外務委員会

1992-02-26 衆議院 全254発言

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会議録情報#0
平成四年二月二十六日(水曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 麻生 太郎君
   理事 新井 将敬君 理事 鈴木 宗男君
   理事 浜野  剛君 理事 福田 康夫君
   理事 宮里 松正君 理事 上原 康助君
   理事 土井たか子君 理事 遠藤 乙彦君
      唐沢俊二郎君    鯨岡 兵輔君
      古賀 一成君    長勢 甚遠君
      松浦  昭君    山口 敏夫君
      五十嵐広三君    井上 一成君
      伊藤  茂君    伊藤 忠治君
      川島  實君    藤田 高敏君
      神崎 武法君    玉城 栄一君
      古堅 実吉君    和田 一仁君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 渡辺美智雄君
 出席政府委員
        防衛施設庁労務
        部長      荻野 貴一君
        外務政務次官  柿澤 弘治君
        外務省アジア局
        長       谷野作太郎君
        外務省北米局長 佐藤 行雄君
        外務省欧亜局長 兵藤 長雄君
        外務省経済局長 小倉 和夫君
        外務省経済協力
        局長      川上 隆朗君
        外務省条約局長 柳井 俊二君
        外務省国際連合
        局長      丹波  實君
        外務省情報調査
        局長      鈴木 勝也君
 委員外の出席者
        環境庁自然保護
        局野生生物課長 菊地 邦雄君
        環境庁水質保全
        局企画課長   小澤 三宜君
        労働省労働基準
        局安全衛生部労
        働衛生
        課長      下田 智久君
        外務委員会調査
        室長      市岡 克博君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 旅券法の一部を改正する法律案(内閣提出第二
 三号)
 国際情勢に関する件
     ————◇—————
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麻生太郎#1
○麻生委員長 これより会議を開きます。
 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松浦昭君。
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松浦昭#2
○松浦(昭)委員 私は、このたび外務委員会に所属することとなりました松浦昭でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
 承るところによりますと、当委員会が外交問題一般につきまして御討議をなさいますのは半年ぶりということを伺っておりまして、また、渡辺外務大臣に初の御質問をいたすことになりますし、激動する国際情勢につきまして一番手で御質問をさせていただきますので、かって大臣のもとで働かせていただきました者といたしましても大変光栄に存じているところでございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
 さて、申すまでもなく、世界は百年に一度あるかないかというような大激動の時期にございます。まさか崩れることがあるまいと思っておりましたベルリンの壁がドイツ民衆の手によって打ちこぼたれました。また、昨年十二月には東西両陣営の一方の雄でありましたソ連邦が消滅するという事態にもなりました。ロシア革命以来七十余年の共産主義というものがロシアから姿を消したわけでございます。また、このことは戦後四十六年、東西の冷戦構造という形の中で人類の頭にダモクレスの剣のごとくのしかかっておりました対立を取り除きまして、戦争という悲劇を起こさない状態で民主主義の勝利が確定したということは非常に意義のあることだったと思う次第でございます。
 しかし、同時に世界はまさに流動の時期にございます。東側の地域におきましても、計画経済の残しましたいわゆる経済の破綻が大きなものがございますし、またアジアを初めとする多くの地域は、今後このヨーロッパに起きました変動をどう受けとめていくか、その行方が非常に不明な状態でもございます。
 また、アメリカを初めとする西側の陣営につきましても、突如生じました東側陣営の崩壊という事態に対処いたしまして、その処方せんが完全に書けてはいないというような気もいたしますし、国連もまた十分な機能を果たす状態にはなっておりません。
 このような世界の激動の時期に当たりまして、世界第二の経済大国となった我が国が世界の平和と安定に寄与するということは非常に大きな使命でありまして、また我が国一国をとりましても、平和と安全を図る上で外交のかじ取りということが非常に大切な時期に入っていると思うのでございます。
