安田範の発言 (商工委員会)

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○安田(範)委員 最後の御検討の話なんですが、できるだけ早い機会に、しかも具体的な検討結果、これをおまとめいただきたいというふうに思います。これは強くお願いしておきたいと思います。
 お話にありましたように、これは建前はまさにそのとおりだと思うのです。あらゆる企業に門戸は開放してありますよ、すべての企業どうぞ入ってきてください、こういう話はもう当然の話だと思うのですけれども、実態としては、幾つかの中小企業が入っておりますよという話なんですけれども、今までのプロジェクトをずっと考えてみたりなんかしますると、中小企業の入る場、チャンスというものはそうない。中小企業の実態というのはなかなか、それは技術や何かが優秀なものがありましても、大企業と比較するとどうしてもチャンスというものは恵まれない、こういう実態があろうと思うのですね。したがって、お話にありますような、言うならば建前と言っては大変失礼なんですけれども、そういうものが実態として、事実上の問題としてそれぞれの中小企業に波及をするような、そういう具体的な啓発なり指導というものをしっかりやっていってもらわないと、これはやはりなかなか入りにくいんじゃないか、こういうことを強く感じます。ぜひその辺についても御留意を賜りたい、このことだけ指摘をしておきたいと存じます。
 それと同時に、今回の法改正の中心といいますか外国企業の参入というものは、これは大体先進諸国と言っては間違いでしょうか、恐らく間違いないんだと思いますね。今の中小企業の参加と同じような形で、いずれの国におきましてもという話になるに違いないと思います。しかし、実態はどうかということになれば、これはもう先進諸国を対象にしてということに結論としてならざるを得ないのが今日の状況ではないかと思うのですね。
 したがって、そういう面からしますると、私が考えまするのに、今日の経済大国日本と言われている現況の中におきましてやはり大切なのは、言うならば先進諸国、これは当然その対象としなければならない気持ちはわかりますけれども、むしろ今日本が大切なのは途上国に対する貢献、こういうものをいかに進めるかということが極めて重要な問題ではないかと思うのですね。したがって、視点をそういうところに求めていこう、開拓をしていこう、そして経済大国としての日本の役割というものを世界にきっちりと示していこう、こういう姿勢が非常に大切なことではないかと考えます。
 したがって、これは私の主張だけにしておきますけれども、ひとつお聞きとどめおきいただきまして、これら開発途上国に対する技術の援助なり、時にはこういう外国企業の参加という形でそれぞれの機会を与えてはどうなのかな、こんなことも考えますものですから、所感があれば別ですけれども、これは私の主張ということで御理解をいただいておきたいと存じます。
 それで、先ほどの頭脳の流出、これはあってはならないんですけれども、先ほど触れたかったんですが、実は日本の国内の研究者と申しますか、そういう方々の海外流出が非常に多い。逆に日本に入ってくる人たちは極度に少ない。これはもう現況として、数字を挙げるまでもないと思いますね。これをどういうふうに解決していくかということは、先ほど来話が出ておりましたように、魅力のある機関をどうつくるか、同時にまた、入ってきた人たちが日本の風習あるいは風俗、言語等々、たくさんの不便な問題がありますから、そういうものも含めて受け入れ体制というものをどうつくっていくか、これらが問題として考えていかなければならないことであろう、かように思います。言うならば総合的に、バランスのとれたといいまするか、日本から出ていく研究者もある、それに見合う形で外国からもどんどんこちらが期待するような人たちが入ってくる、こういう体制を確立するように、ひとつ特段の御配慮をいただきたい、かように考えるわけでございます。
 最後になりますけれども、この問題を契機にして、私はこれは大変難しいなという感情にとらわれたことがございます。それは、技術ナショナリズムといいますか、そういう言葉で表現していいのかどうかわかりませんけれども、そういう気持ちというものはあるんじゃないでしょうか。特に日本のような資源の少ない国、これは技術立国なんていう言葉がありますように、とにかく技術で何とかやっていかなければならない、こういう立場のものもあるわけですね。あるいは、よその国のように、資源は豊富である、しかし技術的にはまだ高まっていないという国もあるでしょう。同時に、資源と技術がほぼ両々相まって均衡して発展をしている、こういう状況の国々もあるわけですね。それぞれの国の様相というものは違うわけなんですけれども、それにしましても、国益という言葉でいつも表現されますように、それぞれの国においてはそれぞれの国の一つの経営と申しまするか、それぞれの国を運営していくのに、どういう形でそれぞれの工業技術やなんかについての、あるいは産業技術についての立場を守っていくかというか、立場を発展さしていくかというか、そういうことに相当心を砕いているんだろうと思うのですね。
 したがって、今回の措置というものは、言うならば非常に善意な形だと思うのですね。すべての
国がこういう形で、言うならば崇高な精神を持ってそれぞれの国が全くオープンにして、できるだけの技術力あるいは能力というものを全部集中して新たなものをつくり上げようではないか、そしてそれを全世界の人類のために貢献しようではないか、こういうことがそのまま広がるとすれば、これはまことにすばらしいことだと思う。
 ただ、実際問題としてそういうことが考えられるかどうか、極めて難しい話があろうかと思うのですね。特に今日、あってはならない戦争もあったりなんかしまして、特に技術の面についてはいろいろな国がそれぞれの研究開発をしている。あるいは、そういう国絡みじゃなくて、一企業におきましても企業秘密なんていわれるほどに自分の開発、経営なり結果というものについてはきちんと秘密の保持といいますか、そういうものをやっていくということは通常ありふれた話であるわけですね。そういう面から考えますると、先ほど申し上げました善意で一生懸命やろうというものと、ナショナリズムみたいな形でみずからの国のみをどうするかというものとの矛盾といいますか、言うならば板挟みの関係というものは必ず出てくるんじゃないかと思う。その辺についてどういうふうに整理をしたらよろしいのか。私はこの辺について、まことに不明ながら結論は出ないわけなんですよ。したがって、これらにつきましては大臣、最後、花粉症で恐縮なんですが、ひとつ所見をお述べいただきたいな、かように思います。

発言情報

speech_id: 112004461X00919910315_018

発言者: 安田範

speaker_id: 16660

日付: 1991-03-15

院: 衆議院

会議名: 商工委員会