外務委員会

1991-03-13 衆議院 全380発言

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会議録情報#0
平成三年三月十三日(水曜日)
    午前九時三十二分開議
 出席委員
   委員長 牧野 隆守君
   理事 新井 将敬君 理事 園田 博之君
   理事 中村喜四郎君 理事 浜野  剛君
   理事 原田昇左右君 理事 上原 康助君
   理事 高沢 寅男君 理事 遠藤 乙彦君
      井奥 貞雄君    伊東 正義君
      小渕 恵三君    田名部匡省君
      福田 康夫君    宮下 創平君
      井上 一成君    井上 普方君
      川崎 寛治君    川島  實君
      松原 脩雄君    古堅 実吉君
      永末 英一君    和田 一仁君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 中山 太郎君
 出席政府委員
        防衛庁参事官  内田 勝久君
        防衛庁防衛局長 畠山  蕃君
        防衛庁教育訓練
        局長      小池 清彦君
        防衛庁装備局長 関   收君
        防衛施設庁長官 児玉 良雄君
        防衛施設庁総務
        部長      箭内慶次郎君
        防衛施設庁施設
        部長      大原 重信君
        防衛施設庁労務
        部長      竹下  昭君
        外務大臣官房長 佐藤 嘉恭君
        外務大臣官房外
        務報道官    渡邊 泰造君
        外務大臣官房審
        議官      野村 一成君
        外務大臣官房文
        化交流部長   小倉 和夫君
        外務大臣官房領
        事移住部長   久米 邦貞君
        外務省アジア局
        長       谷野作太郎君
        外務省北米局長 松浦晃一郎君
        外務省欧亜局長 兵藤 長雄君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   渡辺  允君
        外務省経済協力
        局長      川上 隆朗君
        外務省条約局長 柳井 俊二君
        外務省国際連合
        局長      丹波  實君
        外務省情報調査
        局長      佐藤 行雄君
 委員外の出席者
        外務委員会調査
        室長      市岡 克博君
    ─────────────
委員の異動
三月十一日
 辞任         補欠選任
  和田 一仁君     中野 寛成君
同日
 辞任         補欠選任
  中野 寛成君     和田 一仁君
同月十三日
 辞任         補欠選任
  麻生 太郎君     井奥 貞雄君
  和田 一仁君     永末 英一君
同日
 辞任         補欠選任
  井奥 貞雄君     麻生 太郎君
  永末 英一君     和田 一仁君
    ─────────────
三月十一日
 日本の多国籍軍への戦争協力反対、速やかに和平に向けての最大限の努力に関する請願(土肥隆一君紹介)(第一八〇八号)
 同外一件(外口玉子君紹介)(第一八四〇号)
 同(土井たか子君紹介)(第一八四一号)
 同(長谷百合子君紹介)(第一八四二号)
 湾岸戦争の即時停戦に関する請願外一件(上田利正君紹介)(第一八〇九号)
 同(輿石東君紹介)(第一八一〇号)
 同(輿石東君紹介)(第一八四六号)
 同(輿石東君紹介)(第一八七四号)
 戦争協力の支援金反対等に関する請願(岡崎トミ子君紹介)(第一八三五号)
 同(外口玉子君紹介)(第一八三六号)
 同(長谷百合子君紹介)(第一八三七号)
 同(鈴木喜久子君紹介)(第一八七六号)
 湾岸戦争の即時停止等に関する請願(外口玉子君紹介)(第一八三八号)
 多国籍軍への支援反対、湾岸戦争の即時停戦、中東和平会議の開催等平和的解決に関する請願(外口玉子君紹介)(第一八三九号)
 多国籍軍とイラク軍の戦闘行動即時停止を求める決議等に関する請願(岡崎トミ子君紹介)(第一八四三号)
 同(外口玉子君紹介)(第一八四四号)
 同(長谷百合子君紹介)(第一八四五号)
 同(宇都宮真由美君紹介)(第一八七三号)
 同(宇都宮真由美君紹介)(第一九一七号)
 湾岸戦争反対、米軍への戦争協力中止に関する請願(大出俊君紹介)(第一八七五号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第六号)
     ────◇─────
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牧野隆守#1
○牧野委員長 これより会議を開きます。
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高沢寅男君。
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高沢寅男#2
○高沢委員 大臣、きょうは非常に長い時間の委員会になりますが、御苦労さまでございます。
 私は初めに、明治以来の日本の外交の歴史を振り返って、これからの日本外交のあり方というふうなことをまず大臣にお尋ねをしてみたいと思います。
 明治以来の日本の外交の道筋を振り返ってみますと、日本が初めて外国と結んだ同盟条約は日英同盟条約であったわけです。これは、一九〇二年、明治三十五年に締結をされておりますが、当時の情勢から、旧満州とかあるいは朝鮮半島へ進出しようとしていたロシアを相手に戦う、そのためには当時世界で最大、最強の国であったイギリスのバックアップを受けたいということからこの条約が結ばれて、実際にまた一九〇四年、五年、明治三十七年、八年に日露戦争を行ったわけですね。そしてこの戦争は日本の勝利で終わった、こういう歴史があります。
 後、その日英同盟は、大正の時代に入りまして、大正十年、一九二一年に終了したわけでありますが、もうこの大正の末ごろになりますと、アジア・太平洋地域で日本とアメリカやイギリスとの権益が衝突する、その対立が非常に表面化してくるという時代になりまして、さらに昭和に入ると、なおさらその関係が激化するということで、結局日本は、今度はドイツと同盟条約を結ぶ、そして、アメリカ、イギリスと戦争をするというような事態になって、これが第二次世界大戦であったわけです。そこで日本は、今度は敗戦の結果で終わったわけであります。