 このような時期に当たりまして、どのような基本姿勢でお臨みになるのか、外務大臣の御所見を承りたいと思います。
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渡辺美智雄#3
○渡辺(美)国務大臣 今松浦委員からお話がありましたように、本当に予断を許さない激動の、不確実性の時代だと言って差し支えないと存じます。十年前に今のような世界情勢になると考えた人は恐らく一人もいなかったんじゃないか。私もその一人でございます。
 ソ連が崩壊をして共産主義をやめて市場経済に移行して、民主主義、自由、人権、そういうような社会制度をとるということになったことは大変喜ばしいし、米ソの間で緊張の下地になっておったいろいろな核兵器についても、大陸間弾道弾の削減あるいは中距離核ミサイルの全廃、それから、ひいては戦術核の廃止という方向に将来向かっていこうという話し合いが始まり、一部実現をされた、大変これは喜ばしいことだと我々は思います。したがって、この喜ばしいこと、希望することは、これはどこまでも我々としては平和国家日本として助言もし支援もし推し進めていくというような世界平和のために貢献するということは、一つの大きな外交の柱でございます。
 しかしながら、それと同時に世界が非常に、ばらばらの国が幾つもできてくるということになると、それが民族的な対立、宗教的な対立、こういうことになって大きな枠組みでのコントロールがきかなくなって、一方地域紛争があっちもこっちも起きる危険性がないとは言えないわけでございますから、それをどうして未然に防止していくかということでございます。これは一国だけでどうこうということができないわけですから、やはり国連というものの見直し、国連の原点に返った、この時代に合ったような国連というものをつくり、それを強化をして世界の平和維持に当たっていく。
 そのために日本はどういう貢献ができるのか。日本は今言ったように経済大国だと言われておるわけでございますので、やはり一国だけの繁栄というものは長続きいたしません、今や世界は一つでありますから、一つになりつつあるわけでありますから、それらの発展途上国を自立、自活できるようにしむけていって、貧困をなくすあるいは病気をなくすというようなことに対する経済協力、これは欠くべからざるものである、そのように考えておるわけであります。幸い日本にはある程度の資金、技術というものがございますので、こういう面での国際貢献というものを果たしていく必要がある、そのように考えております。
 その他、環境の問題等におきましても、今や一国だけでというのではなくて、地球はちっちゃくなってしまって、多くの開発、工業化が進むというと、野方図にやられればそれは世界環境に影響するし、森林の、アマゾンの伐採その他も含めまして、そういうような環境問題というものも、これは一国だけではなかなかうまくいかないからやはり全世界的なものとしてとらえていかなければならぬ。日本は環境面についてはある程度のリーダーシップがとれるという経験と立場にございますので、これらも大いに貢献していかなければならぬ。
 また、一千七百万と言われる世界の難民問題、そういうような問題もこれは世界的な問題でありますし、麻薬の問題も、ただ入ってくるのを防止するというだけではなかなか後を絶たないわけですから、これらも世界的な問題でありますので、そういうような問題等について我々は憲法の精神に従って大いに今後貢献をしていきたい。
 そのためにはまず何といっても日本自身の経済の繁栄を持続させる、これが基本でありまして、なかなか厄介な問題が幾つもございますが、日本の経済がおかしくなれば日本がおかしくなるということで、日本から経済を引いたら何も残らぬと言われても、全くそう言われればそうかも知らぬなと思うところでございますので、国内閣届もやはりしっかりしていくことが世界に対する貢献だ、さように考えております。
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松浦昭#4
○松浦(昭)委員 大変ありがとうございました。
 いろいろお尋ねいたしたいことがございますが、何分時間が制約されておりますので、激動の目でございます旧ソ連邦、今ではCIS、独立国家共同体と言うのではないかと思いますが、この点に絞ってお伺いいたしたいと思います。
 ゴルバチョフ大統領がペレストロイカあるいはグラスノスチ路線を推進いたしまして旧ソ連邦の民主化と市場経済への移行を果たしていったということは特筆すべきことであったと思いますが、昨年八月に生じたクーデターを経ましてエリツィン政権が誕生いたしまして、一方では民族独立の機運の発展とともにソ連邦の解体あるいはバルト三国等の独立、また残った共和国による独立国家共同体というものが発足をいたしたところでございます。
 しかし、この間ソ連経済は非常に悪化の一途をたどっておりまして、特に端的に、ルーブルの価値が大幅に下落するとか、あるいは流通段階の不備もありまして物資が不足する、また本年一月実施しました価格の自由化にいたしましても必ずしも生産の刺激になっていないのではないかと言われておるわけでございまして、賃金と物価の悪循環ということも懸念されているわけでございます。
