大塚雄司の発言 (建設委員会)

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○大塚国務大臣 建設行政の基本方針及び当面の諸施策につきまして、私の所信を申し述べたいと存じます。
 改めて申し上げるまでもなく、建設行政の基本的な使命は、住宅・社会資本の整備等を通じまして、国土の均衡ある発展を促進し、活力ある経済社会と安全で快適な国民生活を実現することであります。
 我が国は、世界有数の経済大国になりましたが、住宅・社会資本の整備はなお立ちおくれており、国民生活の面では経済力に見合った豊かさを実感できているとは言えません。このため、政府は、二十一世紀に向けて、着実に住宅・社会資本の充実を図っていくため、昨年六月、今後十年間の公共投資の指針となる公共投資基本計画を定めたところであります。
 建設省といたしましては、その趣旨を踏まえ、平成三年度の建設省関係の一般公共事業については、生活関連重点化枠の積極的活用を初め、財政投融資資金、NTT株式売り払い収入もあわせ、公共投資基本計画の初年度にふさわしい規模を確保いたしました。
 また、平成三年度を初年度とする住宅、都市公園、下水道等五本の新五カ年計画についても、公共投資基本計画に定められた西暦二〇〇〇年の整備目標等を達成するため、必要な規模を確保したところであります。
 近年、大都市地域において特に深刻な住宅宅地問題については、これに対処するため、関係地方公共団体と一体となって、住宅宅地供給のための総合的な施策を強力に展開してまいりたいと考えております。
 さらに、多極分散型国土を形成し、国土の均衡ある発展を実現するため、高規格幹線道路網の整備等、地域の活性化を支える基盤の整備を着実に進めるとともに、地域の個性と創意工夫を生かした地域づくりを支援するための各種事業を積極的に推進してまいる所存であります。
 以下、当面の諸施策について申し述べます。
 第一に、住宅宅地対策であります。
 住宅は、国民の生活の基盤をなすものであり、国民が我が国の経済力にふさわしい豊かさを実感できる住生活を営むことができるよう、良質な住宅ストックと良好な住環境の形成を図っていくことが必要であります。
 このため、新たに第六期住宅建設五カ年計画を策定し、住宅金融公庫融資、住宅税制の充実を初め、公的住宅の的確な供給、良質な民間賃貸住宅の供給の促進、良好な住環境の整備、高齢者対策の充実、地域の政策課題に対応した住宅の供給、木造住宅の振興等、総合的な施策を推進してまいります。
 特に、大都市地域におきましては、近年の地価高騰により、勤労者が新たに良質な住宅を確保することが著しく困難な状況となっており、その解決は喫緊の課題であります。このため、大都市地域における住宅及び住宅地の供給に関する基本方針を本年度中に策定し、国と地方公共団体とが一体となって、関連する施策を総合的に展開してまいる所存であります。
 さらに、公的宅地開発の推進、優良な民間宅地開発の促進、関連公共施設の整備の積極的な推進、鉄道等の交通アクセス整備と一体となった宅地開発の推進、開発許可の適切な運用、市街化区域内農地の計画的な宅地化を促進するための支援措置の拡充等を図るほか、地方圏への住みかえとあわせて地域の活性化を図る新ふるさとマイホーム構想を推進してまいります。
 なお、平成三年度の税制改正案においては、住宅宅地の供給の促進を図る観点から、地価税の創設、優良な住宅地供給に対する優遇税制の拡充、市街化区域内農地に係る固定資産税、相続税等の課税の適正化、都市計画制度と結びついた遊休土地特別保有税の創設等が盛り込まれたところであります。このうち、市街化区域内農地に係る課税の適正化に関連して生産緑地地区制度を見直すことといたしております。
 第二に、都市対策であります。
 本格的な都市化社会を迎えている我が国において、今後、都市整備を進めていくに当たっては、安全で快適な人間性豊かな都市を実現するとともに、潤いのある緑豊かな美しい町づくりを進めていくことが必要であります。そのためには、高齢化、情報化、国際化、余暇の増大等、経済社会の潮流変化に的確に対応した都市整備、地域の個性、特色に応じた地方都市の活性化等、中長期的な展望のもとに、都市整備を総合的、計画的に推進していかなければなりません。
 このような観点に立って、都市計画制度の的確な運用により、適正な土地利用への規制と誘導を図るとともに、街路、公園、下水道等の都市基盤施設の計画的整備と市街地再開発事業、土地区画整理事業等の一層の拡充推進を図ってまいります。特に、都市公園、下水道については、新たな五カ年計画を策定し、整備を推進してまいります。また、都市の防災構造の強化も推進してまいります。
 さらに、近年強く求められている駐車場の整備や、魅力とにぎわいのある商業市街地の整備等を推進するとともに、緑の保全・創出、良好な都市景観の形成等を推進してまいります。
