証券及び金融問題に関する特別委員会

1991-09-26 衆議院 全252発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成三年九月二十六日(木曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 大野  明君
   理事 衛藤征士郎君 理事 戸井田三郎君
   理事 中村正三郎君 理事 穂積 良行君
   理事 松永  光君 理事 加藤 万吉君
   理事 中村 正男君 理事 草川 昭三君
      浅野 勝人君    粟屋 敏信君
      魚住 汎英君    遠藤 武彦君
      尾身 幸次君    奥田 敬和君
      金子 一義君    木村 義雄君
      笹川  堯君    田中 秀征君
      津島 雄二君    野田  実君
      松本 十郎君    村井  仁君
      村上誠一郎君    山下 元利君
      小野 信一君    大木 正吾君
      佐藤 恒晴君    沢田  広君
      仙谷 由人君    細谷 治通君
      堀  昌雄君    松浦 利尚君
      渡辺 嘉藏君    日笠 勝之君
      冬柴 鐵三君    正森 成二君
      中井  洽君    楢崎弥之助君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 橋本龍太郎君
 出席政府委員
        警察庁刑事局長 國松 孝次君
        総務庁長官官房
        審議官     稲葉 清毅君
        総務庁長官官房
        審議官     田中 一昭君
        法務大臣官房審
        議官      永井 紀昭君
        法務省刑事局長 井嶋 一友君
        大蔵大臣官房長 篠沢 恭助君
        大蔵省主計局次
        大蔵省主計局次
        長       涌井 洋治君
        大蔵省主税局長 濱本 英輔君
        大蔵省理財局長 寺村 信行君
        大蔵省証券局長 松野 允彦君
        大蔵省銀行局長 土田 正顕君
        国税庁次長   冨沢  宏君
        文部大臣官房総
        務審議官    井上 孝美君
        厚生省年金局長 加藤 栄一君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (日本証券業協
        会会長)    渡辺 省吾君
        参  考  人
        (臨時行政改革
        推進審議会会
        長)      鈴木 永二君
        参  考  人
        (東京証券取引
        所理事長)   長岡  實君
        参  考  人
        (日本証券業協
        会専務理事)  関   要君
        証券及び金融問
        題に関する特別
        委員会調査室長 兵藤 廣治君
    —————————————
委員の異動
九月二十六日
 辞任         補欠選任
  水田  稔君     佐藤 恒晴君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 証券取引法及び外国証券業者に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出第四号)
 証券及び金融に係る不祥事の再発防止に関する
 決議の件
     ————◇—————
この発言だけを見る →
大野明#1
○大野委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、証券取引法及び外国証券業者に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として臨時行政改革推進審議会会長鈴木永二君、日本証券業協会会長渡辺省吾君、日本証券業協会専務理事関要君及び東京証券取引所理事長長岡實君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
大野明#2
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
この発言だけを見る →
大野明#3
○大野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺嘉藏君。
この発言だけを見る →
渡辺嘉藏#4
○渡辺(嘉)委員 渡辺嘉藏です。委員長のお許しをいただいて質問いたしますが、今回の証券・金融スキャンダル発生以来幾多の審議がなされまして、この緊急な証券取引法の改正案が審議されることになったわけですが、私は、これでは、国民には気の遠くなるような巨額の金が動き、一部に利を与え、額に汗して働く国民、正直者がばかを見るようなこの現状から、この改正案では仏つくって魂入れず、まさに形だけのもので、国民の期待したものとは大きく外れていると思い、本心は賛成しがたい中身でありまするが、以下質問をしながらただしていきたいと思っております。
 まず第一に、今回の一連の損失補てんでありますが、まず損失補てん、その中身について検討しないと出発点にならぬと思うわけですが、この中身を見ますると、この七月の二十九日に公表されました四大証券のリストで十億以上の補てんをいたしました先三十九件を調べたわけですが、そのうちには、損失はないけれども利益の上乗せをして利回り保証をしておるところが六件、金額にして百九十六億五千三百万円、損失はあったけれども補てんをしたので利回り保証と結果的にはなったところが三十一件、二百十三億三百万円、補てんを受けたけれどもまだ赤字のところ二件、こういう結果になったわけです。
 この際、巷間で騒がれておりまするが、年金事業団を初め学校共済、昭和シェル、警察共済、小松ファイナンス等々、数点を挙げましたけれども、これの損失額と利益額そして補てん額はどうなっておるのか、お示しをいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
松野允彦#5
○松野(允)政府委員 御指摘のように、十億円以上の損失補てんが行われたケースの中で、損失額以上の利益の上乗せをしたものが六件ございます。その各六件につきまして、利益あるいは損失の発生額と補てん額について、六十三年九月期から二年三月期までのトータルの数字でお答え申し上げたいと思います。