 また一方、旧ツァーリズムと申しますか、その時代に、あるいはスターリンの独裁時代に行われましたロシアへの各国の併合といったような状態で、これらの国々が次々と独立をいたしましたし、また旧ソ連邦から離れていっただけではなくて、CISにとどまりました諸国につきましても、例えばウクライナというような国は独自の軍隊あるいは独自の通貨を要求するということになっておりまして、これも将来は独立をしていくようなことになるのではないかというふうに言われているわけでございます。
 このような状況の中にありまして軍の方はどうかと申しますと、統一軍と共和国に帰属する軍隊とに分かれてきたわけでございますが、やはり黒海の艦隊のウクライナ帰属という問題等いろいろな問題もございますし、また一昨日のテレビでございましたか放映を見ておりましたら、キエフ近郊の戦略爆撃機の師団が、一体ウクライナ軍に入るのか、それとも統一軍に入るのかということで大激論を闘わせているというような非常に動揺した状況でございます。また一方で、中堅軍人を中心といたしました五万人集会というようなものも見させていただきまして、旧共産党と、保守派でございますが、そういったものと軍との動向というのはやはり目が離せないという状況にあります。
 このような混沌たる状況が旧ソ連邦の現状でありまして、その帰趨は定かではなく、また予断を許さないという状況にあると思うのでありますが、外務省としてはこのような事態に対応いたしまして情勢をはっきり分析しておかなければいけないと思うのであります。このような観点からいたしましてどのように外務省がこの事態を見ておられるのか、事務当局から御答弁をお願いしたいと思います。
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渡辺美智雄#5
○渡辺(美)国務大臣 今御指摘がございましたように、ソ連邦の中でも各民族がそれぞれ独立をするということで民族問題というのが一つございますし、一方、市場経済というものに踏み込んでエリツィンさんは非常に短日月でそれを実現しようという大変な意気込みでスタートいたしておりますが、これがうまくいくのかどうか、どういうふうにしてやればうまくいくのか、実際はまだしっかりとつかむことができないという問題がございます。
 その次が軍の問題。あそこでは膨大な核兵器を初めたくさんの武器を持っておりますので、これらの管理を本当に、統一的な厳正な核管理というものを本当にしてくれるのかどうか。してもらわなければ困るわけですから。本当はなくしてもらうのが一番いいわけですが、その過程をどういうふうに我々は認識し、それを支援していくかということなど、まだ本当にこうすればいいという決め手というものはなかなか実際にないと思うのですね。ないけれども、しかしながらやはり昔に逆戻りするというようなことは困るわけでございますし、本当に平和的、民主的国家になっていただきたいし、またソ連がしっかりすれば、日本は極東においてソ連と隣接をしておって、多くの資源が存在するということでありますから、日本の国のためにもなるし世界にも貢献できる、そういうようなことで、いろいろ向こうの現状を見ながら、日本だけの支援ということは到底できないことですので、それは世界の国が集まって、できるものからやっていこうということであります。
 最近の目新しいものとしては、科学技術センターのようなものをつくって、ソ連の核技術者が海外に頭脳流出しないようにやろうじゃないかというようなことなどは、それは本当に一つの動きであるし、またこの間アメリカで緊急の人道的な当面の援助をやろうということで、我が国も参画をして六十五億円の無償資金及び物資を提供して、しかも日本みずからが北方四島を初め極東に配るとかいう仕事も現に始まっているわけであります。
 したがいまして、ソ連との関係はいろいろあるわけでございますが、いずれにせよ我々とソ連との間にはいまだに戦後平和条約が結ばれていないということでございますので、これを片づけないとやはり本格的な支援に踏み込んでいけない。したがって、一刻も早く懸案の北方領土問題を片づけてソ連との間に平和条約を結んで、そして世界の先進国と一緒になってそれらの支援体制を構築していきたいという考えてあります。
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松浦昭#6
○松浦(昭)委員 どうもありがとうございました。
 ただいま大臣からもお話がありましたように、いま一つの大きな問題は、ソ理解体に伴いまして、戦略核の方はまだ統一的に管理ができるにしても、戦術核は非常に難しいということを伺っております。特に弾頭数でも四万発とか二万発とか数もわからないような状態でありまして、さらに先ほどお話がございました技術者の流出というようなことになりますと、世界に核の脅威がまき散らされるという事態が起こりますので、日本としても世界唯一の被爆国でありますから、そしてまた非核三原則というのを守ってまいった国でございますので、大臣、ひとつ我が国としてどのような協力ができるか、そしてまた将来このようなことがないように十分な御配慮をお願いいたしたいと思う次第でございます。
