橋本龍太郎の発言 (税制問題等に関する特別委員会)
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○国務大臣(橋本龍太郎君) 自由民主党におかれまして今回基本方針を決定されましたその翌日、本委員会におきましてこれについてどう考えるのかという御質問がございました。そのとき私は、基本方針におきまして消費税の見直しについての基本的な考え方と具体的内容が示されておりますが、その内容は税制面のみならず広く歳出面や他の制度面にも及び、かつ消費者と事業者の双方の立場を十分に考慮されたものとなっており、国民心理と税の理念の両面の調和に腐心されたものとしてその御努力に対して敬意を表します。政府としては、この基本方針の内容を十分勉強させていただきますと同時に、政府税制調査会の今後の御審議なども踏まえて、平成二年度税制改正において政府としての見直しの成案を得るよう最大限の努力をいたしますということを申し上げてまいりました。その上に立ちまして、今私ども政府として一生懸命勉強をさせていただいているさなかであります。
その限りにおいてのお答えというお許しをいただきたいと思うのでありますが、確かにその後、この基本方針が示されましてからさまざまな意見がマスコミ等をもにぎわしておりますし、また本日、他の院における委員会での御質問の中にも同様の問題が出てまいりました。しかし、仮にこの案を考えながら物事を議論してまいります場合に、私は幾つかの点で非常に特徴があると考えております。
例えば食料品の取り扱いにつきまして、全食料品につき小売段階を非課税とされ、生産、製造及び卸売段階について一・五%の特別低税率を設定されたわけであります。仮に全段階非課税という方法を御提起になりました場合に想定できますことは、食料品の販売そのものは非課税でありましても、生産、製造及び流通の各段階におきまして使用される生産資材、光熱費、運搬費あるいは包装費等は三%の課税が行われておるわけでありますから、これらの税負担がすべて小売価格にコストとして残るわけでありまして、価格の確実な値下がりというものは見込めないと思います。
しかし、消費者の方々が求めておられるもの、それはやはり確実な価格の引き下げでありましょう。この場合、自由民主党の案が特別低税率を設定されましたことによりまして小売業者の仕入れ価格は確実に一・五%低下するわけでありますから、総体的に見て、全段階非課税の場合を上回る食料品の値下げが実施されるものであろうと考えます。その意味におきまして、私は、税負担軽減を求められる国民の声に誠実にお答えになったものではないか、そのように理解をいたします。
また、事業者の立場からこれを見ました場合、小売業者に該当いたしますなら食料品の売り上げはすべて非課税となるわけであります。その前段階の事業者でありますならすべて一・五%の特別低税率となるわけでありまして、個々の事業者にとりまして必ずしも複雑な制度となっているわけではないと思われます。消費者にとりましては、食料品の購入が非課税となるわけでありまして、その場合には、小売より前の段階の取り扱いがどうなっているかということよりも消費者の方々にとりましては現実の税負担がどのぐらい下がるかということが意味のあることでありましょうし、私は、この措置によりまして全段階非課税より価格が確実に下がるとなれば、消費者にとっては有利な制度ではなかろうかと思います。
また、その一・五%という特別低税率を全食料品に対して設定をされます部分につきまして、これは事業者間取引にのみ適用されることになるわけでありますから、私は必ずしも問題になる部分ではなかろうと考えております。
そのほかそれぞれの分野において新たな非課税措置を提起されておりますが、私どもとしてはそれぞれに意味のある御提起をいただいたと考えており、十分勉強をさせていただき、的確な成案を得たいと考えております。