商工委員会

1990-06-20 衆議院 全174発言

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会議録情報#0
平成二年六月二十日(水曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 浦野 烋興君
   理事 甘利  明君 理事 井出 正一君
   理事 江口 一雄君 理事 奥田 幹生君
   理事 古賀 正浩君 理事 後藤  茂君
   理事 和田 貞夫君 理事 森本 晃司君
      木村 義雄君    小泉純一郎君
      佐藤謙一郎君    斉藤斗志二君
      谷川 和穗君    中谷  元君
      中山 成彬君    牧野 隆守君
      大畠 章宏君    加藤 繁秋君
      小岩井 清君    渋谷  修君
      鈴木  久君    竹村 幸雄君
      水田  稔君    安田  範君
      吉田 和子君    小沢 和秋君
      川端 達夫君    阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  武藤 嘉文君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        事務局経済部長 糸田 省吾君
        公正取引委員会
        事務局取引部長 土原 陽美君
        通商産業大臣官
        房総務審議官  関   収君
        通商産業大臣官
        房商務流通審議
        官       山本 貞一君
        通商産業大臣官
        房審議官    横田 捷宏君
        通商産業省通商
        政策局次長   堤  富男君
        通商産業省産業
        政策局長    棚橋 祐治君
        通商産業省立地
        公害局長    岡松壯三郎君
        通商産業省基礎
        産業局長    高橋 達直君
        通商産業省生活
        産業局長    南学 政明君
        工業技術院長  杉浦  賢君
        資源エネルギー
        庁長官     山本 雅司君
        資源エネルギー
        庁次長     深沢  亘君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 牧野  力君
        中小企業庁計画
        部長      高島  章君
 委員外の出席者
        環境庁企画調整
        局企画調整課長 入谷 盛宣君
        法務省入国管理
        局政策課長   坂本 栄治君
        外務省経済協力
        局政策課長   大島 賢三君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環
        境整備課長   坂本 弘道君
        建設省道路局地
        方道課長    田尻 文宏君
        商工委員会調査
        室長      松尾 恒生君
    ─────────────
委員の異動
六月二十日
 辞任         補欠選任
  植竹 繁雄君     中谷  元君
  江田 五月君     阿部 昭吾君
同日
 辞任         補欠選任
  中谷  元君     植竹 繁雄君
  阿部 昭吾君     江田 五月君
    ─────────────
六月十五日
 大規模小売店舗法の規制緩和に伴う中小小売業対策に関する陳情書(第一四三号)
 中小企業における技術者の確保・養成等に関する陳情書(第一四四号)
 各種スプレー缶等の表示指導に関する陳情書(第一四五号)
 産業廃棄物の適正処理の確保に関する陳情書(第一四六号)
は本委員会に参考送付された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 通商産業の基本施策に関する件
 経済の計画及び総合調整に関する件
 私的独占の禁止及び公正取引に関する件
     ────◇─────
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浦野烋興#1
○浦野委員長 これより会議を開きます。
 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。斉藤斗志二君。
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斉藤斗志二#2
