細川律夫の発言 (本会議)

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○細川律夫君 日本社会党・護憲共同を代表して、お尋ねをいたします。
 私は、政治改革関連三法案のうち、専ら政党助成法案を中心にお伺いをいたします。
 一昨日から、政治改革の論議がこの議場でなされております。三つの法案の行方を国民が見守りております。政党助成法案についても、なぜ三百億円もの大金が政党に出されるのか、あるいは、立法事務費が出されているのに、なぜ政党にさらに追加のお金が出されるのか、国民は素直な、率直な関心を持っているのであります。政治にほお金がかかります。しかし、政治に金がかかるからといって、そのお金を国が肩がわりできるものではありません。
 政党は、そもそも志を同じくする私的な人々の集まりであり、その政治資金は、本来党費や事業収入、個人献金によって賄われるべきであります。なぜ、そのような政党が国から公的助成を受けることができるのか。それは、現在の政治状況、すなわち企業と政治家の癒着、そこから引き起こされる不公正な政治、汚職、これに対する国民の政治不信、これらの政治状況を解消し、そして民主的な政党政治を確立するために政党にお金が出される、このように考えるものであります。(拍手)
 私は、政党助成法案を検討するに当たり、次のことは十分配慮しなければいけないと思っております。
 それは、国民の納得であります。国が政党にお金を出すということは、国民から見れば、政治的な意見が違ったり、あるいは政党支持が還りても、政党への寄附を税金の徴収によって強制をさせられるということであります。したがって、国民の十分な納得が必要であります。そしてまた、政党助成は、政党の努力なくして収入になるものであります。この政党助成金が政党の政治資金の安易な調達方法になったり、あるいは、これによって金権体質あるいは金権腐敗の政治を助長、増大させるものであってはなりません。政党が国民の税金から助成金をもらう以上、政治家は襟を正し、政治を行うための条件、清潔な政治を行うためにみずからを厳しく戒めなければならない、そのような内容にしなければならないと思います。憲法で保障された国民の結社の自由、これらの政治的自由が侵害されないように、これまた十分配慮されなければならないところであります。
 以上のような観点から考えますと、まず、国から政党が助成金をもらう前提として、すべての企業献金を禁止をすること、これが最も大事なことであります。(拍手)
 見返りを期待しない、あるいは要求をしない企業献金はありません。大口であればあるほどその期待は大きいのであります。献金を受ける政治家もこのことを十分承知の上で献金をもらっているのであります。リクルート事件で国民の政治不信は頂点に達しました。その不信はなお続いているのであります。今回の証券事件についても、国民は不公正な取引に怒りながら、損失補てんを受けた政治家はいないのか、いないはずがない、このように専ら国民の関心があるのでございます。
 私は、国民の政治不信を一掃し、政治への信頼を回復するには、企業献金の廃止しかないと考えます。そして、この企業献金の廃止を実効性のあるものとして担保するために、国民の税金を政党がもらう、国から政党助成金を受けるということにしなければならないと考えるのであります。(拍手)これまでどおり企業献金をもらい、その上にさらに国から助成金を受けるということは余りにも虫のいい話であります。
 私たち社会党は、今、政党交付金の交付に関する法律案をつくり、今国会に提案の予定でありますけれども、それには一切の企業献金、団体献金の禁止をうたっております。総理のこの企業献金禁止に関する御意見をお聞かせください。
 次に、いかなる政党が国の助成金を受けることができるか、適格政党の問題があります。これほ民主主義の観点から大変重要な問題であります。私は、これについて二つの質問をいたしたいと思います。
 一つは、国政選挙での政党の得票率、この問題であります。
 国から助成金を受けることでありますから、どんな政党でもよいというわけにはまいりません。無責任な泡沫政党や売名的な一人一党的な団体に国民の税金を交付するわけにはまいりません。一定の得票率をどうしても基準としなければならないのであります。しかし、この基準の設定いかんによっては、既成の政党を大変有利にしたり、あるいは小政党をいたずらに不利にし、さらには新党結成を難しくするなど、憲法で保障された結社の自由などの政治的自由を侵害することにもなるのであります。政府案では、選挙制度審議会答申の一%よりもさらに高い二%に基準を設定をしております。これは、昨年二月の総選挙での約百三十万人に相当する余りにも高い基準であります。私たち社会党が用意をしております法律案では一%と設定をしておりますけれども、なぜ二%の基準にしたのか、その根拠についてお尋ねをいたします。
 次に、政府案では、五人の国会議員が集まれば国の助成金が受けられるということになっております。
 総理にお尋ねをいたしますけれども、国政選挙で無所属で戦い当選をした五人が集まれば国から助成金が与えられるのでありましょうか。無所属の人は、選挙では政党の人として国民の審判を受けていないのであります。総理は、これまで、政党本位、政策本位の選挙にするのだと繰り返し述べてこられました。その政党の選挙をしてこなかった無所属の人がいかに五人集まったといっても、政党として国から助成金がもらえるのは何としても理解ができないのであります。総理の見解を伺います。(拍手)私たち社会党は、政党として選挙の審判を受けなければ政党にお金は交付されないということになっておることをつけ加えるものであります。
 次に、助成金の配分についてお伺いをいたします。
 助成金がどの政党にどのように配分されるか。この配分について、政府案では自民党が大変有利となっているのであります。
 まず、与党と野党は区別をして考えなければならないと思います。政府案では、政党の得票数と議員の数によって案分比例で機械的に各党に配分をするものであります。しかし、今の自民党と政府の関係からも明らかなように、与党自民党はより高度な良質な情報が容易に入手でき、しかも各省庁の官僚は強い協力者であります。したがって、機械的な案分比例は、国民の税金で与党自民党をさらに強くするものであることは明らかであります。民主的な政党政治を発展さすためには、与党そして野党を区別し、野党に十分な配慮をすべきだと考えますけれども、総理のお考えをお聞かせください。(拍手)
 次に、助成金の配分を議員の数によって算定の基礎にしよう、このことについて質問をしておきます。これでは自民党もまた大変有利であります。国民の意思は、国政選挙で政党の得票数によって端的にあらわれます。したがって、助成金の配分は国会議員の数ではなくて、各政党の得票数を基礎として計算をされるべきであります。
 政府案のように助成金の総額の二分の一を議員数によって計算をいたしますと、自民党にとっては大変有利であります。これまで議論されてきたように、小選挙区比例代表並立制を導入をいたしますと、自民党は四割台の得票で七割から八割の議席を有することが予想をされております。したがって、この議席をもとに助成金を配分をいたしますと、国民の意思以上に自民党に多くのお金が配分されることになります。このことは、自民党にとっては議席とお金で、まさに自民党有利の一石二鳥、両手に花となるものであります。
 総理は、政党本位の選挙を再三言われてまいりました。そうすると、各政党の獲得した得票数を基礎にして配分をすることがまさに合理的であります。私たちの社会党の用意をしております法律案も、まさにそのとおりであります。総理のお考えをお聞かせください。(拍手)
 以上、述べてまいりましたように、この法案は問題点も多く、自民党に大変有利であります。この法案は、名前は政党助成法案となっておりますけれども、中身はまさに自民党助成法案であると言わざるを得ないのであります。このことを申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕

発言情報

speech_id: 112105254X00819910912_014

発言者: 細川律夫

speaker_id: 30354

日付: 1991-09-12

院: 衆議院

会議名: 本会議