証券及び金融問題に関する特別委員会
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会
会議録情報#0
平成三年八月三十一日(土曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 大野 明君
理事 衛藤征士郎君 理事 戸井田三郎君
理事 中村正三郎君 理事 穂積 良行君
理事 松永 光君 理事 加藤 万吉君
理事 中村 正男君 理事 草川 昭三君
浅野 勝人君 粟屋一敏信君
井奥 貞雄君 石原 伸晃君
魚住 汎英君 遠藤 武彦君
尾身 幸次君 金子 一義君
田中 秀征君 武部 勤君
二階 俊博君 野田 実君
原田 義昭君 松本 十郎君
村上誠一郎君 山下 元利君
宇都宮真由美君 上野 建一君
大木 正吾君 仙谷 由人君
松浦 利尚君 水田 稔君
安田 修三君 渡辺 嘉藏君
日笠 勝之君 冬柴 鉄三君
正森 成二君 中井 洽君
楢崎弥之助君
出席国務大臣
法 務 大 臣 左藤 恵君
大 蔵 大 臣 橋本龍太郎君
厚 生 大 臣 下条進一郎君
出席政府委員
公正取引委員会
委員長 梅澤 節男君
公正取引委員会
事務局経済部長 糸田 省吾君
警察庁刑事局長 國松 孝次君
法務省刑事局長 井嶋 一友君
大蔵大臣官房長 篠沢 恭助君
大蔵大臣官房総
務審議官 小川 是君
大蔵省理財局長 寺村 信行君
大蔵省証券局長 松野 允彦君
大蔵省銀行局長 土田 正顕君
国税庁次長 冨沢 宏君
厚生省年金局長 加藤 栄一君
委員外の出席者
参 考 人
(日本銀行総裁)三重野 康君
参 考 人
(日本証券金融
株式会社取締役
社長) 多島 達夫君
参 考 人
(東京証券取引
所専務理事) 長川 和弘君
参 考 人
(日本銀行理事)丹治 誠君
証券及び金融問
題に関する特別
委員会調査室長 兵藤 廣治君
―――――――――――――
委員の異動
八月三十一日
辞任 補欠選任
奥田 敬和君 二階 俊博君
木村 義雄君 原田 義昭君
笹川 堯君 武部 勤君
野田 実君 石原 伸晃君
村井 仁君 井奥 貞雄君
井上 一成君 上野 建一君
同日
辞任 補欠選任
井奥 貞雄君 村井 仁君
石原 伸晃君 野田 実君
武部 勤君 笹川 堯君
二階 俊博君 奥田 敬和君
原田 義昭君 木村 義雄君
上野 建一君 井上 一成君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
証券及び金融問題に関する件
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 大野 明君
理事 衛藤征士郎君 理事 戸井田三郎君
理事 中村正三郎君 理事 穂積 良行君
理事 松永 光君 理事 加藤 万吉君
理事 中村 正男君 理事 草川 昭三君
浅野 勝人君 粟屋一敏信君
井奥 貞雄君 石原 伸晃君
魚住 汎英君 遠藤 武彦君
尾身 幸次君 金子 一義君
田中 秀征君 武部 勤君
二階 俊博君 野田 実君
原田 義昭君 松本 十郎君
村上誠一郎君 山下 元利君
宇都宮真由美君 上野 建一君
大木 正吾君 仙谷 由人君
松浦 利尚君 水田 稔君
安田 修三君 渡辺 嘉藏君
日笠 勝之君 冬柴 鉄三君
正森 成二君 中井 洽君
楢崎弥之助君
出席国務大臣
法 務 大 臣 左藤 恵君
大 蔵 大 臣 橋本龍太郎君
厚 生 大 臣 下条進一郎君
出席政府委員
公正取引委員会
委員長 梅澤 節男君
公正取引委員会
事務局経済部長 糸田 省吾君
警察庁刑事局長 國松 孝次君
法務省刑事局長 井嶋 一友君
大蔵大臣官房長 篠沢 恭助君
大蔵大臣官房総
務審議官 小川 是君
大蔵省理財局長 寺村 信行君
大蔵省証券局長 松野 允彦君
大蔵省銀行局長 土田 正顕君
国税庁次長 冨沢 宏君
厚生省年金局長 加藤 栄一君
委員外の出席者
参 考 人
(日本銀行総裁)三重野 康君
参 考 人
(日本証券金融
株式会社取締役
社長) 多島 達夫君
参 考 人
(東京証券取引
所専務理事) 長川 和弘君
参 考 人
(日本銀行理事)丹治 誠君
証券及び金融問
題に関する特別
委員会調査室長 兵藤 廣治君
―――――――――――――
委員の異動
八月三十一日
辞任 補欠選任
奥田 敬和君 二階 俊博君
木村 義雄君 原田 義昭君
笹川 堯君 武部 勤君
野田 実君 石原 伸晃君
村井 仁君 井奥 貞雄君
井上 一成君 上野 建一君
同日
辞任 補欠選任
井奥 貞雄君 村井 仁君
石原 伸晃君 野田 実君
武部 勤君 笹川 堯君
二階 俊博君 奥田 敬和君
原田 義昭君 木村 義雄君
上野 建一君 井上 一成君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
証券及び金融問題に関する件
――――◇―――――
大
大野明#1
○大野委員長 これより会議を開きます。
証券及び金融問題に関する件について調査を進めます。
この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁三重野康君、日本銀行理事丹治誠君、日本証券金融株式会社取締役社長多島達夫君及び東京証券取引所専務理事長川和弘君、以上四名の方々の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →証券及び金融問題に関する件について調査を進めます。
この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁三重野康君、日本銀行理事丹治誠君、日本証券金融株式会社取締役社長多島達夫君及び東京証券取引所専務理事長川和弘君、以上四名の方々の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
大
大
松
松永光#4
○松永委員 私は、今日までの当委員会における審査の経過、そして特に先般の証人喚問の結果等を踏まえまして、私個人の所見を交えながら、数点にわたって大蔵大臣、特に証券局長等にひとつ質問をしてみたいと思います。
私は、この委員会の委員として参加をいたしまして非常にその感を強くしたわけでありますが、今次の証券・金融不祥事、中でも証券不祥事というものが我が国の国益を害することはまことに大きい、大変な事態を引き起こしたという認識を深めました。それは、一面においては我が国の証券市場の信用を一挙に失墜してしまった。一般の投資家やまともな国民は、容易に証券市場に対する信用を回復しないでしょう。しかし、そういう状態が長く続きますというと、ひいては我が国の産業が資本市場での資金調達が極めて困難になるわけでありまして、そのことは、ひいては産業界の設備投資資金に不足を生ずるかもしれない。そういったことは日本経済の順調な発展に大きな支障ともなるわけでありまして、これは一日も早くあらゆる措置を講じて証券市場信用回復に努めなきゃならぬ重大な問題だというふうに私は思います。
同時にまた、一方においては我が国の経済構造についての諸外国の信用をも失墜せしめた。これは大蔵大臣も大変今まで苦労してこられたわけでありますが、日米構造協議の場などはその典型でありますが、それ以外にも対外経済摩擦に関連する協議の場で諸外国の日本に対する非難の声は、日本という国は自由経済、公正な自由競争が行われておる国だと表面は言っているけれども実際は違うんじゃないか、極めて閉鎖的で不公正な経済行動のなされておる国だという、これはいわれなき批判、この批判をかわすために大蔵大臣も大変苦労してこられたと思う。私も、しばらくの間でありましたけれども、通産大臣として構造協議の場その他で、日本の経済行動、日本の商慣習、こういったものに対する諸外国のいわれなき誤解を解くために少なからず苦労した経験があります。
ところで、今後の証券不祥事は、日本を非難する人たちに、それ見たことか、日本は不公正な国だという口実を与えたような感じもするわけでありまして、その点でも我が国の国益を著しく傷つけたというふうに言わざるを得ません。そういう重大性にかんがみて、大蔵大臣は、私が見る目でも痛々しいぐらいまで深刻にこの問題を受けとめられて、問題解決のために必死の思いで頑張っていらっしゃる、私はそうお認めするわけでありますが、ここで改めて大蔵大臣のこの問題解決へ向けての決意のほどをまず承っておきたい、こういうふうに思うわけであります。
この発言だけを見る →私は、この委員会の委員として参加をいたしまして非常にその感を強くしたわけでありますが、今次の証券・金融不祥事、中でも証券不祥事というものが我が国の国益を害することはまことに大きい、大変な事態を引き起こしたという認識を深めました。それは、一面においては我が国の証券市場の信用を一挙に失墜してしまった。一般の投資家やまともな国民は、容易に証券市場に対する信用を回復しないでしょう。しかし、そういう状態が長く続きますというと、ひいては我が国の産業が資本市場での資金調達が極めて困難になるわけでありまして、そのことは、ひいては産業界の設備投資資金に不足を生ずるかもしれない。そういったことは日本経済の順調な発展に大きな支障ともなるわけでありまして、これは一日も早くあらゆる措置を講じて証券市場信用回復に努めなきゃならぬ重大な問題だというふうに私は思います。
同時にまた、一方においては我が国の経済構造についての諸外国の信用をも失墜せしめた。これは大蔵大臣も大変今まで苦労してこられたわけでありますが、日米構造協議の場などはその典型でありますが、それ以外にも対外経済摩擦に関連する協議の場で諸外国の日本に対する非難の声は、日本という国は自由経済、公正な自由競争が行われておる国だと表面は言っているけれども実際は違うんじゃないか、極めて閉鎖的で不公正な経済行動のなされておる国だという、これはいわれなき批判、この批判をかわすために大蔵大臣も大変苦労してこられたと思う。私も、しばらくの間でありましたけれども、通産大臣として構造協議の場その他で、日本の経済行動、日本の商慣習、こういったものに対する諸外国のいわれなき誤解を解くために少なからず苦労した経験があります。
ところで、今後の証券不祥事は、日本を非難する人たちに、それ見たことか、日本は不公正な国だという口実を与えたような感じもするわけでありまして、その点でも我が国の国益を著しく傷つけたというふうに言わざるを得ません。そういう重大性にかんがみて、大蔵大臣は、私が見る目でも痛々しいぐらいまで深刻にこの問題を受けとめられて、問題解決のために必死の思いで頑張っていらっしゃる、私はそうお認めするわけでありますが、ここで改めて大蔵大臣のこの問題解決へ向けての決意のほどをまず承っておきたい、こういうふうに思うわけであります。
橋
橋本龍太郎#5
○橋本国務大臣 今、委員から御指摘のありました諸点それぞれに私は正しい御指摘を受けておる、そのように心得ます。そして、私個人はともかくといたしまして、今大蔵省として必死で、五つの原因に分類しながら、特に証券に限定してお答えをいたしますとするなら五つの原因に問題点を集約し、それぞれへの解決策を見出すべく全力投球をしておりますのも、まさにそうした思いからであります。
多少言葉をつけ加えることをお許しいただきますならば、この問題が発生いたしましてからサミットに参りますまでの期間が、心理的に私にとって一番ある意味ではつらい期間でありました。問題の重要性は十分認識をしながら、いかにしてサミットにおける日本特殊論を防ぐか、あの時期における私の思いというものはそこに集約しておりました。たまたま蔵相レベル会合の冒頭に、リードの役回りが日本に回ってまいりましたので、その冒頭で、私は証券・金融における現状の説明をし、その解決への努力の方向、今申し上げるほど精緻なものではありませんでしたけれども、方向づけをいたしました。その時点で私の脳裏にありましたものは、一つはウルグアイ・ラウンドにおけるサービス分野における論議、もう一つの問題点は日米金融協議あるいは構造協議のフォローアップの場、こうした場においていかにこの事態を理解させ、解決への時間を稼ぐかということでありました。