 まず、年金福祉事業団でございますが、これは利益の発生額が百八十八億二千三百万円、補てん額は四十九億四千百万円でございます。それから昭和シェル石油が、三期通しまして利益の発生額は十三億七千万円、補てん額は四十三億八千九百万円。それから南紀観光が、利益の発生額は三十五億五千九百万円、補てん額が十二億五千百万円。警察共済組合は、利益が十八億七千二百万円、補てん額が十四億四千六百万円。公立学校共済組合、利益の発生額が九億六百万円、補てん額が三十七億一千六百万円。それから小松ファイナンス、利益の発生が四十九億八千五百万円、補てん額は十四億一千万円ということになっております。
    〔委員長退席、衛藤(征)委員長代理者席〕
この発言だけを見る →
渡辺嘉藏#6
○渡辺(嘉)委員 今ずっとお話しになりましたこれはほんの一部分ですが、お聞きのとおりこれでは明らかに利回り保証なんですね。特に公共、共益法人がすべて上乗せをされておるということ。
 こういうふうに考えますると、上乗せ保証をしながら行ったこの損失補てんは、これはまさに損失保証そのものではないか。すなわち、保証と補てんとは違うということは何回もおっしゃったが、これはまさに机上の空論だと私は思う。なぜか。現場ではノルマが課せられ、それの達成のためには大変な労働過重で際どい営業をやっておる第一線、これが一定の利回りをある程度暗黙で約束しながら、補てんしないわけにいかない。だからこの前の野村証券の専務会でも、現場のその声によって上層部も渋々通達を無視しながら補てんをする、こういうことになるわけですから、保証と補てんとはまさにこれは一体なものであって、だれも喜んで身銭を切る者はないわけなんです。
 こういうふうに考えますると、補てんはまさに保証の実行段階であって一体であると思うのです。そうするならば、保証を禁止しておる今日の証券法で十分これは対応、取り締まりができるのではないか、これはむしろ大蔵省がやらないんじゃないか、こういう疑惑を私だけじゃない、国民も持っておるということです。この点について明快な御答弁をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
松野允彦#7
○松野(允)政府委員 御指摘のように、損失が発生していないケースで補てんといいますか利益の上乗せが行われているケースがあるわけでございます。私どももこういうケースにつきましては、その題の事情について現在検査でも特に重点を置いてその事情を調べているわけでございます。
 ただ、御指摘の損失保証との関係でございますが、現行法では損失の全部または一部を負担することを維して勧誘するという行為が禁止行為になっているわけでございます。これは勧誘段階での禁止行為でございまして、我々現在検査でも調べてはいるわけでございますが、勧誘の実態あるいはその中においてこういう約束、保証が行われたかどうかという点についての確証を得ることは、実際問題として非常に難しいわけでございます。もちろん、状況を見てそういうことを推定できるといいますか、そういう疑いがあるというようなことはあるわけでございますが、やはりこれは事法律違反を認定する行為でございます。損失補てんが、あるいは利益の上乗せがあったからといって直ちにそれが損失保証があったというふうに断定するということはなかなかできないわけでございまして、そういったこともございまして今回法律を改正して、事後的な損失補てんについても刑罰の対象とするという法律改正をお願いをしているわけでございます。
 私ども検査では全力を尽くしているわけでございますが、今申し上げましたような事情でなかなか、今禁止されております損失保証による勧誘行為というものの確証を得られないというのが実情でございます。
この発言だけを見る →
渡辺嘉藏#8
○渡辺(嘉)委員 いろいろとこの点については審議、論議が尽くされたわけですが、しかし今申し上げたように、この上乗せそのものもしておる、こういうところから見てこの内訳は、野村証券が、これが利益の上乗せをしたのが百五億八千百万、これは三社に対して行った。それからそのほか二社に対しては、補てんをしたことによって二十三億四千四百万円の利益が出ておる。大和証券については、五社に対して補てんをしたことによって四十三億七千四百万円の利益が出ておる、受けた五社について。日興については、二社に対して利益の上乗せが五十一億六千二百万円ある。この中に今おっしゃった学校共済、警察共済等も入ってくるわけですが、それに補てんを受けたことによって七社の人々が四十七億四千三百万円のまた利益を受けておる。山一についても、利益を受けたところが十四億一千万円、十一社は補てんを受けて、後ほどから申し上げますツムラ、津村建物その他六社の分も含めますると、これについては十億以上で計算いたしますると、補てんを受けたことによってこの十一社は百億の利益を上げておる。そのほかも含めまして先ほどの数字になるわけですが、こういう中身。
 それから、先ほどもお聞きいたしましたが、小松ファイナンスについてもう一度聞きますが、これは東急株を日ばかり取引で大量にやっておるわけですが、先日もこの点については論議がありましたが、大蔵省の調査資料によりましても、元年の十月に日ばかり売買で五日間に二千七百五十七万株の取引が行われた。一日にして平均五百五十一万株動かしているわけですが、百円もうげたところでこれは三十億に近い利益が出るわけなのですね。これは普通ではできないというのです。いろいろ専門家に私は聞いてみたのです、こういうことができるか。不可能だというのです。証券会社がやらなきゃできないことだ。とするなら、この小松ファイナンスに与えられた利益は三十一億二千五百万円ですが、これは明らかに損失補てんだということが言い得るのではないか。かように考えますると、この小松ファイナンスも赤字ではない。利益が出ておる。利益が出てこのような補てんをまた受けておる。トータルいたしますると四十五億三千五百万円なのです。
 こういう中身から判断いたしますると、さきに公表されました自主発表、四大証券その他の自主発表についてはいろいろ問題があるんじゃないか、こう思うわけなんですね。特にこの今申し上げましたような中身から判断して、私はこれはどう考えたって保証を裏づけたものが補てんなんだ、一体なんだ、これはだれしも否定できないんじゃないのか。大蔵省は頑固にこれを否定されるけれども、これはもうやる気があったらこれでやれるはずなんだ、こう思うのですが、重ねて、どうです。
この発言だけを見る →
松野允彦#9
○松野(允)政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、私どもも利益の上乗せのケースにつきましては特に問題意識を持って調査を続けているところでございます。中には補てん先からもその間の事情を聞くというようなことも行って、現在検査の中で詳細にその間の事情を調査しているわけでございます。
 ただ、先ほども申し上げましたように、やはり法律違反ということを認定することになるわけでございまして、そういう状況から見て、その補てんの必要性といいますかそういう観点から非常に疑問があるということは事実でございますが、法律違反行為、五十条の損失保証の禁止に該当するという認定をするにはやはりそれだけの証拠がないとできないわけでございまして、全力を尽くしてその事情を調べ、あるいは顧客先から事情も聞きということで調査をしているわけでございますが、現在までのところ法律違反行為があったということを認定できるだけの材料が集まっていないというのが事実でございます。
