税が全的に廃止されることの意義は甚だ大きい。
  そもそも年間一兆八千億円に昇る物品税のルーツは昭和十二年に北支事変特別税と銘打って、当時の世相に則し、贅沢品奢侈品高級品をターゲットに課税されたものである。しかるに国民平等の原理に立つ新憲法が施行されても戦費調達のためのこの特別税をそのまま存続していたことは行政の重大な手落ちであった。まことに銘記すべきことはこの物品税被課税業者はこの税制施行以来五十年この方、消費者より税額を徴収しそれを税務署に納付すると言う重々しい責務を無償で担わされてきたことである。
  消費税の創設に反対するからには実体上、物品税の存続を固持するしかないが、それでは「新しい負担は避け得ても現に不公平不公正な政治のせいで呻吟している無辜な犠牲国民を救済することはできない」ことになり、そのような無責任なエゴに常識は決して味方しまい。
という、そういう文書を出しておられます。
 なお、民社党の寺崎議員が民社党のいわば代表質問において、物品税の復活はいろんな方面から疑問の声が上がっている。民社党としても財源法案の前の段階では、不公平、不合理だからやめたのであり、昔に戻すことが前進とは言えないという見解も示している。私も物品税には基本的に反対である、今回財源として加えたのは、時間的制約の中で他に適当な財源を見つけるのが難しいという事情もあって暫定的財源とするのを可としたのである、というぐあいに述べておられます。
 このお二人の御意見に対してお答えをいただきたいと思います。
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勝木健司#9
○委員以外の議員(勝木健司君) 私も、改めまして亡き春日一幸先生が執筆されておりました「不公平不公正の佃煮 物品税法廃止さる」というのを熟読させていただきました。
 今井上先生からもそのくだりの主な部分を読んでいただいたわけでございますが、今は亡き春日先生の胸中に触れ得ないのは残念ではありますが、この論文を素直に一読いたしまして、私は、生前春日先生は物品税廃止に賛成であったのではないかというふうに推察せざるを得ません。
 また、寺崎発言でありますが、これにつきましても、私ども民社党は、その財源の大部分を自然増収に求めるのは財政上問題があるということ、そしてまた、他に物品税にかわるような適正な代替財源がないことということなどから、各方面にわたって真剣に検討したわけでございます。
 消費税問題等対策特別委員会を我が党内にも設置をいたしまして、十数回にわたりましてこの消費税廃止に伴う代替財源について議論を重ねてまいりました。その過程におきまして物品税の復元に反対する論もありましたし、また製造段階で課税するという製造業者売上税、いわゆる庫出税という論もありましたわけでありますが、党内議論のコンセンサスを得るのに時間がかかったことは井上先生御承知のとおりでありますが、結論的には、旧物品税に不合理があることは十分承知の上で、二年間の暫定財源という立場から私たち民社党は苦悩の中で物品税の復元に踏み切ったということでございます。
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井上吉夫#10
○井上吉夫君 勝木さんのただいまの答弁は、物品税にはいろいろ我が党としては異論もあり必ずしも賛成しかねるけれども、二年間の暫定財源だということで四党の提案に同調する、そういう立場で踏み切ったというぐあいに理解できたわけでありますが、それでは、物品税法は二年限りの時限立法になっておりましょうか、お答えを願いたいと思います。
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勝木健司#11
○委員以外の議員(勝木健司君) 二年間限りの暫定財源とはなっておりません。恒久財源ということで一応提案させていただいております。
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井上吉夫#12
○井上吉夫君 民社党の意思は二年間の暫定財源だからということで同意した、法律の形は時限立法になっていないということになりますと、この間の大きな矛盾というのをどう解決するのかという極めて大きな問題が残ります。このことは軽々に一片のやりとりによって事が解決する問題でないというその重みを深く受けとめていただきたいと思うんです。もちろん、税制改革基本法全体が二年をめどとして新しいあるべき税制の姿を求めて、そして答えを出したいというぐあいになっておりますから、それとの絡みだけで見るならばそのことに矛盾はないことになりますが、ただ、今までの議論の中で、これもまた必ずしも二年ででき上がるかどうかということがどうもはっきりしない。あるいは二年を越えることこれあるべしという答弁もしばしばありました。こういうことも含めて後でまた触れたいと思いますが、今、本来ならば民社党の主張をもってすれば、この物品税法は時限法でないと理屈が合わないということだけを強く指摘しておきます。