 そしてその後、戦った相手であったそのアメリカと日本との日米の同盟条約の時代に入ったということでありまして、第二次大戦が終わってからことしまでといえば四十六年間、この四十六年間をずっと日本は日米同盟という枠組みの中でやってきたわけでありますが、この日米同盟というのは要するに、共通の敵としてソ連というものを想定して、それに対して日米が相協力するというふうな関係の同盟条約でもあったわけであります。
 こういうふうに振り返ると、結局、明治以来絶えず日本はだれかを敵と見て、それに対してだれかと組む、だれかと同盟を結ぶというような関係で来たのが今までの日本外交の道筋であったのではないか、こう思います。しかし、その関係が今根本的に変わろうとしている。いわゆる冷戦の体制は終わった、こう言われ、そしてアメリカも、もはやソ連は敵ではない、もちろん日本にとってももうソ連は敵ではないというような時代に入ったと思うのでありますが、そうすると、今までのようなだれかを敵にしてだれかと組むという時代は終わった、こう見るとすれば、これからの日本の外交の基本的戦略、あるいは外交哲学、最近そういう言葉が随分言われますが、そういうものとして、これからの日本の外交はどうあるべきかということを初めに総論的に大臣から、過去の歴史も振り返りながら、これからの道はこうだというお考えをひとつお聞きしたい、こう思うわけであります。
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中山太郎#3
○中山国務大臣 これからの日本外交というものがどういうふうな考え方で対応すべきかというお尋ねでございますけれども、今も委員から御指摘のように、米ソが対立していたという時代が、一応マルタの首脳会談によって冷戦が終わるという一つの区切りができて、米ソの間には話し合いが行われる、協力が行われる、国連の安全保障理事会では拒否権を使わない時代がやってきた、これから先どうなるか、まだわかりませんけれども、一応現状は拒否権は使われないという常任理事国の協力体制というものができてきた。
 私は、日米安保条約が最初に締結されたときには、あの条約を見てみますと、結局十年間で廃止、十年間を一応期限としていたと思います。その日米安保条約の項目の中には国連憲章というものが随所に登場してくるわけでありまして、国連が理想としていた一つの国際平和を求める姿、当時は理想像であったと思いますけれども、その理想像が十年ぐらいでできるのじゃないかという一つの判断が当初あったのではないかと思います。
 しかし、現実問題としては、米ソの冷戦時代が来て、日米安保は改定になり、そして、対等の立場になって条約を執行していくという状況になってまいりましたが、私はこれが、現在の国連の安保常任理事国の考え方あるいは外交姿勢というものは国連が最初につくられたときの一つの理想像に近づいてきた、こういうふうに考えております。私は、非常に好ましい国際環境が出てきたんではないかと思いますが、一方においては、地域紛争というものがまだ起こるという危険性が相当あるということは、避けて通れない事実だろうと思います。
 そういう中で、米ソ関係が緊張状態が緩み、一方では地域紛争の可能性というものが現存をしている中で、我々は、我が国の安全あるいは極東の安全というもののために、平和を維持するための安全保障というものをどのように考えていったらいいのか。私は、国連憲章が理想とした一つの国際社会の姿というものが、完全に明るい見通しが確保されるまでは、当面の間、この日米安保条約というものを堅持しながら、日本は国際社会の平和をつくるためにその外交努力をしていかなければならない、このように考えております。
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高沢寅男#4
○高沢委員 今、大臣のお答えの中で、国連憲章の本来の精神に一歩近づく時代が来た、こういうお話がございました。
 ただ、私の考えとしては、確かに国連というのは普遍的な世界平和を保障する機構であり、その理念が憲章にあらわれていると思いますが、しかし、前提はあくまで各主権国家、これが国連の加盟国であって、主権国家を前提とする以上は、いわゆる個別の自衛権とか集団自衛権とかいうふうなものも認める立場の国連憲章になっております。そこに何か紛争が起きてくる、その紛争に対して、今言った個別あるいは集団的な自衛権が発動される、これは戦争というふうな形になってくる可能性がまだまだあることは確かに認めます。したがって、この全世界的な、米ソが相戦うという時代はもはやない、こう思いますが、地域的な紛争の可能性があるという今のあなたの御認識は、今度中東の湾岸問題でも確かにそうなったというふうに見ると、そのことは私は確かに否定できないと思う。
 ただ、問題は我々の周辺であるアジア・太平洋地域でそういうふうな地域紛争の可能性が、かつてはそれが朝鮮半島だと言われ、あるいはそれは台湾海峡だと言われ、あるいはそれはインドシナ半島だと言われましたけれども、今やそういう具体的なところをアジア・太平洋地域でとってみれば、そういう地域紛争というものの可能性、危険性はもうよほど後退したというふうに私は見ていいんじゃないかと思いますが、大臣、アジア・太平洋ではその点はどういうふうにこれからの見通しをお持ちになりますか。いかがでしょうか。
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中山太郎#5
○中山国務大臣 アジア・太平洋におきましては、おっしゃるとおり、私はかつてのような緊張状態は相当緩和してきた。例えば朝鮮半島における緊張も、現実には南北の首脳の交流、あるいはまた日朝間の話し合いが現在行われておりますし、韓ソの国交も再開される、あるいは韓中の貿易も非常に活発化してくる、こういう一つのアジアの新しい時代の姿というものが出始めてきたと私は思います。
 しかし一方においては、カンボジアでは日本政府もいろいろと苦労してやっておりますけれども、まだ和平の一つの確たる見通しは立っておらない。こういう状況の中で、私はアジア・太平洋における安全保障というものが、どういう形でこれから関係国の間でいろいろと構図が立てられていくのか、こういうことは日本政府としても絶えず頭の中に入れながら、アジアの緊張緩和のために一層努力をしていかなければならない。