○斉藤(斗)委員 きょうは大変限られた時間でございますので、項目を絞って御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず最初に、マクロ経済についての動向をお聞きいたしたいというふうに思います。ちょうど経済企画庁からもGNP関係の統計が発表されましたが、過去最高のイザナギ景気が五十七カ月、それに迫ろうという景気拡大循環をしているわけであります。景気拡大中という解釈をいたしております。これは内需拡大の日本経済を進める上で非常に大事なことだと思っております。したがいましてマクロ経済の安定的、かつ持続的な拡大を保つことは政府の経済運営上の責任であるというふうに思いますが、その点これからイザナギ景気を抜くほどに間違いない経済安定をしていく、そういった考え方をお聞きいたしたいと思います。
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棚橋祐治#3
○棚橋政府委員 お答えいたします。
 今斉藤委員御指摘のように、昨日、経済企画庁から国民所得統計速報の一―三月が発表されまして、ちょうど平成元年度の経済諸指標が確定したわけでございますが、平成元年度の実質経済成長率はちょうど五%でございまして、一昨年、昨年の五%を超える高い成長率に次いで三年連続で五%という非常に高い成長を確保することができたわけでございます。これは安定した物価水準のもとに個人消費が対前年度三・二%、特に民間設備投資が対前年度一六・五%の高水準で推移しておりまして、内需中心の景気拡大局面が続いたわけでございます。この六月で四十三カ月間の景気拡大局面を続けておりまして、岩戸景気は四十二カ月でございましたが、これを抜きまして昭和四十年十月から昭和四十五年七月までのイザナギ景気の五十七カ月に次ぐ戦後二番目の長い好景気であります。
 今後の動向につきましては、需要に応じた生産の増加や原油価格の安定等を背景に物価が落ちついておりますことと、引き続き個人消費、設備投資等も最近のいろいろの調査を踏まえますと堅調な推移が見込まれておりますので、平成二年度も内需中心の成長を持続することが期待されておりまして、政府見通しの四%の達成は十分可能と考えております。通産省といたしましても、今後ともこうした内外の経済動向に注意を払いながら、
この景気が長続きしますように適切な経済運営に努めてまいりたいと考えております。
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斉藤斗志二#4
○斉藤(斗)委員 今マクロ経済の運営についてお聞きいたしました。
 次に、来る七月にアメリカはヒューストンでいわゆるサミット、先進国首脳会議が開催されるわけであります。特に日本への期待が高まっている中で、通産省当局としては、当然のこととして通産大臣が総理に同行して各種問題に取り組むのだと思いますが、その通産省の特に貿易摩擦、ウルグアイ・ラウンド等々に関する問題についての対応、基本的な考え方をお聞きしたいと思います。
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堤富男#5
○堤政府委員 お答えを申し上げます。
 先生御指摘のとおり今回のヒューストン・サミットといいますのは、昨年以来東西融和という世界的な大きな流れが生じている中で一九七五年ランブイエで始まって以来大変新しい段階におけるサミットであると我々は基本的には考えております。世界経済を見ますと東側が西側に巻き込まれ始めるというような外延的な拡大もございますし、先進国の中同士ではそれなりの問題、インフレでございますとかあるいは地球的な規模での環境の問題、大変重要な問題が議論されることが予想されるわけでございます。世界的な発展を持続するためにはどうしてもこのようなサミットでのトップ同士の真剣なお話し合いというのがぜひ必要な時代になってきたと思っております。
 そういう数々の重要な問題の中で、当省といたしまして我々大変重要に思っておりますのはまずウルグアイ・ラウンドでございます。これは二十一世紀を目指して貿易の枠組みづくりという考え方の中で、このウルグアイ・ラウンドがことしの末が議論のデッドラインであるということでございまして、そういう意味では今回のサミットがある意味で最後の土壇場になるというふうに考えておりまして、この首脳レベルでの政治的決意を確認するということが非常に重要なことになろうかと思っております。あわせまして、地球的な規模で問題になっております環境問題に関して、通産省といたしましても、成長と環境というものが両立するのはどういうことで可能であるか、それに向けての基本的方向はどうあるべきかということについて積極的に議論に参加してまいりたいと思っております。
 いずれにいたしましても、現在世界経済が抱えている問題はいずれも通産省行政に大変深くかかわっているということを深くかみしめまして、我々としても、諸問題の解決に向けまして、サミットの場におきましても万全の努力をしていきたいというふうに考えております。
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斉藤斗志二#6
○斉藤(斗)委員 サミットがアメリカで行われる、当然アメリカとの日米首脳会談も予定されていると私聞き及んでおりますが、日米間の貿易不均衡についてもお聞きしたいと思っております。