 それでは、野党案では、普通乗用自動車と軽乗用自動車の取り扱いが製造段階で八%課税という形で同じとなっておりまして、現行消費税の負担と比較をいたしました場合に、消費税では普通乗用車が六%、軽自動車は三%ということになるわけでありますから、この普通乗用車と軽自動車の関連で見る限り、軽自動車については皆さん方のいわゆる物品税に戻すことによって少なくとも二年間は大変不利をこうむる、相対的に不利をこうむるということになると思いますが、この矛盾についてどうお答えになりますか、勝木さんお願いします。
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勝木健司#13
○委員以外の議員(勝木健司君) おっしゃるとおり、現行消費税では軽乗用車は三%、普通乗用車及び小型乗用車は六%となっております。それを私どもの改革案では一律八%としたわけでございます。したがいまして、軽貨物は三%であるのに軽乗用車は八%となりまして、井上先生御指摘のような矛盾が存在することは私どもも否定はいたしません。
 これは、第二種の旧物品税率が一〇%以下のものを四%、そしてまた一〇%を超して一五%以下のものを六%、一五%超を八%と機械的に行ったために発生したものでございます。旧物品税率では、軽貨物は五・五%、軽乗用車が一五・五%となっていたわけでございまして、軽貨物より軽乗用の方が物品税率が高いために、軽自動車の販売台数というのは確かに軽貨物の方が圧倒的に多かったわけでございます。したがいまして、私どもの改正案により旧物品税のような傾向が確かに見られるだろうというふうに思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、井上先生の御指摘に対しましては今後十分検討させていただきたいというふうに思います。
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井上吉夫#14
○井上吉夫君 自動車の関係については、同僚の梶原清議員から細かく指摘がありました。税制というのは、こういうくくりをして一五%以上のものは八%にしました、それ以下は六にしました、そして下の方を四にしましたという、そういう整理の仕方が生きた実体経済のそれぞれの分野の中で、特に今自動車関係のことで申し上げましたけれども、どれだけ大きな影響を及ぼすかという、税の厳しさというものをもっと真剣にとらえなければならない一つの事例として真剣に受けとめて、言われたとおりこの問題への取り組みをしっかりやっていただきたいと思うんです。
 なお、野党が今回の物品税の提案に当たって、旧物品税のうち製造段階課税の税率をかなり下げておられる。もちろん一種の十品目についても同じでありますが、下げ方がそれぞれ違っておりまして、今申し上げましたような扱いでありますから、ダイヤモンドの指輪、一〇%の小売段階課税であります。従来の一五が一〇%になろうとするわけでありますが、ダイヤモンドを散りばめた時計、これは八%の製造段階課税になります。このことは、片やダイヤを散りばめた時計、かつてはこれは製造段階で三〇%であったわけでありますから、第二種の三〇%と第一種の一五%が途中の中間マージン等がありますからほぼ見合っていたと思われます。ところが、今度の改正で片方は小売段階の一〇%であるのに対して片方は製造段階の八%でありますから、恐らく四倍前後の開きということにここで矛盾が出てまいります。前の率が正しいとすれば、この改正はこのような矛盾をはらんでいる。
 カーペットについて見るならば、八%の小売段階課税でありますが、どん帳であるとかじゅうたんは一〇%が八%に小売階段でなるわけであります。ところが電気カーペットは六%の製造段階課税ということになりまして、これもまた今と同じような形で、従来のバランスのとれていた課税がここで四倍ぐらいの開きを生ずるというぐあいになってまいります。
 このことは、先ほど勝木議員から一部説明がありましたように、一五%以上を八%にし、そしてそれ以下を六%、そして一番下を四%にしたというそういういわばくくり方、軽減するための手段が必ずしも従来の物品税の姿と甚だしく違ったことに余り思いをいたさなかった結果ということではないかと思うんです。
 むしろ、物品税を消費税よりもすぐれたものとしていろいろ今までの過程の中で説明がありましたけれども、しかしこれとても国民税制改革協議会の検討にゆだねて、サービス等の課税も含めて十分検討してもらうとするならば、従来の税率のまましばし辛抱願って、そしてどのような理由によって従来の物品税制の税率というものが定められていたかという、そのいわば原形とでもいうべきものから改めて各品目についてのバランスというのを考えるという、そういう手法の方が正しいやり方ではなかったのかなとそういうぐあいに思うわけでありますが、御見解をどなたからでも結構であります、お聞かせ願いたいと思います。
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梶原敬義#15
