衛藤晟一の発言 (国際平和協力等に関する特別委員会)
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○衛藤(晟)委員 アジアの諸国もまたその大半がPKOへの積極的参加を果たしているとのことでありますけれども、しかりとすれば、世界の各地において、我が国の国民がそれらアジアの人々とともに手を携えて世界平和のために汗を流し、共通の目標達成に向けてPKOを支えていくこと、それによってまさに一層の理解と信頼とが培われていくことになるのではないかというように思います。
私は、我が国の国際平和協力隊の人々が、まさに各地での行動を通じて、ともに働く他国のPKO員との友情を育て、そして相互信頼に最大限の意を用いられるよう心から期待をし、また要望する次第であります。
きょうまでの間、PKO法案について、国会の内外で活発な論議が行われてまいりました。その中の大きなテーマのいま一つは、我が国の憲法との関係が取り上げられてきたことは言うまでもありません。しかし、憲法の言わんとするところを正しく把握するには、その歴史的背景をいま一度見詰め直す必要があるのではないかというように私は思います。
憲法にはこう書かれています。「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてみる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」第九条「戦争の放棄、戦力及び交戦権の否認」というのがあります。一、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」二、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」というぐあいにあります。
さて、そしてまた、パリ不戦条約には、こういうことが書かれています。パリ不戦条約は、第一次世界大戦が終わった後、何とかして世界の平和ができないものだろうかということで、ブリアン・ケロッグ規約とも呼ばれ、アメリカ、フランスが中心になってこの提案ができ上がり、そして世界の各国が条約批准をいたしました。これは「国際紛争解決のために戦争に訴えることを非とし、国策の具とする戦争を放棄することを各自の人民の名において厳粛に宣言する」と規定しています。二条では、「締約国は一切の紛争または衝突はその性質または起因のいかんを問わず、平和的手段によるのほかこれが処理または解決を求めないことを約束する」と宣言しています。すなわち、締約国は、戦争を放棄し、紛争を平和的に解決することを約束したのであります。しかし、連盟の制裁として行われる戦争及び自衛のための戦争はこの限りではないという了解は、あらかじめ当事者国の間で存在していたと言われています。これがパリ不戦条約の実体であります。そしてその限界の中から第二次大戦が起こったという反省にかんがみ、国連憲章ができ上がりましたことは御承知のとおりでございます。そしてその中から先ほど申し上げました日本国憲法ができ上がったことも御承知のとおりでございます。
このパリ不戦条約並びに国際連合憲章そして日本国憲法というものを透かして見るときに、我々の行くべき道ははっきりするというぐあいに思うのであります。これらの規定から明らかなとおり、退けられるべきは国際紛争解決の手段としての武力の行使及び国権の発動たる戦争でありますしかりとすれば、国連PKOへの参加をも憲法九条が禁止しているという主張は歴史的に根拠を持ち得ないというぐあいに思います。
念のために、この法案のもとでPKOに協力することは憲法第九条の禁ずる国際紛争解決の手段なのかどうか、そして国権の発動たる戦争に当たることなのかどうか、総理より簡潔な答弁をいただきたいと思います。