たまたまどこの国からも求められないうちにこの問題の説明に踏み切りましたことから、蔵相レベル会合において日本の特殊性を云々する声はありませんでしたし、全体会合においてもこの問題は全く触れられませんでした。しかし、それは私は、私のその時点における説明で納得を得たものという楽観は全くいたしておりません。むしろ私の言い分を聞き、その方向というものは是認しながら、努力が本当に払われるかどうかに対していわば非常に冷ややかな目で見守っている、それが私は現状であると思います。十月になりますと、IMF・世銀総会がアジアの一角で開かれることになります。この時点までに日本政府としてどれだけの、また日本の市場そのものとしてどれだけの努力を積み重ね、目に見える形で説明ができるかが、国際的に信頼回復への足がかりをつかみ得るかどうかの私はぎりぎりのタイミング、そのように考えておりまして、今その意味では時計との競争のような思いで御審議を受けております。
そうした状況にありますことも与野党通じまして両院の関係委員の方々に御理解をいただき、御叱正を受けながらも、同時にいかにして信頼回復に向かうかについての御協力を心からお願いを申し上げます。
この発言だけを見る →多少言葉をつけ加えることをお許しいただきますならば、この問題が発生いたしましてからサミットに参りますまでの期間が、心理的に私にとって一番ある意味ではつらい期間でありました。問題の重要性は十分認識をしながら、いかにしてサミットにおける日本特殊論を防ぐか、あの時期における私の思いというものはそこに集約しておりました。たまたま蔵相レベル会合の冒頭に、リードの役回りが日本に回ってまいりましたので、その冒頭で、私は証券・金融における現状の説明をし、その解決への努力の方向、今申し上げるほど精緻なものではありませんでしたけれども、方向づけをいたしました。その時点で私の脳裏にありましたものは、一つはウルグアイ・ラウンドにおけるサービス分野における論議、もう一つの問題点は日米金融協議あるいは構造協議のフォローアップの場、こうした場においていかにこの事態を理解させ、解決への時間を稼ぐかということでありました。
たまたまどこの国からも求められないうちにこの問題の説明に踏み切りましたことから、蔵相レベル会合において日本の特殊性を云々する声はありませんでしたし、全体会合においてもこの問題は全く触れられませんでした。しかし、それは私は、私のその時点における説明で納得を得たものという楽観は全くいたしておりません。むしろ私の言い分を聞き、その方向というものは是認しながら、努力が本当に払われるかどうかに対していわば非常に冷ややかな目で見守っている、それが私は現状であると思います。十月になりますと、IMF・世銀総会がアジアの一角で開かれることになります。この時点までに日本政府としてどれだけの、また日本の市場そのものとしてどれだけの努力を積み重ね、目に見える形で説明ができるかが、国際的に信頼回復への足がかりをつかみ得るかどうかの私はぎりぎりのタイミング、そのように考えておりまして、今その意味では時計との競争のような思いで御審議を受けております。
そうした状況にありますことも与野党通じまして両院の関係委員の方々に御理解をいただき、御叱正を受けながらも、同時にいかにして信頼回復に向かうかについての御協力を心からお願いを申し上げます。
松
松永光#6
○松永委員 私は、個人的なことを申して恐縮ですが、二十数年来大臣の後輩としていろいろ指導をしていただきました。極めて剛直な方でありまして、顔つきは大変柔和でありますのでたくさんの女性のファンもいらっしゃる。しかし、内実は極めて剛直な方。慶応大学の剣道部のキャプテンとして、小手などはねらわずに専ら面だけねらって打っていったという話もあるそうでありますが、そういう私の尊敬する橋本先輩が、私の目から見て本当にやせ細る思いで頑張っていらっしゃる姿に、私は政治家としてますます尊敬の念を持っておるわけでありますが、ただ、私がこの永田町かいわいで耳にすることで非常に不愉快なことがあります。
それは何かというと、プラザ合意以来の我が国の金融政策、これが金余り現象を生み、その結果として一億総財テクに走ったなどという言葉であります。なるほど金余り現象はあったでしょう。しかし、財テクに走ったのは、日本国民の中でいえば決して多数ではないと私は思う。財テクに走っておる人たちから見れば、類は類を呼ぶでその周辺の人はほとんどやっておったかもしれません。しかし、私の知っている限り、あるいは私の選挙区の事業者等を見ますというと、鋳物業でも機械業でも汗と油にまみれて、歯を食いしばって頑張ってきた。円高という厳しい状況の中で合理化、近代化を進めて、そして生き抜いてきた。そしてまた、金融緩和の中で設備資金が借りやすくなりましたので、金利負担も少なくなってきたので、そこで思い切った合理化投資、近代的な生産設備への投資もできたということなのでありまして、この問題の背景に金余り現象があったんだ、だからある程度やむを得なかったなどのごとき言葉を耳にすることは、私、大変不愉快なんだ。そういったことを言ったからといって、この不祥事を起こした者の責任がいささかも軽くなるものではありません。私はそう思うのでありますが、大蔵大臣の所感を承りたい。
この発言だけを見る →それは何かというと、プラザ合意以来の我が国の金融政策、これが金余り現象を生み、その結果として一億総財テクに走ったなどという言葉であります。なるほど金余り現象はあったでしょう。しかし、財テクに走ったのは、日本国民の中でいえば決して多数ではないと私は思う。財テクに走っておる人たちから見れば、類は類を呼ぶでその周辺の人はほとんどやっておったかもしれません。しかし、私の知っている限り、あるいは私の選挙区の事業者等を見ますというと、鋳物業でも機械業でも汗と油にまみれて、歯を食いしばって頑張ってきた。円高という厳しい状況の中で合理化、近代化を進めて、そして生き抜いてきた。そしてまた、金融緩和の中で設備資金が借りやすくなりましたので、金利負担も少なくなってきたので、そこで思い切った合理化投資、近代的な生産設備への投資もできたということなのでありまして、この問題の背景に金余り現象があったんだ、だからある程度やむを得なかったなどのごとき言葉を耳にすることは、私、大変不愉快なんだ。そういったことを言ったからといって、この不祥事を起こした者の責任がいささかも軽くなるものではありません。私はそう思うのでありますが、大蔵大臣の所感を承りたい。
橋
橋本龍太郎#7
○橋本国務大臣 私は、プラザ合意以降の円高、そしてその円高に日本企業が対抗していくだけの基盤を整備するまでのために金融を緩和いたしました措置が決して誤りではなかった、政策選択として誤りではなかったという気持ちは、委員も御指摘をいただきましたように基本的に持っております。しかし同時に、その金融の超緩和状況におきまして、それが例えば土地の騰貴の原因に全く関係がなかったか。あるいは、まさに今バブルの崩壊という言葉がよく使われますけれども、証券市場に非常に大きな活気をもたらす、それが一部の責任感を忘れた証券取引の実態に発展しなかったかと言われれば、そうした面も私は否定できないと思います。
ですから、我々として今本当に反省しておりますことは、基本的な政策に誤りがなかったと言いながら、附帯して起こるであろう、そうした付随的な問題に対して目配りが足りなかったのではなかろうか、この反省は確かに私はございます。そして、例えば土地に対し総量規制という手法を我々は今導入しております。これは本来、非常措置であります。しかし、その非常措置をいまだ継続をいたさなければならない状況が現にございます。こうしたことを考えてまいりますと、基本的な政策に誤りなかったと言いながらも、その付随現象として発生した問題に対しての目配りが足りなかったという点は、少なくとも私どもはその責任の一端を担わなければならない、私はそう思います。
この発言だけを見る →ですから、我々として今本当に反省しておりますことは、基本的な政策に誤りがなかったと言いながら、附帯して起こるであろう、そうした付随的な問題に対して目配りが足りなかったのではなかろうか、この反省は確かに私はございます。そして、例えば土地に対し総量規制という手法を我々は今導入しております。これは本来、非常措置であります。しかし、その非常措置をいまだ継続をいたさなければならない状況が現にございます。こうしたことを考えてまいりますと、基本的な政策に誤りなかったと言いながらも、その付随現象として発生した問題に対しての目配りが足りなかったという点は、少なくとも私どもはその責任の一端を担わなければならない、私はそう思います。
松
松永光#8
○松永委員 私は、今度の証券不祥事に関連して、同僚委員の質問を聞き、また証言を聞いて考えるわけでありますが、もう少し証券局が、サボっておったとは言いませんけれども、緊張感を持って対応しておったならば、私は未然に防止できた面もあったのじゃなかろうか、こう思う点があります。
それは何かというと、同僚委員の質問で明らかになったことでありますけれども、数年前から一部の証券会社が損失補てんをしておるということは知っておったわけですね。それで、証券会社に対する定期検査等の場でこの損失補てんの有無を重点項目とするということも決められておったわけですね。しかし、重点項目とするということぐらいならば、私は何でこの証取法の第五十条の禁止行為の中で――実は省令で禁止行為を明記し得るわけですね、省令で。で、この間の田渕証人の証言を聞いて感じたんですが、彼は、事前の損失保証の約束をしての勧誘行為は禁止されておる、しかし事後の補てんは法律にないという前提での私は証言だったように思う。で、大蔵大臣の常々の発言等々から見まして、損失補思というのはそもそもあってはならぬことだ、法律以前の当然の禁止事項なんだ、こういう発言がございました。私もそう思う。保証の約束が禁止事項なんだから、実行行為はもっと許されないことは当然のことなんです、これは。法律解釈からいえば、筋道からいえば。しかし、事業者の側からいえば、法律に明記されていることは比較的よく守るんだ。法律に明記されてないというと、それは法律に書いてありませんからということで逃げ口上にされるおそれがあるわけです。ですから、平成元年十二月二十六日に、事後的な損失の補てんや特別の利益提供も厳にこれを慎まれたいという通達を出しておるわけなんでありますが、これを出すぐらいなら省令改正をして、そして法文上明記することが証券業界にそれを守らせる上では効果があったんじゃないか、こういうふうに私は思う、後のことですけれども。
同時にまた、この関連で、この通達を見ますというと、第一項目で事後的な損失補てん等を厳に慎むことを行政指導すると同時に、実は原則としていわゆる営業特金をやめろということも、同じこの通達の中に書いてあるわけですね。これは、ある意味では二律背反的になるおそれがあるんだ。営業特金をすぐやめろというならば、多少のトラブルが起こる可能性があるんだよ。そうすると、そこで何かの手当てをしないというとやめられない、こういうことになり得るんだね。