○委員以外の議員(梶原敬義君) 確かに、従前の物品税に比べまして、今回提案しております物品税額は約半分ぐらいに落としております。いろいろと検討した結果、現行の消費税が三%、これに対して従前の個別物品税との開き、これはやっぱり非常に大きくなっておりますから、その両方を勘案いたしまして、先ほど先生が言われましたように、税率だけはああいう段階を設けまして設定さしていただいた次第です。
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井上吉夫#16
○井上吉夫君 ただいまの答弁では私の質問に答えたことにはなりませんけれども、この議論を延延続けていたんでは私の持ち時間は消えてしまいます。本題は、こういうところに非常に大きな矛盾をはらんでいるということだけは発議者の皆さん方もおわかりいただけたと思う。したがって、こういうことについてしっかりとした見解をさらに詰めていく必要があるということを御指摘申し上げておきます。
 それと同時に、とりわけ民社党の勝木さんに何遍か答えに立っていただきました。そして、代表質問とでも言うべき委員会における寺崎さんの発言の部分についても御紹介を申し上げました。そして、今までの議論の中で、少なくとも物品税の方が消費税よりもはるかにいいんだというようなことが極めてしばしば言われてまいりました。そして、物品税は消費税に比べて、その税の性格において担税力を考慮しながら措置ができるという長所があるということを多くの方々が強調されました。しかし、今述べられた民社党のお答えはそれと甚だしく異なっていると私は思うんです。このことは、今までの過程の中でどなたか私どもの党の同僚が指摘したことがありますように、同床異夢と言われてもしようがないというそういう感想を持たざるを得ません。このことを指摘しまして、次にいわゆる自民党の見直し案につきまして、大蔵大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 私は、自民党の見直し案の中に入る前に、まず消費税導入の意義は何だったのかなということをもう一遍振り返ってみたいと思うんです。私は、消費税導入の意義は大きく三点あると考えます。
 まず第一は、税体系の問題であります。直接税と間接税にはそれぞれ長所短所があります。所得税等の直接税には、所得の大きさに応じ、所得の小さい人には負担を小さくし、所得の大きい人により多くの負担を求めることができるという長所がありますが、逆に捕捉に限界があることも否めません。所得の同じ人が必ずしも同じ負担をしないのではないかという不公平感が生じやすい欠点があります。
 他方、消費税等の間接税は、所得の捕捉いかんにかかわらず、消費の大きさが同じであれば、同じ値段のものを買ったらみんな同じ税金を払うわけでありますから、同じ負担を求めることができるというよさがあります。俗に水平的公平と言われます。従来の税制では、所得税等の直接税に偏っていたため所得税の欠点が目立ち、税負担の不公平感が高まってまいりました。特に、サラリーマンの重税感という形でサラリーマンの方々の不満が高まってまいっておりました。先般の税制改革では、所得税等の直接税を軽減するとともに、消費一般に負担を求める消費税を導入し、税体系全体を通じた公平を図ろうとしたものだと思います。
 第二は、高齢化社会への対応の問題であります。我が国は、現在急速に高齢化が進んでいます。既に高齢化時代に入っている、間もなくすれば言うなれば超高齢化時代に入るという議論も展開されてまいりました。今後増大する社会保障等の費用を、相対的に減っていく働き手のみに負担を求めていくのには限界があります。そこで、今後国民の勤労意欲を損なうことなく活力ある高齢化社会を築いていくためには、国民すべてが広く負担を分かち合う仕組みが必要であると考えられる。このような観点から、国民すべてが広く薄く公平に負担する消費税を導入したわけであります。
 第三は、間接税自体の問題であります。従来の物品税等の個別間接税は、今申し上げましたように、ぜいたく品を中心に特定の物品にのみ重い税負担を課していましたが、人々の所得水準が上昇し消費の仕方が多様化した今日では何がぜいたく品かは人によってさまざまであり、この世に無数にある商品、サービスのうちから個別にぜいたく品を選び出して課税する個別間接税制度はもはや時代おくれとなり、課税されるものと課税されないものとのアンバランスが生じました。また、消費の半分以上を占めると言われるサービスに対してはほとんど課税されていなかったという問題もありました。原則としてすべての物品、サービスに広く薄く課税する消費税は、このような個別間接税制度の問題点を抜本的に是正するものであります。
 以上、消費税導入の意義について私なりの整理で申し上げてみましたが、ここはやはり専門家であります大蔵大臣にわかりやすくひとつこのことについて御説明を願いたいと思います。
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橋本龍太郎#17
