小林実の発言 (地方行政委員会)

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○政府委員(小林実君) まず、国庫補助負担率の取り扱いのお話でございますが、国庫補助負担率につきましては、六十年度以降三回にわたりましてカットが行われまして、前回の暫定期間切れのときには、生活保護等につきましては一部復元いたしまして、そのほか厚生省関係を中心といたしまして経常経費系統のものにつきましては財源を確保しながら恒久化をいたしたわけでありまして、そのときにも公共事業等につきましては相当議論がございました。これは関係省庁も多く、その補助体系が非常に複雑でございまして、一方事業量を確保してほしいという要請も強くて、二年延長いたしたわけでございます。今回の折衝に当たりましても、私どもといたしましては、地方団体の意を体して大蔵当局と折衝いたしたわけでありますが、公共事業につきましては事業官庁もついておりまして、なかなか話が難航いたすわけでございます。
 今回におきましては、特に新しい要素といたしまして、公共投資基本計画四百三十兆という問題が出てまいりまして、これは一種の国際的公約でもあるわけでございます。そういうことで、国当局におきましては、概算要求段階で四千億のシーリソグに特別枠を設けましたけれども、その半分は補助金カットに、あと半分は生活関連重点化枠に回す、こういうことで臨んでまいったわけであります。そのような中で、一部とはいえ、今大臣からお話がございましたように、補助率を六十二年度カット分につきましては復元をいたしまして、三年ということでお願いをいたしておるわけでございます。
 今回の三年間の中におきましても、従来と異なりまして、自治、大蔵だけの了解ということでなしに、建設省、農水省、運輸省も入りまして覚書を交換いたしまして、暫定期間内に総合的検討を進める、こういうことになっておるわけでございまして、結論を得るよう最大限の努力をし、可能なものから逐次実施に移す、こういうことでございます。
 今後とも自治省といたしましては、国と地方の信頼関係が損なわれることのないように適切な補助負担率となるよう全力を尽くす考えでございますので、御了解をいただきたいというふうに思うわけでございます。
 第二点は、交付税の五千億の特例措置の問題であります。
 国庫補助負担率のカットの話とこの話が平成三年度の地方財政対策におきましては一番大きな話になったわけでございます。基本といたしまして、私どもといたしましては、毎年度の地方財政対策におきましては、地方団体が地域地域におきまして当面しています諸課題に対しましての十分な財政措置を確保できること、しかも長期的に見まして安定的に、交付税で申し上げますとその総額を確保できるという基本の考えに立って臨んでおるわけでございます。
 平成三年度におきましては、最終的には国庫当局に協力をするという形になったわけでありますが、まず歳出におきましては、重点課題でございますふるさと創生関連の地域づくりの事業につきまして、一番中心の事業につきましては、ソフト、ハードにつきまして八千億程度の財源措置を確保することができたということでございます。
 もう一つは、公共投資基本計画に絡みまして、地方単独事業につきまして一〇%の増を見込むことができた。地方単独事業の大幅な増、約一兆二千億増になりまして、地方財政計画ベースでは十三兆三千億の仕事をし得るような見込みになったわけでございます。それに関連いたしまして、公共事業を円滑に実施いたすためには、土地開発基金、土地の先行取得が必要でございますので、その五千億の財政措置も話がついたということであります。
 最後に、歳出面で大きな問題といたしましては、高齢者保健福祉推進十カ年戦略がございまして、これは厚生、大蔵、自治と仕事をいたしているわけでございますが、この事業に関連いたしまして地方の単独事業も必要となってくるわけでございます。それに関連いたしまして、昨年といいますか、平成二年の交付税法の採決のときに、特別決議で福祉基金の創設ということを決議していただいておるわけでありますが、そういうことで地方単独で地域福祉のための施策ができるように地域福祉基金二千百億の財政措置もし得る、こういうようなことになりました。私どもといたしましては、歳出面でふるさと創生、それから公共投資といいますか社会資本の整備、それから福祉関係の施策の面で大きな伸びを見込むことができたということが一つであります。
 それからもう一つは、地方財政の健全化を進めておりますが、交付税特別会計におきまして過去借金をいたしておりまして、そのピーク時には六兆一千億ほどの借金がございましたが、それをほぼ実質的に解消する、五千億の関連で四千五百億ほど残っておりますが、それ以外は実質的に返済できる見込みになった。それから個別の地方団体につきましては、やはり五十年代あるいは六十年のカット以降、個別の地方団体が増発を余儀なくされております地方債につきまして、将来償還のための基金を積み立てるための財源措置もできることになった、こういうことでございます。そうした上でこの五千億を協力するという形になったわけであります。そういう措置を講じても、なお地方財政の歳入構造を見てみますと、地方税、地方交付税を合わせました一般財源の比率が六九・五%ということで、地方財政計画をつくるようになりましてから一般財源比率がこれほど高くなったことはないわけでございます。過去最高というようなことになってまいりまして、私どもといたしましては、以上述べましたようなことがございましたので協力できるのではないか、こういうことで考えてまいったわけであります。
 特に、この五千億につきましては特例措置で減額ということになっておりますが、そのうちの四千五百二億は交付税特別会計に残っております借金の肩がわりというような形、繰り上げ償還のような形でございまして、交付税特会に残ります四千五百億につきましては、将来国の方から交付税の方で加算をしていただくという約束になっておるわけでございます。残りの約五百億につきましては、これは六十年度の補正のときに国の方に借りております交付税の借金がございまして、なお返し足りないものが七百億近くございます。そのうちから今回返済をした、こういうことで、五千億の実質的な内容は過去の借金の繰り上げ償還ないしはその肩がわりの形での協力、こういうことでございまして、実損をかけていないということで協力をいたすことにいたしたわけでございますので、御理解をいただきたいと思うわけでございます。

発言情報

speech_id: 112014720X00319910315_011

発言者: 小林実

speaker_id: 7409

日付: 1991-03-15

院: 参議院

会議名: 地方行政委員会