堤富男の発言 (商工委員会)
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○堤政府委員 お答え申し上げます。
昨年、一九八九年の数字を見ますと確かにアメリカの赤字は世界全体に対して改善の方向ではございますけれども、その改善の度合いが対日に対する改善の度合いよりよくなっているということにあるわけでございます。ただ、本年に入りますと逆に対日赤字の方がやや改善のテンポが遠いという傾向も見られまして、三月、四月は若干イレギュラーな動きをしておりますけれども、全体としましては先生のおっしゃいますとおり確かにアメリカの貿易収支全体の赤字が縮小している中で日本の数字が改善のテンポがやや遅いかなという感じはしております。これは一言で申しますと日本のいろいろな貿易構造等も関係しているのではないかと思っております。
例えばもともとアメリカと日本の貿易構造を見ますと、アメリカからはかなり一次産品を多く輸入しているという観点、あるいは最近、日本からの海外投資が非常に対米に多くなりまして、それに対する部品あるいは資本財の供給という形でやや経過的な意味で輸出が大きくなっているという点があろうかと思います。もう一つは、ECとの関係でよくアメリカが引き合いに出すのでございますけれども、日本の方はなかなか五百億ドルという数字が変わらないじゃないかというようなことを言われますが、これも実は、輸出も一方で伸びておりますが、それ以上にアメリカからの輸入は非常に拡大しておるわけでございます。ただ、いかんせんもともとの輸入のレベルが低いということもございまして、実際の数字にあらわれるということがないわけでございます。いずれにしましても、我々といたしましては今後日本全体としての内需拡大、あるいは最近やっております輸入振興、輸入拡大のための努力というのを継続していきたいというふうに考えております。
ただ、私たちあわせて非常に重要だと思っておりますのは、アメリカの財政赤字の改善ということも重要なことでございまして、日本側の黒字縮小の努力を続けましてもアメリカ側の財政赤字が続きますとやはり日本からの資金の流出が起きてしまうということで、先生が御心配のような円安ということが起きてくるということもございます。したがいまして、構造協議等も通じまして、アメリカの財政赤字についての問題点というのも我々はあわせて指摘をしていかなければいかぬと思っております。いずれにしましても、両国間のマクロ経済政策の協調を進めながら、全体として改善が進むように努力をしてまいりたいと思っております。