西田司の発言 (建設委員会)

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○西田国務大臣 国土行政の基本方針及び当面の諸施策について、私の所信を申し上げます。
 我が国は、三十八万平方キロメートルという狭い国土ながら、そこでは、国内はもとより世界に影響を及ぼすさまざまな活動が営まれております。しかし、近年、我が国は地価の高騰などの土地問題、東京への一極集中と地方の過疎化、高齢化の問題など国土の均衡ある発展という観点から大きな問題に直面をしております。
 このような問題に的確に対応しつつ、二十一世紀を見通した長期的な展望のもとに、国土の均衡ある発展を図り、安全で楽しく快適な国土、活力のある国土、人情と文化のある魅力的な国土づくりを進めるため、私は次に述べる諸施策を積極的に推進してまいる所存であります。
 第一は、総合的な土地対策の推進であります。
 申すまでもなく、土地問題の解決は、現下の内政上の最重要課題であります。これまでも、土地取引規制、土地関連融資の規制、住宅宅地の供給の促進、土地の有効・高度利用の促進などの需給両面にわたる各般の施策を実施してきたところであります。このため、近時においては、東京、大阪などで地価の鎮静化傾向が見られるなど、これらの施策の成果の兆しが見えてきております。しかしながら、地価の動向は予断を許さない状況にあり、地価は依然として異常に高い水準にあります。
 このため、去る一月二十五日に、土地基本法を踏まえた今後の総合的な土地政策の基本指針として、総合土地政策推進要綱を閣議決定したところであります。
 この要綱では、土地政策の目標として、土地神話の打破、適正な地価水準の実現、適正かつ合理的な土地利用の確保の三点を掲げ、その実現を図るための各般の具体的な施策を盛り込んでおり、今後は、関係各省庁とともにこの要綱に従い一層強力に土地対策を推進してまいります。
 このうち、土地税制につきましては、土地基本法の理念を踏まえ、地価税の創設、譲渡益課税の強化、市街化区域内農地の課税の適正化など保有・譲渡・取得の各段階にわたり総合的な見直しを行うこととしております。土地関連融資規制につきましては、金融経済情勢等を総合的に勘案しつつ、当面、不動産業向け貸し出しの総量規制を継続して実施するとともに、今後、総量規制がタイミングを逸することなく効果的に発動される仕組みを創設することとしております。土地利用計画につきましては、都市のマスタープランの一層の充実を図り、地区計画制度等の積極的活用、用途規制の総合的検討を推進することとしております。これら、税制、金融、土地利用計画等の構造的かつ総合的な対策の一層強力な展開を図り、二度と地価高騰を生じさせないために、政府一体となった取り組みを展開してまいる所存であります。
 監視区域制度につきましては、先行的指定、実効ある届け出対象面積の設定、厳正かつ的確な価格審査等の的確な運用の確保に努めてまいります。地価公示等につきましては、引き続きその改善に努めてまいります。また、国土調査につきましては、第四次国土調査事業十カ年計画に従って、計画的かつ着実に事業を推進したいと考えております。さらに、土地の有効利用を促進するため、農住組合法の一部改正案を本国会に提出いたしたところであります。
 これらの施策により、適正な地価の形成、適正かつ合理的な土地利用の実現に努力してまいります。
 第二は、第四次全国総合開発計画、いわゆる四全総の推進であります。
 四全総の着実な実施により東京一極集中を是正し、多極分散型の均衡ある国土の発展を図っていくことが極めて重要であります。このため、多極分散型国土形成促進法に基づく振興拠点地域の開発整備を初め、高速交通体系の整備等の諸施策の一層の推進を図ってまいります。
 また、公共事業の一層効率的かつ整合的な執行を図るとともに、地域振興プロジェクト、特に生活関連事業を主体とした地域振興プロジェクトを強力に促進するため、国土総合開発事業調整費等の活用を図ることとしております。さらに、昨年より国土審議会において御審議いただいております四全総の効果的かつ創造的推進方策につきましては、早期に成案を得て、一九九〇年代の国土政策を明らかにしてまいる所存でございます。
 第三は地方振興の推進であります。
