阿部未喜男の発言 (議院運営委員会)

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○阿部(未)委員 今、与謝野先生から非常に含蓄のあるお話を承りまして、非常に同意する点が多いのでございますが、まず私は、議院運営委員会の任務というものは、議長を補佐しながら諸法令にのっとって国会の運営を円滑に進めていく、これが政党政派を超えて議院運営委員会が求めなければならない姿勢であると思っております。しかし、今日なお、国会の中で相当な改革は行ってきましたが、まだ多くの課題があり、改めなければならないもの、明確でないもの、そういうものについてやはり提案をしていきたいと思います。
 第一点は、今、与謝野さんからもお話がございましたけれども、これはもう憲法で明確なように、国会は国権の最高機関であって唯一の立法機関であると定められておりますから、まず議案等あるいは法律案の発議は、第一義的には議員が行うべきものであると考えます。
 しかし、今日、政府にも提案権がありますから、ほとんどの法案等が政府から提案をされて、それに対する質問が中心になっておるということは、今お話のあったとおりだと思います。しかし、これは議員みずからにも問題がある。その一つは、議員立法を提案してもまことに軽く扱われてしまう。少なくとも形の上でも、議員立法が提案をされれば、これは優先的に本会議、委員会で審査をされなければならない。それが立法府としてのあるべき姿である。これは、私は、各党側異論のないところだと思いますけれども、そういう形の上から入っていって、議員立法をもっと充実強化させることが立法府の責任ではないだろうか、こういうふうに考えております。
 それから二点目は、今日、委員会が、しかられるかもわかりませんけれども、非常に形骸化しておるように思われます。その理由を考えてみますと、例えば委員会の定足数、「委員会は、その委員の半数以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。」国会法四十九条に、委員会成立の要件が明確に定められております。しかし、今日この成立要件を満たして審査が進められておる委員会がどのくらいあるだろうかと考えてみますと、始まりとか終わりには顔を出しても、その審査中にはほとんど席を離れて成立の要件を欠いておる。これはまことに委員会が形骸化しておると言わなければならないゆえんでありまして、これからは、お互いに議員ですからそれぞれの委員会に出席をする義務を痛感しなければならないのではないか。ただ、お話のありましたように、一人最低一つの委員会を持っておるわけですから、特別委員会等と兼務される方々、こういう方々はあると思います。しかしその場合でも、可能な限り差しかえ等によって委員会には全員が出席するようにすべきではないのだろうか。
 それからもう一つは審議時間、これが非常に問題になるのですが、委員会によって違うようです。ある委員会では一人一時間、これは重い法案だから一人二時間の質問時間を保障する、もちろん、やらなければならぬというのじゃなくて、これを最低、議員として要求があれば保障するというような運営のところと、この法案は何時間で通すという、初めから通す出口の方の時間まで決めてしまって、これはフランス料理のメニューじゃないのですから、四時間コース、五時間コースなどで法案を通すというのは間違いだ。少なくとも議員である限り、質疑があれば堂々と質疑をし、意見を述べる、その時間を与える、そのためには、それぞれの法案によって理事会で話し合いがあると思いますけれども、一人の議員が質問をする時間を、例えば最低一時間なら一時間以上とかいうふうに確保をし、質問を放棄することは自由ですから、それで全体の時間の調整を図るべきであって、この法案を何時間で通すというような、フランス料理のメニューみたいな何時間コースというものは、各委員会はやはりやめるべきではないだろうかというふうに考えております。
 その三つ目は、これは委員会に対する大臣の出席の問題でございますけれども、申すまでもなく、憲法では六十三条で、内閣総理大臣や国務大臣は「答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。」と明確に規定をされております。そして、委員会は本会議から付託をされて審査をするわけですから、ほぼこの規定に準ずべきものと思われますけれども、委員会にはこういう規定がございます。「委員会は、議長を経由して国務大臣及び政府委員の出席を求めることができる。」こうなっております。
 これは思うに、出席を求められれば当然出なければならないけれども、これまた大臣の場合、それぞれの所管の事項があって、その委員会に出なければならない等の事情はあると思います。したがって、その場合には出られないこともある。それは先例集によってこういうふうに決められております。「国務大臣及び政府委員は、議員から議院に出席を求められたときは、おおむね出席するのを例とする。」この「おおむね」と入ったのは、そういう趣旨があるのだと私は思いますけれども、どこの委員会であろうと、内閣が連帯して行政に責任を負う限り出席をするのが原則である。この場合に大臣にかわり得る者は政務次官しかないと私は解釈をいたしております。
 政府委員は御承知のように、「内閣は、国会において国務大臣を補佐するため、両議院の議長の承認を得て政府委員を任命することができる。」政府委員はあくまでも大臣を補佐するのであって、大臣の代行はできないと考えるべきだと思っております。ただし、政務次官は大臣の職務を代行する、これは国家行政組織法によって明らかでございますから、したがって、先ほど与謝野先生からお話がありましたように、大臣が出られないときには政務次官がかわって出席をして責任を持つ。
 それから説明員というお話がありましたが、説明員という字句は、いろいろ検討してみましたが、特に見当たらないのです。それは、国会の審議を充実するために専門家を連れてくることについて異議はありません。しかし、それがしゃしゃり出て、国会に責任を負わない者が説明員などといって、ある省庁に至っては、他の委員会は説明員をもって対応されるのだというに至っては、まさに国会軽視も甚だしい。これは、あくまでも大臣が出席をする、そして、おおむねそうなっておるけれども、支障があるときには、今申し上げたように政務次官がこれにかわる。それから補佐として政府委員が出席をする。説明員は、向こうの都合で連れてくるなら連れてきてもいい、拒みはしない。ただ、誤解があるといけませんが、我々が議員立法の場合に求めておる説明員というのは、ここに言う政府委員と同じ性格を持つものである、そういうふうに私は理解をしてもらいたいと思っております。
 それではその次に申し上げますと、先ほどお話がありました公的な支出でございますけれども、これは全く同じ意見。特に秘書の増員等については、政党間でも意見の一致を見、また議院運営委員会でも明確に決定しておるにもかかわらず、立法府の予算について行政府がくちばしを入れる、これはまさに本末転倒であると言わなければならないし、法的にも非常におかしいと思います。立法府が要求した予算は、どうしてもできないときにはその旨を議長の方に申し出るのが行政府の責任であって、もともと予算として要求しないという手違いもちょっとあるように私は思います。そこで、議院運営委員会で決まったものについては、事務当局も明確に予算として計上して出して、その後、行政府からの話があれば、それは議長を通じて承るのが筋だろう、こういうふうに思いますので、立法府の予算について行政府がシーリングをするとかくちはしを入れるなどということは、まことに言語道断であると言わなければなりません。
 秘書の増員の問題は既に決定しておることですから、これをいつからやるかということの方が先決ではなかろうかと思っております。
 そのあとの問題につきましては、それぞれ私どもの委員の皆さん等からまた意見があろうと思いますから、総括して以上申し上げておきたいと思います。

発言情報

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発言者: 阿部未喜男

speaker_id: 25809

日付: 1992-06-04

院: 衆議院

会議名: 議院運営委員会