坂元弘直の発言 (文教委員会)
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○坂元政府委員 確かに先生御指摘のとおりでございまして、先ほど数字で申し上げましたが、文科系の博士課程の授与件数が非常に少ない、しかもこれは特に最近御承知のとおりに留学生が非常にふえてまいりまして、我が国の文科系の博士課程に行ってもなかなか博士がもらえないというようなことで留学生関係者からも大変不満がふえているわけでございます。
先生御指摘のとおりに、戦前の博士の概念と申しますか、博士は、研究実績を上げて、ある意味では研究者として完成された人に与えるというのが博士の考え方でございましたが、戦後の昭和二十八年に規定されました新しい博士というのは、研究者として自立して研究活動を行い得る者に博士の学位を与える、言いかえれば研究者の出発点に立った人に博士を授与する、そういうふうに博士の考え方が変わったわけでございますが、それが非常に残念なことではございますけれども、文科系の大学院ではこの新しい学位制度の考え方が十分徹底していないというのが実情でございます。実際にも、課程博士に必要な論文につきましても過度に高度で体系的なものを要求している大学院が非常に多く見られることも事実でございます。
私どもも、この問題につきましては、最終的には博士を授与する権限を持っておるものは大学院を持つ大学でございますので、大学の関係者に対して従来からも課程博士の意義を十分理解して、特に文科系については博士号を円滑に出すようにお願いもし指導もしてきておりますが、必ずしも十分な状況ではございません。そういう意味で、この問題の解決というのは最終的には私は大学自身の意識改革が基本であろうかと思います。
ただ、大学に何らかの刺激を与える、インセンティブを与えるというような考え方で学位制度の見直し、これは今の学位の考え方を改めるということではございませんが、例えば博士の種類などについては大学院設置基準で限定的に書かれているわけですが、そういうものをもっと弾力化する等のことを含めまして、学位制度の見直しと改善方策につきまして今大学審議会に検討をお願いしているところでございます。
大学審議会は、国公私立の大学院関係者にもアンケート等を出しまして、そしてその学位制度の見直しについて現在検討を加えておりますので、この検討結果を待って文部省としても適切に対処してまいりたい。言いかえれば、対処していくということは、形式的には必要ならば大学院の設置基準を改正するということもあり得るわけですが、それと同時に、その改正の趣旨については国公私立大学の大学院関係者に強力に徹底をしてまいりたいというふうに今のところ考えているところでございます。