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員がおまとめいただきました内容は、私はそのとおりのものであると思います。わかりやすくと言われましたが、それ以上にわかりやすく御説明ができるかどうか私も自信がありません。ただ、改革以前の税制というものが経済社会の著しい変化に対応し切れなくなっており、税負担が給与所得を初めとする個人稼得の税制に偏っておった。その反面、裏腹に消費課税のウエートが著しく低下をし、こうした中で納税者の方々の重税感、不公平感が募っておった。そのとおりの状況でありました。
 日本は既に高齢化社会に突入しております。そして、これからも人口の高齢化というものは世界に例を見ない速度で進展していくと考えられております。このような状況の中で、従来の税制のままでありましたならば、さらに国民の負担が働き手世代の稼得する勤労所得というものに対する直接的な負担に一層偏ってしまう。その結果、納税者の方々にとっては重税感、不公平感というものが深刻化し、ひいては税制に対する国民の信頼が大きく揺らぎかねない、そうした状況を私どもは心配いたしておりました。また、委員が御指摘になりましたように、特定の物品やサービスに高い税負担を課しておりました従来の個別間接税制度というものが消費の実態から既に合わないものにたっておった。これも御指摘のとおりであります。
 先般の税制改革というものは、こうした事態に対処しながら、高齢化、国際化などの進展に対して、将来の展望を踏まえながら国民の租税に対する不公平感を払拭すると同時に、所得、消費、資産などに対する課税を適切に組み合わせることにより、委員も御指摘になりましたような、個々の税制がそれぞれ持つ特質を生かし、その欠点を補いながら均衡のとれた税体系を構築することを目指して行われたものでありました。御指摘のとおりと心得ております。
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井上吉夫#18
○井上吉夫君 ありがとうございました。ほぼ見解を同じくするというぐあいに受けとめることができました。
 消費税は既に世界四十七カ国で実施されており、世界の常識となっている税ではありますが、何といっても我が国にとっては初めての税であるだけに国民の間にはさまざまな御意見や御批判があることば十分承知しております。ただし、私としては、この消費税の問題を契機に国民の間に財政や税制の問題について関心が高まったことは、むしろ喜ばしいことではないかと思っております。
 今回、自由民主党は、国民各界各層のさまざまな声に謙虚にかつ真摯に耳を傾け、消費税が名実ともに定着するよう検討に検討を重ねた結果、消費税の見直し案を取りまとめたものであります。
 今回の見直しに当たっては、国民各層の声を幅広く吸収し、消費税をめぐるさまざまな指摘をすべて検討の対象とし、さきの参議院選挙における国民の厳しい批判を謙虚に受けとめ、消費者の立場を十分考慮することを基本的な考え方といたしたものであります。
 そこで、この見直しの内容について簡単に説明しつつ適宜大蔵大臣に質問してまいりたいと思います。
 この見直し案は、大きく四つの柱から成り立っております。第一の柱は逆進性の緩和及び社会政策的配慮の実施のために非課税取引の拡大等の措置を実施することとしたことであります。
 私は、消費税には確かに逆進性の問題があると思いますが、ただそれだけで消費税を廃止すべきだという意見には同意できません。消費税には、先ほど申し上げたように他の税にはないよさがあるわけであります。また、消費税の逆進性の問題は、税制全体、さらには歳出も含めた財政全体で見るべきものだと考えます。税制全体で見れば、我が国の税制は依然所得税等の直接税が中心であり、累進度の極めて高い税体系であります。また、生活保護世帯等、真に手を差し伸べるべき人々には歳出面で手厚い配慮がなされています。しかしながら、消費税自体の逆進性について何とかしてほしいという国民の声には切実なものがありました。我が党としては、このような国民の声を真剣に受けとめ、消費税自体の逆進性の緩和を図るとともに、社会政策的な見地から次の五点について非課税取引の拡大の措置をとったところであります。
 具体的には、第一に、人の生命に対する国民感情に配慮し、出産費用及び火葬、埋葬料を非課税とすることとしました。第二に、学校教育に係る父兄の負担を軽減する見地から入学金、施設設備費などの学納金及び教科書用図書を非課税とすることといたしました。第三に、社会的弱者への配慮を充実する等の見地から身体障害者用物品等並びに第二種社会福祉事業及びホームヘルパーなどの在宅サービスを非課税とすることとしました。第四に、持ち家がなく、借家住まいをしている方々の負担を軽減するため家賃を非課税とすることとしました。第五に、米、パン、牛乳、肉、魚、果物、菓子その他の食料品について特例措置を実施することといたしました。その方式については、我々ほどのような方式をとれば真に国民のためになり、かつ取引に混乱が生じないか苦悩し、呻吟し続けて検討してまいりました。