 多極分散型国土の形成のため、さきに述べた諸施策に加えて、地方振興を強力に推進してまいります。このため、各地方開発促進計画に基づく振興施策の推進、自然環境の保全との調和に配慮した総合保養地域の整備、自然的、社会的に厳しい状況にある過疎地域等の振興を積極的に推進してまいります。加えて、総理の提唱する、住む人が地域に誇りを持ち得るふるさとづくりを支援するための体制づくりに積極的に協力し、地域がその個性に応じ、活力の倍増を目指す地域づくりのための施策を推進してまいります。また、新産業都市及び工業整備特別地域につきましては、平成三年度より新たに第五次計画を策定するとともに、財政特別措置及び新たな融資制度等の支援策を積極的に活用し、計画の円滑な実施を図ってまいります。さらに、山村振興対策につきましては、第三期山村振興計画の策定が平成二年度末で終了することを踏まえ、新たな山村振興対策を推進してまいります。
 第四は、大都市圏整備の推進であります。
 大都市圏における良好、安全な都市環境の整備と圏域全体の秩序ある発展を図るため、平成二年度で期限が切れる三圏の整備計画及び建設計画につきまして、新たな計画の策定を行うとともに、財政特別措置等の活用により大都市圏整備計画等の積極的な推進を図り、大都市地域の総合的居住環境の整備、低・未利用地等の有効・高度利用の促進、事務所、工業、大学等の適正配置を進めてまいります。
 さらに、引き続き業務核都市の整備を進めるとともに、筑波研究学園都市の総合的な育成整備、関西文化学術研究都市の建設、琵琶湖総合開発事業の計画的な実施、関西国際空港関連施設の整備等各圏域における主要プロジェクトを推進してまいる所存であります。
 国の行政機関等の移転につきましては、昨年十月に集団的移転を推進するための部会を設置したところでありますが、今後も着実にその実施を図ってまいります。
 また、首都機能の移転問題につきましては、衆参両院における国会等の移転に関する決議を受け、総理が開催いたします首都機能移転問題を考える有識者会議、私が開催をいたします首都機能移転問題に関する懇談会における御議論を踏まえ、幅広い観点から、決議の意を体して、引き続き検討を進めてまいります。
 第五は、総合的な水資源対策の推進であります。
 水需給の安定を図るため、全国総合水資源計画及び各水資源開発基本計画に沿い、水源地域対策の充実を図りつつ積極的に水資源開発を推進してまいります。
 また、国民の水資源に対する意識の高揚を図るとともに、地下水利用の適正化、雑用水利用の促進などの水資源の有効利用に努めてまいります。
 第六は、災害対策の推進であります。
 災害から国土を保全し、国民の生命と財産を守ることは、国の重要な責務であります。
 このため、関係省庁との緊密な連携のもとに、各般にわたる災害対策を総合的かつ計画的に実施し、災害に強い国土づくりに努力してまいる所存であります。
 このうち震災対策につきましては、東海地震対策を引き続き推進するほか、南関東地域直下の地震対策を初めとする大都市震災対策の推進など、その一層の充実に努めてまいります。また、火山対策や土砂災害対策等についても、総合的な対策を推進するとともに、防災無線網の充実強化、防災情報の有効活用、防災訓練等を通じた国民の防災意識の高揚等にも努めてまいることとしております。
 最後に、国際協力の推進であります。
 我が国が国際社会に貢献していくためには、国土庁といたしましても所管の行政分野で積極的な国際協力を実施していく必要があります。このため、国連決議に基づく国際防災の十年に積極的に取り組んでいくとともに、開発途上国に対する技術的支援を新たに実施するなど国際協力を推進してまいることといたしております。
 以上、国土行政に関する所信を申し述べましたが、これらの施策の強力な推進に全力を挙げて取り組んでまいる決意でございます。何とぞよろしくお願いをいたします。(拍手)

発言情報

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発言者: 西田司

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日付: 1991-02-15

院: 衆議院

会議名: 建設委員会