橋本龍太郎の発言 (国際連合平和協力に関する特別委員会)

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○橋本国務大臣 今委員から経過というお話でありますが、経過そのものはむしろ私どもよりあるいは外務大臣の方にお答えをいただいた方がよいのかもしれません。
 ただ、御承知のように、イラクのクウェートに対する侵略が始まりまして、我が国として最初にとりました手段は、クウェートの日本国内にあります資産の凍結という措置でありました。そしてその後、国連の安全保障理事会決議というものを受けまして、順次の貢献策というものに対しての骨格が決まっていったわけであります。
 ただその中で、御承知のようにエアリフトあるいはシーリフトに代表されます物あるいは人の協力の問題、多国籍軍に対する資金協力と二つの問題があったわけでありますが、当初におきましては、周辺国に対する支援の問題というものは論議の対象に出ておりませんでした。そして、その中におきまして多国籍軍に対する資金協力というものが浮上し、外交当局とも御相談をしながら外交的な国際的な受け皿というものが用意をされることを前提にし、当時、想定されました中で十億ドルの資金協力というものを私どもとしては決断をしたわけであります。
 ところが、その直後に私は欧州各国を回り、各国の財政当局の責任者の方々と、この中東の激変する情勢の中で今後の世界経済についての論議を重ねてまいりました。その中においていわゆる周辺国と言われる部分、もう一つは、原油を産出せず、しかも中低所得国である国々の経済影響の問題、この二つの問題が次第に大きな問題となり、これらに対する対応というものがもう一つのテーマとして浮かび上がってきたわけであります。そして、ちょうど私が帰国をいたしますその日に、ブレイディ財務長官を特使として派遣をされましたアメリカの特使一行が訪日をされ、総理、外務大臣の会談に続き私もその一行とお目にかかり、相談をすることになりました。
 しかし、その時点において二つの問題がありました。一つは、多国籍軍に対する資金協力と申しましても、兵力の展開が続いております中において、その最終的な資金量というものが見通しが確たるものがなかったこと、これが一点であります。
 また、周辺国支援として、御承知のようにトルコ、ジョルダン、そしてエジプトというものにある意味での国際的な合意に基づいて今援助が行われておりますけれども、そのほかの原油を産出しない中低所得国における経済問題ということになりますと、どこまでが対象であるのか、国際機関がどこまで関与するのか、また、そのための周辺国に対する資金援助というものにおいて想定される金額というものはどの程度であるのか、こうしたことについての具体的な数字というものは、実は全くなかったわけであります。
 こうした問題点の中でさまざまな議論を重ねながら、日本としては、中東の情勢の変化というものを踏まえながら、追加的に十億ドルを限度とする多国籍軍に対する資金協力の用意があるという意思を表明すると同時に、周辺国支援というものにつきまして二十億ドルの協力を行う用意ありということを国際的に宣言をしたという経緯でございまして、その後の経緯は、御承知のように、総理が中東に赴かれ、既にその一部は動き始めておるという状況であります。

発言情報

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発言者: 橋本龍太郎

speaker_id: 24487

日付: 1990-10-29

院: 衆議院

会議名: 国際連合平和協力に関する特別委員会