 また現実に、朝鮮半島の平和のためにも、安定のためにも現在努力している最中でございますし、日ソの間も領土問題がございますが、大統領を迎えての歴史的な日ソ首脳会談が行われようとしておりまして、私はアジアの環境も相当よくなってきたという認識を持っております。
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高沢寅男#6
○高沢委員 そういうアジアの集団的な平和保障といいますか安全保障といいますか、というふうな体制をつくるのにこれから関係国と話し合いながら、当然の大臣のお答えではありますが、私の気持ちとしては、もうこの段階では、ちょうどヨーロッパが既にそういう状態になったわけですけれども、アジアでそういう状態をつくるのに、やはりまず日本がひとつこういうアジアの平和保障、集団保障の体制をつくろうじゃないかということを提唱され、提起されて、それを例えばアメリカに対し、あるいはソビエトや中国や朝鮮に対し、またインドシナ諸国とASEANの諸国に呼びかけて、その日本の呼びかけが口火となって、そのための話し合いが始まるというふうなことをもう今やまさにやるべき段階に来ているのじゃないのか、こんなふうに私は思います。
 何か、四月に大臣はカンボジアの和平問題というふうなことに関連して中国へ行かれる、ベトナムへ行かれるというふうなこともお聞きをしておりますが、そのこと自体もまた、行って大臣からどういうふうな働きかけをなさるお考えか、それはお尋ねしたいと思いますが、そういう働きかけをどんどん日本が展開して、そしてアジアの平和保障、安全保障体制に、主導権と言っては言葉が悪いが、少なくともイニシアチブを日本がとるというまさに絶好の時代が、よい時代が来ておる、私はこう思います。
 そのことが一方では、日米同盟関係をこのままいっていいのか、これはこれで当然見直しをしなければならない。一方では、ソ連や中国や、その他アジアの国々とも、これは今度は日本の同盟ではなくて、その協力関係というものをまた複合的につくっていくという中でできていくんじゃないかと思いますが、前からこのことはもう既に何度もこの委員会でも論議されてきておりますが、私は、この段階でもう一度大臣の御所見をお聞きしたい、こう思います。
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中山太郎#7
○中山国務大臣 ヨーロッパでCSCEが一つの形を整えた。パリ宣言が行われて、ヨーロッパに新しい時代が構築されたことは御存じのとおりでありますが、ヨーロッパと同じようにこのアジア・太平洋で安全保障の取り組みができるかという問題で、今まで当委員会でもいろいろ御議論がございました。私も外務大臣として、ヨーロッパと地政的にも違うし、あるいは民族的にも違うし、宗教的にも違うし、いろいろと一つの地政的な、あるいは文化的な、宗教的ないろんな民族的な違いが、ヨーロッパと違うということを下敷きにしながら、アジアには巨大な太陽があるということで、この地域の安全保障をヨーロッパと同一視するわけにはいかないけれども、この地域での平和をどのように構築していくかということは、この地域に存在する国家として当然考えなければならない一つの問題であろうと思います。
 そういう中で、ASEANはZOPFANという安全保障の考え方を持っている。また、アジアは二国間の安全保障条約が多うございますけれども、全体的な考え方というものがいろんな国の外務大臣から発想を示されております。カナダのクラーク外務大臣等は、北太平洋の安全保障というものを相談してみたらどうか。あるいはオーストラリアのエバンス外相は、太平洋・アジア地域にCSCEのような構想ができないものか。
 また、私は従来当委員会で申し上げているように、アジアはカンボジア問題、朝鮮半島問題、日ソ間には領土問題というものがあって、まだまだこの地域は各国の経済水準がヨーロッパと比べて非常に低い。この地域の安全保障を確立するためには、まず各国の国民生活の水準を上げながら地域紛争を解決して、そして全体的な安全保障の構図に取り組んでいくべきだという考え方で、今日まで日本政府は努力をしてまいりましたが、私は、この地域の外務大臣がとにかく会合をすることが大事であるということで、去年の国連総会で十五カ国の外務大臣が集まるということに努力をしたわけであります。
 幸い、インドネシアのアラタス外相が私の気持ちを理解してくれて、共同主催でやろうということでソ連、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ASEAN、韓国、中国、こういったような国々が初めて集まって夕食会をともにする。その中にはベトナムのグエン・コ・タク外務大臣がアメリカのベーカー国務長官と、国交はありませんけれども座席を隣にして語り合う、あるいはそこではシェワルナゼ外務大臣と韓国の崔外務大臣が話し合って、明くる日には韓ソの国交を直ちに開くというような一つの場をつくることができたことを私はそれなりによかったと思っておりますし、今後ともそういう場をつくりながら、我々はアジア・太平洋の安全保障というものの考え方の整合性を求めていくことが極めて緊要である、このように実は考えながら、今日もカンボジアの和平問題あるいは朝鮮半島の安定問題、アジア・太平洋の極東、日本海を含めた安全保障というものをどうするか、いろいろな関係各国の外務大臣と協議をやっているということを申し上げておきたいと思います。
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高沢寅男#8
○高沢委員 私は、そういうアジアの新しい外交的な動きを前へ進める、きっかけが物事には必要ですから、そのきっかけとして今目の前にあるのはカンボジアの和平がまとまる、これが大きなきっかけになってアジア全体の安全保障の話し合いや枠組みが進む。
 それからもう一つは、やはり朝鮮であります。今、アジア局長もおられますが、日本と北朝鮮との国交の話し合いをしていますが、いろいろ問題もあるし、もちろん相手があることですから、いつまでにまとまるということは私は断言はできないと思います。しかし、いずれこれはまとめなければならぬし、まとまるだろうと思います。そういうとき、日本と北朝鮮の国交関係がまとまったというときも、これもまた一つのアジアの安全保障の枠組みをぐっと一歩前へ進める大きな私はきっかけになる。
