三重野康の発言 (証券及び金融問題に関する特別委員会)
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○三重野参考人 お答えします。
今大蔵大臣がるるお申し述べになりましたので、私からつけ加えることは少のうございますが、委員の御指摘の流れに沿ってもう一度金融政策の流れを申し上げてみたいと思います。
委員が御指摘になりましたように、プラザ合意のときに、あのときに日本は大幅な対外不均衡を是正するという大きな国際的命題を背負ったわけでございます。そのために、物価を安定させながら、しかも円高・ドル安の不況の中にあって輸出主導型から内需主導型に経済構造を変えていかなければならない、そういう大きな流れの中で政策運営が行われたわけでございまして、今大蔵大臣もおっしゃいましたが、六十一年から六十二年にかけて五回公定歩合を下げたのもその線に沿ったことだと思います。それが今日の、イザナギ景気を超えるか超えないかという長い景気拡大をもたらしたことは事実でございますが、これまた委員が御指摘のとおり、資産価格の上昇、いわゆるバブル経済を招いたということもこれは事実であります。
もちろん、私どもはその後公定歩合を引き上げて引き締めに転じましたが、その間が長過ぎたんじゃないかという御批判はあることは十分承知しております。ただ、そのときは物価はゼロインフレだ、しかも対外不均衡是正というのはまだなかなか進まない、そういう状況のもとでなかなか引き締めに転じなかった。それが、対外不均衡の是正もある程度完成し、景気も軌道に乗ったところで引き締めを始めたわけであります。しかし、これ一は弁解を幾らいたしましても、結果はバブル経済を生み出したということはそのとおりでございまして、私どもがその後五回にわたり公定歩合を引き上げましたのは、もちろん物価の予防的引き締めということではございますが、そういうバブルの是正ということを十分視野に置いての上のことでございます。しかし、ここにおいて私どもは大きな反省材料を得たと思っております。それは、やはり金融緩和のときに、単なるフローの物価だけではなくてストックのプライスにも十分配慮した政策を行っていかなければならないということでございまして、これは今後の金融政策の運営について十分反省材料として努めてまいりたいと思います。
そういう大きな政策の流れの中にありまして、委員御指摘のとおり、例えば一連の不祥事件が起きたわけでございまして、この不祥事件はもちろん、例えば金融機関について申しますならば、これは表面的には内部管理の不備でございます。しかしそれはもっと奥底まで参りますと、やはり経営姿勢ということに到着すると思います。それは、今申し上げました政策の流れの中にあって、金利の自由化、国際化、バブルの発生、是正、そういう中にあって、当然金融機関の経営姿勢というものがそういうリスク管理を変更しなければならないのにもかかわらず、業容、収益ともに量優先という政策をとったことが今日に至ったと思います。
もちろん私は、多くの金融機関がこういう中にあっても立派に職務を遂行していることは知っておりますけれども、今回の事件を契機としまして、事件を起こした金融機関だけではなくて、取引先金融機関全体に対しても経営姿勢の再点検を要請しておりまして、それは今後、要請するだけではなくて、日々のモニタリングあるいは実地考査を通じてそれが適正に行われるように、私どもとしても努力してまいりたい、かように考えております。