この発言だけを見る →
渡辺嘉藏#10
○渡辺(嘉)委員 私は、これは大蔵省、前にもお願いしたときに、質問したときに、いや、検査したけれどもわからなかったという答弁ばかりだったのですが、私はそのときに、大蔵省の検査というものは何だろう、こう思ったことがあるのです。国税庁なんかで税務調査やられるときには全部ひっくり返してきちっと調べる。証券局の調査は何をやっているんだろう。こんなことだから癒着しておる、こう言われるんだと私は思うのです。何しろ約束がないのに補てんするはずないんだ、補てんしたということは必ず約束があったからなんだ。そんなことは当然なんです。私はそういう意味で、この点これ以上は論議しておってもこれは時間の空費ですから言いませんが、やるときにはやはりきちっとやっていかないと、今度の新しい行革審からいろいろな答申も出ておりますが、やはり大蔵省ではだめなんじゃないかという国民の声が出てくる。
 そこで、補てんの手法を今度調べてみると、またこれは千差万別なんですね。一日にして二十一億七千三百万円利益を上げた日立、二十二億上げたツムラ、二十億七千七百万円上げた阪和興業等々、一日にして二十億ばっともうける。反面、今度は年金事業団、二十七回に分けて四十九億四千百万円、学校共済は四十回に分けて三十七億一千七百万円、トヨタに至っては百十二回に分けて二十一億八千六百万円。中には赤字でマイナスの分まで補てんの中へ入っておる。丸紅等には国債の先物で七百万円の赤字五口も入れてある。こういう巧妙な補てんのやり方に基づいて自主公表がリストとして発表されたわけですね。
 私は、この中身はもうとてもじゃないが信じられぬじゃないか。今度のものは大蔵省がきちっと特別検査でやられたからこれはともかくとして、その以前の自主発表というのは、これはもう一遍再検査の上公表し直さないと、ぬれぎぬを着たところもあるだろうし、あるいはまた、まだ隠れておるところもあるだろうし、この際はもう一遍やり直してこの公表のし直しを、前回の分はやり直さなければいけないのではないかと思うのですが、いかがですか。
この発言だけを見る →
橋本龍太郎#11
○橋本国務大臣 今委員の御指摘も踏まえまして、御指摘の二年三月期以前の自主報告の確認につきまして、一昨日大手四社に係る三年三月期の損失補てんについての中間報告をいたしましたわけでありますが、引き続きその自主報告分の調査、確認という作業について努力をしていきたいと思います
この発言だけを見る →
渡辺嘉藏#12
○渡辺(嘉)委員 じゃ、ぜひひとつお願いをいたします。そして公表してやっていただきたいと思います。
 次に、それと関連してきますが、今度は年金事業団でございますが、これは野村証券からこの間に補てんを受けた金額は、先ほど発表になったとおり利益も莫大だが補てんも最高である。これはもう御案内のとおりですね。もう繰り返しません。問題は、そこで、これはだれが負担していったかということですが、この点につきましては八月二十八日の議事録によりますると、この補てんの認識についてかなり違った認識が大蔵省と厚生省の間に出た。私はこの議事録を読んでみて、どう考えてもこれは、厚生大臣は食い違っておらぬ、こうおっしゃっておるが、大蔵大臣の答弁を読んでおるとこれまた食い違っておる。これはもう明らかに食い違いが出ておるわけですが、なぜかということは、年金事業団は補てんを受けた認識はないと言う。ところが大蔵省の方では、いやいやこれはもう検査の結果、税務調査を含めて補てんなんだ、こういうことなんですね。
 そこで、年金事業団の、ではどういうふうに補てんを受けたかという中身を全部調べてみたんです。そうすると、先ほど申し上げたように、二十数回にわたって細かく国債の売買によって利益を受けておるわけですが、利益を受けたそれの伝票がこう来たわけです。こういうふうで売買の結果を報告いただきました。
 この結果を見ますると、そうするとこの売買によって一日の利益が、その国債を一つ動かしただけで三億、四億という利益がここへ出てくるんですよ。異常なんです、こんなことは。だからこの伝票を見ておれば、五人も専門家がいらっしゃれば、そんなものこの伝票を見ておれば、こんなもの異常だと。そして、こんなものが莫大な量があるわけですが、これはこの一つの抽出ですが、そういうものを一々一つの銘柄、これ買います、あれ売ります、これどうする、そんなことをやっておるはずはない。これは私の類推です。電話で問い合わせが来る、だから電話でお答えをする、こういうようなやりとりだというのですが、私は、そんなことは一々行われておるわけじゃない、全部が全部行われておればこれだけの膨大な量ですから。そしてその中に、こういうふうに伝票ではっきりと、一つの国債を動かしましたと。一つの例でいけば、百十回債あるいはまた百十九回債、この国債を動かした。五百億円、九百億円、それぞれ動かした。そして、これが一日に四億利益が出た、三億五千万利益出た。出ておるんですね、事実、この伝票ずっと見てみると。これは年金事業団が幾らこれを知らないと言ったってそんなこと知らないはずがない。こんなものは利益の上乗せに決まっておる。
 厚生省と大蔵省、それぞれ御意見を承りたいと思います。
この発言だけを見る →
加藤栄一#13
○加藤(栄)政府委員 年金福祉事業団の取引の件でございます。
 先生おっしゃいましたように、年金福祉事業団におきましては国債その他公社債の取引及び預貯金を主体として自家運用をやっております。それで、税務当局の御指摘及び証券当局の御指摘によりますれば、二十七回の取引がいわゆる損失補てんということで指摘されているわけでございます。
 これにつきまして、私ども厚生省の御説明といたしまして何回か御説明いたしたわけでございますけれども、今回の件につきましては、税務上の立場からは、これらの取引による年金福祉事業団の収益につきましては、証券会社の売買損ではなくて事業団に対する利益供与に当たるというふうにして更正決定をされました。また、証券行政上は、それがいわゆる損失補てんであるという御判断をされたものでございまして、これについて厚生省といたしましては何ら否定しているわけではございません。それぞれのお立場からのそういう御判断があったということでございます。
 それで、事業団のサイドから見ますと、東京証券所のルールの範囲内での取引でございまして、それらを、当時も、あるいは事後的に今御指摘のありましたような資料を見ましても、いずれもそういう一定のルールの範囲内に当たるものでございます。確かに非常に大きな金額の取引でございますので収益も金額としては大きいわけでございますが、東証ルールで決めております上下二%の範囲、しかもさらにそれの大体二分の一以内に大部分おさまっておりまして、そういう意味で、御指摘を受けたような不公正な取引であるということを認識できなかった、こういう表現で申し上げて走ります。いわゆるまあ察知できなかったのだと。また、事業団については、そういう認識ができる期待可能性もなかった、こういうことを言っておりますので、厚生省として、税務当局の決定でありますとか証券行政上の判断を否定しておるものではございません。