 こんなことで、日本は非常に大事なその二つのきっかけというものに実際上かかわっておるということでありますから、その二つのきっかけをうまく成功させて、そして今大臣の話されたアジア・太平洋の関係国が、みんなでこれを契機にこういうふうな集団安全保障体制をつくろうというふうなことを前進させる契機にしていただきたいと思います。その意味で、今度四月にカンボジア問題の、中国とベトナムへいらっしゃるそのことについての、まだここで公式に話せない問題もいろいろあろうかと思いますが、大臣の御所見をひとつお聞きしたい、こう思います。
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中山太郎#9
○中山国務大臣 中国を訪問するということは、かねて中国側からも何遍かお招きをいただいておりましたし、私も中国の国際社会における孤立を何としても防ぐことが重要だということで、第三次円借款の開始に欧米諸国の理解を求めてまいった、日本政府の立場としては理解を得られたということで、円借款の再開に踏み切ったわけでありますけれども、昨年の六月に行われました東京のカンボジア和平会議におきましても、在京の中国大使館は大使以下大変苦労をしてキュー・サムファン氏の協力を求めたわけでございますし、タイ国政府も大変努力をしてくれたわけであります。先般東京を訪れましたベトナムのグエン・コ・タク外務大臣といろいろ話をいたしましたが、このグエン・コ・タク外相にいたしましても、やはりカンボジアの和平というものに大変大きな関心を持っておられます。ベトナムをぜひひとつ訪問されたらというお話もございましたし、私もベトナムの占めている地位の重さというものも十分認識しておりますので、国会のお許しが得られれば私は四月に中国とベトナムを訪問をいたして、カンボジアの和平問題についてもいろいろと意見の交換をいたし、そしてアジアの平和にいささか貢献ができるような努力をしなければならないと考えております。
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高沢寅男#10
○高沢委員 それと同じ意味で、アジア局長おいでですが、日本と北朝鮮の今現に交渉が行われているさなかでありますが、ひとつ交渉の成功を確保するための心組みといいますか、あるいは見通しといいますか、交渉のさなかですから言えない問題もあるいはあろうかと思いますが、差し支えない範囲でその展望をひとつアジア局長からお聞きしたいと思います。
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谷野作太郎#11
○谷野政府委員 おとといそれから昨日と二日間にわたりまして、第二回目の朝鮮民主主義人民共和国との正常化に向けての話し合いをいたしました。まだ総論のやりとりに終わっておりまして、今の段階で確たる見通しを得るところまで至っておりません。かつ、それぞれの論点において残念ながら大変双方の主張、考え方に隔たりが多いものでございますから、まずは私どもは誠実に日本側のそれぞれの論点についての考え方を何とかわかっていただく努力をしておるわけでございます。
 具体的に申し上げる時間がありませんけれども、例えば先生も御案内のように、核査察の問題
あるいは賠償か請求権かというやりとりの問題。それから、私どもはやはり南北対話が、今残念ながらとまっておりますけれども、これが再開されることがやはり日朝関係の話し合いを進める望ましい雰囲気をつくるということも先方に申し上げておりますが、いずれにいたしましてもまだ総論のやりとりをさせていただいておるわけでございまして、交渉の雰囲気は非常にいいのでございますけれども、他方主張は激しく対立しておるという状況でございまして、誠実にかつ忍耐強く引き続きやっていきたいと思いますが、さて何年かかるか、何カ月で終わるのか、その辺の見通しは確たるものを持っておりません。
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高沢寅男#12
○高沢委員 我が国の北朝鮮との話し合いは、一方では対韓国で日韓の関係を、これを大事にしながら北朝鮮との話し合いを進めるという大前提に立っているわけですから、私はこのことがまとまるときには恐らく朝鮮の南北の関係もそれに連動して非常によくなるというふうに見ておいても間違いない、こんなふうに思います。日韓条約も始まってからまとまるまでに随分年月がかかったわけでありますが、今度の対北朝鮮の関係もいつまでにということは大変困難だと思いますが、そういう考え方でぜひひとつ成功に向けて進めていただきたい、こう御要望しておきます。
 次に、また大臣にお尋ねをしたいと思うのですが、一月二十五日、衆議院の本会議で大臣の外交演説がありました。その外交演説の中でこのように述べられたわけですね。「今回の湾岸危機によって改めて明らかになったことは、国際の平和と安全を守る上で中心的な役割を果たし得る国は米国をおいてほかにないということであります。」こういうことを大臣の外交演説の中で述べられたわけです。それが一月二十五日でした。それから、そのすぐ後の一月二十九日のアメリカの議会でブッシュ大統領の一般教書の演説がありましたが、その中でブッシュ大統領はこういうことを言っておられるわけですね。
  「世界はこの機会をつかみ、久しく願われて
 きた新世界秩序の約束を果たすことができる。
 暴虐はむくわれることなく消え失せ、侵略は集
 団的抵抗でくじかれる、そういう秩序だ。そう
 だ、合衆国はこの努力の主要なリーダーシップ
 をになっている。世界の諸国家の中で、アメリ
 カ合衆国だけが道徳上の立脚点と、それを支え
 る手段を兼ね備えている。我々は平和の諸勢力
 を糾合できる世界唯一の国民である」
こういうふうな言葉がブッシュ大統領の一般教書の演説の中で述べられているわけです。
 私はこれは、そういうことができるのはアメリカにおいてほかにないと外務大臣が外交演説で述べられた演説とこのブッシュ大統領の演説は事実上重なり合っているというようなことではないかと思うわけでありますが、これは要するに、これからの世界の秩序を維持しあるいは守っていく、その際に当たって主導的な役割ができるのはもうアメリカだけである。今までは米ソという枠組みでそういうことを一応やってきたわけですが、そのソ連は既に超大国という立場から事実上滑り落ちた関係になっていますから、これからはアメリカだけがそういうことができるという御認識ではないかと思いますが、大臣、そういう御認識をお持ちかどうか、それをまずお尋ねしたいと思います。
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中山太郎#13