 最近アメリカの商務省から統計が発表されまして、これは四月ということでありますけれども、米国全体では赤字縮小が顕著になってきている、こう見られておられますが、対日だけは逆の動き、すなわち赤字拡大の傾向を示しつつあるといった心配が出てきているわけであります。これはいろいろ理由があるかとは思いますが、中でもドル高・円安による為替相場にその主たる原因があるのではないかと思っております。今後一ドル百五十円前後で為替相場が推移する、こういった仮定を置きますと、日本の実力ぶりから見ますとまた輸出がぶり返し伸びていく、結果、貿易の不均衡がさらに拡大するのではないかと私は大変心配をいたしております。ちなみに四月のその統計によりますと米国の赤字全体の三分の二が対日だということ。こういったことを踏まえて通産省はこの対策並びに為替相場、こういったものの機能について御質問を申し上げたい。
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堤富男#7
○堤政府委員 お答え申し上げます。
 昨年、一九八九年の数字を見ますと確かにアメリカの赤字は世界全体に対して改善の方向ではございますけれども、その改善の度合いが対日に対する改善の度合いよりよくなっているということにあるわけでございます。ただ、本年に入りますと逆に対日赤字の方がやや改善のテンポが遠いという傾向も見られまして、三月、四月は若干イレギュラーな動きをしておりますけれども、全体としましては先生のおっしゃいますとおり確かにアメリカの貿易収支全体の赤字が縮小している中で日本の数字が改善のテンポがやや遅いかなという感じはしております。これは一言で申しますと日本のいろいろな貿易構造等も関係しているのではないかと思っております。
 例えばもともとアメリカと日本の貿易構造を見ますと、アメリカからはかなり一次産品を多く輸入しているという観点、あるいは最近、日本からの海外投資が非常に対米に多くなりまして、それに対する部品あるいは資本財の供給という形でやや経過的な意味で輸出が大きくなっているという点があろうかと思います。もう一つは、ECとの関係でよくアメリカが引き合いに出すのでございますけれども、日本の方はなかなか五百億ドルという数字が変わらないじゃないかというようなことを言われますが、これも実は、輸出も一方で伸びておりますが、それ以上にアメリカからの輸入は非常に拡大しておるわけでございます。ただ、いかんせんもともとの輸入のレベルが低いということもございまして、実際の数字にあらわれるということがないわけでございます。いずれにしましても、我々といたしましては今後日本全体としての内需拡大、あるいは最近やっております輸入振興、輸入拡大のための努力というのを継続していきたいというふうに考えております。
 ただ、私たちあわせて非常に重要だと思っておりますのは、アメリカの財政赤字の改善ということも重要なことでございまして、日本側の黒字縮小の努力を続けましてもアメリカ側の財政赤字が続きますとやはり日本からの資金の流出が起きてしまうということで、先生が御心配のような円安ということが起きてくるということもございます。したがいまして、構造協議等も通じまして、アメリカの財政赤字についての問題点というのも我々はあわせて指摘をしていかなければいかぬと思っております。いずれにしましても、両国間のマクロ経済政策の協調を進めながら、全体として改善が進むように努力をしてまいりたいと思っております。
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斉藤斗志二#8
○斉藤(斗)委員 今為替の問題について触れたわけでありますけれども、日本経済がこれから黄色の信号が点滅するということになる。それはインフレにどれほど重大な項目としてウエートを置くか、こういうことになるんだと思うのです。したがいまして、経済の安定的、持続的拡大を図るには、円安にするのは余り好ましくないと私は思っております。そういう点で、経済運営当局におかれましても、ぜひ日本のインフレ対策の一環としての為替の動向ということについてもよく注意をしながら対応していただきたいというふうに思います。
 次に、先ほど公正取引委員会が「外資系企業から見た日本市場の実態」に関するアンケート調査の結果を発表いたしました。それによりますと、外資系企業の半分、二分の一が日本の市場において仕事をする上に困難なしという答えを出している。残りの二分の一が困難ありという、ちょうど半分に分かれたわけであります。そして、特に困難ありの原因のベストスリーが、品質、納期、価格、こういうものを項目として挙げている。日本人の商売における競争の激しさということと、日本人のよりよきものを求める精神、芸術的とも思える限界への挑戦というものがあって、これは決して外国人だから排他的であるというのではないと私は思っているわけであります。一部には確かに取引における閉鎖性というのが指摘されることもあります。しかしながら、大部分においては日本はフェアであるというふうに私はこういったアンケート調査から見ても考えられるので、サミットに通産大臣が行かれますが、こういったアンケート調査をもとに日本はフェアなのだよということを強く主張すべきだと思っております。その点、いかがお考えか、お聞きしたい。
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棚橋祐治#9