 当然でございますが、厚生省といたしましては、高齢化社会を控えまして将来の年金財政に資するために年金資金の安全かつ効率的な運用に最大限の努力をしているところでございますが、受託機関等が税務上や証券行政上において不公正だとみなされるような行為をしてまで事業団に対して利益を上げる取引をしてもらうというような所存は全くございませんので、かりそめにも不公正なものと疑いを招くような取引をすることのないように受託機関等に対し周知徹底をしているところでございます。いずれにいたしましても厚生省としては、今回の証券取引法改正等で取引のルールがさらに確立されますということでありますので、それを遵守して公正な取引を守ってまいりたい、かように考えております。
この発言だけを見る →
渡辺嘉藏#14
○渡辺(嘉)委員 学校共済のさきの公表分が五十九億四千九百万円ですね。今回は大蔵省の特別検査ですから、前とはちょっとまた中身の違うものが出てきたわけですね。今度は大蔵省の特別検査によって出てきました。これが先日橋本大蔵大臣の中間報告によって証券業協会が発表されたわけですが、これによると十四億八千百万円、トータル七十四億三千万円が補てんを受けたわけです。これはちょっと問題だと私は思うのです。年金事業団は今回は出てこなかった、学校共済はまた出てきた。その他の共済もずらっと出てきた。
 現在も学校共済においては特金を千七百二十二億円行っていますね。これは間違いないと思いますが、また確認いただきますが。問題は、昨年の六月の十五日に、損失を補てんしないという確認書をとっているわけですね。これがその確認書の写しですが、この確認書によりますると、公立学校共済の理事長、加戸さんですか、加戸さんと、それから日興証券の岩崎社長とが契約をしておる。この中には、明らかに、一任勘定は行いません、損失の補てん、利回り保証等特別の利益提供の約束または特別の利益提供の実行について甲は乙に一切求めず、また乙はこれを行わない、はっきり書いておる。ところが、今度の大蔵省の検査によってもこれがまた日興証券から十四億八千百万円出てきたというわけです。この補てんを受けたのが昨年の七月と九月に行われておる。こんなばかなことがどうして学校共済とあろうものができるのか、この点について学校共済としては補てんを受けたという認識があるのかどうなのか、この点、まずこの事実の確認と一緒に承りたい。
この発言だけを見る →
井上孝美#15
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生からお話がございました点でございますが、まず、公立学校共済組合につきましては、九月二十四日に日本証券業協会から発表されました追加分についての事実関係については、現在公立学校共済組合に調査を指示しているところでございますが、公立学校共済組合が日興証券からとりあえずの報告として聴取したところでは、損失補てんとされた取引は主に債券先物取引であり、時期は平成二年七月から同年九月の間で、総額十四億八千百万円であるというように報告を受けているということを聞いているところでございます。しかし、共済組合からは、今回の損失補てんにつきましては、ただいま先生からお話がございましたように、平成二年六月十五日に公立学校共済組合と日興証券との間で「特金勘定取引に係る確認書」、いわゆる損失補てん等を行わないという確認をした後に、平成二年の七月から九月にかけてこのような損失補てんが行われたということでございますので、公立学校共済組合としてもそういう事実関係については驚いているというコメントを総務部長名で発表したところでございます。
 私どもとしても、このような公立学校共済が損失補てんを受けていたとされた事実を厳粛に受けとめておりまして、このようなことが再発しないよう最善の努力をすることが監督官庁としての責務であるというように考えているところでございます。文部省といたしましては、今回の事態にかんがみまして公立学校共済組合を指導いたしまして、同組合の残っておりました営業特定金銭信託につきましては八月十一日にすべて投資顧問契約つき特定金銭信託に切りかえて、このようなことが今後起こらないように措置を講じたところでございます。したがいまして、私どもとしては、このような事実が起こったことを非常に残念に思い、今後そのようなことが再び起こらないように適切な指導を行っていきたい、このように考えておるところでございます。
この発言だけを見る →
渡辺嘉藏#16
○渡辺(嘉)委員 ここに二年二月二十一日の先物取引の伝票の明細があるわけですが、この明細によりますと、二十一日一日に二百五十九億の売買が成立しておるわけです。そして利益は一日に五億九千二百万円上げておるわけですね。こんなもの異常に決まっておるわけですよ。だから、文部省がこれに気がつかないはずがない。そして今度こういうことをやっておる。まだ中間報告については、おとといですから、今私の手元にもやっとけさ内部資料が届いたばかりですから、九時五十分ぐらいでしたかな、私の手元へ届いた。だからとてもじゃないが見ておる暇がないので精査はしてありませんが、私は、今度の補てんもどう考えたって異常なことが行われた。とすれば、これだけのことがありながら、そしてわざわざ確認書まで交わしておきながら、これがまた出てきたということ、これは私は、文部省は重大な責任があると思うのです。
 そこでお尋ねしますが、補てんを認識したのかどうか、漏らしたのか、認識漏れなのか。もしも、知らない金が入ってきたんだ、売買を頼んだこともないのに——いいかね、売買頼んでなければこういうことは起きない。売買も頼んでないのに入ってきたという金なら余分な金なんだ。だれかが損したから、だれかが利益を受けるんだ。これは年金事業団でも一緒なんです。公共法人、公益法人が、だれかが泣いた金を利益の上乗せてもらう、これは私は国民の感情から見て合意はできない、こう思うのです。とすれば、このようなことが、やらない、もらいませんと約束しておきながら、いいですか、これは双務契約ですから、やらない、それをやった者も悪い。もらわないと言いながらもらった人も悪い。とすれば、当然こんなものは返還をして、その返還した金は、これまた適当に社会還元なりあるいはまたこれの救済なりなんなりに充てるべきなんです。
 こう考えるわけですが、この点について、文部省、厚生省それから大蔵省はこのようなことに対してどう判断をされるか。御所見をいただきたい。
この発言だけを見る →
井上孝美#17
○井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。