○中山国務大臣 私は、今回の湾岸の紛争を見まして、これを収拾する一つのリーダーはアメリカ合衆国の存在というものが大きいということで評価をいたしておりますけれども、アメリカ合衆国といえども、アメリカ一国ですべてができるわけではない。やはり自由と民主主義を基盤とする国々が協力しながら国連という舞台で国際の平和と安全を維持していく。その中でやはりアメリカの力というものはこれを無視、否定してかかるわけにはいかない、私はそういうふうな考え方で申しておるわけであります。
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高沢寅男#14
○高沢委員 そうすると、よく言われる、アメリカの一極主導という言葉がありますけれども、私は、確かに湾岸戦争をやっている過程でのアメリカの軍事力の大変な指導性があったということはもう間違いありません。戦争が終わった。さて、ではこれから中東・アラブ地域にどういう戦後の平和体制をつくるのか、あるいはイスラエル・パレスチナ問題をどういうふうに解決していくのかということになれば、とてもアメリカ一極主導ではいかない。それこそアラブの関係国とかあるいは西欧のいろいろな関係国とかあるいは我々日本とか、いろいろな国々の相互の協力体制の中で初めてそういうものができていくということになろうかと思いますが、そうであるとすれば、この湾岸の戦後平和体制の中に、では日本はどういうふうにその中に入っていって発言していくのか、役割を果たしていくのかということが当然出てくると思いますが、この点についての大臣のお考えはいかがでございましょうか。
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中山太郎#15
○中山国務大臣 湾岸のこの戦争が終わりました後の中長期の平和と安定のための構想に日本がどのようなかかわり方をやっていくのかというお尋ねであろうかと思います。
 私は、この地域と日本との関係というものは、やはりイギリスとかあるいはアメリカとアラブ地域との関係の歴史と比較すると、日本は極めて浅い。第二次世界大戦後は、初めて日本の石炭から石油へかわったエネルギーサイクルの変わり方の中での関係がこの地域との連帯を強化していった、こういう歴史がございますが、我々の国はこの地域に植民地を持ったこともございません、侵略をしたこともない、こういうことで、この地域から見ると日本は手の汚れていない国の一つになると思います。
 しかし、この地域と日本との関係において我々がそれじゃこの地域の平和と安定のために何がなし得るか、このことをまず確認するのは、相手国が日本に一体何を求めるのかということの確認が第一に行われるべきであるということで、小和田外務審議官と渡辺外務審議官を各国訪問させて、この両審議官の報告を十分下敷きにしながら、この地域の求めるもの、それから日本ができること、ここのすり合わせを十分やって、我々は関係国とともにこの地域の平和と安定に貢献をしていくような考え方を固めなければならない、このように考えております。
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高沢寅男#16
○高沢委員 私も、我が国が今まで中近東の関係では手が汚れていないというそのお言葉、そのとおりだと思いますが、逆に言えば、手が汚れていないということは実は余り関係が密接でなかったということのまた裏返しの表現にもなるわけであって、したがってこの中東の戦後の体制に日本がかかわっていく、いかなければならぬわけです。幾らこちらがいくと言っても、なかなかこれは相手のあることですから、押し売りで入っていくわけにはいきませんから、そういう点において非常に困難性があるということはよくわかります。
 そういう意味において、例えばその復興過程に今度はお金が必要になる。日本はまた金を出せというようなことが出てくるのではないかと予想されるわけでありますが、そういう金を出せということが本当にアラブ諸国からの要望として出てくるという場合には、ただアメリカから言われたから出すというのと、同じお金を出すにもアラブ諸国の要望によってそれにこたえていくという場合とはこれは性格が違うと私は思います。そういうものがあったときには、それにまともにこたえていくということの中で、今まで湾岸地域に日本は関係が薄かったという関係を、今度はいい意味のもっと濃い関係をつくるということにこれを結びつけていくという行き方がこの際必要ではないのか、こんなふうに思いますが、その点は、これからの見通し、特にお金の問題、どんな見通しをお持ちか、お尋ねしたいと思います。
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中山太郎#17
○中山国務大臣 御案内のように、この地域には私は昨年ジョルダンを訪問した当時の金額で約千七百億ドルぐらいの国際債務があるというお話でございました。これをどういうふうに石油のコストを調整することによって産油国はその国際的な債務を返済することができるか、こういう問題が一つ下敷きにあるのだろうと思います。もう一つは、油の出ないアラブの国をどうするのか。
 こういうことを考えますときに、私は、この地域の経済の再建、それから軍事力を中心にした安全保障の問題、この問題はやはりこの当事国のイニシアチブによってまずこの原図が引かれるということから、これらの国にかかわる国々の中での日本の役割は、資金的な協力の問題もありましょうし、技術的な協力の問題もあるでございましょう。そういう問題から考えますと、日本は一体どのような局面で資金的にどの程度の協力ができるかということは、これからのこの各種の協議を通じて具体的に額が出てくるのではなかろうか、このように考えております。
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高沢寅男#18
○高沢委員 私は、今度の湾岸戦争と国連との関係で、実はこんなことも感じているわけです。
 非常に多くの安保理事会の決議がなされた。その決議の最後のものは一月十五日という期限を切って、それまでにクウェートからイラクが撤退しなければ、要するに武力行使も含めたそういう手段もとるのはやむを得ないというような決議までなされた。これはまさに国連としてのそういう働きであったと思いますけれども、さて、それが実際にアメリカ軍によるイラクとの戦争になったという過程の中では、今度は国連というものは、そしてその戦争が終結するまでの間、国連は一体何をしたのだというふうに考えてみると、国連の事務総長を初めとして、結局はその戦争の成り行きをただただ見ているしかなかったというような状況が現実にあったと思います。
