松永光の発言 (証券及び金融問題に関する特別委員会)

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○松永委員 私は、今度の証券不祥事に関連して、同僚委員の質問を聞き、また証言を聞いて考えるわけでありますが、もう少し証券局が、サボっておったとは言いませんけれども、緊張感を持って対応しておったならば、私は未然に防止できた面もあったのじゃなかろうか、こう思う点があります。
 それは何かというと、同僚委員の質問で明らかになったことでありますけれども、数年前から一部の証券会社が損失補てんをしておるということは知っておったわけですね。それで、証券会社に対する定期検査等の場でこの損失補てんの有無を重点項目とするということも決められておったわけですね。しかし、重点項目とするということぐらいならば、私は何でこの証取法の第五十条の禁止行為の中で――実は省令で禁止行為を明記し得るわけですね、省令で。で、この間の田渕証人の証言を聞いて感じたんですが、彼は、事前の損失保証の約束をしての勧誘行為は禁止されておる、しかし事後の補てんは法律にないという前提での私は証言だったように思う。で、大蔵大臣の常々の発言等々から見まして、損失補思というのはそもそもあってはならぬことだ、法律以前の当然の禁止事項なんだ、こういう発言がございました。私もそう思う。保証の約束が禁止事項なんだから、実行行為はもっと許されないことは当然のことなんです、これは。法律解釈からいえば、筋道からいえば。しかし、事業者の側からいえば、法律に明記されていることは比較的よく守るんだ。法律に明記されてないというと、それは法律に書いてありませんからということで逃げ口上にされるおそれがあるわけです。ですから、平成元年十二月二十六日に、事後的な損失の補てんや特別の利益提供も厳にこれを慎まれたいという通達を出しておるわけなんでありますが、これを出すぐらいなら省令改正をして、そして法文上明記することが証券業界にそれを守らせる上では効果があったんじゃないか、こういうふうに私は思う、後のことですけれども。
 同時にまた、この関連で、この通達を見ますというと、第一項目で事後的な損失補てん等を厳に慎むことを行政指導すると同時に、実は原則としていわゆる営業特金をやめろということも、同じこの通達の中に書いてあるわけですね。これは、ある意味では二律背反的になるおそれがあるんだ。営業特金をすぐやめろというならば、多少のトラブルが起こる可能性があるんだよ。そうすると、そこで何かの手当てをしないというとやめられない、こういうことになり得るんだね。
 その関連で、実はこれは、これもまた委員の発言等の場で私も承知したわけでありますが、またほかの資料でも明らかなことなんでありますけれども、まず第一に営業特金をやめさせることが先決なんだ、やめるためにやむを得ず多少のことがあってもそれは大目に見るんだなどのごとき、それが本当なのか誤解なのか知らぬけれども、証券業界に与えたんじゃないかということを、私の推論かもしれぬけれども、そういったあたりも、私は今回のこの証券会社による大口投資家に対する損失補てん――これはもう御存じのとおり、たくさんの人たちが、いわゆる投資家というほどじゃないけれども少し小金を持っておる人、あるいはパートで働いて少し節約して金を持っておる奥さんなどというものまでが証券会社の外交員の甘い口に誘われて、この株は絶対上がりますよ、特にひどいのがNTTだ、大蔵省が売り出した株だからね、これは三百五十万円、四百万円になりますよ、こう言われて、二株、三株、五株買った人かうんといるんだ、まじめな国民に。その株ががたっと下がっているものだから、今さらそういう甘い口をもって誘いに来た人はもうその近場の支店にはいないから、それで恨んでいたんだ。そこへもってきて今回の大口投資家に対する損失補てんがあったものだから、ひどいわと非難の声が集中しているんですよ。
 そういうことを考えますと、先ほど言ったとおり、損失補てんの事例がしばしば見受けられた。だから、検査の重点項目というふうに指定するぐらいならば、そして、ましていわんや元年十二月二十六日に通達を出すぐらいならば、この省令を改正して、これは大蔵省だけでできる話でございますから、法文上明記して、そして厳重禁止を言い渡せばあの証券会社の人たちも聞いたんじゃなかろうかな、そういうふうに思うね。その点について、所感をひとつ局長言ってください。

発言情報

speech_id: 112104540X00619910831_008

発言者: 松永光

speaker_id: 15760

日付: 1991-08-31

院: 衆議院

会議名: 証券及び金融問題に関する特別委員会