貴志八郎の発言 (建設委員会)

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○貴志委員 とりようによっては、東京の近郊へ移りたいな、そういうふうな希望を持っているときに拠点都市法ができて、東京の近郊が拠点都市になるという場合だってあり得るわけですね。それはもうまさに企業にとっては大歓迎ということになるわけですが、本来、法の趣旨からいうと、それはちょっといかがなものかと言われる部分も地方からいえばかなりあるというふうに理解をしておいてもらわないと、いろいろな誤解を生むことになってくる。そういう点は厳に注意をしながら今の企業の地方への進出というふうなことについてぜひ取り組みをしていただきたいし、また、今度の法律では、産業業務施設の移転ということは考えておるけれども、製造部門の移転なりというふうなことについては考えていないようでありますが、東京湾岸の石油コンビナート、鉄鋼コンビナートというふうなものが、今日の状況からいって、これを将来果たしてどのようなものに持っていくかというふうなことなどは今極めて重要な課題ではなかろうかと思うわけでありまして、そういった点についてぜひ今後の課題として検討をいただかなければならぬと思います。
 時間の関係もありますのでちょっと先を急ぎますが、文部省からもお越しをいただいております。
 それで、地方の問題としてちょっと数字を挙げて申し上げますと、その県の第二の都市で人口十万人以上三十万人以下の都市がない県というのは、ちょっと拾ってみて、拾い残りがあったかもわかりませんが、五県ございました。秋田、和歌山、香川、高知、鹿児島、この五県は、一つ、その県の一番大きい都市は三十万以上あるけれども、あとは十万以下だというところが五つあります。その五県の場合、人口の動態を見てみますと、秋田県でマイナス二一・二、これは四十年対比ですよ。和歌山で一一・九、香川は横ばいで〇・八のプラス、高知がマイナス一七・五、鹿児島が一一・八、いずれも人口減少県になっているのです。こういう姿が出てまいります。
 そこで、例えば私の出身である和歌山県の場合をとってみますと、もう県民総所得が大体四十三番目ですね。所得は東京に比べると半分しかないのです。それから大学教育を受けるために、和歌山県の県外の専修学校を含めて二千名は県外の大学に行っておる。県内に来ているのはせいぜい百か二百ぐらいじゃないかと思うのです。そうすると、二千名の子供が県外で一カ月十万円かかるとして何と二億円かかるわけです。ことし卒業した人で二億円ですから、四年間あるとしたら八億円、再び地元に返らない金が県外へ流出している。一年間で約百億という金が出るわけです。金が出るだけではなしに、今度は卒業してもう地元へ戻って勤める企業がないから就職は外でやる、結婚をする、子供ができる、再び地元には帰らないという構図が人口減少の一つの大きな部分になっておるわけです。
 いろいろな問題がありますけれども、例えば教育の問題だけを取り上げてみますと、和歌山には和歌山大学という国立校がございます。経済と教育、二学部でございます。例えば、本当に地方拠点都市をつくろうと思えば、これは総合大学、理学部もなければ産学共同のそういう計画も成り立たぬ。だから本当は拠点都市法をつくるときに文部省に入ってもらって、そうして大学の再配置なり今後の、例えば私学の移転なり、そういうふうなことを本当はやってもらうと、この拠点都市というものがもっと生き生きとしたものになってくる、その部分がどうも抜けておるのはおかしい。文部省の方は、拠点都市でなかなかそんな方へ勝手に持っていかれたら困るのだ、それはおれの方で決めるべき権限を持っているのだから、そういうふうな考えは成り立たないということでお入りになっていないのかどうか、私はその辺のところをぜひお伺いしておきたいと思います。

発言情報

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発言者: 貴志八郎

speaker_id: 29313

日付: 1992-04-22

院: 衆議院

会議名: 建設委員会