その関連で、実はこれは、これもまた委員の発言等の場で私も承知したわけでありますが、またほかの資料でも明らかなことなんでありますけれども、まず第一に営業特金をやめさせることが先決なんだ、やめるためにやむを得ず多少のことがあってもそれは大目に見るんだなどのごとき、それが本当なのか誤解なのか知らぬけれども、証券業界に与えたんじゃないかということを、私の推論かもしれぬけれども、そういったあたりも、私は今回のこの証券会社による大口投資家に対する損失補てん――これはもう御存じのとおり、たくさんの人たちが、いわゆる投資家というほどじゃないけれども少し小金を持っておる人、あるいはパートで働いて少し節約して金を持っておる奥さんなどというものまでが証券会社の外交員の甘い口に誘われて、この株は絶対上がりますよ、特にひどいのがNTTだ、大蔵省が売り出した株だからね、これは三百五十万円、四百万円になりますよ、こう言われて、二株、三株、五株買った人かうんといるんだ、まじめな国民に。その株ががたっと下がっているものだから、今さらそういう甘い口をもって誘いに来た人はもうその近場の支店にはいないから、それで恨んでいたんだ。そこへもってきて今回の大口投資家に対する損失補てんがあったものだから、ひどいわと非難の声が集中しているんですよ。
そういうことを考えますと、先ほど言ったとおり、損失補てんの事例がしばしば見受けられた。だから、検査の重点項目というふうに指定するぐらいならば、そして、ましていわんや元年十二月二十六日に通達を出すぐらいならば、この省令を改正して、これは大蔵省だけでできる話でございますから、法文上明記して、そして厳重禁止を言い渡せばあの証券会社の人たちも聞いたんじゃなかろうかな、そういうふうに思うね。その点について、所感をひとつ局長言ってください。
この発言だけを見る →それは何かというと、同僚委員の質問で明らかになったことでありますけれども、数年前から一部の証券会社が損失補てんをしておるということは知っておったわけですね。それで、証券会社に対する定期検査等の場でこの損失補てんの有無を重点項目とするということも決められておったわけですね。しかし、重点項目とするということぐらいならば、私は何でこの証取法の第五十条の禁止行為の中で――実は省令で禁止行為を明記し得るわけですね、省令で。で、この間の田渕証人の証言を聞いて感じたんですが、彼は、事前の損失保証の約束をしての勧誘行為は禁止されておる、しかし事後の補てんは法律にないという前提での私は証言だったように思う。で、大蔵大臣の常々の発言等々から見まして、損失補思というのはそもそもあってはならぬことだ、法律以前の当然の禁止事項なんだ、こういう発言がございました。私もそう思う。保証の約束が禁止事項なんだから、実行行為はもっと許されないことは当然のことなんです、これは。法律解釈からいえば、筋道からいえば。しかし、事業者の側からいえば、法律に明記されていることは比較的よく守るんだ。法律に明記されてないというと、それは法律に書いてありませんからということで逃げ口上にされるおそれがあるわけです。ですから、平成元年十二月二十六日に、事後的な損失の補てんや特別の利益提供も厳にこれを慎まれたいという通達を出しておるわけなんでありますが、これを出すぐらいなら省令改正をして、そして法文上明記することが証券業界にそれを守らせる上では効果があったんじゃないか、こういうふうに私は思う、後のことですけれども。
同時にまた、この関連で、この通達を見ますというと、第一項目で事後的な損失補てん等を厳に慎むことを行政指導すると同時に、実は原則としていわゆる営業特金をやめろということも、同じこの通達の中に書いてあるわけですね。これは、ある意味では二律背反的になるおそれがあるんだ。営業特金をすぐやめろというならば、多少のトラブルが起こる可能性があるんだよ。そうすると、そこで何かの手当てをしないというとやめられない、こういうことになり得るんだね。
その関連で、実はこれは、これもまた委員の発言等の場で私も承知したわけでありますが、またほかの資料でも明らかなことなんでありますけれども、まず第一に営業特金をやめさせることが先決なんだ、やめるためにやむを得ず多少のことがあってもそれは大目に見るんだなどのごとき、それが本当なのか誤解なのか知らぬけれども、証券業界に与えたんじゃないかということを、私の推論かもしれぬけれども、そういったあたりも、私は今回のこの証券会社による大口投資家に対する損失補てん――これはもう御存じのとおり、たくさんの人たちが、いわゆる投資家というほどじゃないけれども少し小金を持っておる人、あるいはパートで働いて少し節約して金を持っておる奥さんなどというものまでが証券会社の外交員の甘い口に誘われて、この株は絶対上がりますよ、特にひどいのがNTTだ、大蔵省が売り出した株だからね、これは三百五十万円、四百万円になりますよ、こう言われて、二株、三株、五株買った人かうんといるんだ、まじめな国民に。その株ががたっと下がっているものだから、今さらそういう甘い口をもって誘いに来た人はもうその近場の支店にはいないから、それで恨んでいたんだ。そこへもってきて今回の大口投資家に対する損失補てんがあったものだから、ひどいわと非難の声が集中しているんですよ。
そういうことを考えますと、先ほど言ったとおり、損失補てんの事例がしばしば見受けられた。だから、検査の重点項目というふうに指定するぐらいならば、そして、ましていわんや元年十二月二十六日に通達を出すぐらいならば、この省令を改正して、これは大蔵省だけでできる話でございますから、法文上明記して、そして厳重禁止を言い渡せばあの証券会社の人たちも聞いたんじゃなかろうかな、そういうふうに思うね。その点について、所感をひとつ局長言ってください。
松
松野允彦#9
○松野(允)政府委員 確かに、御指摘のように過去の検査におきましても損失補てんが散見されて、そういう事例があったことは事実でございます。それで、平成元年の十一月に非常に大規模なものが明らかになりまして、それに対して通達を出して損失補てんを禁止するとともに、その温床となるというふうに考えられておりました営業特金を適正化するようにという指導を始めたわけでございます。営業特金の適正化といいますか、営業特金をなるべくやるなという指導は既にその前からやってはいたわけでございますが、通達を出して指導を強化したというのは十二月からでございます。
御指摘のように、その時点でこの損失補てんについて損失保証などと並んで省令で規定をし、省令違反ひいては法令違反というようなことにした方が適切ではなかったかという御指摘でございます。これは、今から振り返ってみますと、確かにそういう御指摘につきましては、私ども当時の対応が行政指導、通達でやったということについて甘いのではないかという御批判を受けるということについては、私ども非常に責任を痛感する次第でございます。当時の状況では、一つは損失補てんという行為がいろいろな手口で行われるということで、非常に省令に列記するというのが難しいという問題もあったと思います。
それからもう一つは、通達を出しまして、御指摘のように営業特金を適正化しようとすれば、どうしてもトラブルが起こって損失補てんが発生するんではないか、そういうことが予想できなかったかという御指摘でございます。この点につきましても、確かに振り返ってみますと一月から急落をしたわけでございまして、その過程で営業特金の適正化を進めていくということになりますと、どうしてもトラブルが起こり、あるいは損失補てんというようなものが起こってくるということは、振り返ってみればそういう点で、証券会社が通達の指導にもかかわらず通達発出後も損失補てんをやむを得ず行った、こういうことを報告をしてきているわけでございますが、当時通達を出しましたときに、言いわけになって恐縮でございますが、一月からの急落というものがそれほど予想されていたという状況でもございません。十二月まで非常に株式市況が好調でございまして、そういう好調の中では営業特金の適正化がそういうトラブルなしに何とかできるんではないかという判断があったということも、これも事実でございます。その辺のところの考えが甘かったと言われますとそのとおりでございますけれども、当時の状況では、通達発出後にあれほどの急落になるというふうな予想がされなかったという点も事実でございます。
いずれにいたしましても、この損失補てんという問題につきまして過去に幾つか例があり、しかも十一月にこれほどの大きなものが生じたときに省令で対応せずに行政指導、通達ベースで対応したという点については、振り返ってみますと確かに甘い点があった。あわせて営業特金の適正化、これは一-三月で全部適正化しろというような指導をしたわけではございません。ある程度の猶予期間を置いて適正化をしろ、しかも解約をしろということまで言ったわけではございませんので、ただ、たまたま三月というのは決算期でございまして、営業特金をその段階である程度、事業会社、法人の方から見ますと、ある程度の成績を三月決算期に上げたいというようなこともあって、トラブルあるいは損失補てんというようなものが膨らんだという事情もあるれけでございますが、確かに御指摘のように、この通達による取り組みというものが結果として非常に甘い行政であったという点の御批判は、我々としては非常に反省をもって受けとめているところでございます。
この発言だけを見る →御指摘のように、その時点でこの損失補てんについて損失保証などと並んで省令で規定をし、省令違反ひいては法令違反というようなことにした方が適切ではなかったかという御指摘でございます。これは、今から振り返ってみますと、確かにそういう御指摘につきましては、私ども当時の対応が行政指導、通達でやったということについて甘いのではないかという御批判を受けるということについては、私ども非常に責任を痛感する次第でございます。当時の状況では、一つは損失補てんという行為がいろいろな手口で行われるということで、非常に省令に列記するというのが難しいという問題もあったと思います。
それからもう一つは、通達を出しまして、御指摘のように営業特金を適正化しようとすれば、どうしてもトラブルが起こって損失補てんが発生するんではないか、そういうことが予想できなかったかという御指摘でございます。この点につきましても、確かに振り返ってみますと一月から急落をしたわけでございまして、その過程で営業特金の適正化を進めていくということになりますと、どうしてもトラブルが起こり、あるいは損失補てんというようなものが起こってくるということは、振り返ってみればそういう点で、証券会社が通達の指導にもかかわらず通達発出後も損失補てんをやむを得ず行った、こういうことを報告をしてきているわけでございますが、当時通達を出しましたときに、言いわけになって恐縮でございますが、一月からの急落というものがそれほど予想されていたという状況でもございません。十二月まで非常に株式市況が好調でございまして、そういう好調の中では営業特金の適正化がそういうトラブルなしに何とかできるんではないかという判断があったということも、これも事実でございます。その辺のところの考えが甘かったと言われますとそのとおりでございますけれども、当時の状況では、通達発出後にあれほどの急落になるというふうな予想がされなかったという点も事実でございます。
