羽田孜の発言 (大蔵委員会)
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○羽田国務大臣 今お話のございました、どうもすりかえじゃないのかということが第一。それから、何か選挙制度の方に偏っているのじゃないのかというようなお話もあったのですけれども、今お話のあった腐敗防止という問題については、それから政治と金の問題については、実はロッキード問題が起こりましたときにもこの問題は延々と議論されたものです。その以前にも実はやられたはずです。そこから倫理規定ですとか行為規範というものが生まれてきたと思うのです。しかし、結果としてまだそういったものが全然後を絶たないというのが現状であり、そして、いろいろな方の調査によりますと、さらにお金がかかっていくというのが現状である。
そういうことで、金と腐敗の問題あるいは癒着の問題とか、いろいろな問題がありますけれども、なぜそこが問題が起こってくるのかということを考えたときに、やはり制度まで踏み込まなければいけないのじゃないのかなということを、私たちも実は大綱をつくるときにも延々と今お話があったことを議論した結果が、やはり制度まで踏み込まないと、結局根っこを絶たないと、言葉だけで幾ら言ってもだめなんだ、幾ら文字にしてもだめなんだという中でそこに至ったということだけは、一応私たちの考えとして御理解をいただいておきたいと思うわけであります。
それともう一点は、これはお金の問題だけではなくて、どうも政治を語るときにも、自分たちの体に痛みを覚えること、こういった問題については、残念ですけれども、本当のことは国会の場でもあるいは私たち政党の中でも議論されない場合というのがあるのですね。同じ選挙区から何人か、三人とか四人こうやって出ておりますと、これは与党ということだけではなくて野党の人も出ておりますと、今この時点を将来に向かって新しく切り開いていくためにはこういうメスを入れなければいけないんだなんという言論をしようものだったら、あのやつがこうしてしまったからあなた方こうなったんですよとやられてしまって、次の選挙もだめになってしまうということがありますから、なるべく難しい問題というのは避けて通るというような風潮も実は生まれてきてしまっておるということ、これも結局制度にあるのじゃないかということ。
ですから、私はもう今、これじゃなければいけないとは言いません。人知のきわみということを申し上げて、私はそう今でも確信を持っておりますけれども、それを言ったのでは皆さんとの議論ができないということでありますから、別にそれにこだわりませんけれども、しかし本当に直そう、本当に新しい政治をやろうというのだったら、やはり制度に踏み込まなかったらできないだろうということを実は私は思っておるということでございまして、そのことを申し上げたわけであります。
それから、総理のところに行ってお話を申し上げた問題については、これは総理とのお話ですから表に、私は党の中でも別にこれは申しておりませんけれども、ただ総理に申し上げたことは、確かに今の審議未了になって廃案になった、これは実は定数是正も審議未了になったのですよね。野党さん何とか御一緒になって出した腐敗防止法も、どういうことか趣旨説明もされずに、質問もなされずに、これも我が党が出したのと一緒に……(池田(元)委員「趣旨説明はしました」と呼ぶ)一緒にこれは審議未了にしちゃった。質問は全然ないままになってしまったんですよね。
ですけれども、私が申し上げたのは、総理に一番申し上げたかったことは、やはり今日の状況というものは非常に閉塞してしまったような状況なんだ、だから、この状況を打破するためには、今幾らどんな新しいいい政策を打ち出したってなかなか理解されませんよ、ですから、本当の政治改革をやらなければいけません。そのためにはやはり全体の一つの構想、この選挙制度についてのやり方とか何かこれはまた議論することとしても、いずれにしても、全体の構想で制度まで踏み込まなければいけないという先行きをきちんと示した上で、それで現実に今すぐやらなければならぬことということをやる必要がありましょう。しかも、将来構想というものはそんな長い期間ではなくて、例えば四年とか五年ぐらいのところまで置きながらやることが大事なんじゃないですかね。そして、当面やることとなると、今の定数是正の問題があります。しかし、これもやはり国民に、もう国会で決議をやったことですから、ある程度きちんとしたものをやらなければいけませんよというようなこと。あるいは政治資金ですとか、そういった問題についてやることもよろしいでしょう。しかし、いずれにしても、ちゃんとした最終的なビジョンというものを示さないといけないということを、大まかに言いましてそういうことを申し上げたということです。
そして、今もう一つだけ申し上げておきますと、この三点セットということ、政治資金と定数是正だけでも大変なんだから、ほかのことまで一緒にやれと言ったってとても不可能だよということなんでしょうけれども、しかし、もうそこまで踏み込まないと、今要するに日本の国はここまで来た、この国をさらにいいものに上げていくために、質のいいものに上げるために、あるいは世界的な役割を果たしていくというような大きな転換の時代に対応できる政治をつくるためには、私は、やはり不可能と言ったのではいけないのであって、そこの意識改革をしないと、そしてそういう改革をしないと、国民もやはりなかなか意識改革ができないであろうと思っております。
そして、国民には私どもも大臣のときに、あるいはその前に、農産物の自由化の問題等をお願いしました。あるいは今商店に対しても大店舗法のお願いをしたり、国際化社会である、ボーダーレスの時代であるということでいろいろなことをお願いしているにもかかわらず、国会議員はどうもみずからの身のことになると、何かつらいことだ、いや、そんな厳しいことできっこないじゃないか。これでは主権在民といったときに、国会というものが本当に国民をリードすることができるのだろうかということを思ったときに、不可能と思われたことを今私たちはやはりやらなければいけないのじゃないのかなというふうに思って、率直に勝手なことを申し上げて恐縮であります。