 そういう国連のあり方が、非常に大事な機関ではあるが、そして決議はする、しかしそのことが実際の行動になったときはもう国連はそれに口の出しようがない、手の出しようがないというのが今の国連の実態ではないのか。そういう今度の経験を経て、これからの国連をもっと生きた機能ができるというふうなものにさせていくということがまさに世界の国連加盟国全体の任務、役割ではないのか、私はこんなふうに思いますけれども、この辺、大臣、国連強化というようなことで何か構想をお持ちかどうかお尋ねしたいと思います。
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中山太郎#19
○中山国務大臣 国連の今回の役割は、それは委員がいみじくも御指摘のように、いわゆる戦争を防止する機能というものを果たすことはできなかったわけであります。安保理の決議に従って多国籍軍が行動を起こす、そして戦争が行われている間は国連は何もしなかったという御指摘でございました。それで、そういうものを踏まえて国連に対する考え方を私に、どのようにこれから将来考えるかという難しいお尋ねでございます。
 国連の目指すもの、それは一つは集団安全保障であろうと思います。その集団安全保障の中で、やはり第七章でうたわれている各条項によって、あるいは三十九条から始まる各種の条項によって、四十二条、四十三条、こういったところで国連軍が創設をされる可能性が憲章上は明文化されているわけでありまして、まだ国連設立以来この四十二条、三条の条項を適用した国連軍はできておりません。加盟国の共通の利益を阻害する以外は武力の行使を行わないということが国連憲章の前文に書かれておりますけれども、私は、国連の目指しているものはそういうものであろう。それに果たしてどのような形がこれからつくられていくのか、また、日本はその中でどのような立ち居振る舞いをして協力をしていくのか、これはこれから我々日本の国自身が考え方を整理していかなければならない重要な課題であろうと認識をいたしております。
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高沢寅男#20
○高沢委員 これは私なりの考えですけれども、先ほど申し上げた今の国連は各主権国家の加入国の総体として成り立っている。その主権国家は、主権国家である以上は、個別的自衛権や集団的自衛権というものは国連憲章でも認められている。それらの自衛権の裏づけとして各国それぞれに軍隊を持っておる。武力を持っておる。こういう現状で、その総体として国連が成り立っているということですから、私は、国連の各主権国家の枠を超えた国連自体の安全保障の力、平和を守る力を強めるには、各主権国家の持っている武力、要するにこれを減らしていく。ほかの言葉で言えば軍縮ですね、それを進めていくということが逆に国連自体の平和維持の力を強化させるということに私はつながっていく、こういうことじゃないのか。
 その安保理事会の常任理事国のあり方がどうだとかこれももちろんあります。あるいは国連の安保理事会と国連総会との関係をどうする、これももちろんあります。そしてまたその安保理事会の中に世界の各地域の代表というものを反映させるべきだということもあるし、それももちろんあるけれども、そういうふうなことは、要するに国連憲章改正というようなものにどうしてもつながってくる。それから、日本、ドイツに対する旧敵国条項、これをやめろという議論も憲章改正につながるわけですが、そういうことは一方でどんどん提案し、進めつつ、一方また各主権国家の武力、軍事力というものを縮減していく、このことが私は国連憲章に触れなくともできる、そういう国連強化の方策ではないのか、こう思いますが、そうなってくると、我が国の平和憲法というものの意味づけが、今まであった意味づけも非常に大事であったが、これからますますその意味づけが非常に大事になる、こんなふうに思います。
 そうすると、我が国が展開する外交と我が国の平和憲法の関係というものを私は改めて位置づけて、それで日本外交の基礎はこの平和憲法である、平和の原則であるということをどんどん外国に向かってアピールしていくということが、私は非常に今や必要な、またそのことができる段階へ来ているのじゃないのか、こんなふうに思います。
 これは私のひが目かもしれませんが、政府・与党の方では我が国憲法の平和条項、言うならばちょっと邪魔である、できればああいう非武装とかあるいはまた交戦権の放棄であるとかああいう枠を外してしまいたいというような気持ちが一方にありながら、それで世界に外交を展開するとなれば、この平和原則というものは世界各国から見ても、これは日本の本当のあれじゃないのじゃないかというような見方もされる。
 したがって、我が国の外交哲学の基本はこの平和憲法、憲法の平和条項というものは、非常に積極的に我が国外交の基本であるということを位置づけて、そしてそれを諸外国にアピールして、そしてそのもとに軍縮をやろう、軍縮をやるべきだということに進めていく。もちろんそのときは日本自体も軍縮をやらなければなりません。当然やるべきだということになりますが、そういう考え方は大臣、いかがですか。日本の外交のこれからのあり方の一つの哲学じゃないか、こう思いますが。
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中山太郎#21
○中山国務大臣 国連でも軍縮の会議がございまして、日本政府代表は絶えず軍縮を叫んでおりますし、また私も国連総会において、核、生物、化学兵器の廃絶と通常兵器の透明性を明らかにしろということを主張しているのが日本政府の立場でございますが、日本政府は平和憲法を堅持して、この第九条によって武力の威嚇または武力の行使ということをやらないということを宣言しているわけでありますから、我々は我々の国という立場で憲法の考え方というものは、私は明確に示しているものだと思います。
 ただ、世界は日本の憲法と同じものを持った国家が一つもないというところに問題が私は存在している。我々よく話に言われるのに、国際的な常識が通らない一つの考え方じゃないか、国際社会はもっと厳しい、こういうこともよく外務大臣の会合なんかで言われますけれども、私は、前の第二次世界大戦で戦った三つの国、このドイツとイタリーと日本の戦後四十五年経た今回の湾岸戦争に対応するそれぞれの国の違いというものを、私はまざまざと今回体験をしているわけでございます。