いずれにいたしましても、この損失補てんという問題につきまして過去に幾つか例があり、しかも十一月にこれほどの大きなものが生じたときに省令で対応せずに行政指導、通達ベースで対応したという点については、振り返ってみますと確かに甘い点があった。あわせて営業特金の適正化、これは一-三月で全部適正化しろというような指導をしたわけではございません。ある程度の猶予期間を置いて適正化をしろ、しかも解約をしろということまで言ったわけではございませんので、ただ、たまたま三月というのは決算期でございまして、営業特金をその段階である程度、事業会社、法人の方から見ますと、ある程度の成績を三月決算期に上げたいというようなこともあって、トラブルあるいは損失補てんというようなものが膨らんだという事情もあるれけでございますが、確かに御指摘のように、この通達による取り組みというものが結果として非常に甘い行政であったという点の御批判は、我々としては非常に反省をもって受けとめているところでございます。
松
松永光#10
○松永委員 私は、この通達が守られなかったというのは非常に残念なことだと思っておるのです。普通は日本の場合には、ほかの役所、庁の通達、行政指導は日本の業界はよく聞くのですよ。そういう意味では大蔵省、証券会社からなめられておったんじゃないかなとすら思う。でなければ、通達の趣旨、そういった。ものが必ずしも徹底してなかった。徹底世しめる場はあったはずなんだ。それをこの間、日興の岩崎さんが証言しておりましたね。四社の社長会、一カ月に一遍あって、大蔵省の審議官以上の人に来てもらって、そして協議するんだという話がありましたが、私はそういう会は意味のある会だと思っているんだ。それは産業界の実情というのは、役所の中ではなかなか本当はとれないからね。やはり飯でも食いながら、ざっくばらんにこの業界の実情を上の方の人がよく把握する。意味のあることなんだ。ただしかし、岩崎証人が言うように、単なる雑談ですよ、あれは。やはり業界の実情を把握する、そういう場として活用するならば大変意味のあることだ、私はそう思うね。そういう場でもこういったことについてきちっと真意を説明する、こういったことで通達の徹底化を図るべきじゃなかったのか。あるいは、その後も月一遍の会合は続いておるわけでしょう。そういう場でもこの趣旨の徹底が図られたはずだと思うのだけれども、そういう点、どうですか。
この発言だけを見る →松
松野允彦#11
○松野(允)政府委員 確かに私ども、四社の社長と定例の会合を持っております。あるいは各担当レベルでもそういう会合を持って、証券行政の考え方あるいは証券業界、証券市場の状況というものについての意見交換をしているわけでございます。その場でこの通達の趣旨については当然説明をし、営業特金の適正化とあわせて損失補てんというものが不適正な行為だということで、そういう機会をつかまえて十分指導をしてきたというふうに考えるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、結果としてこの市場の急落の過程で証券会社がトラブル処理あるいは営業特金の損失補てんというようなことで、やむにやまれずやってしまったという点について、そういう場での徹底も十分ではなかったのではないかという御批判、これは私ども同じように、通達行政ではございますけれども、おっしゃるように通達というのは、免許企業でございますから、当然普通の場合は守られる、あるいは我々としても守らせるという責任があるわけでございまして、この件についてはたまたまそういう格好になってしまったという点について、大変深く反省をしているわけでございます。
この発言だけを見る →松
松永光#12
○松永委員 この問題が起こると、世間で言われたことは、大蔵省と業界との癒着ということを随分言われたね。癒着があればなめられて通達が守られないんですよ。もちろん、大蔵省の役人をしておるような人は有能な人が多い。で、その能力を買って民間会社で来てくれということでその会社に行く。退官後のその人の生活権を害するわけにはいきませんからね、これは。これは結構なことなのでありますが、しかし大事なことは、役所に勤めておった人であればなおさらのこと、役所のことをかさに着たり、あるいは自分の前歴をかさに着たりした行動をすることは、これは許されないです。慎まにゃいかぬ。よその役所の関係者は大体慎んでいると思うけれども、どうも大蔵関係が慎んでいないという風評もあるね。だからなめられるんだよ。そういった点は厳しく対応していかにゃならぬ。しかも、有能だということを大蔵省関係者が言っちゃだめだよ、ほかの人が言わなければ。非常にきざに聞こえたね。私はそう思う。
そこでもう一つ聞きますけれども、次は東急株の問題です。これもこの委員会における質疑の中で明らかになったことでありますが、あろうことか、これはもう全くあり得ないことが起こったという感じを私はします。それは、暴力団が東急電鉄株を八九年の四月から九月、十月初旬にかけて千数百万株が、あれは二千万株を超えているのかな、そういう株を暴力団は手にしたんだな。その後に野村は盛んに推奨して、全国のいろいろな店で、この株は必ず上がります、五千円まで行きますなどという推奨をして、そして値をつり上げていったということでありまして、結果的にはそういう好ましからざる団体の関係者に巨額の利益を与えるという可能性を与えてやったわけだな、これは。株価操作事件、過去にも何件もあったようでありますが、これほどの反社会的な株価操作ないしはそれに類する違法、不法な行動はないというふうに私は見ますね。
で、これも田渕証人の証言にありましたけれども、その東急電鉄の推奨販売について大蔵省の定期検査で指摘をされて、反省しておるという証言がありましたけれども、大蔵省は定期検査でどういう事実をつかんだんですか。その事実をつかんでおるから厳しく注意したんでしょうから、それをおっしゃってください。
この発言だけを見る →そこでもう一つ聞きますけれども、次は東急株の問題です。これもこの委員会における質疑の中で明らかになったことでありますが、あろうことか、これはもう全くあり得ないことが起こったという感じを私はします。それは、暴力団が東急電鉄株を八九年の四月から九月、十月初旬にかけて千数百万株が、あれは二千万株を超えているのかな、そういう株を暴力団は手にしたんだな。その後に野村は盛んに推奨して、全国のいろいろな店で、この株は必ず上がります、五千円まで行きますなどという推奨をして、そして値をつり上げていったということでありまして、結果的にはそういう好ましからざる団体の関係者に巨額の利益を与えるという可能性を与えてやったわけだな、これは。株価操作事件、過去にも何件もあったようでありますが、これほどの反社会的な株価操作ないしはそれに類する違法、不法な行動はないというふうに私は見ますね。
で、これも田渕証人の証言にありましたけれども、その東急電鉄の推奨販売について大蔵省の定期検査で指摘をされて、反省しておるという証言がありましたけれども、大蔵省は定期検査でどういう事実をつかんだんですか。その事実をつかんでおるから厳しく注意したんでしょうから、それをおっしゃってください。
松
松野允彦#13
○松野(允)政府委員 東急電鉄株の売買の状況につきましては、野村証券に対します直近の定期検査におきまして、野村証券が元年の十一月に社内資料で東急株を取り上げまして、非常に多数の営業店において東急株のシェアが非常に高くなっているというような状況にあるという、そういう事実。それから、その中には短期間の間に反復して売買しているお客がいるというような、そういうお客が多数認められるというような事実を把握いたしまして、野村証券の営業姿勢、推奨、投資勧誘態度というものに問題があるんではないかというようなことを指摘していたところでございます。
現在、引き続きまして検査を続行しておるわけでございまして、そういったような事実は定期検査でつかんだわけでございますが、それを踏まえまして、今具体的に各営業店におきます営業の推奨のやり方、御指摘のようないろいろな情報、報道がなされております。そういう点も踏まえまして、必要の場合には勧誘を受けた投資家に対してもその間の事情を聞くというようなことを行っているわけでございまして、私どももこの問題、御指摘のように暴力団関係者が大量に買った後で推奨が始まり、高騰が始まったという点、まあ野村証券が取り上げた理由がいろいろあるにいたしましても、そういう一連の状況を見ますと非常に軽率である、非常に問題があるというふうに感じているわけでございます。
残念ながら、現在までのところ、その暴力団関係者が買った株を高く売り抜けるために意図的に株価を操作して高騰させだというような事実を証明するものは見つかっていないわけでございますが、そういった一連の流れを見ますと、そういうふうな疑いもあるわけでございます。そういう点も念頭に置きながら、検査を精力的に進めているところでございます。
この発言だけを見る →現在、引き続きまして検査を続行しておるわけでございまして、そういったような事実は定期検査でつかんだわけでございますが、それを踏まえまして、今具体的に各営業店におきます営業の推奨のやり方、御指摘のようないろいろな情報、報道がなされております。そういう点も踏まえまして、必要の場合には勧誘を受けた投資家に対してもその間の事情を聞くというようなことを行っているわけでございまして、私どももこの問題、御指摘のように暴力団関係者が大量に買った後で推奨が始まり、高騰が始まったという点、まあ野村証券が取り上げた理由がいろいろあるにいたしましても、そういう一連の状況を見ますと非常に軽率である、非常に問題があるというふうに感じているわけでございます。
残念ながら、現在までのところ、その暴力団関係者が買った株を高く売り抜けるために意図的に株価を操作して高騰させだというような事実を証明するものは見つかっていないわけでございますが、そういった一連の流れを見ますと、そういうふうな疑いもあるわけでございます。そういう点も念頭に置きながら、検査を精力的に進めているところでございます。
松
松永光#14
○松永委員 私は、この我が国の証券市場の信頼回復のために新しい法律をつくって、あるいは法律改正をして、そして再発を徹底的に防止するということは非常に大事なことだと思う。しかもこれは急がなならぬことであると思いますけれども、その前にやるべきことは、不祥事を起こした人が法令に違反するならば、厳正な処置をするということが大事なことだと思う。不祥事を犯した人がぬくぬくとしておっては、また同じことをする人が出てこぬとも限らぬわけだ。悪を犯した人が厳正な処置を受けるということが、ある意味では二度と起こらないようにするために非常に大事なことだと思う。その意味で、あれですな大蔵省、証券局、証券会社に対して特別検査に入っておると、こういうお話でしたな。この特別検査、私は大車輪でやって、そして例えば九〇年三月期以降の分、九〇年四月以降の分等についてありやなしや、こういった点も速やかな検査をして、あったならあったと、これだけやと、なかったらなかったと、はっきりさせることが信頼回復の第一歩だというふうに思いますね。
同時にまた、野村証券の場合にはこの東急電鉄株の推奨販売の問題等について証取法違反に該当するような事実があるかないか、それは最終的には検察庁が頑張っていただかなならぬと思うけれども、そういった点を速やかにやらにゃいかぬ。おくれればおくれるほど国民の信頼回復がおくれる。そうすると我が国の国益の回復はおくれるわけでありますから、事は重大でありますので、できることなら私は九月いっぱいぐらいには、今国会中にはこうでございましたということを、国会で概略でもいいから、中間報告でいいから、できる程度のスピードアップで頑張ってもらいたいなと。人手が不足しておることは承知しておるけれども、承知しておるけれども、証券局長、部下を督励して頑張ってくださいな。どうですかな。