 まず最初に、今回の追加発表された分につきまして、取引の明細書等について、公立学校共済組合はそれを認識していたんではないかという御指摘についてでございますが、公立学校共済組合からは、株価指数先物取引は証券取引所において上場されていて、その売買は証券取引所において行われているので、売買価格がすなわち市場実勢価格であるため、また信託銀行から報告を受ける先物取引明細書では取引相手についての記載はないため、当時公立学校共済組合はそれら取引を損失補てんに当たる取引とは思い至らなかったということでございまして、そういう点で、今回の件につきましても私どもとして現在、公立学校共済組合になお詳細な事実関係について調査を要求しているところでございます。
 そこで、こういう損失補てん関係につきまして、私どもも公立学校共済組合に対してその事実関係等について詳細な報告を求めているところでございますが、今まで損失補てんを行ったとされた日興証券等五社分につきましては、各証券会社からの説明及び取引に関する資料の突き合わせによりまして、日本証券業協会から発表された損失補てん額に相当する取引が公立学校共済組合の資料に存在していることは確認することができているわけでございますが、その売買の相手方につきましては関係証券会社の元帳の閲覧を行うことができないということから、まだ最終的な確認をできないところでございます。そういう確認を待って、公立学校共済組合についてはその事実関係の全貌を報告するよう求めているところでございます。
 なお最後に、今回の損失補てんに関して公立学校共済組合についての対応についてお尋ねがあったわけでございますが、公立学校共済組合は御案内のとおり地方公務員等共済組合法等の適用を受ける地方公務員共済グループの一員であるため、年金資産に組み入れられた金額を支出する場合は、年金支給等を除き特別の規定が必要となるわけでございまして、同組合がその適用を受けている地方公務員等共済組合法等には、年金支給を除き、公立学校共済組合単独で行うことができる支出に関する規定が設けられていないわけでございますので、御指摘のような措置については現行法上はできないというように考えているところでございます。また、公立学校共済組合の事業は、退職した教職員に対する年金給付という極めて公共的な仕事をその任務としておりますので、かかる年金資金の場合、損失補てんを受けたとされる額を返還することが果たして適当であるかどうかということについても慎重に検討されなければならない、このように考えておるところでございます。
この発言だけを見る →
加藤栄一#18
○加藤(栄)政府委員 国民の貴重な保険料を財源として、公的年金資金の自主運用事業を年金福祉事業団は行っておりまして、その資金運用の信頼を損ねかねないような状況が生じましたことは大変残念に思っております。しかし、年金福祉事業団としては、野村証券、日興証券に対しましていわゆる損失補てんを事前にも事後にも求めたことは一切ございませんので、違法な行為ということは年金福祉事業団については言えないと考えております。
 また、自主運用事業によって得られました運用益は、将来の年金財政の基盤の強化あるいは被保険者の福祉の向上のための還元融資に貴重な財源となるものでございますので、このような観点から考えますと、広く被保険者、国民のために積立金として残していくということが適当ではないかと考えている次第でございます。
この発言だけを見る →
松野允彦#19
○松野(允)政府委員 御指摘のケースにつきましては私どもは、特に今回の特別検査におきまして把握しているところでは、証券会社からの報告では、これはお客の改善要求によるものであるというような報告を受けているわけでございます。
 確かに御指摘のように、非常に取引の形態が異常で、一方的に証券会社が損失を受けるという形態のものでございまして、これについて損失補てんであるという認定を特別検査で私どもがしたことについて、特に証券会社がそれに異論を持っているわけではございません。証券会社としては、もちろん客の要請があった、あるいは取引関係を将来にわたって維持するためというようなことでやむを得ずということを言っておるわけでございますが、御指摘のように確認書をとった後まで補てんをしているということは、私どもにとっても非常に大きな問題だというふうに受けとめているわけでございまして、いずれにいたしましても、特別検査が終わり、損失補てんの最終的な姿が確定した段階では我々として厳正に対応したいというふうに思っているわけでございます。
この発言だけを見る →
渡辺嘉藏#20
○渡辺(嘉)委員 厚生年金初め年金事業団の金、公立学校共済のそれぞれの金、額に汗して拠出した皆さんの金なんです。だからといってその一部を自主運用だということで、こういうことでだれかが泣きを見た金で補てんを受ける、利益の上乗せを受ける、その金をもらって、果たしてもらった受給者は喜ぶだろうか。これは国民的な立場で考えなければいけないのです。私は、自分の懐だけよければいいというものじゃない、そういう意味で、この自主運用については的確にこれからやっていただかなければいけない、こう考える次第でございます。
 しかし、時間がありませんのでこれ以上やっておれませんが、次に、損失保証は簡単なんですけれども、補てんをしようと思うと複雑巧緻をきわめなければならぬということは先ほど申し上げたとおりなんです。今回の改正でここが最大のポイントになってくると思うのですが、補てんは禁止する、一任勘定も禁止する、罰則を強化する、お客からも。これはいいのです。ところが、その基本になるのは、補てんとは何か、こういうことですね。これを今度は自主ルールということで証券業界、取引所等にその自主ルールをつくれ、こういうことでお任せになった。
 九月十日付の証券業協会から出ました自主ルールについての文書もずうっと見させていただいて、これは検討課題の段階だな。しかし今どのような案をこれはつくっておられるのか。それからこの定義について不明確なままで改正案をつくりましても、先ほど申し上げたように、仏つくって魂入れずとはこのことなんです。この際、本当なら、補てんとはこういうものをいうんだということで添付書類で出てきて、そして初めて審議ができるのではないか。
 と同時に、今の予定でいきますと、来年の一月の実施ということも聞いておるわけですが、そうすると、これを現場に周知徹底させる、二百数十カ所の証券会社、そしてその末端の外務員何十万、これに徹底しなければならぬわけですが、そうすれば少なくとももう出ておらなければとても間に合うものじゃないのですが、私はこれは大蔵省が本来きちっとつくって、意見を聴取するなら証券業界から聞いてもいいけれども、きちっと聞いてから、その上で大蔵省が決める、法律、政省令、そしてそれの実行を自主的に業界団体で監督させる、私はこれが正しいと思うのですね。これはやることが逆なんです、下請に任じちゃったような。
 私はこの点について、証券業協会の会長さん、本当にきょうは御苦労さんですが、ひとつその点についての、今どういう段階でどういう状況にあるか、時間がありませんので、申しわけないのですが要領よくひとつ御答弁をいただきたい。
この発言だけを見る →
橋本龍太郎#21
○橋本国務大臣 まず私の方からお答えを申し上げます。