 具体的に申し上げると、すべての食料品についてごまかしでなく食料品の値段がきちんと下がることが第一に考慮すべき点であり、同時に農業者や漁業者に負担をしわ寄せしないようにすることが第二に考慮すべき点でした。この二つの条件をともに満たすためにはどうしたらいいか検討に検討を重ねてまいりました。その結果、すべての食料品について消費者が日々購入する際には非課税とすることとし、ただし、それだけでは食料品の値段は十分下がらないため、輸送だとか原材料だとか肥料だとか、そういうものには三%が課税されるわけでありますから、それが生産された農産物等の値段にどういう形ではね返ってくるかということを考えますと、むしろ事業者間の取引には一・五%の特別低税率を設定することがこの際最良の解決策であるという結論に達したわけであります。これにより、食料品を全段階非課税とした場合をむしろ上回る負担軽減となり、かつ確実に価格の引き下げが実現することとなります。
 食料品についての今回の見直し案は全段階非課税に比べて小幅であると言われておりますが、私は、今回の見直し案の方が食料品の価格は大幅かつ確実に下がるという意味でより大幅な見直しであると考えるのでありますが、大蔵大臣、いかがでしょうか。
 他方、今回の食料品の見直し案は、小売段階は非課税、事業者間は一・五%ということから、複雑な制度であり、わかりにくいのではないかという声もあるようですが、このような声について大蔵大臣はどう考えますか。また、一・五%という端数がついた税率が導入され、取引が面倒になるのではないかと危惧する事業者もいらっしゃるようですが、どうお考えになりますか。
 以上は消費税の中における逆進性対策でありますが、そのほかに所得税及び個人住民税において、年金受給者への配慮を実施するとの見地から、公的年金等控除額を引き上げ、年金受給者の税負担の一層の軽減を図ることとしております。
 このような措置の意義と効果について大蔵大臣にお尋ねをいたします。
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橋本龍太郎#19
○国務大臣(橋本龍太郎君) 自由民主党におかれまして今回基本方針を決定されましたその翌日、本委員会におきましてこれについてどう考えるのかという御質問がございました。そのとき私は、基本方針におきまして消費税の見直しについての基本的な考え方と具体的内容が示されておりますが、その内容は税制面のみならず広く歳出面や他の制度面にも及び、かつ消費者と事業者の双方の立場を十分に考慮されたものとなっており、国民心理と税の理念の両面の調和に腐心されたものとしてその御努力に対して敬意を表します。政府としては、この基本方針の内容を十分勉強させていただきますと同時に、政府税制調査会の今後の御審議なども踏まえて、平成二年度税制改正において政府としての見直しの成案を得るよう最大限の努力をいたしますということを申し上げてまいりました。その上に立ちまして、今私ども政府として一生懸命勉強をさせていただいているさなかであります。
 その限りにおいてのお答えというお許しをいただきたいと思うのでありますが、確かにその後、この基本方針が示されましてからさまざまな意見がマスコミ等をもにぎわしておりますし、また本日、他の院における委員会での御質問の中にも同様の問題が出てまいりました。しかし、仮にこの案を考えながら物事を議論してまいります場合に、私は幾つかの点で非常に特徴があると考えております。
 例えば食料品の取り扱いにつきまして、全食料品につき小売段階を非課税とされ、生産、製造及び卸売段階について一・五%の特別低税率を設定されたわけであります。仮に全段階非課税という方法を御提起になりました場合に想定できますことは、食料品の販売そのものは非課税でありましても、生産、製造及び流通の各段階におきまして使用される生産資材、光熱費、運搬費あるいは包装費等は三%の課税が行われておるわけでありますから、これらの税負担がすべて小売価格にコストとして残るわけでありまして、価格の確実な値下がりというものは見込めないと思います。
 しかし、消費者の方々が求めておられるもの、それはやはり確実な価格の引き下げでありましょう。この場合、自由民主党の案が特別低税率を設定されましたことによりまして小売業者の仕入れ価格は確実に一・五%低下するわけでありますから、総体的に見て、全段階非課税の場合を上回る食料品の値下げが実施されるものであろうと考えます。その意味におきまして、私は、税負担軽減を求められる国民の声に誠実にお答えになったものではないか、そのように理解をいたします。
 また、事業者の立場からこれを見ました場合、小売業者に該当いたしますなら食料品の売り上げはすべて非課税となるわけであります。その前段階の事業者でありますならすべて一・五%の特別低税率となるわけでありまして、個々の事業者にとりまして必ずしも複雑な制度となっているわけではないと思われます。消費者にとりましては、食料品の購入が非課税となるわけでありまして、その場合には、小売より前の段階の取り扱いがどうなっているかということよりも消費者の方々にとりましては現実の税負担がどのぐらい下がるかということが意味のあることでありましょうし、私は、この措置によりまして全段階非課税より価格が確実に下がるとなれば、消費者にとっては有利な制度ではなかろうかと思います。