この発言だけを見る →同時にまた、野村証券の場合にはこの東急電鉄株の推奨販売の問題等について証取法違反に該当するような事実があるかないか、それは最終的には検察庁が頑張っていただかなならぬと思うけれども、そういった点を速やかにやらにゃいかぬ。おくれればおくれるほど国民の信頼回復がおくれる。そうすると我が国の国益の回復はおくれるわけでありますから、事は重大でありますので、できることなら私は九月いっぱいぐらいには、今国会中にはこうでございましたということを、国会で概略でもいいから、中間報告でいいから、できる程度のスピードアップで頑張ってもらいたいなと。人手が不足しておることは承知しておるけれども、承知しておるけれども、証券局長、部下を督励して頑張ってくださいな。どうですかな。
松
松野允彦#15
○松野(允)政府委員 御指摘のように、この特別検査によりまして、九〇年四月以降の損失補てんの状況あるいは東急株の今御指摘のような問題、すべてを含めまして今鋭意検査を進めているところでございます。私どもも四社同時に入っておりますものですから、非常に検査官が手薄といいますか、勢力は分散はしておりますけれども、ともかくできるだけの努力を払って全力を尽くして現在検査に取り組んでいるわけでございまして、今御指摘のような点も念頭に置きながらできるだけ早く検査を終了し、しかもその中に問題のある事故が起これは、これは証券市場の信頼回復のためにできるだけ証券会社に対してその内容を明らかにするようにということを指導してまいりたいというふうに思っております。国会中にという御要請でございます。これは十分念頭に置いてやっていきたいというふうに思っております。
この発言だけを見る →松
松永光#16
○松永委員 きょうは刑事局長、御苦労さまですが、これも今委員会の調査等で明らかになったことでありますけれども、今回の証券不祥事の関係で野村証券が商法上の特別背任罪あるいは証券取引法違反、株価操作の罪として関係者から告発されておる。その告発を東京地検は受けておるということを聞いておったわけでありますが、その告発に基づいて、私どもの得ている情報では東京地検、関係者の事情聴取を始めたというふうに聞いておるわけでありますけれども、私ここで刑事局長に申し上げたいのは、今度の証券不祥事は、冒頭申し上げたとおり、ある意味では我が国経済の名誉がかかっているような不祥事が起こっておるわけでありますから、そしてまた、これを速やかに真相を解明して、そして刑罰法規に触れるような行いをした者があったとすれば迅速な手続を進めるということが私は国民の信頼回復の前提条件だ、こう思うわけだ。
だから普通の告発事件とは違う。随分いろんな事件の告発はあると思いますけれども、これはそ、ういう特殊な極めて重要な事件でありますので、私は何も別に人を片っ端から罪へ落とせとは言いませんけれども、疑惑については厳正に、そして特に迅速に徹底した調べをして、そして国民の前に明らかにする。そのことが、冒頭申し上げた、今回の不祥事が国益を著しく傷つけたわけでありますから、速やかに市場の信頼回復、あるいはまた、諸外国の日本の経済はアンフェアだ。などという非難の火の粉が降りかかってくるわけでありますから、それをはねのける意味でも、今回の告発は特別重要な事柄という認識のもとに、迅速に厳正に真相解明にひとつ入っていただきたい、そして頑張っていただきたい、こういうふうに思うのでありますが、この関係について、まあ捜査に入っておるとすれば言えないこともあるでしょうから、言える範囲内で、経過とそれから今後の方針をお話しいただければありがたいと思うのですが。
この発言だけを見る →だから普通の告発事件とは違う。随分いろんな事件の告発はあると思いますけれども、これはそ、ういう特殊な極めて重要な事件でありますので、私は何も別に人を片っ端から罪へ落とせとは言いませんけれども、疑惑については厳正に、そして特に迅速に徹底した調べをして、そして国民の前に明らかにする。そのことが、冒頭申し上げた、今回の不祥事が国益を著しく傷つけたわけでありますから、速やかに市場の信頼回復、あるいはまた、諸外国の日本の経済はアンフェアだ。などという非難の火の粉が降りかかってくるわけでありますから、それをはねのける意味でも、今回の告発は特別重要な事柄という認識のもとに、迅速に厳正に真相解明にひとつ入っていただきたい、そして頑張っていただきたい、こういうふうに思うのでありますが、この関係について、まあ捜査に入っておるとすれば言えないこともあるでしょうから、言える範囲内で、経過とそれから今後の方針をお話しいただければありがたいと思うのですが。
井
井嶋一友#17
○井嶋政府委員 お答えいたします。
委員今仰せのように、野村証券に関係いたしましていわゆる東急株の株価操縦事件、いわゆる証券取引法百二十五条二項違反でございます。及び損失補てんが商法上の特別背任罪に当たるという告訴。告発、これらが係属しておることは、当委員会でも何回かお答えをしたとおりでございます。こういった告発を受けまして東京地検におきましては、その告発事実の有無を中心といたしまして、目下関係人の取り調べあるいは証拠資料の収集といったことを行いながら捜査をしておるところでございます。
ところで、厳正、公平に早くやれというお話でございますが、ここ数年、委員御案内のとおり、財政経済関係罰則に違反をする事件が非常に多発をいたしておりまして、その中で傾向としては非常に大型化しておる、あるいは複雑化しておるといったようなことが見受けられるわけでございますが、こういった事犯に対しましては、もう委員既に御案内のとおり、検察におきましては、それぞれの事件につきましてここ数年精力的に取り組んでまいっておるわけでございます。これは我々といたしましても、法務、検察といたしましては、そういった事件をひとつ検察の重点事項といったことで取り組んでまいっておるわけでございます。
そういったことは前提として申し上げました上で、この具体的事件の話でございますけれども、具体的事件の話となりますと、私がいつも申し上げますように、見通しその他を申し上げる立場にはございません。しかしながら、委員仰せのとおり、マスコミあるいは先般来の国会の御論議といったものは十分検察も承知をしておるわけでございまして、そういったことを踏まえて特別な意識を持って捜査に当たっておることは、私も十分推測し得るわけでございます。今後、さらにそういった気持ちでやっていくものと思います。その上で、事実があるかないか、証拠に基づいて適正、的確に判断をするものと承知をいたしておりますので、見守っていただきたいというふうに思うわけでございます。
この発言だけを見る →委員今仰せのように、野村証券に関係いたしましていわゆる東急株の株価操縦事件、いわゆる証券取引法百二十五条二項違反でございます。及び損失補てんが商法上の特別背任罪に当たるという告訴。告発、これらが係属しておることは、当委員会でも何回かお答えをしたとおりでございます。こういった告発を受けまして東京地検におきましては、その告発事実の有無を中心といたしまして、目下関係人の取り調べあるいは証拠資料の収集といったことを行いながら捜査をしておるところでございます。
ところで、厳正、公平に早くやれというお話でございますが、ここ数年、委員御案内のとおり、財政経済関係罰則に違反をする事件が非常に多発をいたしておりまして、その中で傾向としては非常に大型化しておる、あるいは複雑化しておるといったようなことが見受けられるわけでございますが、こういった事犯に対しましては、もう委員既に御案内のとおり、検察におきましては、それぞれの事件につきましてここ数年精力的に取り組んでまいっておるわけでございます。これは我々といたしましても、法務、検察といたしましては、そういった事件をひとつ検察の重点事項といったことで取り組んでまいっておるわけでございます。
そういったことは前提として申し上げました上で、この具体的事件の話でございますけれども、具体的事件の話となりますと、私がいつも申し上げますように、見通しその他を申し上げる立場にはございません。しかしながら、委員仰せのとおり、マスコミあるいは先般来の国会の御論議といったものは十分検察も承知をしておるわけでございまして、そういったことを踏まえて特別な意識を持って捜査に当たっておることは、私も十分推測し得るわけでございます。今後、さらにそういった気持ちでやっていくものと思います。その上で、事実があるかないか、証拠に基づいて適正、的確に判断をするものと承知をいたしておりますので、見守っていただきたいというふうに思うわけでございます。
松
大
穂
穂積良行#20
○穂積委員 私は、この特別委員会でのこれまでの政府への質疑と、それから証人喚問、さらには参考人からの事情聴取を踏まえまして、総括的に今回の証券業あるいは銀行に係る不祥事につきましての問題の根源を明らかにするとともに、今後このような不祥事が二度と起こらないような再発防止について、業界についてどのように考えていただくか、あるいは政府の責任者として当局がどのように対処するかを質問したいと思います。いろいろ私の見方なり考え方を申し上げますが、最後にはぜひ大蔵大臣に、きちんとしたこの問題についての総括的な所見をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
今から四、五年前、昭和の時代の終わりころに、私はこんな話を聞いたことがございます。ある一代で財をなした実業家の方が、これはまじめな人なんですが、こんなことを言った。今の世の中はどうもおかしい、何をやってももうかる、土地を買ってももうかるし、それから株を買ってももうかるし、物をつくれば売れに売れてこれももうかる、こんな世の中は本当にいつまで続くんだろうか、どうもおかしいぞ、こういうときには注意しなければならないとその実業家が言われたことを、私は記憶しております。これがあの当時、いわゆる財テクで日本国じゅう、まあ全国民とは言いませんが、多少の金を持った国民まで含めて、財界、産業界に行き渡った雰囲気ではなかったかと思います。
このバブルの時代の状況がなぜ起きたのか、その原因を考えて、歴史を振り返って、現時点に立ってどう反省し、今後の政治においてどのように関係業界を指導していくかということこそが課題であるかと思います。特に、財政あるいは金融政策については、この証券・金融問題についての反省の上に立って、今後の政策推進を誤りなくすることが肝心だと私は思います。
思えば、このバブル時代の前は、国際経済社会の中で我が国の輸出はまことに好調で、膨大な国際収支の黒字が国際的に問題になった。日本だけがいい思いで経済発展をし、そして他国にそのしわが寄るようなことはどうか、特にアメリカ側から日本貿易摩擦ということで問題とされたわけでありますが、そのような経済摩擦の解消ということが国際的に問題となった結果、あのプラザ合意が成立したと思います。そのプラザ合意に基づいて、それまでの我が国がバブル経済としてああいう状況になっていったことに対する逆の方向での、まあどんな方向で健全な経済発展をさせるかということが課題になったかと思うのですが、そのバブル経済をもたらしたのは、そのプラザ合意による円高・ドル安、国内では金利安で、そして内需拡大。
まあ内需拡大と言えば、これは国民生活を真に豊かにしようという生活重視、そうした政策を進めようということの裏腹でありましたが、それが実はこの円高・ドル安のもとでのお金のあり余るような状況、過剰流動性資金というものが、内需拡大で真に国民の生活を豊かにするということに結びつかないような面でおかしなことが出てきた。それが土地価格の上昇であり、株価上昇であり、さらにはこれらに関連して、ゴルフ場の会員権を買えばもうかるわ、さらには絵を買えばもうかる、荷がとにかくもうかりそうなものに金を投ずればそれが上がってもうかる。一億総財テク時代、バブル、こんな状況になったのがあの状況だったと思うのですが、このような状況というもののもとでいろいろ、とにかく土地の値段も上がり株も上がる、ほかのものも上がるという中では表に出なかったような、本当は足を踏み外した実業界が虚業に走ったということのツケが、今日こうした問題の根源をなしていると私は思うのであります。