 今委員が御指摘になりました条文は、既に御参照のように、証券会社につきましては、損失を補てんするため財産上の利益の提供の申し込み、約束ないしは提供を行うことをもって損失保証、補てんの定義といたしております。これは、一つは、何回かお答えを申し上げましたけれども、例えば行為類型を列挙するという形をとりましたときには、逆にその中にちょっとでも違っている部分があれば抜け穴利用という心配が出るというようなことも論議の中にありました。そして、過去の立法例を見ましても、例えば商法の四百九十七条で総会屋への利益供与の罪を規定しております条文、あるいは刑法二百四十七条の背任罪を規定しております条文、今回私どもが採用いたしましたと同じような条文の形態をとっております。これは私は、法制上むしろ全く問題のない、許される条文であると思います。
 問題は、委員は、その自主ルールというものについて直接的な関係を持たせるべきだという御指摘のように聞きますが、私は、やはり自主ルールというものは、これは、我々は自主規制団体に対してさらに整備をお願いしているわけでありますけれども、証券取引の公正円滑化という観点から、証券業務として正当なものと考えられる典型的なものを、行為を例示していただく、明示していただくというものでありまして、私は、この損失補てんの定義と直接的には関係はないという割り切りを必要とすると思います。同時に、委員の御指摘のように、自主ルールそのものの作成に大蔵省自身が関与をし、大蔵省自身がその作成の内容をいわばつかさどるような形、それはまさに、私は、市場に対しあるいは証券業協会に対し、行政の過剰介入という御批判を受ける行為ではないかと思います。自主ルールというものは、あくまでやはり業界自身がおつくりになる。ただ、その中に我々が見て完全であるかどうかという視点で法を運用する場合にチェックすべき点があることは、これは御指摘のとおりでありまして、直接的にかかわりはないという位置づけであろうと思います。
この発言だけを見る →
渡辺省吾#22
○渡辺参考人 ただいまの御質問にお答えいたします。
 私ども日本証券業協会は、御承知のとおり自主規制団体というふうに法律上規定されておりますが、ただいま皆様方に御審議をいただいております証券取引法の改正とちょうどいわば一体のような形で、自主規制機能を強化するということで符節を合わせるという役割をいただいておるものと存じておりますが、目下その自主ルールの作成に懸命に努力しておるところで、進行中でございますが、御承知のように証券会社の仕事というのは非常に多様でございまして、普通のディーリング業務とかアンダーライティング業務など多岐にわたっておりますけれども、それが、一瞬にして取引が執行されるといったような性質のものでございます。そうした正常な行動が、正常な業務が阻害されないようにするということも一つ大切なことでございまして、さもなければこの証券市場の円滑な機能を発揮できないということではないかと思います。それを踏まえまして、証券業務の知識あるいは経験を十分生かして、正常な証券取引とはどういうものかということで、それを自主ルールの形で明確にしなければならないというふうに思うわけでございます。
 先ほど申し上げましたように、目下鋭意その検討あるいは準備を進めておるわけでございますけれども、できるだけ早く成案を得まして、当然ですが行政当局とも協議させていただきまして、その自主ルールが証券業務として正当な行為であるという判断の際のガイドラインをつくる。これこれは正常な行為であって、それは当然のことですけれども証券業務として今後も活発にやってよろしいということで、法律との間にちょうど裏腹の形になるのではないかと思っております。どんな作業をしているのかということでございますけれども、現在の段階で非常に細かいことを申し上げられませんけれども、例えて申しますと、ディーリング業務との関連でございますと、先ほどからもお話がございましたが、例えば国借等の上場債券は上下二%といったような決まりがありまして、その値幅の制限の範囲内で行われた取引は基本的には証券業務として正当なものということになるわけでございます。しかし、所定の制限内の取引でございましても、例えば約定のお客と相対でごく短時日のうちに大量の売買を行って顧客に利益を与えるといったような……
この発言だけを見る →
衛藤征士郎#23
○衛藤(征)委員長代理 渡辺参考人、簡単に、質疑者の聞いたことを。
この発言だけを見る →
渡辺省吾#24
○渡辺参考人 はい、わかりました。
 そういうような点については、これは異常な取引ではあるまいか。それをどうしたら抑止することができるか、禁止することができるかといったような点もございまして、例えば短時日とはどういうことか、あるいは大量というのはどういう場合かといったようなことを今具体的に検討しているわけでございます。
 それから、これを周知徹底元文ということでございますが、これは大変大切なことでございますが、その点にも十分留意して作業を進めてまいっております。
この発言だけを見る →
渡辺嘉藏#25
○渡辺(嘉)委員 せっかくのうんちくですから本当はゆっくり聞きたいわけですが、時間がありませんので、恐縮です。
 と同時に、鈴木行革審会長さん、お忙しいところお出かけいただきましたので、以下質問させていただきますが、二十八時間にわたりましてこの審議が行われまして、私も議事録を要領、全部読ましていただきまして、御苦労さんでした。ただし率直に言って、最初の意気込みと中身とはちょっと違った印象を受けたことは事実なんです。これは世論もかなりそういう印象を受けていらっしゃると思うのです。
 そこでまず第一に、免許制度の問題については、将来の新規参入のことも含めながらいろいろな御意見が出て、将来の弾力的な運用について示唆していらっしゃいますが、私はこの免許制度について、長年の歴史その他も勘案、判断し、以前の登録制度から免許制度になった、これからどうするか。これらの歴史過程から考えまして、雨後のタケノコのようにどんどんと登録でできるんだということは、むしろ今日の混乱しておるこの社会の中でかえって証券・資本市場を混乱させるのではないか。かような意味で、ある一定の免許水準によって免許を与えていく、このことはやはり秩序の上で必要じゃないか。
 いま一つは手数料の問題ですが、この手数料につきましては、二つに分けまして委託手数料と引受手数料があるわけですが、委託手数料につきましては、私はアメリカその他のものと具体的に比較してみたのです。高いのか、安いのか、どうなっているのか。そうしますと、ここにもアメリカのウォール・ストリート・ジャーナル、ここにはっきりと日本との格差が出てきております。あるいはまたバローンズ誌という雑誌に載っております証券会社、これは大手ですが、これの手数料の広告が、私のところはこれだけ安くやりますというのが出ておる。これも全部比較いたしますると、仮に一つの例として申し上げますると、小口の場合にはアメリカで、私の計算で一株千円で換算いたしますると、手数料が百万円について二万七千円、高くついている。日本の場合には一万一千五百円なんです、小口の場合です。大口の場合になりますると、今度これが三億でいきますると、五千四百円がアメリカで、日本の場合には二千六百十円になる。十億以上になりますると、アメリカは同じように一株で計算しますから五千四百円、日本の場合には八百六十円と差があるのですね。