 また、社会経済の発展や行政需要に即応して、長期的経済性を有し、都市環境の形成に寄与する官庁施設を計画的に整備してまいります。
 第三に、国土の保全と水資源の開発であります。
 我が国の国土は、洪水、土石流等に対して極めて弱く、また、近年の都市化の進展等に伴い激甚な水害、土砂災害が多発しておりますが、治水施設等の整備はいまだ立ちおくれております。
 このため、五カ年計画に基づき、重要水系の河川の整備、総合治水対策等の都市河川対策、砂防・地すべり対策、急傾斜地崩壊対策等を計画的かつ強力に推進してまいります。その際、自然豊かな川づくりに配慮した事業の推進に努めてまいります。
 また、大都市地域を破堤による甚大な被害から守るためのスーパー堤防の整備を円滑に推進するための制度の創設を図るほか、治水安全度の向上と住宅宅地の供給を図るために首都圏外郭放水路建設事業に着手してまいります。
 海岸事業については、新たに第五次海岸事業五カ年計画を策定し、海岸保全対策を積極的に進めてまいります。
 また、災害対策の着実な実施に努めてまいります。
 さらに、二十一世紀に向けて安定した水供給を図るため、水資源開発計画に基づき、多目的ダムの建設等による水資源の開発を推進してまいる所存であります。
 このほか、ふるさとの川モデル事業等により、水辺環境を整備し、個性的で魅力ある地域づくりを進めてまいる所存であります。
 第四に、道路の整備であります。
 二十一世紀に向けて、多極分散型の国土を形成し、地方の振興を図り、真に豊かな国民生活を実現する上で、道路は欠くことのできない基本的な社会資本であります。
 このため、五カ年計画に基づき、交流ネットワークの強化、よりよい都市のための道路づくり、地方部の定住と交流を促進する道路づくり、多様な道路機能の充実に配慮しつつ、高規格幹線道路から市町村道に至る道路網を体系的に整備してまいる所存であります。
 特に、高規格幹線道路網一万四千キロメートルについては、西暦二〇〇〇年までに、おおむね九千キロメートルを供用させることを目途にその整備を積極的に推進し、五カ年計画の最終年度である平成四年度末には、約六千キロメートルの供用を図ることとしております。
 また、近年の交通事故死者数の増加傾向にかんがみ、新たに第五次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画を策定し、交通安全対策を強力に推進するとともに、駐車場整備について、新たに補助制度を創設するなど、その一層の推進に努めてまいります。
 さらに、大都市、地方中枢都市等における交通渋滞対策や道路防災・震災対策を推進するほか、地域の振興・活性化を支え、親しみと潤いのある道路整備を進めてまいります。
 第五に、建設産業、不動産業の振興であります。
 国土建設の重要な担い手である建設産業については、技術と経営にすぐれた企業が発展し、若者の入職が進む活力と魅力のある産業として、その健全な発展を図ってまいります。
 その際、構造改善推進プログラムの実施等を通じて、雇用労働条件の改善、総合工事業者と専門工事業者との間の新しいルールの確立、きめ細かな建設資材対策等、総合的な施策の推進に努めるとともに、国内外の国土づくりに貢献できる人材の育成を積極的に推進してまいる所存であります。
 また、建設分野において、国際社会における我が国の地位にふさわしい経済技術協力等の国際協力の強化と国際協調の確保を図るとともに、建設市場の国際化への的確な対応を図ってまいります。
 このほか、各種の建設事業を進めていく上で重要な課題となっている建設残土と建設廃棄物の問題について、貴重な資源としての有効な活用を図ることを基本に総合的な対策を進めてまいります。
 不動産業については、国民生活に密着した重要な産業として、引き続き宅地建物取引業者の資質の向上と業務の適正化等を推進するとともに、不動産流通市場の整備・近代化の促進に努め、その健全な発展を図ってまいります。
 また、リゾート地域の整備等地域の活性化を図るための総合的プロジェクトを推進するとともに、高速自動車国道等のネットワークを活用した高度情報通信網の整備、高度情報化に対応した都市整備の推進等を図るほか、所管行政に係る地球環境保全のための施策の推進にも努めてまいります。
 さらに、先端技術の活用等による建設技術の研究開発を積極的に進めるとともに、質の高い社会資本の整備を図る観点から労働力、資材の需給動向等を的確に把握し、適正な積算、工期設定等に努めてまいる所存であります。
 以上、私の所信を申し述べましたが、その推進に当たりましては、所管行政の合理化、効率化を図るとともに、綱紀の保持に努め、国民の信頼と期待にこたえる所存であります。
 委員長を初め委員各位の御指導と御鞭撻を切にお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 大塚雄司

speaker_id: 2541

日付: 1991-02-15

院: 衆議院

会議名: 建設委員会