 また、援助のお話にも触れられたわけでございますけれども、特にまだ旧ソ連が流動的な状態でありますが、我が国にとってかって脅威でありましたいわゆる怖いソ連邦がもう一度復活するということになりますと大変なことでございまして、特にこの地域を安定化していくということは非常に重要な課題であると思っているわけでございます。もちろん人道的な観点からもあるいは世界の平和、安全に貢献するという観点からも多額の援助が必要であると言われているわけでありまして、日本も、ただいま大臣おっしゃられましたように、信用供与二十五億ドル、さらに無償支援六十五億円という援助の約束をしておられるようであります。
 しかし、この援助はある意味では泥沼と申しますか、非常に厳しいソ連の経済の状態の中で、そこに援助をつぎ込みましても、西側と競争できるような産業構造をつくっていくには非常に難しい、多額の援助を必要としてしまうのじゃないかという気がいたすわけでございます。やはりソ連の自助努力なくして到底経済構造を変革していくというようなことは難しいのじゃないかと思うわけでございますが、そういうことを考えますと、極東の地域というものを中心にして、特にまた自助努力の援助をしていくような方向でやはりソ連の援助というものは行われるべきであるという感じがいたします。
 しかし一方で、四島の問題をめぐる政経不可分の原則もあるわけでございますけれども、やはりここは旧ソ連邦の地域内を安定させるということが急務中の急務であると考えられますので、もちろん政経不可分の原則はございますが、やはり一歩踏み込んで、非常にデリケートな問題でございますけれども、ソ連の経済再建ということに向かって努力をしなければならないと思います。
 ただいま御答弁半ばございましたけれども、もう一度大臣から援助の方針について承れればありがたいと思う次第でございます。
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渡辺美智雄#7
○渡辺(美)国務大臣 それは援助といいましても限りのあることでございまして、どこまでもそれは自助努力でやって、それによってその手助けをする、資金面あるいは技術面。それはもう我々の基本的な考え方であります。
 要するに、ずっとあれだけの民族をみんなで、自分たちが働かないでいい暮らしをさせるということはそれは不可能ですから、それはどこの国だって同じですよ。だから一刻も早くソ連の中がまず固まってもらう、しっかり権限も、ロシアの権限はここからここまで、州の権限はこれからこれまでというようなことでそれをはっきりさせてもらわないと、せっかく去年二十五億ドルの融資及び保険の枠を提供いたしましてもサインする人がいない、だれがサインしていいかわからないということでは消化できないということで、延び延びになってきているわけですから、やはり国内体制を一刻も早くしっかり築き上げてもらいたい。そのノーハウを教える必要があるのでしょう。ソ連のある学者が私のところへ来まして、ソ連で今一番大事なのは要するに道徳心と市場原理のノーハウだと言った人がいますが、これも私は非常に重要なことじゃないか、そのように思っております。
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松浦昭#8
○松浦(昭)委員 最後に四島の問題について、これに関連して御質問をいたしたいと思う次第でございます。
 北方四島の返還は全国民の長年にわたる悲願でございます。ただ、今まで御質問いたしましたような情勢の中で成立いたしましたエリツィン政権でございますが、エリツィンさんが、この問題の解決につきまして加速化のプロセスに賛成するということを述べておられましたことは、一つの大きな重要な発言だというように承っておるわけでございます。
 また外務大臣がこの一月にモスクワを訪問されまして、その際にコズイレフ外相と会談されまして、北方四島に関する平和条約作業グループ会議の開催を決めていただき、また三月の同外相の訪日にも合意をしておいでになりましたことは大きな前進だというふうに受け取っておるわけでございます。
 またエリツィンさんも九月にはおいでになるというお話も承っているところでございますが、特にロシア側の態度は、一八五五年の日露通好条約を認めたということと、また先般の外相会談でも一九五六年の共同宣言の有効性を認めたということは非常に大きなアプローチであると思っておりまして、非常に高く評価するところであります。
 しかしながら、四島問題に関しましては、やはりロシア共和国内、特に四島の地に住んでいる人あるいはロシア内部の保守派、さらには愛国勢力と称される勢力が反対をするというような状況にありまして、なかなかロシア政府が簡単に対処できないという要素もあるのではないかというふうに思われるわけでございます。
 そこで、二月の十日、十一日にモスクワで行われました平和条約作業部会の場において、斉藤外務審議官がお出になったようでありますが、向こうのクナーゼ次官との話し合いがどのような路線であったか、簡単で結構でございますからお伺いいたしたいことと、もう一つは、実は昨二十五日の新聞報道等によりますると、四島周辺の二百海里の中で、ロシアと韓国との合意によりまして韓国側があの水域で操業できることとなったということを報道されているわけでありますが、この海域は、昭和五十二年に二百海里の交渉で苦労いたしました者たちにとりましてはこの報道は大変なショックでありましたし、また我が国の漁民の感情も刺激されたと思うところでございます。
