末木凰太郎の発言 (国際連合平和協力に関する特別委員会)
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○末木政府委員 これ以上大きな石油の供給について問題が起きることは決して楽しい想定ではございませんけれども、御質問でございますのでお答えいたします。
とりあえず私の方で、経済企画庁で数量的な計算をいたしましたのは、石油の供給について、いろいろの問題はあろうけれども、とりあえずいろいろな方法で量的には何とかやりくりをしているけれども、たまたま現在のような状況でございますね、しかし、やはり心理的な不安、ショックも含めまして価格は上がるというのが現実の姿でございまして、その価格の上昇によりましてどのような影響が及ぶかということを一応計算をしてみました。
三十ドルないし四十ドルという御指摘でございますけれども、今日まで、状況を踏まえて、三十ドルに上がってこれが継続した場合のおよその姿をいろいろな仮定を置いて計算をいたしましたのですが、日本経済につきましては、当然のことながら、石油関連製品から順次波及いたしまして物価が上がってまいります。タイムラグはございますけれども、ほかの条件が異ならなければ、結局その効果が出尽くしたところで消費者物価は〇・九%程度上がるであろうということでございます。
それから国際収支、これは原油それから石油製品等計算によって多少の動きがございますけれども、十八ドル程度であったものが三十ドル程度に上昇をしてこれがずうっと続いた場合、年間の影響としては、これは十二ドルの上昇でございますが、一年間で二百二十億ドル程度の支払いの増になろうかと思います。
それからGNPにつきましては、これはまたそれ以外のいろいろな要素を考えていきませんと正確な計算ができませんが、一応ほかの条件は変わらない、主としてこの石油の価格ということで計算を、モデルによる計算でございますから当然いろいろな前提があります、ここでは時間の関係で一々御説明申し上げませんが、計算いたしますと、向こう一年の間でGNPが〇・三%くらい下方に引っ張られるというような日本の経済への影響でございます。
それから世界経済でございますけれども、今日本について申し上げましたのは、一次、二次石油危機の経験に照らしていろいろの石油節約をやってきて、世界で最も優等生の日本で、かつ、今回の事件が起きる直前に、絶好調とは申しませんが、比較的いい状況で迎えた日本がこれだけ影響を受けるわけでありまして、御承知のようにアメリカは今そもそも経済は悪うございます。たまたま昨日発表のGNP七―九はちょっと持ち直しておりますけれども、それでもここ二、三年の趨勢を見ますと、GNPは落ちておりますし、物価の上昇圧力は強うございますし、いわゆる双子の赤字の問題も片づいておりませんし、それから日本ほど省石油が進んでいない等々の理由から、アメリカの方がより影響がむしろ大きいのではないかと懸念されます。具体的な数字の計算までには至っておりませんけれども、アメリカ自身も大きな影響がございます。
それから、まさに御指摘のとおり油を産出しない発展途上国は、そうでなくても物価問題それから経済不振、全般に悩んでおりますけれども、石油で今回既に影響を受け始めておる、御承知のとおりですが、さらにこれが続いてまた拡大していけば、インフレ圧力が高まり、それから輸出が当然鈍化をするということになりまして、大変大きな影響を受けますし、それから、ソ連原油の供給削減を既に受けてもう既に困っている東欧諸国はまた一段と大きな影響を受けて、せっかく始まりかけた市場経済への道のりは大変厳しいものになりますし、また、ラテンアメリカ等の累積債務を持っている国は、石油状況が悪化すれば世界的に金利が上がりますので金利負担もふえる、こういったことで、日本を初めアメリカ、LDC、その他ラ米の国、東南アジアの国、世界じゅうが大きな影響を受けざるを得ないということでございます。