○棚橋政府委員 お答えいたします。
 公正取引委員会のアンケート調査、私たちも拝見いたしております。
 我が国の流通・取引慣行につきましては、海外から、今度の構造協議の場においてもそうでありますが、相当排他的な面が多いという指摘がなされておりますが、これらの慣行の中には、我が国における厳しい企業間競争やユーザーの製品に対する非常に高い要求水準等を背景としてそういうものができ上がっており、合理的な側面が多いことも事実であります。
 例えば、返品制度という慣行は、資金力に乏しく、リスクの負担能力が十分でない小売業者がそのリスクを卸、メーカーにカバーをしてもらう、それによって豊富な品ぞろえが実現されて消費者のニーズにこたえるというようなm定の経済合理性を持っております。また、継続的な系列取引につきましても、これを前提として、部品メーカー等が品質の向上、コストダウンに努める等合理的な側面がある場合が多いわけであります。こうした日本の流通・取引慣行に、厳しい競争の中で合理的なものがつくられてきた、そういうことにつきましては、従来から日米間のいろいろな交渉の場においてそれを主張してまいったわけでございまして、日米構造協議の場におきましても、米側の認識を深めるべく当省としても大いに努力をしてきたわけでございますし、また、今後も努力するつもりでございます。
 最近、アメリカの有力自動車メーカーが、日本の自動車メーカーの系列取引の持つメリットに着目をいたしまして、部品メーカーとそうした契約を結ぶことを原則とし始めたというような情報も我々聞いております。ただ、そういうことで我々も大いにメリットがあり、全体的にフェアではあると思いますけれども、やはり日本が流通構造においてわかりにくい面が多いという指摘も、先ほどの公取の外資系企業の半数の中にはそういう意見もあることも事実でございまして、私どもは経済的な合理性、透明性、内外無差別の扱いをするという観点でのいろいろな検討努力も必要かと考えております。こうしたことから、通産省といたしましては、商慣行の改善指針をつくりまして、これを産業界にお示しをして、企業の自主的な、いろいろな行動の改善を図っていただく、それから調達活動につきましても、新規参入が入りやすいように透明性の確保などについていろいろ企業の方針をつくっていただく一つの方向性をお示しするなどの努力もしてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、我が国の流通構造について、諸外国がよく理解をし、我が国の企業が外国においてそれぞれ異なる流通構造において努力をしておる、そういう努力をむしろ外国企業においてもよく見習っていただいて、我が国の流通構造の中に溶け込んでいただければ大いに輸入の促進にも寄与するものと考えておる次第でございます。
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斉藤斗志二#10
○斉藤(斗)委員 外国企業が新規参入しやすいような環境づくりをつくる一方、日本でよいものはよい、日本のよき慣行は世界の慣行、世界の常識になるのではないかと私は思っておりますので、よいものは伸ばし、そして直すところは直し、そしてさらに外国のいいところは入れる、こういった基本方針で臨んでいただきたいというふうに思います。
 次に、労働力不足についてお伺いしたい。外国人労働者の問題でもあるわけであります。
 現在、人手不足による廃業それから人手不足による納期おくれ、さらに受注の見送り、こういった問題が中小零細企業に大変深刻な問題として課せられてきておるわけであります。この労働力不足で困っている状況について、中小企業庁はどんな対応を考えているのか、御説明をいただきたい。
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高島章#11
○高島(章)政府委員 中小企業の倒産でございますが、御案内のように非常に景気拡大が持続をしております。こういう状況を反映いたしまして、倒産そのものは減ってきているわけでございますが、人手不足は非常に深刻でございますので、ただいま御指摘ございましたいわゆる人手不足倒産というものは非常にふえてきているわけでございます。数字をちょっと申し上げますと、六十三年は五十七件でございました人手不足倒産が、元年、昨年では二百四十二件ということでございまして、四倍強もふえたという現状になっているわけでございます。
 それでは、今御質問ございましたように、このような中小企業の人手不足問題に対してどういう対策を講ずべきかということでございますが、基本的には、大企業に比して魅力が乏しいと言われている中小企業が、やはり根本に立ち戻って魅力ある職場づくりに精いっぱい努力をすることが必要であり、そのために政府としてはそういった努力への支援、助成をしていくべきであろうかと思います。