 この実態から見て、この手数料は、委託手数料の場合にはアメリカよりも日本は安いし、委託手数料は、小口の株売買の大衆投資家も入ってくるのですから、私はこれは今のこの固定制度でやっていくことがまず第一、小口に対しても大口に対してもいいのではないかということと、これをフリーにいたしますと、中小の証券業者はとてもじゃないが、今度大手が補てんをやったごとく、中小には手数料の値引きその他でサービスができなくなって、これはもう当然中小は行き詰まってしまう、こういうようなこと。それから、時にはこの委託手数料を、では損失補てんに隠れみのとしてまけてあげますよ、これも可能性があるのです。と同時に、今度は引受手数料につきましては、これは現在でも自由化されておるわけです。ですから、これもアメリカと比較いたしますると、アメリカが大体四円、五円に対して、日本の場合には大体三円程度から一円五十銭ぐらいになるのです。安いのです。しかし、これは現在でも自由化されておりますが、これは引き受けの場合ですから新発債の場合に当たりますので、この新発債を引き受けておりまするのは現在、この三年間調べてみましたら、六十九銘柄の新発債に対して六十七銘柄が四大証券。そのうちの二十二社が、これが野村証券。まさに四大証券が独占しておるのが実情なんです。
 私はこういう実態から見ても、この際はこの手数料につきましては、ただ自由化すればいいのだということは到底考えていらっしゃらぬと思うけれども、自由化しただけではむしろ今申し上げたような危険とそして将来の不安を与える、こう考えるわけです。
 いま一つは、これも時間の関係で全部まとめて質問いたしておきますが、この証券・金融委員会をおつくりになったわけですが、これが先ほど冒頭に申し上げた換骨奪胎といいますか、いわゆる鈴木会長の最初の意気込み、しっかりやるぞというのが結果的には大蔵省の傘下になったじゃないか、こういう批判を免れないと私は見ておるわけですが、これはどう考えても、いろいろな諸案件についてそれぞれの起案、建議、勧告、これを大蔵大臣にやらせるというこの仕組み。この証券・金融委員会をおつくりになるという構想なんですが、この証券・金融委員会は言うなれば大蔵大臣の傘下であるということ。委員の任今も大蔵大臣である。それは言葉の上では、そういうふうになる、中立、独立、透明性を確保します、言葉では言えるのです。ところが、その上で決裁をする、判こを押す者が大蔵大臣なら大蔵省の傘下で、そんなもの当たり前なんです。
 私は大蔵省も信頼しておるけれども、今までの経過から見て、この際は私は、これは行政法三条に基づく外局で、別な、公正取引委員会のようなああいう委員会にして、アメリカのSECをまねしようとは断じて言いません、アメリカはアメリカのものなんです。私は、日本の証券・金融委員会をつくって、そして世界に範たるものをこの際つくるには、大蔵省の傘下でなしに別枠でなければいけない。ましてや今の調査能力から判断いたしましても、とてもじゃないがこれではできるのかどうか、こう心配をいたしておる次第ですから、この際、この証券・金融委員会でいろいろ構想を提示されましたが、この中身について、鈴木会長は日経連その他でもばしばしとおやりになってきたわけです。その勢いできちっとこの証券・金融スキャンダルを、これを大掃除できる構想をこの際お示しいただいて、今の行革審の中身についての質問をいたします。
 それから追加です。この手数料の問題については大蔵省も答弁してください。
この発言だけを見る →
鈴木永二#26
○鈴木参考人 鈴木でございます。
 まず第一に、御質問の免許制についてでございますが、私は免許制を登録制にしろと言っているわけじゃございません。ただ、自由競争がもっと入るように、四十三年に制定されてから日本の証券会社で一社も入ってないと私は聞いております。そういうことでは、水はよどめば腐るわけです。ですから、私はここに競争原理を導入してぜひやっていただきたい。それには免許制でもいいと思います。ただ、もっと入るんです。基準を明確にして、そして入れる。事実、実績が入る、入ってきているということを示していただくということをお願いしておるわけでございます。
 それから、手数料の問題でございますが、これはいささか先生と見解が違うわけでございまして、やはり今度のいろんな利益還元の問題とかいうことも、自由化されておれば、むしろアメリカ式な自由化がされておれば、最初にネゴでその手数料というものは高過ぎる、低過ぎるというような折衝ができるはずでございます。そういうことで、私は見解の相違になって申しわけございませんが、手数料の自由化というものをすれば今度のような原因の一部は省かれたんじゃないかと思いますが、これについては大蔵省の方への御質問もございますのでその程度にさしていただいて、追加御質問があればお答えしたいと思います。
 それから、先ほど四大証券の話もございましたが、私どもの委員会でも、四大証券、準大手十社ですか、そういったことをどのようにしてなくすかという議論は相当行われました。しかし、それは結局、参入を認めるということ以外には今妙案がないという委員会の結論でございまして、自由競争を促進するということでございます。
 それから、証券・金融検査委員会について最初の意気込み、おまえどうしたんだ、日経連のときには大分大きな口をたたいていたじゃないかというお話ではないか、こう思うのでございますが、私は今も同じ気持ちでおります。ただ、今度の不祥事がなぜ起きたかということは、検査、監査だけで防げる問題では絶対ないという信念を持っております。それから、証券市場、金融市場というものは透明で公正で、そして世界の業者、投資家が日本の市場は自由競争で行われておる公正な社会であると認識してもらうことが大事だ、こう思っておりますので、私はそういう立場で、公的規制だけを強くしたらばいいと、絶対にそうは思っておりません。口幅ったい言い方でございますが、今度の銀行の不祥事でも、ごらんいただきますと、あれは大体支店とかいうところを舞台にしてやっております。大蔵省が、日銀がいかに検査をしたって、何万あるか私は存じませんが、あの金融機関の膨大なる支店を実際に調査して不正が防げると私は絶対に思いません。結局、銀行業界の方には悪いですけれども、今のバブル経済が銀行の感覚を鈍らせてしまったということに尽きると思います。結局それは銀行自身が、証券会社自身がその気になって意識改革をしてやってもらわなきゃならぬ。それから、ここに自主規制団体いらっしゃいますけれども、私は、自主規制団体が法律によって規制をすることを命ぜられているわけですから、仲間意識ということじゃなくてやるべきものはぴっちりやる。私は、アメリカのSECにしましても、それからイギリスのSIBにしましても、自主規制の上に公的規制が乗っかっているわけでございますので、私は決して、最初に第三者機関と申しましたのは誤解があったかとも思いますけれども、私は最初からSIB、SECということを念頭に、ただそれを置いておったわけじゃございません。SECもありますが、SIBもありますが、また今、今度提案しましたような八条機関というものに、最後それがいいと思ったのでございます。