そのようなことを考えますとき、あのプラザ合意の結果とられた財政金融政策と、それからその結果引き起こしたバブル状況ということについて、今のような見方について、私の見方のように言ってよろしいか、まずは大蔵大臣、それに金融政策の責任の一端を担う日銀総裁、それぞれに所感をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →今から四、五年前、昭和の時代の終わりころに、私はこんな話を聞いたことがございます。ある一代で財をなした実業家の方が、これはまじめな人なんですが、こんなことを言った。今の世の中はどうもおかしい、何をやってももうかる、土地を買ってももうかるし、それから株を買ってももうかるし、物をつくれば売れに売れてこれももうかる、こんな世の中は本当にいつまで続くんだろうか、どうもおかしいぞ、こういうときには注意しなければならないとその実業家が言われたことを、私は記憶しております。これがあの当時、いわゆる財テクで日本国じゅう、まあ全国民とは言いませんが、多少の金を持った国民まで含めて、財界、産業界に行き渡った雰囲気ではなかったかと思います。
このバブルの時代の状況がなぜ起きたのか、その原因を考えて、歴史を振り返って、現時点に立ってどう反省し、今後の政治においてどのように関係業界を指導していくかということこそが課題であるかと思います。特に、財政あるいは金融政策については、この証券・金融問題についての反省の上に立って、今後の政策推進を誤りなくすることが肝心だと私は思います。
思えば、このバブル時代の前は、国際経済社会の中で我が国の輸出はまことに好調で、膨大な国際収支の黒字が国際的に問題になった。日本だけがいい思いで経済発展をし、そして他国にそのしわが寄るようなことはどうか、特にアメリカ側から日本貿易摩擦ということで問題とされたわけでありますが、そのような経済摩擦の解消ということが国際的に問題となった結果、あのプラザ合意が成立したと思います。そのプラザ合意に基づいて、それまでの我が国がバブル経済としてああいう状況になっていったことに対する逆の方向での、まあどんな方向で健全な経済発展をさせるかということが課題になったかと思うのですが、そのバブル経済をもたらしたのは、そのプラザ合意による円高・ドル安、国内では金利安で、そして内需拡大。
まあ内需拡大と言えば、これは国民生活を真に豊かにしようという生活重視、そうした政策を進めようということの裏腹でありましたが、それが実はこの円高・ドル安のもとでのお金のあり余るような状況、過剰流動性資金というものが、内需拡大で真に国民の生活を豊かにするということに結びつかないような面でおかしなことが出てきた。それが土地価格の上昇であり、株価上昇であり、さらにはこれらに関連して、ゴルフ場の会員権を買えばもうかるわ、さらには絵を買えばもうかる、荷がとにかくもうかりそうなものに金を投ずればそれが上がってもうかる。一億総財テク時代、バブル、こんな状況になったのがあの状況だったと思うのですが、このような状況というもののもとでいろいろ、とにかく土地の値段も上がり株も上がる、ほかのものも上がるという中では表に出なかったような、本当は足を踏み外した実業界が虚業に走ったということのツケが、今日こうした問題の根源をなしていると私は思うのであります。
そのようなことを考えますとき、あのプラザ合意の結果とられた財政金融政策と、それからその結果引き起こしたバブル状況ということについて、今のような見方について、私の見方のように言ってよろしいか、まずは大蔵大臣、それに金融政策の責任の一端を担う日銀総裁、それぞれに所感をお伺いしたいと思います。
橋
橋本龍太郎#21
○橋本国務大臣 確かに今委員が御指摘になりましたように、昭和六十年九月のプラザ合意以降急速に進展いたしました円高のもとで、経済活動は停滞し、一方、物価は安定基調で推移いたしておりました。そうした中で内需中心とした景気の拡大を図りますために、政府は財政、金融両面にわたる経済政策を実施してまいりました。後ほど日銀総裁お答えになると思いますけれども、昭和六十一年一月以降、公定歩合も五次にわたって引き下げられてきておりました。そうした政策の効果もありまして、私は、我が国の経済というものが昭和六十一年末に底を打ちました後、内需中心の息の長い景気拡大を続けてきていると思います。その限りにおいて、私はこの政策選択が誤っていたとは思いません。
しかし他方、今委員からは国民総財テクという言葉をお用いになりましたけれども、国民総財テクでなかった証拠、圧倒的多数の国民は財テクという行動に走っておられなかった証拠と申し上げては恐縮でありますが、そのために、これは過去の土地高騰のときに土地政策として有効なシステムを我々がつくり上げていなかったこともありまして、また、その余剰資金の一部が証券市場に流れ込んだということもありまして、株高、土地高というものが生じてまいりました。その時期において、国民の中に資産格差の拡大ということが一つの不公平として非常に強い指摘をなされていたことを思い起こしていただきたいと思うのであります。これは国民総財テクではなかったということなんです。これはどうぞ御理解をいただきたい。
そして、そういう中で我々なりに、例えば土地に対して、大蔵省の立場で申しますならば税制において、あるいは総量規制という手法において対応策は講じてまいりましたけれども、そうした中で、例えば投機的な取引が活発化し、あるいは潤沢な資金供給が図られているという中で、一部の金融機関において内部の管理体制が確立されないままに安易に業容の拡大、収益第一主義に傾斜していった部分はあるのではなかろうか。証券市場においても収益中心といった行動が、むしろ証券マンとしての倫理とは別に評価の対象になり、今日のような事態を招く原因をつくったのではなかろうか。もちろん、それに対しての行政監督の責任を持つ我々が適切な対応が不十分であったということもあわせて、私は今、事態をそのように受けとめております。
この発言だけを見る →しかし他方、今委員からは国民総財テクという言葉をお用いになりましたけれども、国民総財テクでなかった証拠、圧倒的多数の国民は財テクという行動に走っておられなかった証拠と申し上げては恐縮でありますが、そのために、これは過去の土地高騰のときに土地政策として有効なシステムを我々がつくり上げていなかったこともありまして、また、その余剰資金の一部が証券市場に流れ込んだということもありまして、株高、土地高というものが生じてまいりました。その時期において、国民の中に資産格差の拡大ということが一つの不公平として非常に強い指摘をなされていたことを思い起こしていただきたいと思うのであります。これは国民総財テクではなかったということなんです。これはどうぞ御理解をいただきたい。
そして、そういう中で我々なりに、例えば土地に対して、大蔵省の立場で申しますならば税制において、あるいは総量規制という手法において対応策は講じてまいりましたけれども、そうした中で、例えば投機的な取引が活発化し、あるいは潤沢な資金供給が図られているという中で、一部の金融機関において内部の管理体制が確立されないままに安易に業容の拡大、収益第一主義に傾斜していった部分はあるのではなかろうか。証券市場においても収益中心といった行動が、むしろ証券マンとしての倫理とは別に評価の対象になり、今日のような事態を招く原因をつくったのではなかろうか。もちろん、それに対しての行政監督の責任を持つ我々が適切な対応が不十分であったということもあわせて、私は今、事態をそのように受けとめております。
三
三重野康#22
○三重野参考人 お答えします。
今大蔵大臣がるるお申し述べになりましたので、私からつけ加えることは少のうございますが、委員の御指摘の流れに沿ってもう一度金融政策の流れを申し上げてみたいと思います。
委員が御指摘になりましたように、プラザ合意のときに、あのときに日本は大幅な対外不均衡を是正するという大きな国際的命題を背負ったわけでございます。そのために、物価を安定させながら、しかも円高・ドル安の不況の中にあって輸出主導型から内需主導型に経済構造を変えていかなければならない、そういう大きな流れの中で政策運営が行われたわけでございまして、今大蔵大臣もおっしゃいましたが、六十一年から六十二年にかけて五回公定歩合を下げたのもその線に沿ったことだと思います。それが今日の、イザナギ景気を超えるか超えないかという長い景気拡大をもたらしたことは事実でございますが、これまた委員が御指摘のとおり、資産価格の上昇、いわゆるバブル経済を招いたということもこれは事実であります。
もちろん、私どもはその後公定歩合を引き上げて引き締めに転じましたが、その間が長過ぎたんじゃないかという御批判はあることは十分承知しております。ただ、そのときは物価はゼロインフレだ、しかも対外不均衡是正というのはまだなかなか進まない、そういう状況のもとでなかなか引き締めに転じなかった。それが、対外不均衡の是正もある程度完成し、景気も軌道に乗ったところで引き締めを始めたわけであります。しかし、これ一は弁解を幾らいたしましても、結果はバブル経済を生み出したということはそのとおりでございまして、私どもがその後五回にわたり公定歩合を引き上げましたのは、もちろん物価の予防的引き締めということではございますが、そういうバブルの是正ということを十分視野に置いての上のことでございます。しかし、ここにおいて私どもは大きな反省材料を得たと思っております。それは、やはり金融緩和のときに、単なるフローの物価だけではなくてストックのプライスにも十分配慮した政策を行っていかなければならないということでございまして、これは今後の金融政策の運営について十分反省材料として努めてまいりたいと思います。
そういう大きな政策の流れの中にありまして、委員御指摘のとおり、例えば一連の不祥事件が起きたわけでございまして、この不祥事件はもちろん、例えば金融機関について申しますならば、これは表面的には内部管理の不備でございます。しかしそれはもっと奥底まで参りますと、やはり経営姿勢ということに到着すると思います。それは、今申し上げました政策の流れの中にあって、金利の自由化、国際化、バブルの発生、是正、そういう中にあって、当然金融機関の経営姿勢というものがそういうリスク管理を変更しなければならないのにもかかわらず、業容、収益ともに量優先という政策をとったことが今日に至ったと思います。
もちろん私は、多くの金融機関がこういう中にあっても立派に職務を遂行していることは知っておりますけれども、今回の事件を契機としまして、事件を起こした金融機関だけではなくて、取引先金融機関全体に対しても経営姿勢の再点検を要請しておりまして、それは今後、要請するだけではなくて、日々のモニタリングあるいは実地考査を通じてそれが適正に行われるように、私どもとしても努力してまいりたい、かように考えております。
この発言だけを見る →今大蔵大臣がるるお申し述べになりましたので、私からつけ加えることは少のうございますが、委員の御指摘の流れに沿ってもう一度金融政策の流れを申し上げてみたいと思います。