 大きい柱は二つございまして、一つは、やはり大企業に比べてまだまだ人を使うという面では少しぜいたくな点がある中小企業において、合理化とか省力化といった設備投資を促進をしていくことであります。もう一つの柱は、やはりこれも大企業に比べましてその差のあることが指摘されております労働時間の短縮だとかあるいは福利厚生面での充実を図っていくといった、労働環境の整備を図っていくということが何にも増して大切であろうかと思います。すぐ今役に立たないのではないかという御指摘もあるわけでありますが、新しい若い人たちが働くということはそこで一生を託すということでありますから、一番そのベースになるところに着実な対応をしていくことが肝要であろうと我々は考えておりますし、そのための助成、お手伝いは十二分にしていきたいと思っているわけであります。
 それから、今御指摘のございました外国人労働者問題に関連いたしまして申し上げたいと思います。
 中小企業におきましても、外国人労働者に対する関心というのは、今申し上げました人手不足の現状から非常に高まってきております。我々の調査によりますと、約三〇%の中小企業が、外国人労働者を採用したい、その必要性を感じているという結果が出ているわけでございます。去る六月一日から施行されました改正入管法におきまして、単純労働者の受け入れは行わないという従来からの方針はもちろん堅持されているわけでありますけれども、それ以外の者につきまして、実態に応じて在留の資格の整備拡充を行ったところであります。この改正入管法の施行状況の把握につきましては今後十分努めてまいりますが、この改正入管法上認められておりますいわゆる研修制度につきましては、中小企業者がこれを積極的に活用できるように、中小企業庁としては十分検討してまいりたいと思いますし、今後とも、法務省とも個別のケースにのっとりまして相談を進め、実を上げてまいりたいと思っているところでございます。
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斉藤斗志二#12
○斉藤(斗)委員 私は、外国人労働者の受け入れ拡大ということについて、もう少し知恵を出したらいいんじゃないかというふうに思っております。例えば、地方自治体の参加による受け入れ態勢の拡大、こういったことを御検討いただけないだろうか。現在、全国の県や市で、姉妹都市とか友好県などの交流が大変盛んであります。大変交流が拡大している。そういった多くのケースがあるわけでございまして、現在、国と国との取り決めが中心となっているこの外国人労働者の受け入れでありますが、国が認めへかつ相手国の保証が得られる県と県、市と市などの地方自治体が受け入れにもっと責任を果たせるように、結果、人材交流が盛んになるような、そういった御検討をぜひ中小企業庁でもしていただくことをお願いをいたしておきます。
 時間の関係で次に進みます。
 私の選挙区に、静岡県富士宮市というのがございます。そこで、通産省所管の貿易研修センターというのがございまして、この移転問題につきまして地元は大変不安視をいたしておりますし、困惑しているという現状がございます。そこでまず最初に、貿易研修センターに関して、過去の経緯
や地元の状況から見て富士宮に存続すべきではないかと思いますが、そのような状況の中でなぜ移転を考えざるを得なかったのか、お答えをいただきたい。
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堤富男#13
○堤政府委員 貿易研修センターの件に関してお答えを申し上げさせていただきます。
 貿易研修センターを設立いたしましたのは既に二十年前でございますが、最近実は、研修生の減少という傾向が非常に見えております。当初、百二十名という本科コースを設立したわけでございます。現在、定員自身を百二十名から八十名という形で落としてきておりますが、実際にここに入っております人数はわずか三十五名ということでございます。こんなことも反映いたしまして収支状況が大変悪化をしておるわけでございまして、六十二年度では四百万円、六十三年度になりますと約四千万円、元年度になりますと三千五百万円程度の赤字が出始めておりまして、現在のままでは、富士宮のキャンパスでの研修事業というのが維持が非常に困難になってきているということを申し上げざるを得ない状況になってきておるわけでございまして、我々としても、大変日夜これについては苦慮しているところでございます。
 その背景を考えますと、確かに設立後二十年の間に、貿易業務あるいは貿易に関連した企業の人材というのはそれなりに育ってきているという需要面の問題、一方、企業の方は、貿易から海外投資、企業活動のグローバリゼーションという言い方もございますけれども、そういうものが進展する中で、どうも研修に対するニーズが変わってきたのではないかというふうにも考えております。そういう環境の中でいきますと、都心からの時間がかなりかかります富士宮での立地条件のもとでは、研修生、教授陣、両方の確保が困難ではないかというような状況が分析できるわけでございます。そういう状況下で、我々といたしましては移転を検討せざるを得ないというのが現状でございます。
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斉藤斗志二#14
○斉藤(斗)委員 今御答弁いただいた中で、立地的な比較が出されております。
