穂積良行の発言 (証券及び金融問題に関する特別委員会)

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○穂積委員 私は、この特別委員会でのこれまでの政府への質疑と、それから証人喚問、さらには参考人からの事情聴取を踏まえまして、総括的に今回の証券業あるいは銀行に係る不祥事につきましての問題の根源を明らかにするとともに、今後このような不祥事が二度と起こらないような再発防止について、業界についてどのように考えていただくか、あるいは政府の責任者として当局がどのように対処するかを質問したいと思います。いろいろ私の見方なり考え方を申し上げますが、最後にはぜひ大蔵大臣に、きちんとしたこの問題についての総括的な所見をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 今から四、五年前、昭和の時代の終わりころに、私はこんな話を聞いたことがございます。ある一代で財をなした実業家の方が、これはまじめな人なんですが、こんなことを言った。今の世の中はどうもおかしい、何をやってももうかる、土地を買ってももうかるし、それから株を買ってももうかるし、物をつくれば売れに売れてこれももうかる、こんな世の中は本当にいつまで続くんだろうか、どうもおかしいぞ、こういうときには注意しなければならないとその実業家が言われたことを、私は記憶しております。これがあの当時、いわゆる財テクで日本国じゅう、まあ全国民とは言いませんが、多少の金を持った国民まで含めて、財界、産業界に行き渡った雰囲気ではなかったかと思います。
 このバブルの時代の状況がなぜ起きたのか、その原因を考えて、歴史を振り返って、現時点に立ってどう反省し、今後の政治においてどのように関係業界を指導していくかということこそが課題であるかと思います。特に、財政あるいは金融政策については、この証券・金融問題についての反省の上に立って、今後の政策推進を誤りなくすることが肝心だと私は思います。
 思えば、このバブル時代の前は、国際経済社会の中で我が国の輸出はまことに好調で、膨大な国際収支の黒字が国際的に問題になった。日本だけがいい思いで経済発展をし、そして他国にそのしわが寄るようなことはどうか、特にアメリカ側から日本貿易摩擦ということで問題とされたわけでありますが、そのような経済摩擦の解消ということが国際的に問題となった結果、あのプラザ合意が成立したと思います。そのプラザ合意に基づいて、それまでの我が国がバブル経済としてああいう状況になっていったことに対する逆の方向での、まあどんな方向で健全な経済発展をさせるかということが課題になったかと思うのですが、そのバブル経済をもたらしたのは、そのプラザ合意による円高・ドル安、国内では金利安で、そして内需拡大。
 まあ内需拡大と言えば、これは国民生活を真に豊かにしようという生活重視、そうした政策を進めようということの裏腹でありましたが、それが実はこの円高・ドル安のもとでのお金のあり余るような状況、過剰流動性資金というものが、内需拡大で真に国民の生活を豊かにするということに結びつかないような面でおかしなことが出てきた。それが土地価格の上昇であり、株価上昇であり、さらにはこれらに関連して、ゴルフ場の会員権を買えばもうかるわ、さらには絵を買えばもうかる、荷がとにかくもうかりそうなものに金を投ずればそれが上がってもうかる。一億総財テク時代、バブル、こんな状況になったのがあの状況だったと思うのですが、このような状況というもののもとでいろいろ、とにかく土地の値段も上がり株も上がる、ほかのものも上がるという中では表に出なかったような、本当は足を踏み外した実業界が虚業に走ったということのツケが、今日こうした問題の根源をなしていると私は思うのであります。
 そのようなことを考えますとき、あのプラザ合意の結果とられた財政金融政策と、それからその結果引き起こしたバブル状況ということについて、今のような見方について、私の見方のように言ってよろしいか、まずは大蔵大臣、それに金融政策の責任の一端を担う日銀総裁、それぞれに所感をお伺いしたいと思います。

発言情報

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発言者: 穂積良行

speaker_id: 28174

日付: 1991-08-31

院: 衆議院

会議名: 証券及び金融問題に関する特別委員会