 日本は、平和憲法のもとでこの国連の平和協力というものには、人的協力ができない状態のままで今日を経過して資金的な協力に終わった。ドイツはNATOの範囲内で四十万の常備軍を持ち徴兵制度を持って、アメリカとの関係においても、アメリカが攻撃されたらドイツの青年は血を流すという一つの双務条約を持っている。イタリーは今回参戦をした。こういう三つの敗戦国が四十五年を経て、一つの国連決議のもとでの対応が随分変わったわけであります。それによって、一方では、この湾岸戦争に国連安保理決議に従って行動した国家から見ると、大きな差を実は感じていると私は思っております。
 しかし、日本外交を預かる者として、この平和憲法のもとで日本がどのように国際協力をやっていけるかということについては、憲法を堅持しながらやれる限度ぎりぎりまで日本は協力をしていかなければ、いわゆる日本自身が一つの疎外を受ける立場に立つ可能性がある。しかし、それを恐れておっては今日できませんから、全力を挙げてこの憲法のもとで国際的な平和のための協力を行うために努力をしなければならない。それについても国内で今回は大変激しい議論が行われたわけでありまして、私はそういう意味で、日本の憲法とそれから国際社会における平和の確保のための貢献について、私は日本にとっては大変いい試練を得たものだというふうに認識をいたしております。
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高沢寅男#22
○高沢委員 今、日本、ドイツ、イタリアの三つの国のそれぞれの今度の湾岸危機に対する対応の仕方について御説明がありました。私は、日本が、金は出したけれども人は出さなかったというようなことから国際的に孤立している、批判を受けているという見方、あるいはそういう御議論もありますが、私はむしろ逆に、我が国こそそういう憲法があるから我々の国際的な協力はこのやり方でやるんだということを積極的に対アメリカあるいは対西欧諸国、あるいはまた湾岸諸国に対して打ち出していくのがいいのじゃないのか、こんなふうに思います。
 これは結局、アジアに返ってまいりますと、アジアの国々の日本のそういう軍事的な役割に対する非常に大きなまだ危惧の念がある。昨年、拡大ASEAN外相会議ですか、そこで外務大臣は、日本の軍事力強化に対する懸念が表明されたのに対してお答えになった。我が国は絶対に軍事大国になりません、平和憲法があります、あるいはまた、専守防衛という立場でやっています、いろいろそういう御説明をされた。私は、それは当然その御説明でよかった、こう思いますが、ただ、平和憲法がありますと説明をしながら、実際はしかし、日本の国では年々自衛隊の強化が進められているということであるとか、あるいは政権与党である自民党は、この憲法を変えるんだ、こういう政策綱領を持っておられるというようなこととか、これはみんな外交家は知っているわけです。
 ですから、我が国がそういう国際的な場で、外交の場で、我が国は平和憲法があります、こう言っても、そんなこと言ったって実は変えようとしているじゃないのかというふうに裏を見られては、この発言の権威が落ちてしまうというふうに私は考えますが、そういう点において、もはやここまで来れば、私は、政府・与党も、もう憲法を変えるというような政綱はきっぱりとやめるという時期に来ているのじゃないかと思いますが、与党の大臣である立場というよりは自由民主党の国会議員である大臣、この点は、憲法について御所見はどうですか。私はもうそういうものは変える必要ない、こういう御発言がこの委員会であれば私は大変画期的である、こう思いますが、いかがですか。
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中山太郎#23
○中山国務大臣 憲法九十九条の規定によりまして、国務大臣は現在の憲法を遵守する義務を負っておりますから、私はその条項を守っていく義務があると思っております。
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高沢寅男#24
○高沢委員 次に、日米安保条約の関係についてお尋ねをしたいと思います。
 私は、日米安保条約は歴史的に性格が変化してきているというふうに見るべきだと思います。これはもう恐らく大臣も同じ御意見じゃないかと思います。
 初めに、一九五一年、あの吉田内閣の時代に結ばれた旧安保、それから一九六〇年の岸内閣のときに改定された今の安保。私は、この旧安保及び今の安保というのは、これを五〇年代、六〇年代というふうに見れば、これはもうはっきりとした極東における戦争の危険性、それは相手はソ連である、あるいは中国であるというふうな認定のもとに極東におけるそういう戦争の危険性に備える、そして日本の平和、安全、極東における国際的な平和、安全を守るということを一応目的にした安保である、極東安保、こういうふうに呼んでもいいんじゃないのか、こう思います。
 それが今度は七〇年代になってきますと、もう極東のそういう緊張というものは、さっき言った台湾海峡の問題にせよあるいは朝鮮半島の問題にせよ、一方まだカンボジアはありましたけれども、そういう意味においては極東のそういう戦争の危険性というものはぐっと後退してきている。逆にそのころはいわゆるオイルショック等々の関連で中東で、ペルシャ湾でいろんな問題が起きました。そうすると、在日アメリカ軍は日本を出て、中東へ出ていったということが非常に七〇年代以降は多くなっているわけですが、これは極東と別だということでもってアメリカ軍が出動していくのに、いわゆる安保第六条の事前協議というものは一切ない。
 それからまた、日本政府自体も、これは戦争のための出動じゃなくて、要するに移動にすぎないんだというふうな説明をされる。移動していった先ですぐ戦争行動に今度なんか入っていますね。移動していってすぐ戦争行動というのは、これはまさに戦争のための出動だ、こう見るべきだが、しかし、いや、これは移動です、米軍の兵力運用上の必要からの移動だから事前協議の対象じゃないというふうなことがずっとこの委員会でも政府側の見解として説明されてきました。しかし、ともあれ、日本からの米軍の出動の行く先は皆中東であるというのが七〇年代、八〇年代の特徴である。そうなってくると、もうこれは中東安保、極東安保から中東安保に日米安保条約の性格は変わってきているというふうに言っても差し支えない、こう私は思います。
 それからさらには、今度は情報とか通信とか機動力がうんと発達してきたというふうになると、仮に地中海で何か起きた、大西洋で何か起きたというときも、在日米軍はぱあっと出ていくという時代がこれから来るんじゃないのか。もし何かあれば在日米軍は直ちに日本の基地を発して地中海へ飛んでいく、大西洋へ飛んでいくというふうなこともあり得る、そういう時代に入るんじゃないのか。本当にこの日米安保条約はグローバル安保に変わってくるというふうなことではないかと思いますが、そういう時代的、段階的な性格の変化というものを私はそう見ていますが、この点は、大臣、御所見はいかがでしょうか。
