橋本龍太郎の発言 (税制問題等に関する調査特別委員会)
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○橋本国務大臣 しかし、今の御指摘に対して私一つ挙げたいと思いますのは、今挙げられた数字は税制改革以前のものをベースにした調査結果である。だからその後における変化というものは、実はまだ数字として必ずしも把握をされていないのではなかろうかということが一点であります。そしてそれにもかかわらず、先ほど私は、自信があるかと言われて、自信はないと申し上げました。そしてその資産課税という点については、私は委員の御指摘を必ずしも全面的に否定するものではありません。ただ、委員自身もお認めをいただきましたように、従来原則非課税でありました有価証券取引というものに原則課税というルールを当てはめたこと等、資産課税についてもその適正化の措置はとってきたわけであります。
ただ、問題は土地というところになるわけでありまして、これについては従来からたびたび申し上げてまいりましたように、土地税制というものをどういう視点から運用すべきかというその基本哲学が確立していない時期において、私どもとしては土地税制というものについての対応は非常に困難があったということは御理解がいただけると思うのであります。これは手順を間違えたという御指摘でありますけれども、私どもとして申し上げるなら、必ずしもそうではなく、問題意識は持っておりながら土地税制というものをどちらに一体誘導すべく、例えばよく申し上げるように持っている土地を手放させる方向に向かわせるのか、持っている人たちが持ち続けられるような税制を考えるべきなのかという基本ルールそのものが存在しない中で、対応に非常に問題があったということは申し上げなければならないと思います。そして現在、そうした視点からの努力をしておることも、委員御承知のとおりであります。
ただ、もう一つの問題点は、所得格差が拡大していくのではないかという御指摘でありますが、私は、これには二つのポイントを加えていただかなければならないと思います。
一つは、高齢化の進展に伴う高齢者世帯の増加というものは、統計上は世帯間の所得格差を拡大する方向に働くのではなかろうか、稼得能力の点において。
もう一つは、婦人の地位向上に伴って婦人の就労機会というものが拡大してきた。そして、その中において特に大きく変化したのは妻の就業形態でありまして、かつて妻の就業というものは夫の所得で足りない部分を補完するという視点からの就労が中心であったものが、今ではそうした理由をはるかに超えて、それこそ男女雇用機会均等法等の中において積極的に、ただ単に家計の補助をするという視点とは全く異質に婦人の社会進出というものが行われ、これはやはり世帯間の所得格差というものを拡大する方向に働くのではなかろうか。私は、統計から見てそういう点は考えておいていただかなければならないと思うのであります。そして、むしろこれから先なお妻の就業、しかもそれはノーハンディで、男女雇用機会均等法をベースにしながらみずからの能力によって社会に進出していかれる、当然その所得というものはノーハンディで受けられる、こういうケースは私は当然ふえていくわけだと考えておりますから、世帯間格差というものはそういう点にも着目しないと所得格差が正確なものにはならなくなるのではないか。私は、こういう点も一つの問題点だと思います。