 また、その一・五%という特別低税率を全食料品に対して設定をされます部分につきまして、これは事業者間取引にのみ適用されることになるわけでありますから、私は必ずしも問題になる部分ではなかろうと考えております。
 そのほかそれぞれの分野において新たな非課税措置を提起されておりますが、私どもとしてはそれぞれに意味のある御提起をいただいたと考えており、十分勉強をさせていただき、的確な成案を得たいと考えております。
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井上吉夫#20
○井上吉夫君 御答弁ありがとうございました。ただ……
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橋本龍太郎#21
○国務大臣(橋本龍太郎君) 失礼しました、大変たくさん御指摘いただきましたので一点忘れてしまいまして申しわけありません。
 逆進性回避という視点の御論議の中におきまして御提起を受けました中の一つ、公的年金等の控除額引き上げについてお触れになったわけでありますが、年金受給者の方々につきましては、先般の一連の税制改革におきまして課税最低限の引き上げなどによる税負担の軽減が図られておることに加えまして、今回自民党の引き上げ案というものが実施をされたといたしました場合には、年金受給者の所得税の課税最低限が現行の三百一万八千円から、六十五歳以上の夫婦世帯の場合、三百二十一万八千円まで大幅に引き上げられることになるわけでありまして、一般のサラリーマンの所得税の課税最低限夫婦世帯が百九十二万八千円から見ましても、思い切った税負担軽減を図られようとするものということになろうと思います。これは年金生活者に対して厳しいという声のある点に配意されたものと理解をいたしておりまして、今後なお私どもとしても十分勉強をさせていただき、成案を得たいと考えておるテーマの一つであります。
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井上吉夫#22
○井上吉夫君 ただ、どこかの変更、見直しをいたしますと、必ず新しい課題、それのなれまでにどうしても時間も手間もかかります。同時に、製造、卸等の段階において一・五の軽減税率、そして小売段階では非課税ということになりますと、一体どう変わるのかなという、そのことをめぐっての不安等は随分と既に言われております。
 最も逆進性の最たるものとして、日常みんなが買うものといえばまず食料品であろうということがこの消費税に対する指摘の第一に掲げられて、久保議員もそのことを第一に述べておられました。確かにエンゲル係数等を考えますと、必ずしも消費全体の中に占める食料品の割合というのはそんなに大きくないかもしれません。昔よりもだんだん減ってきている。そして金持ちほどエンゲル係数は低いということが言われておりますが、しかしこのことがやっぱり消費税の中での国民全般からいわば嫌がられた一番最たるものであろうと思います。実質上減る分が何だ一・五%程度かという話があるかもしれませんが、三%が一・五%になれば半分でありますから、一・五%という率だけの議論ではなしに、広く浅く後世代のためにどうしてもみんなで受け持っていこうではないかという間接税の広げ方の中にこの道を選ぶことが正しいとするならば、特にこのことへの理解を求める努力を、いよいよ決まりましたならばひとつ従来以上に、大蔵大臣、政府全体としてその努力をしていただくように希望しておきたいと思います。
 消費税の見直しの第二の柱は、事業者にばかり配慮した仕組みとなっているのではないかとの批判のあった製造について思い切って手をつけたことであります。
 具体的には、第一に、大企業が消費税を納めるまでの間に財テクで金利を稼いでいるという批判に対して、納付の回数をふやして早く国庫に納めさせることといたしました。具体的には、一定規模以上の事業者に対しては、現行六カ月に一回申告納付すべきところを三カ月に一回の申告納付としたことであります。第二に、企業が交際費とか乗用車を社用で支出した際、仕入れ税額控除を否認し税金を負担させることとしたことであります。第三に、価格表示のカルテルについても、独占禁止法の原則を踏まえ、その取り扱いについて廃止を含んだ検討をすることとしました。第四に、免税点制度、簡易課税制度等については、事業者が一巡、一めぐり納税した時点で早急に結論を出すこととし、その準備として簡易課税については、業種間、事業の種類によってみなし仕入れ率が必ずしも同率ではないということから、みなし仕入れ率は政令事項とすることとしたことであります。この措置により、簡易課税のみなし仕入れ率は実態に合わせ速やかな対応が可能になったと考えられます。