委員が御指摘になりましたように、プラザ合意のときに、あのときに日本は大幅な対外不均衡を是正するという大きな国際的命題を背負ったわけでございます。そのために、物価を安定させながら、しかも円高・ドル安の不況の中にあって輸出主導型から内需主導型に経済構造を変えていかなければならない、そういう大きな流れの中で政策運営が行われたわけでございまして、今大蔵大臣もおっしゃいましたが、六十一年から六十二年にかけて五回公定歩合を下げたのもその線に沿ったことだと思います。それが今日の、イザナギ景気を超えるか超えないかという長い景気拡大をもたらしたことは事実でございますが、これまた委員が御指摘のとおり、資産価格の上昇、いわゆるバブル経済を招いたということもこれは事実であります。
もちろん、私どもはその後公定歩合を引き上げて引き締めに転じましたが、その間が長過ぎたんじゃないかという御批判はあることは十分承知しております。ただ、そのときは物価はゼロインフレだ、しかも対外不均衡是正というのはまだなかなか進まない、そういう状況のもとでなかなか引き締めに転じなかった。それが、対外不均衡の是正もある程度完成し、景気も軌道に乗ったところで引き締めを始めたわけであります。しかし、これ一は弁解を幾らいたしましても、結果はバブル経済を生み出したということはそのとおりでございまして、私どもがその後五回にわたり公定歩合を引き上げましたのは、もちろん物価の予防的引き締めということではございますが、そういうバブルの是正ということを十分視野に置いての上のことでございます。しかし、ここにおいて私どもは大きな反省材料を得たと思っております。それは、やはり金融緩和のときに、単なるフローの物価だけではなくてストックのプライスにも十分配慮した政策を行っていかなければならないということでございまして、これは今後の金融政策の運営について十分反省材料として努めてまいりたいと思います。
そういう大きな政策の流れの中にありまして、委員御指摘のとおり、例えば一連の不祥事件が起きたわけでございまして、この不祥事件はもちろん、例えば金融機関について申しますならば、これは表面的には内部管理の不備でございます。しかしそれはもっと奥底まで参りますと、やはり経営姿勢ということに到着すると思います。それは、今申し上げました政策の流れの中にあって、金利の自由化、国際化、バブルの発生、是正、そういう中にあって、当然金融機関の経営姿勢というものがそういうリスク管理を変更しなければならないのにもかかわらず、業容、収益ともに量優先という政策をとったことが今日に至ったと思います。
もちろん私は、多くの金融機関がこういう中にあっても立派に職務を遂行していることは知っておりますけれども、今回の事件を契機としまして、事件を起こした金融機関だけではなくて、取引先金融機関全体に対しても経営姿勢の再点検を要請しておりまして、それは今後、要請するだけではなくて、日々のモニタリングあるいは実地考査を通じてそれが適正に行われるように、私どもとしても努力してまいりたい、かように考えております。
穂
穂積良行#23
○穂積委員 大蔵大臣おっしゃるように、確かに国民全部が財テクに狂奔するということではなかった、それは事実だろうと思います。しかし、一番こういうことについてきちんとした姿勢で営業をすべき銀行の状況は、あの当時はそれこそ、片方では預金高競争、そして預金がふえるようなことなら多少無理をしてでもというような風潮、そしてあり余るほどの今度は預金の貸出先、安全有利な運用ということを考えるとどこに貸すか、こんな状況で、まあ多少問題があってもと言ってはなんですが、貸付先を見つけるのにいろいろ工夫をした。その一つが、例えば系列下のノンバンクなど子会社などを通じて、実業と私は言えないようなそうした分野にも金が流れる。利息を稼げればよいというような風潮がびまんした、こんな感じがするわけであります。まあそのときに片方では、預金金利よりは株の方がもうかりますよ。株が一本調子で上がっていく、そういう中で、銀行よさようなら、証券よこんにちはといううたい文句に乗せられて、今度は株の市場が活況を呈してあんな状況になっていった、こんなことですね。
そうした中で、実は国民、特にまじめな国民からすれば、この状況は一体何だ、何やってももうかるということでもうけている連中はおれたちとは無縁の連中だ、おれたちにしてみれば、特に過剰流動性を原因とする結果と私は思いますが、地価上昇、土地が値上がりして、本当に生活重視、ゆとりある生活ということで持ち家を持とうとしても、土地が高くなって持ち家なんてとても夢のまた夢という状況になった、地価問題。そこで、土地の価格を引き下げるためにあらゆる努力をしなければならないということで土地政策が進められた、こういう経過がありますね。土地基本法に基づく諸施策、それと並行しての金融政策、特に総量規制、日銀では窓口指導ということで、このバブルを抑える方向に今度は政策の大転換が図られたという経過ですね。
そのようなことで、今度は一本調子にいろいろなものが上がり続けということから、まずは土地の値上がりの抑制、さらには窓口指導その他からして、今度は株もそうは一本調子でなくなるということで、歯車が逆に回り始めたという、そう回すような政策がとられた、そうして今度はそのバブルがはじける過程に入ったところでさまざまな不祥事が表に出てきた、こういうことですね。そう私は理解いたします。
その一面は、先ほど松永委員からるる御質問がありましたように証券市場の問題ということだと思いますが、特に証券関係では、私は二、三点お伺いしたいんですが、一つはこの平成元年の十二月の例の証券局長通達。あの通達で、どうもやはりいわゆる営業特金、特定金銭信託契約に基づく勘定を利用した取引というものについてきちんと始末をしろということを言い、かつ同時にきちんと、もう損失補てんはするな、そういうことを言った。それが証券会社への証人喚問で証人側が言ったように、まあ補てんをどういう形でか行わなければその営業特金の始末ができないということでやってしまいました、申しわけありませんと、ここで何回も謝っている、こんな状況でしたね。で、それについて私は、やはりその通達を出すときにその関係を大蔵当局はどのように考えていたか、予測できなかったかというようなことについて、まあ私は多少大蔵省のこの通達を出すに際しての不用意なところがあったのではないかという気がいたしますが、これについては証券局長からきちっとしたお答えをいただきたいと思います。
この発言だけを見る →そうした中で、実は国民、特にまじめな国民からすれば、この状況は一体何だ、何やってももうかるということでもうけている連中はおれたちとは無縁の連中だ、おれたちにしてみれば、特に過剰流動性を原因とする結果と私は思いますが、地価上昇、土地が値上がりして、本当に生活重視、ゆとりある生活ということで持ち家を持とうとしても、土地が高くなって持ち家なんてとても夢のまた夢という状況になった、地価問題。そこで、土地の価格を引き下げるためにあらゆる努力をしなければならないということで土地政策が進められた、こういう経過がありますね。土地基本法に基づく諸施策、それと並行しての金融政策、特に総量規制、日銀では窓口指導ということで、このバブルを抑える方向に今度は政策の大転換が図られたという経過ですね。
そのようなことで、今度は一本調子にいろいろなものが上がり続けということから、まずは土地の値上がりの抑制、さらには窓口指導その他からして、今度は株もそうは一本調子でなくなるということで、歯車が逆に回り始めたという、そう回すような政策がとられた、そうして今度はそのバブルがはじける過程に入ったところでさまざまな不祥事が表に出てきた、こういうことですね。そう私は理解いたします。
その一面は、先ほど松永委員からるる御質問がありましたように証券市場の問題ということだと思いますが、特に証券関係では、私は二、三点お伺いしたいんですが、一つはこの平成元年の十二月の例の証券局長通達。あの通達で、どうもやはりいわゆる営業特金、特定金銭信託契約に基づく勘定を利用した取引というものについてきちんと始末をしろということを言い、かつ同時にきちんと、もう損失補てんはするな、そういうことを言った。それが証券会社への証人喚問で証人側が言ったように、まあ補てんをどういう形でか行わなければその営業特金の始末ができないということでやってしまいました、申しわけありませんと、ここで何回も謝っている、こんな状況でしたね。で、それについて私は、やはりその通達を出すときにその関係を大蔵当局はどのように考えていたか、予測できなかったかというようなことについて、まあ私は多少大蔵省のこの通達を出すに際しての不用意なところがあったのではないかという気がいたしますが、これについては証券局長からきちっとしたお答えをいただきたいと思います。
松
松野允彦#24
○松野(允)政府委員 御指摘のように、平成元年の十二月二十六日付で通達が出ております。その通達は、一つは事後的な損失補てんを厳に慎む、それからもう一つは営業特金を適正化する、つまり投資顧問づきにして営業特金でなくすという、あるいはそれがどうしてもできない場合は、利回り保証とか売買一任的なことをやらないという確認書をとるというような指導を始めたわけでございます。
先ほども申し上げましたように、この十二月二十六日に通達を発出する段階では、株価、株式市況の状況が順調であれば営業特金の適正化、これは損失補てんの温床になるというようなことで、この適正化がぜひとも必要だという判断をしていたわけでございまして、その適正化を行うということが結果的に損失補てんをやらざるを得ないというような状況になるというのは、通達発出時点では恐らくそういう判断はなかったというふうに考えられる。それは、株式市況が年末まで非常に好調だったということもございます。一月から株式市場が急落を示したわけでございまして、通達発出時点の判断としては、営業特金の適正化という問題については、もちろん一年という時間をかしているということもございまして、これが損失補てんあるいはトラブルを招くというような判断は必ずしもそういうふうなことにはならない、むしろ温床をできるだけ早くなくし、損失補てんというようなものが行われないように前提条件を整理するというようなことにはいいタイミングだ、そのタイミングが結果的にはおくれたというような御批判もあろうかと思いますが、そういう判断で通達を出したわけでございます。
結果的に見ますと、確かに御指摘のように営業特金の適正化をめぐって、株価の急落局面でどうしても損失補てんを行う、あるいはトラブルとなってその処理を行うというような状況になり、証券会社がそれに対して、通達が出ているにもかかわらずそれを破る形で損失補てんを行ったという事実は、これは事実でございます。その点については、私どもも結果として見た場合に、この通達を出したタイミングがよかったのかどうかという点については大変反省をしなければならないという点もございますし、あるいは通達発出後その指導がなまぬるかったんではないかという点につ、きましても、これも私どもは責任を痛感しているわけでございます。ただ、通達を出した段階の判断といたしましては、今申し上げたように、必ずその営業特金の適正化をめぐって損失補てんが行われざるを得ないような状況になるというようなことの判断はなかったというふうに私は考えるわけでございます。