 あの地域は非常に国際法的にも難しい地域でございますので、ひとつ真相はどうなっているのか、またどのような対処をなさるのか、お伺いしたいと思っております。
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兵藤長雄#9
○兵藤政府委員 最初の二月十日、十一日に開かれました第一回目の日ロ平和条約作業グループの大要でございますが、一言で申し上げれば、過去八回日ソ平和条約作業グループの中で行われました北方領土問題につきましての歴史的な側面、それから法律的な議論、これは相当詳細にわたったわけでございますが、今回仕切り直しということで、参加する相手も異なりましたので、過去の議論をすべて総括をいたしまして、それぞれの主張点、論点を整理し、こういう理解で今後日ロ平和条約作業部会を進めるということでいいかという、この確認に最大の主眼を置いたわけでございます。
 この目的は私どもはほぼ達せられた、従来の八回にわたりました平和条約作業グループでのいろいろな議論、ロシア側の論点、日本側の主張、その違い等はぼそのとおりの認識でいいというロシア側からの回答があったわけでございます。
 それから、二番目に御指摘でございました韓国とロシア連邦政府との漁業に関します合意でございますが、これは昨年ロシア連邦と韓国政府との間で漁業協定が結ばれて、それに基づきまして本年度の具体的な漁獲量、地域、水域あるいは漁期を取り決める交渉を行ってこのほどまとまったということでございます。
 早速ロシア連邦外務省並びに韓国政府外務省に照会をいたしました。ロシア、韓国両方で、日本海水域、サハリン周辺水域と並びまして、確かに報道されましたように我が国の領土でございます北方領土周辺水域も漁獲の対象水域として含まれておるということのようでございます。今詳細なお確認中でございますが、韓国政府は、日本がロシアとの間で合意に基づいて漁獲をしているその水域で自分たちもとることに合意したんだ、こういう説明でございます。
 いずれにいたしましても、詳細、細かい点はなお確認中でございますが、ロシア連邦政府につきましては、まさにここがこれから日ロの間で真剣な交渉を始めるという時期に来ている、こういう時期である。にもかかわらず、第三国に漁獲を許容するような合意をつくったという点。韓国につきましては、従来よりこの地域で合弁事業等のうわさが絶えなかったものですから、従来より韓国政府に対しましては、この地域における合弁その他の活動については日本政府の立場というものをきちっと説明をし理解を求めていたところでございますので、こういう合意ができたということは極めて遺憾な事態だと認識しております。詳細詰めた上で具体的な申し入れを行いたいというふうに考えておるわけでございます。
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松浦昭#10
○松浦(昭)委員 四島の問題につきましての大臣の御決意を最後に伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
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渡辺美智雄#11
○渡辺(美)国務大臣 時間の都合もございますから簡潔に申し上げますが、我々は、この北方四島の解決については、今いろいろお話があったような線に沿いまして、考え方によっては非常にチャンスでもありますし、積極的に進めてまいりたいと考えています。
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松浦昭#12
○松浦(昭)委員 終わります。
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麻生太郎#13
○麻生委員長 土井たか子君。
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土井たか子#14
○土井委員 渡辺外務大臣は、御就任のときにごあいさつなさるのをテレビで拝見しておりますと、言葉には気をつけますとおっしゃっている。本来渡辺外務大臣は、はっきり思っていることを、しかもずばずばおっしゃるというところが特徴だと私は思ってまいりました。言いにくいこともおっしゃるというのがまた特徴だと思ってまいりました。大いにそのことを外交の中で生かしていただくということが私は大事だと思います。きょうは私、久しぶりで質問をさせていただくわけでございます。六年ぶりだと思いますが、大臣の意のあるところをどうぞきょうは思う存分お聞かせいただきたいと思うのでございます。
 まず初めに、本会議での外務大臣の外交演説を承りました。その中で、新しい世界平和秩序を構築するための国際協力を力説なさっておられます。一体中身としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるかというところがまず承りたいのでございます。
 と申しますのは、このところ新世界秩序という言葉がよく用いられます。これはアメリカのブッシュ大統領が一九九〇年秋からこの方使われている言葉でもあり、日本でもよく使われるわけでありますが、この新世界秩序という言葉と、外務大臣がおっしゃっている新しい世界平和秩序という中身とは同じなんでしょうか、違うんでしょうか。そういうことも含めて御見解をまず承りたいと思います。
