松野允彦の発言 (証券及び金融問題に関する特別委員会)
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○松野(允)政府委員 確かに、御指摘のように過去の検査におきましても損失補てんが散見されて、そういう事例があったことは事実でございます。それで、平成元年の十一月に非常に大規模なものが明らかになりまして、それに対して通達を出して損失補てんを禁止するとともに、その温床となるというふうに考えられておりました営業特金を適正化するようにという指導を始めたわけでございます。営業特金の適正化といいますか、営業特金をなるべくやるなという指導は既にその前からやってはいたわけでございますが、通達を出して指導を強化したというのは十二月からでございます。
御指摘のように、その時点でこの損失補てんについて損失保証などと並んで省令で規定をし、省令違反ひいては法令違反というようなことにした方が適切ではなかったかという御指摘でございます。これは、今から振り返ってみますと、確かにそういう御指摘につきましては、私ども当時の対応が行政指導、通達でやったということについて甘いのではないかという御批判を受けるということについては、私ども非常に責任を痛感する次第でございます。当時の状況では、一つは損失補てんという行為がいろいろな手口で行われるということで、非常に省令に列記するというのが難しいという問題もあったと思います。
それからもう一つは、通達を出しまして、御指摘のように営業特金を適正化しようとすれば、どうしてもトラブルが起こって損失補てんが発生するんではないか、そういうことが予想できなかったかという御指摘でございます。この点につきましても、確かに振り返ってみますと一月から急落をしたわけでございまして、その過程で営業特金の適正化を進めていくということになりますと、どうしてもトラブルが起こり、あるいは損失補てんというようなものが起こってくるということは、振り返ってみればそういう点で、証券会社が通達の指導にもかかわらず通達発出後も損失補てんをやむを得ず行った、こういうことを報告をしてきているわけでございますが、当時通達を出しましたときに、言いわけになって恐縮でございますが、一月からの急落というものがそれほど予想されていたという状況でもございません。十二月まで非常に株式市況が好調でございまして、そういう好調の中では営業特金の適正化がそういうトラブルなしに何とかできるんではないかという判断があったということも、これも事実でございます。その辺のところの考えが甘かったと言われますとそのとおりでございますけれども、当時の状況では、通達発出後にあれほどの急落になるというふうな予想がされなかったという点も事実でございます。
いずれにいたしましても、この損失補てんという問題につきまして過去に幾つか例があり、しかも十一月にこれほどの大きなものが生じたときに省令で対応せずに行政指導、通達ベースで対応したという点については、振り返ってみますと確かに甘い点があった。あわせて営業特金の適正化、これは一-三月で全部適正化しろというような指導をしたわけではございません。ある程度の猶予期間を置いて適正化をしろ、しかも解約をしろということまで言ったわけではございませんので、ただ、たまたま三月というのは決算期でございまして、営業特金をその段階である程度、事業会社、法人の方から見ますと、ある程度の成績を三月決算期に上げたいというようなこともあって、トラブルあるいは損失補てんというようなものが膨らんだという事情もあるれけでございますが、確かに御指摘のように、この通達による取り組みというものが結果として非常に甘い行政であったという点の御批判は、我々としては非常に反省をもって受けとめているところでございます。