 私は実際、東京駅を起点に、その富士宮まで新幹線、乗り継ぎ、そしてさらに手配の車で行く、そういった所要時間と、今お考えの葉山までの、実際汽車に乗り、そしてさらにタクシーを利用しての時間差をはかってまいりました。そうしますと、時間的距離から見ますと、確かに以前は新幹線三島駅から乗り継ぐ必要がありまして時間がかかったということでありますが、新富士駅が設置されてから大幅な短縮がなされている。同時に、逗子駅の前でタクシーを拾うにも、大変混雑状況の中で渋滞時間等々かかると、実質的な時間における有意差、時間的距離による有意差というのはないんだというふうに私は思っていますが、その点どうですか。
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堤富男#15
○堤政府委員 確かに新幹線を利用した場合の便利さというのは、最近、新富士駅ができて以来増加していることは事実でございます。ただ、いかんせん距離を見ますと、百三十五キロと六十七キロの差、例えばこれを車で行くとした場合の時間差は、当然非常に大きく出てくるわけでございます。一方で、新幹線と横須賀線の便数の差というのを考えますと、これもまたかなりの差があるわけでございまして、そういう意味で、時間的距離という点、やはり私たちとしては有意の差があるような気がしております。
 他方、もう一つつけ加えたい点はコストの点でございますが、交通費で見ましても、富士キャンパス往復というのは今二万二千円ぐらいかかるようでございます。湘南村での往復費用というのは五千円ぐらいでございますので、コスト的にも四分の一というようなことも、これも経営をする観点からは大きいのではないかと思っております。
 さらに、これは最近の若者の気質なんでございましょうけれども、富士宮キャンパスという大変静かな、研修に合ったところと我々も思っていたわけでございますけれども、どうも研修以外の時間帯の使い方ということになりますと、バラエティーに富んだレジャーを楽しむ若者にとっては、なかなかこの静かな環境ばかりというのでもうまくいかないということもありまして、我々としても大変多方面の検討をした結果、現在の状況を続けることは困難になるのではないかというふうに思っている次第でございます。
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斉藤斗志二#16
○斉藤(斗)委員 今両者間の比較の中で、交通費等々の比較もなされました。私は地元の人たちとよく話をしているのですが、地元参加の運営をすればこういったコストは十分下げられますし、そういった対応を十分組み入れてのお考えを通産省は出していただきたかったと思っております。
 続きまして、貿易研修センター、赤字経営とおっしゃっていらっしゃいますが、外国人研修を含めてもっと経営努力をすべきではないかと思います。もう既に通産省としては、東欧諸国から研修生を大幅に受け入れるというプロジェクトを出されている。なぜこの富士宮でできないのか、説明をいただきたい。
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堤富男#17
○堤政府委員 お答え申し上げます。
 貿易研修センターの赤字経営ということで、大変過去も努力をしております。従業員の欠員を補充しないとか、研修生の勧誘を強化するとか、受託研修誘致をするとか、施設を貸すとか、大変経営の観点から努力をしてきております。
 それから御指摘の点の外国人の研修でございますが、これも四十九年以来実施をしておりまして、五十八年には四つのコースを設けているまでに至ったわけでございます。現在までの合計でいきますと、約一千三百三十七名の外国人を受け入れた研修をしておりまして、これは日本人との比率でいきますと約四分の一ぐらいの比率でやっておるわけでございまして、決してその二十年間安穏としていたわけではございませんで、それなりの、外国人を受け入れたり経営努力をしてきたわけでございます。
 東欧の問題につきましては、これはもちろん、予算の区分け、あるいはそれに対する研修のなれというようなことから、海外協力研修センターでやるというのが現状でございます。これが今後拡大する過程であるいはこういうことも可能かとは思いますけれども、現在の予算の体系ではなかなか使いにくい状況になっております。
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斉藤斗志二#18
○斉藤(斗)委員 私は、確かに外国人研修も少しずつやられてきたという説明は、今お聞きしました。しかしながら、東欧圏の問題を初めとしてもっと拡大する余地があるじゃないかということを申し上げたいわけであります。
 時間がありませんので、次に進みたいと思います。
 この貿易研修センターは、湘南へ移転するというお話でございますが、首都圏への一極集中の是正という政府の基本方針、大きな基本方針に反するのではないかと私は思っております。今国会における武藤通産大臣の所信表明、この中に通産大臣は八項目を中心に通産行政を進めるんだと言っていらっしゃいます。その第四の柱の中に「東京圏への一極集中の是正と地域の活性化であります。この課題に対処するため、工場のみならず研究開発部門、情報処理部門などの産業の高次機能の地方分散を一層促進することとし、」ということで、「地方分散を一層促進することとし、」と高らかにうたっておるわけであります。なのになぜ首都圏の神奈川の方へ行かれるのか、私は納得がいかない。説明をいただきたい。
