高沢寅男の発言 (外務委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○高沢委員 次に、日米安保条約の関係についてお尋ねをしたいと思います。
私は、日米安保条約は歴史的に性格が変化してきているというふうに見るべきだと思います。これはもう恐らく大臣も同じ御意見じゃないかと思います。
初めに、一九五一年、あの吉田内閣の時代に結ばれた旧安保、それから一九六〇年の岸内閣のときに改定された今の安保。私は、この旧安保及び今の安保というのは、これを五〇年代、六〇年代というふうに見れば、これはもうはっきりとした極東における戦争の危険性、それは相手はソ連である、あるいは中国であるというふうな認定のもとに極東におけるそういう戦争の危険性に備える、そして日本の平和、安全、極東における国際的な平和、安全を守るということを一応目的にした安保である、極東安保、こういうふうに呼んでもいいんじゃないのか、こう思います。
それが今度は七〇年代になってきますと、もう極東のそういう緊張というものは、さっき言った台湾海峡の問題にせよあるいは朝鮮半島の問題にせよ、一方まだカンボジアはありましたけれども、そういう意味においては極東のそういう戦争の危険性というものはぐっと後退してきている。逆にそのころはいわゆるオイルショック等々の関連で中東で、ペルシャ湾でいろんな問題が起きました。そうすると、在日アメリカ軍は日本を出て、中東へ出ていったということが非常に七〇年代以降は多くなっているわけですが、これは極東と別だということでもってアメリカ軍が出動していくのに、いわゆる安保第六条の事前協議というものは一切ない。
それからまた、日本政府自体も、これは戦争のための出動じゃなくて、要するに移動にすぎないんだというふうな説明をされる。移動していった先ですぐ戦争行動に今度なんか入っていますね。移動していってすぐ戦争行動というのは、これはまさに戦争のための出動だ、こう見るべきだが、しかし、いや、これは移動です、米軍の兵力運用上の必要からの移動だから事前協議の対象じゃないというふうなことがずっとこの委員会でも政府側の見解として説明されてきました。しかし、ともあれ、日本からの米軍の出動の行く先は皆中東であるというのが七〇年代、八〇年代の特徴である。そうなってくると、もうこれは中東安保、極東安保から中東安保に日米安保条約の性格は変わってきているというふうに言っても差し支えない、こう私は思います。
それからさらには、今度は情報とか通信とか機動力がうんと発達してきたというふうになると、仮に地中海で何か起きた、大西洋で何か起きたというときも、在日米軍はぱあっと出ていくという時代がこれから来るんじゃないのか。もし何かあれば在日米軍は直ちに日本の基地を発して地中海へ飛んでいく、大西洋へ飛んでいくというふうなこともあり得る、そういう時代に入るんじゃないのか。本当にこの日米安保条約はグローバル安保に変わってくるというふうなことではないかと思いますが、そういう時代的、段階的な性格の変化というものを私はそう見ていますが、この点は、大臣、御所見はいかがでしょうか。