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渡辺美智雄#15
○渡辺(美)国務大臣 この新秩序、世界の新しい秩序という言葉は共通して使っておりますが、これたといって、はっきりした、きちっと微動だにしないというものはないのですね。これは私は、その国々によってニュアンスがそれぞれ多少違っているんじゃないか。
 しかし、私の考えている新しい世界の平和秩序というのは、ちょうど第二次大戦が終わりまして国連というものができたわけです。あのときは、もう二度と戦争はやるまい、そして現在つくられた地図ですね、世界の地図というものは武力によって変えることはすまい、そしてみんなが協力し合っていこうという念願を込めて国連というものはできたわけでございますけれども、現実はどうであったかというと、ベトナム戦争も起きたし、朝鮮戦争も起きだし、キューバの革命も起きたし、動乱が世界で何回も起きております。
 そこで、米ソの対立というものができまして、西と東の旗頭の米ソが軍備増強をやって、お互いに宇宙開発をやり、また海の支配を目指して軍艦もたくさんつくる。それから核兵器の開発をやる。やってきたんだけれども、これは莫大な金がかかってしまって、どちらも財政的にしんどいことになったということは間違いないのですね。ソ連はあのような状態になったし、アメリカとて三千億ドルからの軍事費を毎年使っていくということになれば、日本の金にすれば四十兆以上の金を使うわけですから財政圧迫にならないはずがない。やはり三千億ドル近い財政赤字はなかなかカットできない、これも現実の姿。
 そういうようなことになって、ソ連の方もやはり軍拡競争はやめようではないかということでいろいろな軍縮協定が結ばれ、またさらにそれが深められようとしている。こういうことで、超大国による世界の秩序というものはなかなか言うべくして難しくなってしまった。私は、そういうことでやはり超大国の軍縮というものがどんどん進められて、それからそれが世界にだんだん波及をしていく。軍縮のムードというのが全世界に出てくることは結構なことでございます。
 しかしながら、一方においてはイラクのフセインのような人がいたことも事実ですし、今後あらわれないという保証もありません。そういうときにだれが世界の戦争を予防し、そして、あるいは万一地域紛争が起きた場合はだれが調停し、介在し、拡大させないでやめさせるか、やめた後はどういうふうにしてそれを管理していくかということになれば、やはり私は国連しかないと思うのですね。
 したがって、世界新秩序というものの中核になるものは、やはり国連の機能の強化ということが方法論としては大事だろう。戦争のない平和な世界をつくっていくというためには、先ほどもお話しいたしましたが、みんなが協力し合ってやっていくほかはないわけでございますから、それは今言ったように軍備管理の問題だってみんなで話し合いをしていかなければできないことでございますし、それからソ連支援ばかりではなくて多くの発展途上国の救済やあるいは援助、育成、こういうものもやはり世界的な話し合いをもってやらなければならぬ。環境の問題もそうだ、麻薬もそうだ、テロの対策もそうだということになって、そういうようなみんなが共通する問題を真剣に話し合いの上で解決していくことによって平和な新しい世界秩序ができる、私はそう思っておるし、経済面でもウルグアイ・ラウンドの成功というのは私は新しい世界秩序をつくるための一つの方法である、そう考えております。
 だから、新しい世界秩序というのは何なんだ、定義で言ってみると言われても、明確にきちんとこういうものですと言うことは、ちょっと私はなかなか言えないのです。何となく頭には浮かんでおるけれども、だれしもこれだということを言える人はいないのじゃないかと思いますが、いかがなものでしょうか。もし知っていれば教えてもらいたいと思うのです。
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土井たか子#16
○土井委員 今の御答弁の中では、国連の機能を活性化させていく、そしてその国連に対してやはり改革もしながら協力していくという姿勢がうかがい聞こえたわけでございますが、そういう問題は時間をかけてまた当外務委員会で、国連のあり方とか国連に対しての協力ということについては大いに審議をする必要があるというふうに私は考えているわけであります。その問題は、また時間をかけて別の機会にいたします。
 外務大臣の演説の中で、特にこれは一つの項目を起こして、「旧ソ連邦の国々の国内的な混乱を回避し、その民主化、市場経済導入のための努力を支援し、成功に導くことは、国際政治の当面の重要課題であります。」というふうにおっしゃっています。そして、それに先立つところで、先ほどおっしゃったとおり、「旧ソ連邦における核兵器の管理は、世界の平和と安全に極めて大きな影響を及ぼす問題であります。」と述べておられます。
 まず、そこでお尋ねをしたいのでございますが、旧ソ連との間に締結されました条約、交換公文、覚書、それはそのまま継承されていると考えていいのでございますか。
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渡辺美智雄#17