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堤富男#19
○堤政府委員 お話しの点は大変私たちにとっても心苦しい点でございます。貿易研修センター、もしうまくいっているのであれば、むしろそういう政策と整合性をとった形での考え方を十分とりたいわけでございますが、先ほど来御説明申し上げておりますように採算を独立でとっている財団法人でありますし、毎年赤字が続いている状況では、このままでは将来の活路を見出せないという窮状にあることも事実でございまして、これをどうしても打開しなければいけないという観点も、この財団法人にとっては大変死活の問題であるというふうに考えております。
 また、確かに一極集中という問題は重要でございますので、通産省としても推し進めていくとい
う観点はございますけれども、一極集中というのが東京一極集中なのか、東京圏なのか、首都圏なのかというようなこともございます。今度一応候補に挙がっております三浦半島というのも、三浦半島の中ではやや未開地の丘陵地帯ということでございますので、ある意味で東京一極集中あるいは東京区部の一極集中ということを助長するというようなことではないと思っております。
 いずれにしても、現在の研修センターの窮状を考えますと、我々としてもその活路を見出す必要があるのではないかというふうに考えている次第です。
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斉藤斗志二#20
○斉藤(斗)委員 なかなかすっきり納得できるような御答弁をいただけないので残念に思います。
 時間の関係で次に進みます。
 それでは、通産省では他の多くの関係団体をお持ちでいらっしゃるわけですが、なぜ貿易研修センターでなければならなかったのか、逆に東京にある通産省の関係団体を移してあげることが国の大きな方針の中で妥当性があるやり方ではないかと私は思いますが、その点いかがですか。
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堤富男#21
○堤政府委員 これは誘致される側と誘致する側というのがあるわけでございますが、我々としては、これまで富士宮でお世話になっているということも考え、そこでの存続を一つの前提と考えていたわけでございますが、状況が大変苦しくなってきたという中で、さらに地の利のいいところはないだろうかということを考え始めた時期でございまして、一方で神奈川県の方は湘南村を中心といたしまして一つの誘致を考えているということで、両者のいわば希望がたまたま合致したということでございまして、神奈川県の方でも何でもいいというわけではないと思いますし、我々の方でもどこでもいいというわけではなくて、それぞれが真剣に考えた中での一つの歩み寄りというのがこの辺になってきたのではないかと思っております。神奈川県の方の立場を、誘致理由がなぜこれがいいのかということを私の方から申し上げる立場にはないとは思っておりますが。
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斉藤斗志二#22
○斉藤(斗)委員 通産省の方に神奈川県の話を聞くのは担当外かという感じもいたしますが、神奈川県はマンモス自治体でございます。同時に、横浜博もされた実力の持ち主がなぜ独自でそのようなセンターをお持ちにならないのか、私は大変疑問に思っているわけであります。加えまして、もう既に第三セクターで学術文化センターというのを設立されておる。そういった受け皿があるのになぜ改めて貿易研修センターを持ってこなければならないのか、非常に疑問に思っているところであります。
 時間の関係がありますので、次に進みます。
 実は、あの貿易研修センターは、二十万坪ありまして、うち十万坪が貿易研修センターの所有になっております。通産省の御説明では処分並びに売却はしないという方針だということでお聞きいたしておりますが、その経緯、例えば二十年前地元の人が売った、それは業務の遂行のためにということで相場より三分の一も安い値段でお譲りしているわけであります。そういった過去の歴史、経緯がある中で、もしどうしても移転をしなければならないというのであれば、あの土地について地元に返還すべきではないかと私は思っておりますが、いかがですか。
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堤富男#23
○堤政府委員 おっしゃいますとおり、所有地につきましては、現在貿易研修センターが地元財産区から十万坪の土地を完全に所有をして、という経緯がございます。この土地につきましてまだ移転の方針が正式な意味で決まったわけではございませんけれども、移転をするということを決めた途端にすぐに売り出すというようなことをするつもりはないことは申し上げられると思っております。
 将来この土地をどうするかという点でございますけれども、地域開発計画が具体化した場合には、貿易研修センターといたしましても静岡県なり富士宮市の地元関係者と十分相談をいたしまして、土地の有効活用を考えていくということは当然のことだと思っております。
