橋本龍太郎の発言 (予算委員会第二分科会)
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○橋本国務大臣 これは事務的な御答弁を申し上げますよりも、たまたま専売公社民営化に当たりましてその実務を担当した当時の党側の責任者の立場からあわせて御説明申し上げた方がよろしいかと思います。
専売公社の民営化というものは、確かに一つの苦渋に満ちた選択の中から生まれたものでありました。そして、それは確かに、公に申しますならば、臨時行政調査会の答申の中で、公社形態というものを電電、国鉄と並んで見直していくべきであるという御意見から出たものであることは間違いがありません。しかし、今委員から御指摘がありましたように、当時アメリカ側から求められました最も強い要求は、関税の引き下げではなく、むしろ日本における自由なたばこ製造をアメリカの企業にも認めるべきであるという要求でありました。そしてその当時、私ども、これは与野党共通して当時の関係者の中にありましたものは、どうすればたばこ耕作という我が国の農産物の中における特殊な地位を占める換金作物を今後とも国内においてつくっていくことができる状態を確保するか、そのためには製造だけは我が国において、公社形態であるかないかは別として、我が国の特定一社が継続して行っていく体制を維持しなければならない、これが、製造が自由化され外資系企業がたばこ製造に参入した場合には恐らく日本の葉たばこ生産というものはめちゃめちゃになってしまう、そうした中から、非常に苦しい幾つかの課題をお互いに議論しながら専売公社からたばこ産業への移り変わりの歴史を我々はたどったわけであります。
しかし、その後におきましても、アメリカ側からはたばこの製造そのものについて日本における操業を認めろという要求は消えませんでした。そしてそれは、関税引き下げと並行して常にアメリカ側からの要望の中に出てきた問題でありました。そうした中において、葉たばこ耕作農家を含む我が国のたばこ産業を支えていく製造独占というものを堅持するために我々は関税の自由化にまで踏み切っていったということでありまして、今委員は御郷里の実態を述べられましたが、御承知のように私の郷里の岡山県も備中葉の産地であり、葉たばこ耕作の実態については比較的知識を持つ一人であろうと存じますけれども、今後とも葉たばこ耕作というものが続けられる状況を我々が堅持しようとするなら製造独占についてだけは譲ることができない、ここが問題の根幹であったということを率直に御披露申し上げます。