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中山太郎#25
○中山国務大臣 米国のいわゆる駐留軍というのは、日本だけでなしに、世界のいろんな地域に協定のもとで駐留をいたしておりますから、日本の駐留米軍が大西洋のどこかに事故が起こったからここから出撃をしていくということは考える必要はないのではないか、移動はもちろんあろうと思いますけれども、日本から直ちに大西洋の地球の裏まで飛んでいくというようなことは、私はそう簡単に起こり得べき問題ではないというふうに考えております。
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高沢寅男#26
○高沢委員 やはり出動を移動という言葉で説明される、そういう大臣の今までのお立場が変わっていないということは大変残念であります。しかし、私はこのことが日米安保というものの持っている本質である、こう実は思います。というのは、安保第六条は、日本の安全を守るあるいは極東地域の国際的な平和と安全を守る、安保第六条ははっきりそのことを出しております。ところが、今言った極東は問題にならぬ、どこへでも出ていくというふうになったときに、この日米安保条約というものの日本にとっての存在価値は一体何なんだ、結局日本を守ってくれるという建前はもはやない。ただ単に日本の基地からアメリカはどこへでも出ていける、そういう基地としてアメリカにとっては有用である、日本にとっては全く有用でないという時代に安保というのは来たんじゃないのか、私はこんなふうに思いますが、大臣、いかがですか。率直なところを答えてくださいよ。
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松浦晃一郎#27
○松浦(晃)政府委員 私から御答弁させていただきますけれども、先ほど来中山大臣が申し上げておりますように、アジア・太平洋におきましては、確かに国際情勢が大きく動いてきたと私どもも認識しております。しかしながら、同時に、大臣がこれまた御指摘されましたように、アジア・太平洋地域におきまして引き続き不安定な要素、不確定な要素というものが存在しております。したがいまして、今先生から日米安保条約の本来持っております日本及び極東の平和と安全のためという目的がもうなくなったんではないかという御指摘がございましたけれども、私どもは引き続き日米安保体制というのは、我が国の安全、それから極東の平和と安全のために必要である、こういう認識を持っておりまして、またそのためにしっかり機能していると考えている次第でございます。
 先生御指摘のようにこの第六条、これに基づきまして日本は米軍に対しまして施設、区域を提供しているわけでございますけれども、これが形骸化したという認識は持っておりませんで、先生が先ほど来アメリカが日本の施設、区域を拠点にして中東その他に移動しているという事実を御指摘でございますけれども、私は、より重要なことは、日本におきます施設、区域は引き続き日本とそれから極東におきます平和と安全のために重要な役割を果たしているという実態があるのであるということを改めて強調させていただきたいと思います。
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高沢寅男#28
○高沢委員 必要がなくなりましたということが外務大臣や外務省から出たらそれは大変な、本当はそうあるべきだ。そうあるべきなんだが、そういうお答えがあなた方はできないという立場にあることはそういうこととして一応受けとめましょうが、しかし私は、今言った日米安保というものはもう日本のために何らの有用性はない、こんなふうに実は考えるわけであります。
 そういうときに、その在日米軍のために、その基地のためにさらに日本はお金を出そうということにこの協定がなってきているわけで、私は大変このことは時代に逆行しておるということではないかと実は思うのですがね。その審議、これからまた私なり私の同僚議員皆それぞれ審議をさせていただきますが、その大前提として、もはや日本のために有用性のない在日米軍なり基地であるとすれば、これはだんだん減らしていく。アメリカ自体今既に予算の赤字と財政赤字ということから、そういう湾岸戦争も終わったということで、アメリカ自体がそういう軍隊を減らす、基地を減らす、そして予算を削減するという時代に現に入っているわけであって、これはアメリカもそのことは受け入れることができるということだと思いますが、そういう前提に立ったときに、在日の米軍の数も減らすあるいは基地も減らすということをしていって、次第に減らしていった到達点として、私は実は日米安保が必要だというあなた方の立場に立っても、在日米軍はいない、駐留の米軍はいないという、駐留のない安保というふうな時代もこれからあっていいんじゃないのか、私はこんなふうに思います。
 ここに上原委員おいでですが、社会党の安保、自衛隊、軍縮問題を討議する特別委員会の委員長として、上原委員はそういう社会党としての安全保障政策をずっと検討する責任者の立場でやってこられた。私も上原委員と一緒にやっています。そういう中で、日米安保というものを、あり方として駐留軍のいない安保というものがあっていいんじゃないのか。また、今の情勢なら、それは仮に政府・与党の立場を前提に踏まえても、そういうあり方が日本のためにも、またアジアの平和のためにも非常に好ましいし、相手のアメリカのためにも、それは非常に余計な軍事予算を節約できるということで、相手のためにもいい。だれにとっても三方一両得というようないいあり方じゃないのか、こんなふうに思いますが、駐留なき安保という考え方は、大臣、いかがお考えですか。
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中山太郎#29
○中山国務大臣 現在の国際情勢のもとにおきましては、米ソ間の対話等も話が進展をいたしておりますけれども、まだまだ依然として国際情勢は不安定、不透明といったのが現実だろうと思います。ソ連の国内における情勢を見ましても、極めて不透明な情勢もございますし、アジア地域もまだまだ不安定である。こういう状況の中で、駐留なき安保という先生のお考えについては、政府としてはいましばらく現状の維持が極めて必要であると考えております。
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