渡辺嘉藏の発言 (証券及び金融問題に関する特別委員会)

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○渡辺(嘉)委員 せっかくのうんちくですから本当はゆっくり聞きたいわけですが、時間がありませんので、恐縮です。
 と同時に、鈴木行革審会長さん、お忙しいところお出かけいただきましたので、以下質問させていただきますが、二十八時間にわたりましてこの審議が行われまして、私も議事録を要領、全部読ましていただきまして、御苦労さんでした。ただし率直に言って、最初の意気込みと中身とはちょっと違った印象を受けたことは事実なんです。これは世論もかなりそういう印象を受けていらっしゃると思うのです。
 そこでまず第一に、免許制度の問題については、将来の新規参入のことも含めながらいろいろな御意見が出て、将来の弾力的な運用について示唆していらっしゃいますが、私はこの免許制度について、長年の歴史その他も勘案、判断し、以前の登録制度から免許制度になった、これからどうするか。これらの歴史過程から考えまして、雨後のタケノコのようにどんどんと登録でできるんだということは、むしろ今日の混乱しておるこの社会の中でかえって証券・資本市場を混乱させるのではないか。かような意味で、ある一定の免許水準によって免許を与えていく、このことはやはり秩序の上で必要じゃないか。
 いま一つは手数料の問題ですが、この手数料につきましては、二つに分けまして委託手数料と引受手数料があるわけですが、委託手数料につきましては、私はアメリカその他のものと具体的に比較してみたのです。高いのか、安いのか、どうなっているのか。そうしますと、ここにもアメリカのウォール・ストリート・ジャーナル、ここにはっきりと日本との格差が出てきております。あるいはまたバローンズ誌という雑誌に載っております証券会社、これは大手ですが、これの手数料の広告が、私のところはこれだけ安くやりますというのが出ておる。これも全部比較いたしますると、仮に一つの例として申し上げますると、小口の場合にはアメリカで、私の計算で一株千円で換算いたしますると、手数料が百万円について二万七千円、高くついている。日本の場合には一万一千五百円なんです、小口の場合です。大口の場合になりますると、今度これが三億でいきますると、五千四百円がアメリカで、日本の場合には二千六百十円になる。十億以上になりますると、アメリカは同じように一株で計算しますから五千四百円、日本の場合には八百六十円と差があるのですね。
 この実態から見て、この手数料は、委託手数料の場合にはアメリカよりも日本は安いし、委託手数料は、小口の株売買の大衆投資家も入ってくるのですから、私はこれは今のこの固定制度でやっていくことがまず第一、小口に対しても大口に対してもいいのではないかということと、これをフリーにいたしますと、中小の証券業者はとてもじゃないが、今度大手が補てんをやったごとく、中小には手数料の値引きその他でサービスができなくなって、これはもう当然中小は行き詰まってしまう、こういうようなこと。それから、時にはこの委託手数料を、では損失補てんに隠れみのとしてまけてあげますよ、これも可能性があるのです。と同時に、今度は引受手数料につきましては、これは現在でも自由化されておるわけです。ですから、これもアメリカと比較いたしますると、アメリカが大体四円、五円に対して、日本の場合には大体三円程度から一円五十銭ぐらいになるのです。安いのです。しかし、これは現在でも自由化されておりますが、これは引き受けの場合ですから新発債の場合に当たりますので、この新発債を引き受けておりまするのは現在、この三年間調べてみましたら、六十九銘柄の新発債に対して六十七銘柄が四大証券。そのうちの二十二社が、これが野村証券。まさに四大証券が独占しておるのが実情なんです。
 私はこういう実態から見ても、この際はこの手数料につきましては、ただ自由化すればいいのだということは到底考えていらっしゃらぬと思うけれども、自由化しただけではむしろ今申し上げたような危険とそして将来の不安を与える、こう考えるわけです。
 いま一つは、これも時間の関係で全部まとめて質問いたしておきますが、この証券・金融委員会をおつくりになったわけですが、これが先ほど冒頭に申し上げた換骨奪胎といいますか、いわゆる鈴木会長の最初の意気込み、しっかりやるぞというのが結果的には大蔵省の傘下になったじゃないか、こういう批判を免れないと私は見ておるわけですが、これはどう考えても、いろいろな諸案件についてそれぞれの起案、建議、勧告、これを大蔵大臣にやらせるというこの仕組み。この証券・金融委員会をおつくりになるという構想なんですが、この証券・金融委員会は言うなれば大蔵大臣の傘下であるということ。委員の任今も大蔵大臣である。それは言葉の上では、そういうふうになる、中立、独立、透明性を確保します、言葉では言えるのです。ところが、その上で決裁をする、判こを押す者が大蔵大臣なら大蔵省の傘下で、そんなもの当たり前なんです。
 私は大蔵省も信頼しておるけれども、今までの経過から見て、この際は私は、これは行政法三条に基づく外局で、別な、公正取引委員会のようなああいう委員会にして、アメリカのSECをまねしようとは断じて言いません、アメリカはアメリカのものなんです。私は、日本の証券・金融委員会をつくって、そして世界に範たるものをこの際つくるには、大蔵省の傘下でなしに別枠でなければいけない。ましてや今の調査能力から判断いたしましても、とてもじゃないがこれではできるのかどうか、こう心配をいたしておる次第ですから、この際、この証券・金融委員会でいろいろ構想を提示されましたが、この中身について、鈴木会長は日経連その他でもばしばしとおやりになってきたわけです。その勢いできちっとこの証券・金融スキャンダルを、これを大掃除できる構想をこの際お示しいただいて、今の行革審の中身についての質問をいたします。
 それから追加です。この手数料の問題については大蔵省も答弁してください。

発言情報

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発言者: 渡辺嘉藏

speaker_id: 27523

日付: 1991-09-26

院: 衆議院

会議名: 証券及び金融問題に関する特別委員会