○渡辺(美)国務大臣 そのように理解をしております。
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土井たか子#18
○土井委員 それは大臣、どこで決まったのでございますか。
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柳井俊二#19
○柳井政府委員 旧ソ連と現在のロシアとの関係につきましては、現在のロシアは旧ソ連を継承すると申しますか、それと同一の国家であるという考え方でございます。したがいまして、旧ソ連の締結した条約は当然に現在のロシアによって継承されると申しますか、その権利義務関係は現在のロシアが持っているという考え方でございます。すなわち、同一の国家であるという考え方でございます。
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土井たか子#20
○土井委員 という考え方でございますとか、というふうに理解しておりますとか、というふうに思いますとか、というふうに認識しておりますという問題じゃないので、これはやはり相互間では条約とか覚書とか交換公文というのは、はっきりお互い同士が確認した上でできている問題でありまして、約束事なんです。思っている限りで、あるいは類推する限り、そのように認識している限りで済む問題じゃないと思うのです。
 これは、今おっしゃるのは、ロシア共和国ですか、相手は。ロシア共和国との間に従来の条約、交換公文、覚書、一切全部継承するということをお互いが約束されて、あるいはそのことに対して文書の取り交わしまであるのが大体普通じゃないかなと思われるわけでありますが、そういう場面今まであったでしょうか。
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兵藤長雄#21
○兵藤政府委員 ロシア連邦政府との間におきましては、一月十三日付の口上書の交換をいたしております。その中でロシア側の返簡の中にも、「ロシア連邦は、ソヴィエト社会主義共和国連邦が締結した国際約束から生ずる諸権利の行使及び義務の履行を継続する。 同様にロシア連邦政府は、ソ連邦政府に代わって、関係する多数国間条約に関する寄託国としての任務を遂行する。」等々の確認を行い、また我が方からも同様の文書を交換いたして、その点の確認を行っております。
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土井たか子#22
○土井委員 それは斉藤さんがなすったのですか。相手方はどなたですか。
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兵藤長雄#23
○兵藤政府委員 この文書の形式は口上書の交換でございます。したがって、だれからだれにという形式は今回はとっておりません。
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土井たか子#24
○土井委員 口上書とおっしゃっても、日本国を代表する立場、ロシア共和国を代表する立場、お互いがその国を代表する立場において取り交わす中身でしょう。したがって、どなたがそこに行かれたのかということを私は聞いているのです。
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柳井俊二#25
○柳井政府委員 土井先生もよく御承知の点でございますけれども、いわゆる口上書というものは通常外務省とその国に派遣されております外交使節団、すなわち大使館との間で交換をされるものでございます。したがいまして、今回のただいま欧亜局長が答弁いたしました口上書につきましては、ロシア外務省と在モスクワの我が方の大使館の間で交換されたというものでございます。
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土井たか子#26
○土井委員 そうすると、従来取り交わされてきた条約、交換公文、覚書、一切は有効に存続しているということがお互いの間で確認されている、そしてそれが約束されているというふうに理解してよろしゅうございますね。
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柳井俊二#27
○柳井政府委員 そのように御理解いただいて結構でございます。すなわち、これまで日露間で締結されました条約その他の国際約束は引き続き有効であるということが確認されたということでございます。
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土井たか子#28
○土井委員 そこで、それではお尋ねしたいのですが、旧ソ連は核兵器不拡散条約を締結している当事国です。それを継承するのはどこですか。ロシア共和国ですか、どこですか。
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柳井俊二#29
○柳井政府委員 核不拡散条約の締約国としていわゆる核兵器国の地位を継承するのはロシアでございます。
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