 このうち、大企業が消費税を納税するまでの間運用して利益を得ているのではないかとの批判にこたえて中間申告納付の回数をふやすこととした措置は余り知られていないようですが、これらの措置も消費税の中の公平を一層追求しようと努力している点で評価できると思いますが、大蔵大臣の見解を伺います。
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橋本龍太郎#23
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、今回御提起をいただきました自民党の基本方針の中におきまして、消費者のお立場から御指摘を受けておりました制度上の問題点の是正の一環として、まさに委員が御指摘になりましたように、交際費などの支出や一定の乗用自動車の購入費などについての仕入れ税額控除の制限、また大規模事業者の申告納付回数の増加を図るということを定めておられます。これらの措置は、一面、事業者にとりましては新たな負担を求めることになるものでありますけれども、基本方針によれば、個人消費と事業用消費の税負担にアンバランスがあるのではないかとか、あるいは大企業を中心として事業者が消費税を納入するまでの間に運用益を得ているのではないかといった、従来行われておりました消費者の立場からの御指摘を踏まえてこうした考え方、措置をとられたものと承知いたしております。
 また、免税点制度あるいは簡易課税制度などのいわゆる中小零細事業者に対する特例措置は、これはもう申し上げるまでもなく、制度の公平性と簡素性という二つの要請の中でどうバランスをとっていくかという観点から、この種の税になじみのない我が国の現状を考慮して、ぎりぎりの政策的判断の結果として設けてきたものでありますけれども、これらの制度について消費者を中心としてさまざまな御論議が行われておったことも私どもよく承知をいたしております。
 今回の自民党の見直しの案におきましても、それらの制度のあり方については、中小零細事業者の消費税の申告納付などの事務負担に関連する問題であり、申告納付が一巡する来年五月までの間はこれらの事業者の値決めや事務負担の実態などの把握に努めるべきであり、これらの制度をどう見直すかは、そのような実態把握を十分行った上の検討の上提示する旨指摘をされております。
 しかし、その中において、まさにみなし仕入れ率について、実態に合わせて速やかな対応が可能となるよう今回の改正で「政令委任事項とする」という定めを入れられたこと等々を考えますと、私は十分に消費者からの御批判というものを受けとめてまとめられた御案であると考えております。
 いずれにいたしましても、政府の立場としては、十分この内容を検討させていただき、税制調査会の審議を踏まえながら、より国民に迎え入れていただけるような結論を出すべく努力をいたしてまいります。
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井上吉夫#24
○井上吉夫君 また、事業者免税点あるいは簡易課税、限界控除については、私もこれらの制度が事業者優遇であるとして消費者の方々から批判されていることを知っております。しかし私は、これらの制度は公平と簡素という両方の要請をできるだけ満たそうということで導入されたものであって、それ自体問題であるとは必ずしも言えないと思います。また私は、小規模な免税事業者はむしろ価格の転嫁に苦労しているということも聞いています。いずれにしろ、我が国にとって初めての税だけに、実際に納税する事業者の方々に余り無理な負担をかけないように配慮するのはむしろ当然だと思います。
 ただ、この制度に対する国民の御意見、御批判には謙虚に耳を傾けるべきであります。今後、納税の状況を見きわめつつ公平、明朗に検討していくべきだと思います。この点について大蔵大臣の御見解を伺いたいと思います。
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橋本龍太郎#25
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもは消費税の必要性を訴え、今次の税制改革の中におけるその位置づけを国民に対して御理解をいただくべく今日までも全力を尽くしてまいりました。その過程におきまして国民から御指摘を受けましたさまざまな問題点の中に、今委員がお触れになりましたような視点がありますことも十分承知をいたしております。そして、今後ともに私どもはこの税制の定着を図り、国民に御理解をいただける、そのための努力を最善を尽くしてまいりたい、そのように考えております。
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井上吉夫#26
○井上吉夫君 第三の柱は、消費者が日々買い物をするに当たって煩わしいと感じておられることへの対応であります。すなわち、消費者との取引における表示の問題については、商品を買う際に最終的に幾ら払えばよいかはっきりわかるようにという消費者への観点から、総額表示を指導していくことといたしました。
