渡辺美智雄の発言 (外務委員会)

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○渡辺(美)国務大臣 この新秩序、世界の新しい秩序という言葉は共通して使っておりますが、これたといって、はっきりした、きちっと微動だにしないというものはないのですね。これは私は、その国々によってニュアンスがそれぞれ多少違っているんじゃないか。
 しかし、私の考えている新しい世界の平和秩序というのは、ちょうど第二次大戦が終わりまして国連というものができたわけです。あのときは、もう二度と戦争はやるまい、そして現在つくられた地図ですね、世界の地図というものは武力によって変えることはすまい、そしてみんなが協力し合っていこうという念願を込めて国連というものはできたわけでございますけれども、現実はどうであったかというと、ベトナム戦争も起きたし、朝鮮戦争も起きだし、キューバの革命も起きたし、動乱が世界で何回も起きております。
 そこで、米ソの対立というものができまして、西と東の旗頭の米ソが軍備増強をやって、お互いに宇宙開発をやり、また海の支配を目指して軍艦もたくさんつくる。それから核兵器の開発をやる。やってきたんだけれども、これは莫大な金がかかってしまって、どちらも財政的にしんどいことになったということは間違いないのですね。ソ連はあのような状態になったし、アメリカとて三千億ドルからの軍事費を毎年使っていくということになれば、日本の金にすれば四十兆以上の金を使うわけですから財政圧迫にならないはずがない。やはり三千億ドル近い財政赤字はなかなかカットできない、これも現実の姿。
 そういうようなことになって、ソ連の方もやはり軍拡競争はやめようではないかということでいろいろな軍縮協定が結ばれ、またさらにそれが深められようとしている。こういうことで、超大国による世界の秩序というものはなかなか言うべくして難しくなってしまった。私は、そういうことでやはり超大国の軍縮というものがどんどん進められて、それからそれが世界にだんだん波及をしていく。軍縮のムードというのが全世界に出てくることは結構なことでございます。
 しかしながら、一方においてはイラクのフセインのような人がいたことも事実ですし、今後あらわれないという保証もありません。そういうときにだれが世界の戦争を予防し、そして、あるいは万一地域紛争が起きた場合はだれが調停し、介在し、拡大させないでやめさせるか、やめた後はどういうふうにしてそれを管理していくかということになれば、やはり私は国連しかないと思うのですね。
 したがって、世界新秩序というものの中核になるものは、やはり国連の機能の強化ということが方法論としては大事だろう。戦争のない平和な世界をつくっていくというためには、先ほどもお話しいたしましたが、みんなが協力し合ってやっていくほかはないわけでございますから、それは今言ったように軍備管理の問題だってみんなで話し合いをしていかなければできないことでございますし、それからソ連支援ばかりではなくて多くの発展途上国の救済やあるいは援助、育成、こういうものもやはり世界的な話し合いをもってやらなければならぬ。環境の問題もそうだ、麻薬もそうだ、テロの対策もそうだということになって、そういうようなみんなが共通する問題を真剣に話し合いの上で解決していくことによって平和な新しい世界秩序ができる、私はそう思っておるし、経済面でもウルグアイ・ラウンドの成功というのは私は新しい世界秩序をつくるための一つの方法である、そう考えております。
 だから、新しい世界秩序というのは何なんだ、定義で言ってみると言われても、明確にきちんとこういうものですと言うことは、ちょっと私はなかなか言えないのです。何となく頭には浮かんでおるけれども、だれしもこれだということを言える人はいないのじゃないかと思いますが、いかがなものでしょうか。もし知っていれば教えてもらいたいと思うのです。

発言情報

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発言者: 渡辺美智雄

speaker_id: 9286

日付: 1992-02-26

院: 衆議院

会議名: 外務委員会