谷畑孝の発言 (本会議)
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○谷畑孝君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、政府提出による大規模小売店舗の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案並びに輸入品専門売場の設置に関する大規模小売店舗の事業活動の調整に関する法律の特例に関する法律案両案に対して、反対討論を行うものであります。
私どもは、まず最初に、この政府改正案の提出に至る過程に異議を申し上げなければなりません。
この改正案は、日米構造協議に基づいて提出されました。国際化が進展する中で、今日、日本に対する国際貢献の期待が高まっていることは言うまでもありません。しかし、大店法の規制緩和が国際貢献になるなどという議論には全く根拠がないわけであります。通産省自身が作成した「九〇年代流通ビジョン」は、大店法が輸入抑制的に働いているという主張に対しても、大店法が海外流通業者の我が国市場への参入を阻害しているという主張に対しても、これを明確に否定しているではありませんか。また、日本だけが特別に商業調整を行うのは均衡を欠くという主張がありますが、欧米諸国がそれぞれの論理で調整を行っていることは明らかであります。政府は、これらのことを百も承知の上で、国民を泣く子と地頭には勝てぬと言ってなだめて済ますおつもりなのでありましょうか。このような態度では、日本の将来のためにあるべき制度を追求することは不可能だと言わざるを得ないのであります。
私どもが政府改正案に反対する理由の第一は、この法改正が消費者利益という美名のもとに、中小小売業の事業活動の機会を適正に確保し小売業の正常な発達を図るという大店法の大目的を骨抜きにしている点であります。
大型店の出店件数は、政府の規制の動向に大きく左右されます。既に、運用の規制緩和によって、全国において大型店の出店件数が飛躍的に増加をいたしております。これ以上規制緩和をするならば、幾ら調整をすると言っても、既存の商店街や中小小売業者に致命的な影響が出るのは火を見るよりも明らかであります。日本の中小小売商業は、消費者の身近にあって、多品種・少量・多頻度購買という消費者ニーズにこたえてきました。今後、来るべき高齢化社会に向けて、その社会的役割は一層重視されなければなりません。高齢者が自宅から歩いて行けて、安全で丁寧なサービスと親しみがあり、小口の買い物ができる、政府はそんな消費者利益こそ全力で保護し支援すべきなのであります。そして、そのために大店法は引き続き重要な役割を果たさなければなりません。自由競争をするにもルールが必要であります。私どもは、規制緩和によって大店法を骨抜きにし、かけがえのない商店街や中小小売商業をつぶすことは大きな社会的損失であると訴えるものであります。
反対の第二の理由は、出店調整の手続において、以前にも増して中央集権が強まったことであります。
政府改正案によれば、これまで実質的に調整を担ってきた事前説明や商調協を廃止して、地域からますます遠い大店審に実質審議を一元化することになっております。しかし、全国に千数百もある商調協の審議を、一県に一つか二つ、あるいはない県もあるというような大店審に集中して、一体どんな実りある審議が期待できるでありましょうか。また、地元の意見の尊重は一体どのように行われるのでありましょうか。大店審の意見聴取、商工会議所による意見集約については、いまだ十分な説明はないままなのであります。これでは、中小小売業者のみならず、国民に納得せよというのは無理と言わざるを得ません。さらに、地元の声は聞くが調整はさせない、一年内で結審し、不満があっても異議申し立ての権利は認めない、これが改正案の趣旨であります。こんな非民主的で中央集権的な体制があっていいわけがありません。さらに、この改正案には自治体の独自規制の抑制が明記されております。地域に直接責任を負う自治体が判断した施策を国がやめさせるというのは、地方自治法の精神を政府みずからが明らかに踏みにじるものであり、絶対認めるわけにはまいりません。
第三の理由は、改正案の附則第二条で、改正法施行の日から二年以内に必要な措置を講ずるとなっており、大店法の廃止へ含みを残していることであります。それでなくても大店法に対して猫の目行政と批判が強い中にあって、なし崩し的に廃止もあり得るということでは、ますます中小小売業者の皆さんは強い不安を感じざるを得ないのであります。
以上の点から、私どもは政府が大店法改正案を撤回されることを強く要求したいと考えます。
私ども日本社会党は、出店調整の権限を自治体に任せることを提案したいのであります。商業は地域性が強く、地域の実情に精通している自治体が調整することが最もふさわしいのであります。また、最近の大型店の出店は、大型化、複合化、そして郊外化する傾向があります。それだけに、商業だけでなく、交通問題、ごみ問題など都市問題としてもその影響は非常に大きなものであります。したがって、自治体が総合的観点から、あるいは町づくりの観点から出店調整することがますます重要になっていることを私どもは強く指摘しておきたいと思います。
次に、いわゆる輸入特例法案について反対理由を説明いたします。
まず何よりも、この法案においては輸入品の規定があいまいであります。日本の企業による逆輸入や加工品の取り扱いなど輸入品の判別は極めて困難であり、トラブルの原因をつくることは明白であります。また、輸入品だけが中小小売業者に影響を与えないというはずもなく、輸入品も大店法の枠組みの中で調整することが必要であります。政府が真に輸入を拡大するというなら、このような小手先のアメリカ向けポーズでごまかすのではなく、圧倒的な数で国民の生活に密着する中小小売業者にこそ輸入ルートの確立など積極的な支援を行うべきだということをつけ加えておきたいと考えます。
以上、四点にわたって両法案への反対理由を述べましたが、最後に一言申し上げます。
いわゆるブッシュホンというようなものによって、海部内閣の政治姿勢は、アメリカが要求すれば何でも言うことを聞き、逆に日本国民にはシビアで冷たいものになっていると言わざるを得ません。海部首相が独立国の最高首脳として国民の声に謙虚に耳を傾け、改めて政府提案の両法案を撤回することを要求して、反対討論を終わりたいと思います。
ありがとうございました。(拍手)