この発言だけを見る →先ほども申し上げましたように、この十二月二十六日に通達を発出する段階では、株価、株式市況の状況が順調であれば営業特金の適正化、これは損失補てんの温床になるというようなことで、この適正化がぜひとも必要だという判断をしていたわけでございまして、その適正化を行うということが結果的に損失補てんをやらざるを得ないというような状況になるというのは、通達発出時点では恐らくそういう判断はなかったというふうに考えられる。それは、株式市況が年末まで非常に好調だったということもございます。一月から株式市場が急落を示したわけでございまして、通達発出時点の判断としては、営業特金の適正化という問題については、もちろん一年という時間をかしているということもございまして、これが損失補てんあるいはトラブルを招くというような判断は必ずしもそういうふうなことにはならない、むしろ温床をできるだけ早くなくし、損失補てんというようなものが行われないように前提条件を整理するというようなことにはいいタイミングだ、そのタイミングが結果的にはおくれたというような御批判もあろうかと思いますが、そういう判断で通達を出したわけでございます。
結果的に見ますと、確かに御指摘のように営業特金の適正化をめぐって、株価の急落局面でどうしても損失補てんを行う、あるいはトラブルとなってその処理を行うというような状況になり、証券会社がそれに対して、通達が出ているにもかかわらずそれを破る形で損失補てんを行ったという事実は、これは事実でございます。その点については、私どもも結果として見た場合に、この通達を出したタイミングがよかったのかどうかという点については大変反省をしなければならないという点もございますし、あるいは通達発出後その指導がなまぬるかったんではないかという点につ、きましても、これも私どもは責任を痛感しているわけでございます。ただ、通達を出した段階の判断といたしましては、今申し上げたように、必ずその営業特金の適正化をめぐって損失補てんが行われざるを得ないような状況になるというようなことの判断はなかったというふうに私は考えるわけでございます。
穂
穂積良行#25
○穂積委員 今お話しのように、平成二年の一月の株暴落、株価下落でうまく営業特金の整理ができなくなったというような事情があったんで、それは予見できなかったといえばそれまでですが、問題はしかし、肝心の損失補てんはやってはいけないんだということを一本の行政通達で実現しようとしたところに、やはり今となっては無理があった、こういう感は否めないと思いますね。そういう意味では、これはこれからの国会の問題になりますが、証券取引法においてどのようにその辺をきちっと法律レベルの問題として措置していくのか、こういう課題があると思います。
この問題についてやはり現在残っているのは、大手の会社とか大口の顧客などはどういう形でかうまく補てんを受けたのに、おれはなけなしの退職金をもうかると思って株につき込んでしまった、半値に下落して大損したというような、風潮に乗せられて株に手を出した多くの国民からすれば、不公平感が残るのはこれは現実だと思いますが、この辺について、問題は補てんを受けれる企業なり個人と受けれない一般投資家、この間のどの辺でどう補てんをしあるいは補てんをしなかったということの理由をはっきりさせつつ、不公平感が残る国民にどう説明するかということだと思いますが、これは証券局長、どんなふうに思いますか。大蔵大臣、お答えですか。
この発言だけを見る →この問題についてやはり現在残っているのは、大手の会社とか大口の顧客などはどういう形でかうまく補てんを受けたのに、おれはなけなしの退職金をもうかると思って株につき込んでしまった、半値に下落して大損したというような、風潮に乗せられて株に手を出した多くの国民からすれば、不公平感が残るのはこれは現実だと思いますが、この辺について、問題は補てんを受けれる企業なり個人と受けれない一般投資家、この間のどの辺でどう補てんをしあるいは補てんをしなかったということの理由をはっきりさせつつ、不公平感が残る国民にどう説明するかということだと思いますが、これは証券局長、どんなふうに思いますか。大蔵大臣、お答えですか。
橋
橋本龍太郎#26
○橋本国務大臣 先ほど松永委員から、国際的な影響という視点からこの問題についてのお問いかけがございました。また今委員から国内の、まさに国民の空気を踏まえての御指摘がございました。本来なら双方あわせてお答えをし、完全なお答えとすべきでありましょう。
この事件と申しますものは、今委員が御指摘になりましたように、内外の一般投資家の市場に対する心情というものを非常に大きく傷つけた。しかしそれ以上に、実は特定の人だけが有利な取り扱いを受けたということに対する不公平感というものを国民の中に広く行き渡らせてしまったということで、極めて深刻な問題を私どもに投げかけております。しかし、これはもう繰り返しおわびを国民にも申し上げてきたことでありますけれども、現実に一番多く例えば私たちに与えられる国民の声というのは、要するにそういう格好で補てんを受けた者のお金を取り返せないか、また取り返すべきだという声でありますが、実は今日、法的にはそういう行動ができる権限は我々には与えられておりません。法制度もそのようにはなっていないわけであります。
そういたしますと、私はこの前以来、この証券市場、証券会社、証券行政というものをめぐるさまざまな御議論の中から問題点を五つに絞り込んでまいりましたが、一つは証券市場というもののルールの不透明さ、もう一つはペナルティーの問題、そしてもう一つは検査・監視機能のあり方、そして自己責任の問題、そして証券行政というもの、行政そのもののあり方、五つに問題を整理してまいりましたけれども、そうした視点から、この問題には各政党にもまた国会にも御協力をいただきながら、特定の者だけが利益を得た、それを取り返すこともできないのかという国民の指摘に対しての答えを出していく責任が我々にはあると思っております。
この発言だけを見る →この事件と申しますものは、今委員が御指摘になりましたように、内外の一般投資家の市場に対する心情というものを非常に大きく傷つけた。しかしそれ以上に、実は特定の人だけが有利な取り扱いを受けたということに対する不公平感というものを国民の中に広く行き渡らせてしまったということで、極めて深刻な問題を私どもに投げかけております。しかし、これはもう繰り返しおわびを国民にも申し上げてきたことでありますけれども、現実に一番多く例えば私たちに与えられる国民の声というのは、要するにそういう格好で補てんを受けた者のお金を取り返せないか、また取り返すべきだという声でありますが、実は今日、法的にはそういう行動ができる権限は我々には与えられておりません。法制度もそのようにはなっていないわけであります。
そういたしますと、私はこの前以来、この証券市場、証券会社、証券行政というものをめぐるさまざまな御議論の中から問題点を五つに絞り込んでまいりましたが、一つは証券市場というもののルールの不透明さ、もう一つはペナルティーの問題、そしてもう一つは検査・監視機能のあり方、そして自己責任の問題、そして証券行政というもの、行政そのもののあり方、五つに問題を整理してまいりましたけれども、そうした視点から、この問題には各政党にもまた国会にも御協力をいただきながら、特定の者だけが利益を得た、それを取り返すこともできないのかという国民の指摘に対しての答えを出していく責任が我々にはあると思っております。
穂
穂積良行#27
○穂積委員 これについて、なお問題点の指摘を一ついたします。
それは、補てんをしたのはすべきでなかったことをしたという意味では、その証券会社は株主に対してこれは申しわけないことをしたという立場になりますね。それをどうしてくれる。本来ならばその分を益に計上して株式配当でも回すとか、そういうようなことでの株主との間の民事上の問題、さらには商法上、善良な株主に対して経営責任はどうだったかということでも商法上の、場合によっては刑事上の問題になるかと思うのですが、その辺についての問題認識をどのように持っておられるか、お答えいただきたいと思います。
この発言だけを見る →それは、補てんをしたのはすべきでなかったことをしたという意味では、その証券会社は株主に対してこれは申しわけないことをしたという立場になりますね。それをどうしてくれる。本来ならばその分を益に計上して株式配当でも回すとか、そういうようなことでの株主との間の民事上の問題、さらには商法上、善良な株主に対して経営責任はどうだったかということでも商法上の、場合によっては刑事上の問題になるかと思うのですが、その辺についての問題認識をどのように持っておられるか、お答えいただきたいと思います。
松
松野允彦#28
○松野(允)政府委員 御指摘のように、この場合証券会社でございますが、これは取締役が職務を会社のために忠実に行わなければならないというような規定があり、この義務に反した場合には損害賠償責任を負うというのが、商法の二百六十六条という規定がございます。さらには会社に損害を与える、害することをはかって任務に背くという、いわゆる特別背任罪という規定もあるわけでございます。証券会社は、将来の取引関係の維持強化のために行ったという説明をしているわけでございます。
私どもの立場といたしまして、そういうものが今申し上げたような商法の規定上どう評価されるかという点につきましては、これは個々の事実関係に基づいて民事訴訟あるいは刑事訴訟の中で判断されるべき問題ではないかというふうに考えるわけでございまして、私どもとしてこれについて見解を申し上げるという立場にはないことを御理解をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →私どもの立場といたしまして、そういうものが今申し上げたような商法の規定上どう評価されるかという点につきましては、これは個々の事実関係に基づいて民事訴訟あるいは刑事訴訟の中で判断されるべき問題ではないかというふうに考えるわけでございまして、私どもとしてこれについて見解を申し上げるという立場にはないことを御理解をいただきたいと思います。
穂
穂積良行#29
○穂積委員 それはそうすると、他にこれを扱う行政当局ありということですね。
さて、株の業界でお客を証券市場に引き込む勧誘行為のあり方が、一つこれは問題としてあると思います。私もかつて商品市場の取締法について関与したことがありまして、商品市場では過当征勧誘行為を厳しく取り締まり、そして商品市場にお客を引っ張り込んで身ぐるみはぐような不祥事のないようにするという行政の歴史でありました。商品市場の場合には、客殺しはいけないよというような言葉まであるのです。
ところが証券市場の場合、勧誘のやりようなどについてさらに行政指導を強める分野があるのではないかと思います。先ほども話が出ておりましたけれども、損するかもしれませんよと言って株を買わせるというようなことはまずはないでしょうけれども、絶対もうかるからどうですかというようなことの物の言いようとかその辺、特に株の乱高下の状況ではその辺が客とのトラブルの一つにもなることですから、こうしたことについての行政上の業界への指導についてはどのようにお考えですか。
この発言だけを見る →さて、株の業界でお客を証券市場に引き込む勧誘行為のあり方が、一つこれは問題としてあると思います。私もかつて商品市場の取締法について関与したことがありまして、商品市場では過当征勧誘行為を厳しく取り締まり、そして商品市場にお客を引っ張り込んで身ぐるみはぐような不祥事のないようにするという行政の歴史でありました。商品市場の場合には、客殺しはいけないよというような言葉まであるのです。
ところが証券市場の場合、勧誘のやりようなどについてさらに行政指導を強める分野があるのではないかと思います。先ほども話が出ておりましたけれども、損するかもしれませんよと言って株を買わせるというようなことはまずはないでしょうけれども、絶対もうかるからどうですかというようなことの物の言いようとかその辺、特に株の乱高下の状況ではその辺が客とのトラブルの一つにもなることですから、こうしたことについての行政上の業界への指導についてはどのようにお考えですか。