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斉藤斗志二#24
○斉藤(斗)委員 通産大臣は、たびたび飛ぶ鳥跡を濁さずという言葉をお使いになっていらっしゃる。私はその前にやはりなすべきことがあるんだと思うのですね。地元富士宮の意向を十分考慮してくれる、そして十分酌んでくれるかどうかということ、加えて地元の将来の繁栄と発展につながる代替案提示がなされるかどうか、なされる方が私は先だというふうに思っておりますが、その点いかがですか。
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堤富男#25
○堤政府委員 お答えさせていただきます。
 貿易研修センターの移転問題につきましては、移転先との関係もございまして、あるタイミングでは移転の決定をせざるを得ないという意味におきまして地元との完全な合意が前提条件となるというところまでは申し上げられないわけでございますが、飛ぶ鳥跡を濁さずという考え方で可能な限り地元の御理解を得られる努力は続けてまいりたいと思っております。
 貿易研修センターが移転した場合における代替案でございますが、これにつきましては通産省あるいは貿易研修センターといたしましても静岡県あるいは富士宮市との協力も行いながら、地域の活性化なり公益性、国際性、事業性の確保に配慮しながら、しかるべき代替案づくりが円滑に進むよう、我々としても努力をしてまいりたいと思っております。
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斉藤斗志二#26
○斉藤(斗)委員 重ねて、地元富士宮との合意ということに最善の努力を尽くしていただくことをお願いをいたしておきます。
 もう時間が参ったのでありますが、せっかくきょう国立国会図書館から、武藤通産大臣の本が五冊あそこに入っておりまして、二冊をお持ちいたしましたが、その中の一冊の「対外経済協力への道」という大変博識に富んだ内容のある本を読ませていただきました。せっかく外務省に来ていただいたので、あと一つだけ、質問だけさせていただいて終わりにしたいと思います。
 今、ODAに関して発展途上国の国力向上に寄与するというのが大変重要な、そしてテークオフさせるということが非常に重要な課題であります。そのために、ハードとソフトの援助が必要でありますけれども、やはりテークオフには教育水準の向上というのが広く世界的に認識されているわけであります。その目安として文盲率とか非識字者の数というのが挙げられるわけであります。私は教育の普及、それは教科書の全生徒、全児童への配付とか、そういったことがODAの中身としてもっと検討される必要があるのではないかと思っております。特に発展途上国の教育庁なり文部省が認めている教科書を日本または現地で大々的に刷り増しをして子供一人一人に配っていく、そういったことの方が、ハードと同時に大事なのではないかと思うのでありますが、外務省、いかがですか。
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大島賢三#27
○大島説明員 開発援助におきます教育分野の援助でございますけれども、今先生御指摘がございましたように、全世界には九億人以上に上る非識字者がいるとユネスコの調査では判明しております。また、小学校に上がるべき年齢にありながら小学校に行っていないという児童が一億人以上いると言われております。
 そういうことで、教育分野におきます援助の重要性が言われておるわけですが、従来、我が国の援助におきましても、また、ほかの援助国におきましても事情は似ておるわけでございますが、どちらかといいますと高等教育の分野にやや偏る嫌いがございまして、いわゆる基礎教育に対する教育援助が十分でないということが言われております。これは反省をされておりまして、基礎教育分野においてもっともっと対応を強めるべきであるということでございます。我が国もそういうことで最近は小学校、中学校の建設あるいは青年海外協力隊の派遣によりまして、特に理数科の分野に対します協力でございますとかいうようなことも始めておるわけでございます。アジア、例えば最近でございますとフィリピン、それからアフリカのザンビアとかマラウイ、そういうところで始めておりますが、なお非常に不十分であると思って
おりますので、この分野に対する協力をどういうふうに強めていけるかということで国際協力事業団、外務省の中に研究会を設けまして、文部省の人の協力も得ながら検討を続けておるということでございますので、今御指摘のございました教科書の点等も含めましてさらに研究をして拡充に努めてまいりたいと思っているところでございます。
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斉藤斗志二#28
○斉藤(斗)委員 以上で終わります。ありがとうございました。
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浦野烋興#29
○浦野委員長 安田範君。
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