小森龍邦の発言 (予算委員会第五分科会)

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○小森分科員 我が国の総務庁とか法務省とか主として啓発を担当される省庁にありまして、その認識というものが非常に誤った方向に行きつつある。その認識の誤った方向というのはどういうことを意味するかというと、意識の根底に、その意識をそういう方向に向かわしめる客観的な存在というものがある。ここのところを無視して意識、意識と言うておるところに、この人たちのやっておることがなかなか効果の上がらない、いわば政策的見通しの欠陥というものがあると思うのであります。
 例えば減反の政策を一つとってみましても、そもそも土地の所有面積の低い者に対して、それの五倍も七倍も土地を持っている者とパーセンテージでばさっと一律に減反政策をかけてくると、一番困るのはわずかしか土地を持ってない者が困るわけであります。ところが、そこを優遇すると、今度はせらいというものが出てくる。ねたみが出てくるということで、差別意識というのは形を変えて言うと分裂の意識でありますが、そういう分裂意識が生まれてくる。
 しかもこれは、農林水産省に私は反省をしてもらわなければならぬと思いますことは、ペナルティーというものを個々人に、減反に対して応じなかったその者に対してペナルティーをかけるというよりは、農区とかあるいは地域によっては振興区という呼び方をしていますが、ある一定の単位に対して、おまえたちのところにこういう不届きな者がおるから、いわゆる連帯的な責任をとってもらいたい、こういう意味のペナルティーがかかりますから、ちょうど江戸時代の五人組制度と同じなんであります。その江戸時代の五人組制度を当たり前だと思う意識と、今日のそのペナルティーに対して農民自体から異議を言う者は余りおりません。これは農林省も既に聞かれておられるかもわかりませんけれども、部落解放運動の観点から県の農政部あたりを相手取ってそれを議論したことはあると思います。
 ところが、それがみんなの意識で、おかしい、近代社会の個々人の尊厳ということから言うたら自分にかかわらないことで自分にペナルティーがかかるのはおかしいという意識、そういう権利意識が生まれてこないところに私は農村の、農業の現在時点の構造と人間の意識との照応関係というものがあると思うのであります。そういう点がありますから、少々のことではいかぬのでありまして、根底的に農村というものを改造というか改革をしなければならない、こういうふうに私は思います。
 したがって、いろいろ議論をしてもあれですから、例えば今ペナルティーの例に徴して実際の政策と人間の意識、実際の客観的な農村の構造と人間の意識というものについてどういうふうに判断されますか。

発言情報

speech_id: 111805267X00119900426_013

発言者: 小森龍邦

speaker_id: 9784

日付: 1990-04-26

院: 衆議院

会議名: 予算委員会第五分科会