 それは、不祥事件の総合的な原因と、それをするには新しく大蔵行政が、証券行政が業者行政、業者保護行政から完全に脱皮して市場行政というものに脱皮していただく、そうしてルールを明確にして法令化していただく、それでまた一部は自主機関のルールにしていただく、そうはっきりして、そして各会社、企業、私も企業の一員として大変申しわけないと思っておりますが、私は今のモラルの問題は、企業倫理の問題は本当に襟を正さなきゃならぬと思っておりますが、それと同時に自主規制団体が本業に立ち返っていただきたいと思います。決して仲よしクラブであっては絶対にいけないと思います。そうしましたらそれはできません。銀行業界でもそういうことはあります。私は銀行業界は任意団体だと思っておりますが、そういった自主規制は規定にはないと思いますが、ぜひ宮主規制団体になっていただきたいと私は希望いたしております。
 そういうことで、大蔵省の証券行政と今度中立を守ります、守っていただきます新機関とは、検査・監視は全然別の命令系統で動いていきますけれども、その大蔵省の証券行政という、全体の立場をどのように確立していくか、業界も含めて、やっていくには、縁のないグループでは困ると思うのでございます。私は、そういう意味で、時間がありませんからその点につきまして十分御説明できませんけれども、また後日時間をいただきましたら、出向いて御報告に参ります。
 私は、総合的な立場から証券行政を出直していかなきゃいかぬ、そういう立場で、二重行政と言われる別の三条機関ということも十分検討いたしましたし、諸先生方の御意見も十分拝読させていただいておりますけれども、最後踏み切りましたのはそういうことでございますが、ここで申し上げる必要はないと思いますけれども、とかく言論界でも、私が大蔵省の説得に倒れたというようなふうに言われますけれども、私は絶対そうじゃございません。もし、そういうことでございましたら、いつでも御説明に参ります。私は、大蔵省からは、行政の中に監査機関を置くという話を最初独自におやりになったときに聞きました。それは無理です、この世論というものを考えていただけば、それはだめです、それは外ですということを言い続けてきたことでございます。それ以外にどうしろということはありません。八月十五日に大蔵大臣から、おまえに任すと言われたんです。任すと言われた以上、いろいろ言われる義理合いはないわけであります、私もそれで報告しておりますので。言葉は悪うございましたけれども、御了承いただきたいと思います。
 それから、中小企業証券会社並びに小口投資家についての配慮は私も必要だと思います。方向を間違えぬように、手数料も認可制、許認可制——ちょっとど忘れしました。それは、方向として自由化の方へ持っていっていただかなければなりませんが、過渡期としてはそういうことは十分配慮していただかなきゃならぬと思っております。
 それから、最後で申しわけございませんが、先ほどの大蔵大臣任命でございますけれども、国会の了解、承認をいただくということになっておりますので、先生方の御了解がなければ絶対に人事は動いていかないはずでございます。私どもとしましては、口頭でございますけれども、司法関係の最高の位におつきになった方にぜひこの委員長はなっていただきたい、委員の方も、大蔵省の方じゃなくて公認会計士協会の最も信頼のある方とか監査役協会の信頼のある方とか、そういう第三者にぜひなっていただきたい。それから、特別の任務を帯びるわけですから、こちらの機関の方は、特別の訓練、教育を徹底してやっていただくようにひとつ先生方にもこの機会を利用してお願い申し上げたいと思います。
 何か足らないことがありましたら……。
この発言だけを見る →
渡辺嘉藏#27
○渡辺(嘉)委員 終わります。ありがとうございました。
この発言だけを見る →
衛藤征士郎#28
○衛藤(征)委員長代理 これにて渡辺君の質疑は終了いたしました。
 次に、仙谷由人君。
この発言だけを見る →
仙谷由人#29
○仙谷委員 鈴木会長から、いわばこの特別委員会のまとめになるようなお話をお伺いしましたのですが、そして、私が少々細かい話をさせていただくことになりますので恐縮なんでありますが、先ず大蔵大臣、一昨日この委員会で発表いただきました九一年三月期の損失補てんの件でございます。
 まだ余り詳しく検討してございませんのですが、そして、より詳しい資料もいただかなければならないというふうに考えているところでもあるわけですが、例えば日興証券岩崎副会長が証人としてこの委員会に出頭されて、九〇年の三月期に通達に反しておることがわかっていながら補てんをした、そして大蔵省から通達に反しておる、違反しておるということで厳しい御叱正を受けたということを証言をしておるわけでございます。ところが、中身を見てみますと、にもかかわらず日興証券、随分多額の補てんをしております。さらにかてて加えて、例えばトーメンに対する補てんというのを、これを拝見いたしますと十三億一千百万円でございますが、二月八日、つまり九〇年の二月八日に確認書を入れておる。それから、にもかかわらず、いつなのか明確ではございませんがいその後にまたまた三年連続で十三億一千百万円の補てんを受けたことになっておるわけでございます。丸紅も同様に九〇年の三月期に続いてことしの三月期、十三億八千七百万円の補てんを受けている。これは昨年の三月期に営業特金を解約して残りを顧問づき特金に、投資顧問をつけた特金に移管をしたというふうに大蔵省から言われておりますが、にもかかわらず、投資顧問がついても次の期に十三億八千七百万という、こういう補てんを受けておる。先ほど同僚議員からも質問ございましたけれども、公立学校共済組合も、同様に確認書がありかつ顧問つきに移管をしておるにもかかわらず、連続して補てんが行われているというふうな事例も見られるわけでございます。
 通達が出て、証人喚問の証言などを聞いておりましても、九〇年の三月期については、株価の急激な下落、あるいは営業特金を早急に解消しなければならないという事情があって、やむを得ず通達違反の行為に及んだんだ、そういう弁解をされておって、多少の情状酌量の余地があるかなというふうにも思わないでもなかったわけでございますが、確約書を入れて顧問づきに移管をしながらこれらの大会社が補てんを受ける、日興証券が補てんをする、こういういわば通達を無視し、本当だとすれば大蔵省の厳しい御叱責もすべて無視し、大蔵省を歯牙にもかけないというふうなことが証券業界と事業会社の間で行われたということになるんではないかと思います。この点について、大蔵大臣、改めて御見解をいただきたいと存じます。
この発言だけを見る →
← 戻る