 なお、この点について消費税隠しとの批判がありますが、総額表示とは消費者に支払うべき総額を示せということであり、その中に含まれる消費税分を示すなということではありません。したがって、総額表示は消費税隠しとの批判は全く的外れであると考えます。
 第四の柱は、消費税の使途の明確化などであります。消費税が本当に福祉のために使われるのかという不安にこたえるため、消費税収の国分を福祉に優先して使う旨の趣旨規定を法律で明確に定めることといたしました。また、歳出の分野でも、高齢化に対応した公共福祉サービスを充実し、高齢者保健福祉推進十カ年戦略として、十カ年で五兆円を上回る事業費を確保することといたしました。
 以上が、我が党がまとめた消費税見直し案の概要であります。この見直し案は、国民から御指摘や御要望をいただいた事項についてすべて何らかの対応をしており、国民の皆様にも十分納得いただけるものではないかと自負する次第であります。
 これまで我が党の消費税の見直し案についていろいろ聞いてきましたが、最後に総括して、今申し上げてまいりました消費税の見直し案について、大蔵大臣に御所見を伺いたいと思います。
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橋本龍太郎#27
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、先刻最初に申し上げましたように、消費者の声、そして現実に仕事をしていただく事業者の方々の両面に対してぎりぎりの接点を求めるために、非常に御苦労をいただいた御意見をおまとめいただいたと考えております。そして、それが消費税制の見直しのみにとどまらず、歳出面等につきましても大変広範な御指摘をいただきました。殊に福祉に向けての努力につきましては、この基本方針をおまとめいただき、その文章にありますのとはまた別途に、政務調査会長から官房長官に対しての申し入れも行われたと承知をいたしておりまして、官房長官の方から自治大臣、厚生大臣、そして私に対して、その実現方についての御指示もちょうだいをいたしました。明年度予算編成に際しまして、こうした点を踏まえて私どもは全力を尽くす所存であります。
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井上吉夫#28
○井上吉夫君 以上、見直し案について触れましたが、この見直し案が順調に立法化されるとすれば、これは来年十月から実施されることになっています。国民の声を反映したこの見直しにより、消費税が今以上に国民に理解され、一層円滑に定着することを期待するものであります。
 それでは、再び発議者の皆さん方に質問をいたしてまいりたいと思います。国民税制改革協議会について質問をいたします。
 協議会の委員は、学識経験者及び国民各層を代表する者の中から選ばれる五十名以内であります。その選出の方法はどういうぐあいにおやりになるおつもりでありますか。
 さらに、「国民各層を代表する」という立法例があるかどうか、これはどなたかが一遍質問したことがあったようでありますが、改めてお答えをいただきたいと思います。
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峯山昭範#29
○委員以外の議員(峯山昭範君) 国民税制改革協議会についてお答えをいたします。
 まず、委員を五十名にしたことでございますけれども、これは確かに例えば国会の承認人事といたしまして五十名を承認人事とした委員会は今までございません。最高が今までは二十五名でございます。国民税制改革協議会の重要性にかんがみまして、私どもは大体五十人ぐらいがいいのではないかということで、各種委員会がどういうようになっているかということも調査をさせていただきまして、例えば地方制度調査会が現在五十名ということになっておりますので、そういういろんな点も配慮をいたしまして五十名がいいのではないか、こういうふうに考えたわけであります。
 それから、今御指摘の五十名の内容の問題でございますが、学識経験者並びに国民各層を代表する、「国民各層を代表する」という言葉があるかどうかについては実は私ども精査はいたしておりませんが、いずれにいたしましても国民の各界の代表の皆さん方にお入りをいただきまして国民の信頼と合意に基づいた税制改革をしていただきたいということで、私どもはこういうように書かせていただいたわけでございます。
 なお、委員の選出等につきましては、これは例えば選出の基準をどうするかとか、あるいは各界各層からどういうふうに選ぶかとか、そういうようなことにつきましては法案の成立後、いずれにいたしましても政令できちっと設置をいたしまして、内閣の方でその手続をやっていただくというのが私どもの考え方でございます。
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